あらすじ
第1巻
10年前、鬼族の少女のサクラを助けた相田颯斗は、颯斗が18歳になったら結婚するという約束をサクラと交わしたが、サクラはそのあと姿を見せることはなかった。一方の颯斗は約束を交した日以降、颯斗に触れた女性にエッチな災いをもたらすという呪いがかかり、周囲の女性から冷たく扱われるようになってしまう。そんな中、颯斗が18歳の誕生日を迎えると部屋に成長したサクラが飛び込んできて、約束通りに結婚しようと準備を始める。サクラに呪いをかけられたと思っている颯斗は、サクラに呪いのことを問いただすものの、サクラは呪いについてまったく知らないどころか、呪いによって着物がはだけてしまう。事情を理解したサクラは、結婚より先に颯斗の呪いを解くことを提案し、颯斗も呪いを解くためにサクラに協力をお願いする。
第2巻
触れた女性にエッチな災いをもたらす呪いを、相田颯斗にかけた最有力として名前が挙がった鳳条紅葉に対し、鬼族の面々はツリガネ特製の自白剤を飲ませることを提案する。紅葉を信じている颯斗は、その直前で自白剤を捨てるが、近くにいたサクラの姿を見た紅葉は自分の正体が天狗族であることを明かし、さらに10年前に颯斗に呪いをかけたことや、その理由を語り始める。紅葉の思いに感謝しつつも、呪いを解きたい颯斗や手を差し伸べて来るサクラに逆上した紅葉は、睡眠薬で眠らせた颯斗を拉致して飛び去ってしまう。目が覚めた颯斗は紅葉の部屋に連れてこられたことを知り、スキを見て脱出することを考え始めると、そこに親友の星野鷹晴が現れる。
登場人物・キャラクター
相田 颯斗 (あいだ はやと)
北高校に通う高校3年生の男子。種族は人間で、年齢は18歳。10年前に人間の子供にいじめられていた鬼族のサクラを助けたことで、サクラと結婚の約束を交した。サクラが姿を消したあとから、相田颯斗に触れた女性にエッチな災いをもたらす呪いにかかっていることが発覚する。それ以来、サクラに原因があると思っていたが、実際に呪いをかけたのは幼なじみで天狗族の鳳条紅葉だった。呪いが女性に及ばないことを第一に考える、紳士的な性格をしている。再会して結婚をせまるサクラにも災いが起きないように距離を取り続けるが、いつも本音で語り、裏表のないサクラのことが少しずつ気になるようになる。
サクラ
鬼族の王の娘。次期女王として強大な力を持っているが、子供の頃は落ちこぼれだった。10年前に人間の里に遊びにいった際、人間にいじめられているところを助けてくれた相田颯斗のことを好きになり、結婚の約束をしてずっと思い続けている。颯斗が結婚できる18歳になった日、颯斗を迎えに行ってすぐに結婚しようとするが、颯斗が触れた女性にエッチな災いをもたらす呪いにかかっていることを知ると、呪いを解くために尽力する。優しく穏やかな性格ながら、颯斗に関することになると非常に頑固になる。
鳳条 紅葉 (ほうじょう あかは)
北高校に通う高校3年生の女子。相田颯斗とは幼なじみで、颯斗の触れた女性にエッチな災いをもたらす呪いのことを知りつつも、颯斗と交流している数少ない人物。物静かな性格で、お菓子作りが得意。その正体は天狗族の姫で、ふだんは人間に化けて生活している。小さい頃、仲のいい友達がいなかった時に、親しく声をかけてくれた颯斗に思いを寄せており、ずっと思い続けていた。そんな時に颯斗がサクラと結婚の約束をしたのを知り、颯斗に近づく女性を排除するために颯斗に呪いをかける。
星野 鷹晴 (ほしの たかはる)
北高校に通う高校3年生の男子。相田颯斗とは幼なじみで親友。軟派で不真面目な性格だと思われがちだが、成績は非常に優秀。その正体は天狗族の一員で、ふだんは人間に化けて生活している。鳳条紅葉の側近として、つねに紅葉の傍にいてさまざまなサポートをしている。ずっと紅葉に思いを寄せているが、紅葉が颯斗のことを好きなことは知っているので、自分の気持ちは表に出さないようにしている。
キンセンカ
鬼族の女性。サクラの護衛隊長を務めており、部下の屈強の鬼たちと戦っても無傷で勝てるほど戦闘能力が高い。任務に忠実な堅物だが、サクラにだけは甘くなってしまう。
ツリガネ
鬼族の男性。医者をしながら世の中の文化を研究しており、呪いにも詳しい。長年、八百万(やおろず)の薬物を取り込み続けているため体液にさまざまな薬効があり、それを使って相田颯斗の呪いを分析する。