概要・あらすじ
1964年、日本女子バレーボール界では、東京オリンピックで金メダルを獲得した主力メンバーが所属するニチボー貝塚が圧倒的な強さを誇っていた。ユミ(朝丘ユミ)は荒川区の城山中学校の3年生。かつてはバレーボール部員だったが、社会人選手だった姉の朝丘美代が過酷な練習の果てに命を落としたためにバレーボールを憎んでいた。
だが止むを得ず出場した大会の後、牧圭介が彼女の元に現れ、バレーボールを続けるよう説得する。彼は立木製作所が新設するバレーボールチーム、立木武蔵の監督だった。その熱意によってユミは、バレーボールに打ち勝つべく、もう一度始める決心を決めた。立木武蔵では親友となる小山チイ子、ライバル椿麻理ら同僚と共に厳しい練習に耐え、殺人スパイクを放つ大本竜子を擁する強豪ヤシカなどライバルチームと激戦を重ねる。
しかし、立木武蔵は主力メンバーの脱退などチーム分裂の危機を迎える。そんななか、神奈川県からやってきたジュン(ジュン・サンダース)が加わった。
彼女はユミと猛特訓を重ね、X攻撃を編み出す。だがジュンの身体には異変が起きていた。
登場人物・キャラクター
朝丘 ユミ (あさおか ゆみ)
髪を二つ結びにした少女。初登場時は中学校3年生。荒川区の城山中学校に通っている。かつてはバレーボール部員だったが、社会人選手だった姉の朝丘美代が過酷な練習の果てに命を落としたためにバレーボールを憎んでいた。だが止むを得ず出場した大会の後、牧圭介が彼女の元に現れ、バレーボールを続けるよう説得された。 その熱意に応え、彼がコーチをつとめる立木武蔵に入ってもう一度バレーボールを始める。選手としては小柄だが牧圭介との猛特訓によって高いジャンプ力を手に入れ、さらに猛烈な変化サーブいなずまおとしなどの技を身に付ける。同時期に立木武蔵に入った椿麻理とは、「女王」の座を巡って激しく争う。 後にチームメイトとなったジュン(ジュン・サンダース)とは、当初お互いに反発し合っていたが、共に猛特訓を重ね親友となり、X攻撃を編み出す。
朝丘 美代 (あさおか みよ)
本編開始時は既に亡くなっており、ユミ(朝丘ユミ)達の回想に登場する。ユミの姉。フジ東陽のバレーボール部員。小さなチームだったが、打倒ニチボー貝塚を合言葉に猛特訓を重ねていたが練習中に命を落とす。これが原因でユミはバレーボールを憎んでいた。
牧 圭介 (まき けいすけ)
短髪の若い男性。時折サングラスをかけている。立木製作所が新設するバレーボールチーム・立木武蔵のコーチのちに高山の後任の監督となる。ユミ(朝丘ユミ)の前に現れ、バレーボールを憎んでいた彼女に「サインはV」という言葉を伝え、再びバレーボールを始めるよう説得した。 以前はフジ東陽のコーチをしていたが、その当時は藤村圭介という名前だった。椿麻理、ジュン・サンダースらの素質を見抜き、猛特訓を施して立木武蔵を強豪チームに成長させる。
椿 麻理 (つばき まり)
上目黒中学校出身。立木製作所が新設するバレーボールチーム・立木武蔵にユミ(朝丘ユミ)達と共に入団した。父は立木製作所の親会社住芝電気に勤務する椿大吾で裕福な暮らしをしていたが家庭内は冷え切っており、一時は荒れた生活を送っていた。そうした中で自らを導いてくれた牧圭介に対して好意を持っている。 同じアタッカーのユミに対して猛烈なライバル心を持っている。関東大会で最優秀選手賞に輝くが、その後立木武蔵を離れ、強豪ニチボー貝塚に移籍する。
小山 チイ子 (こやま ちいこ)
丸眼鏡をかけ、体格の良い少女。立木製作所が新設するバレーボールチーム・立木武蔵にユミ(朝丘ユミ)達と共に入団した。東北中学校出身で、東北訛りで話す。ユミとは親友とは寮でも同室で親友となる。
松原 かおり (まつばら かおり)
立木製作所が新設するバレーボールチーム・立木武蔵のキャプテン。ユミ(朝丘ユミ)達にとっては、先輩社員でもある。
大本 竜子 (おおもと りゅうこ)
大きな身体の女性。女子バレーボールの強豪・ヤシカの選手。「殺人スパイカー」として恐れられている。立木武蔵と対戦しユミ(朝丘ユミ)の「いなずまおとし」に破れるが、その後猛特訓でスパイクの威力を磨きユミのライバルとなる。
高山 (たかやま)
口髭を生やした男性。立木製作所が新設するバレーボールチーム・立木武蔵の監督。コーチの牧圭介が注目されることに腹を立て、偶然聞いた記者達の会話をもとに彼を陥れようとする。
ジュン=サンダース (じゅんさんだーす)
褐色の肌の少女。牧圭介の前に現れ、立木武蔵に入る。神奈川県の養護施設サンダースホーム出身。天性の運動能力を持つが、異常なほどバレーボールに対して執念を持ち、初めはチームメイトのユミ(朝丘ユミ)達に悉く反発していたが、ユミの必死の働きかけで心を開くようになる。 牧圭介の元でユミと共に猛特訓に励み、X攻撃を編み出す。しかし、その後身体に異変が現れる。自分の元を去った母親に対して強い思慕の念を持っている。
朝丘 志津 (あさおか しづ)
ユミ(朝丘ユミ)の母。女手一つで美代(朝丘美代)、ユミ姉妹を育てた。美代を亡くしたが、必死でバレーボールに打ち込むユミを陰から応援し、ときに厳しい言葉をかけてまでもユミを支えようとする。