概要・あらすじ
川口涼子は就職氷河期まっただ中の日本で、一流ホテルクインシーホテル・トーキョーに入社。宿泊客の総合世話役を担うコンシェルジュとして配属される。馴染みのない業務に戸惑う涼子の前に現れたのは、先輩コンシェルジュの最上拝。世界の著名人から「グレート・ハイ」と賞される彼は、自身の経験を書きためた魔法の手帳と、どんな要望にも親身になって応える誠意をもって、宿泊客の抱える数々の悩みをたちどころに解決していく。
そんな拝や、ライバルホテルのエリートコンシェルジュ、朝霧花織の手腕を間近で見た涼子は、コンシェルジュ部門の仲間たちとともに少しずつ一人前へと成長していく。
登場人物・キャラクター
川口 涼子 (かわぐち りょうこ)
就職氷河期のさなか、クインシーホテル・トーキョーの新人コンシェルジュとなったホテルウーマン。茶髪のロングヘアーで、前髪を後ろでまとめている。顔は童顔で小柄だが、胸は豊満。明るく人当たりのいい性格で、ひたむきに仕事へ取り組みながら日々コンシェルジュとしての実力を磨いている。また、凄腕のチーフ・コンシェルジュ、最上拝を尊敬しており、彼の使う“魔法の手帳”を模倣した“涼子ファイル”で有益な情報を集めている。 なお、常連客の1人である藤原貴梨花とは非常に仲がよく、プライベートで食事にも出かけている。物語後半ではアメリカのサンライズヒル・ニューヨークへ研修に出向き、さらなる成長を遂げていく。
最上 拝 (もがみ はい)
クインシーホテル・トーキョーのチーフ・コンシェルジュを務めるホテルマンで、川口涼子の上司にあたる人物。一見うだつのあがらない優男だが、かつては一流ホテルで数々の難題を解決し、顧客から“グレート・ハイ”と慕われる実力の持ち主である。また、自身の経験したあらゆる事柄や情報を記録した“魔法の手帳”をいつも持ち歩き、顧客の要望を叶える際に役立てている。 物語序盤ではコンシェルジュたちの先頭に立ち、鮮やかな手腕で顧客を満足させていくが、涼子が成長した中盤以降は一歩引いてアドバイスを与える立場となる。ちなみに既婚者だが、アメリカ同時多発テロ事件で妻を失くし、娘も行方不明となっている。
鬼塚 小姫 (おにづか さき)
クインシーホテル・トーキョーでコンシェルジュを務めるホテルウーマンで、川口涼子の同僚。前髪をまとめる大きなヘアバンドと長いまつげが特徴で、クールな美貌と豊富な知識を兼ね備えた才女。完璧主義者で的確に仕事をこなす一方、お固いマニュアル人間で心に壁をつくるきらいがあり、人付き合いは苦手だった。 しかし、涼子や常連客の売れっ子漫画家、有明光成と親交を深めるうちに、少しずつ感情を表に出せるようになっていく。
司馬 一道 (しば かずみち)
クインシーホテル・トーキョーのホテルマンで、元はポーターを務めていたが、ベルマンを経てコンシェルジュとなり、川口涼子の同僚になる。大柄で筋肉質な体格に見合う怪力の持ち主で、自動車を自力で動かせるほど。また、様々な格闘技の有段者でもあり、暴漢を撃退することもある。言葉遣いや仕事ぶりは荒っぽいが、快活で人当たりのいい性格と情熱的な姿勢から、常連客の評判は上々。 また、涼子に好意を抱いている。
惣田 純菜 (そうだ じゅんな)
クインシーホテル・トーキョーの宴会部門を担当するバンケットの配膳係から、コンシェルジュへ配備されたホテルウーマン。セクシーかつ優雅な雰囲気をそなえたショートカットの美女で、性格は頼れる姉御肌タイプ。川口涼子たち同僚から何かと頼りにされることも多いが、お化けが苦手という一面もある。 コンシェルジュ部門では金城麗美の教育係としても活躍している。
金城 麗美 (かねしろ れみ)
クインシーホテル・トーキョーの設備メンテナンスを担当する営繕部門から、コンシェルジュへ配備されたホテルウーマン。ボーイッシュな顔立ちで、髪型は金髪の外ハネショート。無口でシャイな性格から接客の仕事に悪戦苦闘するが、持ち前の機械技術と手先の器用さで挽回し、同僚の川口涼子たちと共に少しずつコンシェルジュとして成長していく。
松岡 俊一郎 (まつおか しゅんいちろう)
クインシーホテル・トーキョーの二代目オーナー兼社長で、サイドに垂らした前髪と眼鏡がトレードマーク。頭のキレる人物だが、経営に厳しい合理主義者で、コンシェルジュの仕事に対して否定的だった。しかし、見習いコンシェルジュを体験したことで改心し、以後は最上拝や川口涼子の良き理解者として活躍する。
藤原 貴梨花 (ふじわら きりか)
実力派の人気女優でクインシーホテル・トーキョーの常連客の1人。容姿端麗でスタイルも抜群だが、性格はワイルドかつ自由奔放で、学生時代から数々の武勇伝を打ち立てている。また、異常な大食漢だが、いくら食べてもまったく太らない。本気で演技に取り組みたい自分と周囲の評価のズレに悩んでいたが、ホテルで起きたある出来事がきっかけで自信を取り戻し、より意欲的に仕事をするようになった。 ちなみに、川口涼子とは大の親友で、プライベートでもよく食事に行っている。
水無月 慶 (みなづき けい)
ホテルグランシェル・トーキョーのコンシェルジュで、銀髪長身のクールな風貌に、鋭い洞察力と観察眼を兼ね備えた人物。常に持ち歩いている携帯電話には政界の重鎮から裏社会の関係者にいたるまで、あらゆる連絡先が登録されており“悪魔の電話(イビルホン)”と呼ばれている。その豊富な人脈をもって顧客のリクエストに応えるが、目的のためなら非合法スレスレの手段もいとわない。 最上拝とは新人時代に“帝都ホテル”ベルマンとして共に働いた同輩であり、意見の相違はあるものの悪友として関係を続けている。
朝霧 花織 (あさぎり かおり)
ホテル・グロリア・トーキョーのコンシェルジュを務めるホテルウーマンで、片目を隠した紫髪のロングヘアが特徴。その美貌と実力から“グロリアの宝石”という異名を持つ。顧客との友愛をモットーとしており、最上拝や川口涼子とは一線を画す手法でコンシェルジュの仕事を鮮やかにこなしている。 その腕は拝も認めており、涼子は同性のコンシェルジュとして大きな影響を与えられている。
クレジット
- 原作