ゴブリン公爵

ゴブリン公爵

超能力者である珍鬼が古代中国殷王朝時代に作られたロボット燈台鬼を手に入れ、世界征服を目論むSFアクション作品。「週刊少年チャンピオン」に1985年から1986年にかけて連載された。

正式名称
ゴブリン公爵
ふりがな
ごぶりんこうしゃく
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
手塚治虫文庫全集(講談社コミッククリエイト)
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概要・あらすじ

予知夢を見ることができる中国の青年珍鬼は、ある日燈台鬼の夢を見る。その夢の通りに燈台鬼を発見する珍鬼だったが、偶然通りかかった愛愛が彼より先に燈台鬼を復活させてしまう。珍鬼は愛愛を自分の召使とし燈台鬼を使い世界征服を目論む。しかし、燈台鬼を世界平和のために利用しようとする天乱和尚佐川貫一らも現れ、燈台鬼を巡る戦いは、世界各国に何年もの時を掛けて展開されることとなる。

登場人物・キャラクター

珍鬼 (ちんき)

中国人で江青の甥。予知夢を見ることができる。文化大革命を主導した4人組の1人である江青の後ろ盾があるため、常に周囲の人々に横柄な態度を取り高級車を乗り回す。青年期に燈台鬼を予知夢で発見し、念力で動かすことができる。燈台鬼を利用して世界征服を目論む。後にヨーロッパに亡命し、ゴブリン公爵と名を変え世界征服のチャンスを伺う。

愛愛 (あいあい)

中国人で安陽の田舎娘。幼少期は継母に育てられ奴隷のような扱いを受けていたが珍鬼と燈台鬼と出会い、珍鬼の召使となったことで人生が一変する。生まれつきの超能力者であり、6歳の時に偶然ニワトリの卵を手を使わず割ったと言うエピソードを持つ。念力をコントロールすることで燈台鬼を動かせる1人となるが、珍鬼を慕いつつも燈台鬼を世界平和のために利用したいと考えるようになっていく。

天乱和尚 (てんらんおしょう)

中国人で安陽の鞏龍山千仏寺の和尚。謎多き人物で念力を使うことができる。燈台鬼を世界平和のために使いたいと思っている1人ではあるが、実は中国政府の秘密組織員という裏の顔を持つ。ゴブリン伯爵とは常に対立することになる。

佐川 貫一 (さがわ かんいち)

日本人で沖縄、八重山の青年。潜水の達人であるため、その能力をゴブリン伯爵や天乱和尚に利用されてしまう。お金と女性が大好きであるが、愛愛と出会い次第に燈台鬼を世界平和のために使いたいと思うようになっていく。

周博士 (しゅうはかせ)

中国人で湖南大学の考古学の名誉教授。珍鬼に命令され、予知夢により燈台鬼が眠る遺跡の発掘を任されるも、珍鬼の横暴さや遺跡に対する雑な扱いに嫌気がさしている。遺跡から発掘された甲骨文を翻訳し、いち早く燈台鬼の秘密を解き明かした。

般若 (はんにゃ)

スキューバーダイビングによる宝探しを主催する謎の人物。300万円という大金で、佐川貫一を誘い河底に眠る燈台鬼を引き上げようと画策する。実は、ある人物の世を忍ぶ仮の姿である。

(そん)

中国人で孫悟空の子孫。中国の秘密組織の一員。わずかながら念力を使える。愛愛や佐川貫一の能力を上げるための教官的な役割もする。しかし、天乱和尚にはオッチョコチョイの見栄っ張りと怒られることが多い。

渚社長 (なぎさしゃちょう)

日本人で大東亜重工プラネリア・プラントの社長。表向きはプラネリア共和国で海底油田のプラットフォームを建設しているが、実はゴブリン伯爵に操られロボイドの開発をする。

渚 いずみ (なぎさ いずみ)

日本人で渚社長のひとり娘。様子がおかしい父親を心配し、プラットフォームを訪ねた時に軟禁されている大東亜重工の社員にメッセージを託され、そのためにゴブリン伯爵に命を狙われることになる。

燈台鬼 (とうだいき)

3人の神通力を持つ子供が自分たちの心を移すことにより、自由自在に動かす事ができた殷王朝時代の機器人(ロボット)。頭のローソクは心を集中させ神通力を通わせるためのもので、心を乗り移らせる人物により善悪どちらのしもべともなる。しかし、心を乗り移した3人の子供たちが悪用をしたため、当時の盤庚帝に破壊されてしまった。その後、深い眠りに付いていたが珍鬼の予知夢により発見され蘇る。

ロボイド

ゴブリン公爵が、燈台鬼の代わりをさせるために日本の「大東亜重工」に作らさせたロボット。ゴブリン公爵の念力により動き、肩に日本の剣を刺し相手を攻撃する。また、脚には仕込みドリルも兼ね備えている。

書誌情報

ゴブリン公爵 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉

(2011-10-12発行、 978-4063738711)

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