ゴクウ

ゴクウ

寺沢武一による近未来の東京を舞台にしたハードボイルドアクション作。コンピュータで制御された未来を舞台に、「あらゆるコンピュータをハッキングできる」風林寺悟空が魅惑的な女性が絡む事件を解決していく。代表作『コブラ』とは違うアクションシーンを描き出した一作。また、青年誌の連載ということもあり、過激な性描写も行われている。

正式名称
ゴクウ
ふりがな
ごくう
作者
ジャンル
アクション
 
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

2度の大震災をくぐり抜け復興した2014年の東京シティ。私立探偵の風林寺悟空は、警察時代の同僚たちの連続自殺事件を捜査していた。彼らが追っていた武器商人、白竜幻二のビルへと潜入するが捕縛され、催眠術により自殺を強要される。自分の左目を潰すことで難を逃れた悟空が気絶している間に、何者かが彼に伸縮自在の棍と世界のすべてのコンピューターとつながる左目を授ける。

2つの武器を手に入れた悟空は、巨大都市に巣食う悪に敢然と立ち向かうのだった。

登場人物・キャラクター

風林寺 悟空 (ふうりんじ ごくう)

東京都警の腕きき刑事だったが、辞職し探偵になった。黒髪で精悍な33歳の男性。シャツを着ず、裸身に黒スーツ・黒ネクタイという服装をしている。宝蔵院流の裏秘流五行風林という棒術を習得しており、強靭な意志と運動神経を併せ持つタフガイ。皮肉屋で、真面目な質問に対しても軽口で返してしまう。

白竜 幻二 (はくりゅう げんじ)

東京でクラブとカジノを経営する43歳の実業家。裏では、各国に兵器を売りさばく武器商人として暗躍している。彼を検挙しようと動いた東京都警の刑事たちを、孔雀の催眠術を使って始末した。

孔雀 (ぴーこっく)

白竜幻二の部下の女性。背中に孔雀のようなを羽根を付け、そこにある目を使って催眠術をかける。東京都警の刑事を次々と自殺させ、悟空の元同僚の洋子を暗殺者に仕立てあげている。

門間 良子 (もんま りょうこ)

野沢良子という偽名で、風林寺悟空に兄のリュウの捜索を依頼した女性。その正体は国防局の特殊工作部隊員。同特殊工作部の部長、門間善蔵の養女でもある。善蔵と対峙したリュウを庇ってパワーバリヤーによって殺されていた。

リュウ

門間善蔵の養子となった男性軍人。VIP護衛用の特殊サイボーグとして、パワーバリヤー発生器を備えたサイボーグに改造された。毎日、中和剤を注射しないと精神崩壊する失敗作にされたことを知り、改造を命じた善蔵を殺すべく軍を脱走する。しかしすべては偽の記憶で、リュウは門間良子の胚を使って作られた善蔵のクローンだった。

篠塚 レイラ (しのづか れいら)

高い人気を誇る女性ロックシンガー。地下ロックの女王、山神リサに命を狙われ、風林寺悟空にボディーガードの依頼をする。リサはレイラが自分の曲を盗んだと思っているが、実はレイラが疲労回復のために飲んでいた薬の紫液丹によって生まれた別人格だった。

九鬼 洋助 (くき ようすけ)

1992年に設立された人工衛星の開発と製造を担う九鬼電子工業の若き社長。忍者の九鬼一族の現首領でもある。一族の長が操ることができるエネルギー体の念魂を使って、破壊工作や暗殺を行っている。念魂は「見えている場所」にしか送り込めないため、高解像度の目を持つガウス衛星を打ち上げようと計画する。

李 麗青 (り れいせい)

平和島チャイナタウンにある売春宿の大觀園で、エスプリ・リーの名で案内係をしている女。姉の李麗珍と共に黒竜へと売られたという過去を持つ。麗珍の依頼で彼女を探しにきた悟空に、天空魔楼に住みたいと夢を語る。

カサンドラ

アメリカ軍海兵隊の突撃部隊、レッド・アマゾネスの元隊長。快楽殺人者で自らの楽しみのために隊員を殺したことが発覚、軍事裁判で死刑を宣告される。だが幽霊遺伝子(ゴーストDNA)の実験体に志願し、進化過程の生物に変化する能力を獲得する。軍を脱走し、上海銀行の輸送していた金塊50トンを横取りした権藤組を襲撃する。

権藤 敬司 (ごとう けいじ)

東京シティの新宿をシマにしている権藤組の組長。五分刈りで、眉間から右頬にかけて大きな傷を持つ男。刑事時代の風林寺悟空が権藤の商売敵を潰したことから、悟空のことを気に入っている。時化で沈んだ上海銀行の輸送船から50トンの金塊を横取り、隠匿していた。カサンドラが組事務所を襲撃したときに殺されている。

ボニー

高名な女性バイクレーサー。風林寺悟空の元恋人。怪鳥ガルーダの愛称でよばれており、右臀部には怪鳥ガルーダのイレズミが彫られている。父親から、本人の知らない間にアメリカの細菌兵器に関するマイクロフィルムを託されてしまい、それを狙う殺し屋によってパリ・ダカールラリーのレース中に殺害されてしまう。

場所

天空魔樓 (りとるほんこん)

『ゴクウ』の登場する、超電導で海上に浮かぶ人工都市。元はイギリスに租借されていた香港で、1997年にイギリスから追い出され、中国に帰属せずに洋上に浮かぶ人工都市となった。400万人の人間を収容することができ、宇宙空間へと移動すればスペースコロニーとして機能する。中国系の闇の組織、黒竜のトップである四賢人によって支配されている。

その他キーワード

神の目 (かみのめ)

風林寺悟空の左目に埋め込まれた義眼型の小型コンピューター端末機。各種センサーが内臓されていて、世界各地のあらゆるコンピューターに直結可能。悟空の見聞きしたものを瞬時に分析することができる。また各種機密収集や、車や人工衛星、警備機器などへのハッキングも瞬時に行える。

如意棒 (にょいぼう)

『ゴクウ』に登場する武器。神の目と共に風林寺悟空に授けられた武器。伸縮自在の金属製ロッドで、悟空の棒術と相まって計り知れない戦闘力を発揮する。先端からは威力の調節が可能な衝撃波を出すことも可能。自宅のベッドの下に予備が隠されている。

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