概要・あらすじ
帰国子女の藤咲真は、初恋の相手である渡辺隼人に勧められ、それまでまったく経験のなかったバレーボールを始めることになる。真は、フィギュアスケートの経験を活かしたバネとジャンプ力、そして何よりバレーボールの天才的なセンスを持っていた。その才能でめきめきと頭角を現し、入部した弱小バレー部でたちまちエースとして活躍する。
コーチの万紀一彦は底知れない真の才能に惚れ込み、彼女を一流の選手に育てようと決意する。
登場人物・キャラクター
藤咲 真 (ふじさき まこと)
白鳳学園高等部に通っている高校1年生の女の子。両親の仕事の都合で、5年間滞在したカナダから帰国したばかり。身長は172センチと長身で、フィギュアスケートをしていたためジャンプ力がある。渡辺隼人の被写体になるためにスポーツを始めることになり、たまたま入部したバレーボール部で才能を発揮していく。
渡辺 隼人 (わたなべ はやと)
藤咲真の幼なじみの3歳年上の男子大学生。幼い頃の真の初恋の相手。真がカナダから帰国してからは良き相談相手となり、誰よりも身近で真のことを応援している。写真家になるのが夢で、女子バレーボールチーム「JVC」の広報課で、カメラマンとしてアルバイトをしている。
藤咲 悟 (ふじさき さとる)
藤咲真の兄で、渡辺隼人の友達。バレーボールについてはあまり詳しくないものの、真の試合を見に行くなど、妹思いなところがある。真と隼人の関係を微笑ましく見守っている。
万紀 一彦 (まき かずひこ)
24歳独身の男性。白鳳学園高等部のバレーボール部のコーチをしている。眼鏡をかけており、優しい性格で女子たちから人気がある。大学時代には全日本のメンバーに選ばれるほどの有力選手だったが、3年前に交通事故で足を負傷し、選手生命を絶たれた。藤咲真に出会ってその才能に惹かれ、新しく作られた女子バレーボールチーム「JVC」のコーチを引き受ける。
大原 泰三 (おおはら たいぞう)
財界の大御所と呼ばれている老人。スポーツ愛好家として有名な人物。万紀一彦にとって親戚にあたる。日本の女子バレーボールを昔のように強くしたいと考えている。女子バレーボールチーム「JVC」を発足させ、コーチには一彦を、選手には藤咲真や全日本選手である山岸さやか、須藤葉子らを招いた。
伊藤 里香子 (いとう りかこ)
白鳳学園高等部3年生の女子生徒。バレーボール部に所属している。試合前にメンバーが怪我で困っていたところ、たまたま見学にやって来た藤咲真に目をつけ、少し強引に勧誘した。真にバレーボールの楽しさを教えた人物だが、チーム内で真の才能に嫉妬したメンバーが不満を募らせた時には、板挟みとなって翻弄されてしまう。
加納 仁実 (かのう ひとみ)
東陽高校3年生の女子生徒。全日本の合宿にも参加している超高校級のレフトアタッカー。かつて全日本バレーチームのエースとして活躍した両親を持つサラブレッド。いつも自信に満ち溢れ、バレーボールをプレイすることにプライドを持っている。万紀一彦に認められたいと願っており、藤咲真に対して強烈なライバル心を抱いている。
山岸 さやか (やまぎし さやか)
全日本バレーボールチームのメンバーで25歳の女子選手。女子バレーボールチーム「JVC」に加入した。ポジションはセッター。チーム最年長で、落ち着いた雰囲気の美人。藤咲真の才能を認め、その成長を見守っている。真にとっては、お姉さん的な頼れる存在。
須藤 葉子 (すどう ようこ)
全日本バレーボールチームのメンバーで22歳の女子選手。女子バレーボールチーム「JVC」に加入した。全日本でのポジションはレフトを担当していたが、「JVC」では藤咲真にポジションを奪われ、真を潰そうと何かとプレッシャーをかけている。
森村 香里 (もりむら かおり)
女子バレーボールチーム「JVC」に新しく加入した18歳の女子選手。ポジションはセッターで、山岸さやかが他のチームへ移籍した後の「JVC」のセッターとして活躍する。口が悪く、チーム内の問題点を遠慮ない物言いで指摘する。自分に対しても厳しい性格で、与えられた役割はきっちりこなす。
エレーナ・シシュキン (えれーなししゅきん)
「CIS(旧ソ連)」バレーボールチームでエースを務める女子選手。感情を表に出さず、冷静沈着な性格。藤咲真しか打つことができない「真スペシャル」を打つことができ、金メダルのかかった大事な試合で全日本チームを翻弄した。
緒方 (おがた)
女子バレーボールチーム「JVC」の監督をしている中年の男性。怒ると怖いがあまり存在感がない。選手の育成については、基本的にコーチである万紀一彦に任せている。
集団・組織
JVC (じゃぱんばれーぼーるくらぶ)
大原泰三が出資して作った女子バレーボールチーム。コーチは万紀一彦で、所属する選手には、エースである藤咲真をはじめ、全日本バレーチームにも選ばれている山岸さやか、須藤葉子など逸材がそろっている。途中から森村香里も加入する。
場所
白鳳学園 (はくほうがくえん)
藤咲真の通っている学校。高等部と大学部があり、大学部には渡辺隼人が通っている。高等部の女子の制服は、ブレザーで胸元にリボンが付いている。女子バレーボール部は万年弱小チームだったが、真が加入したことで破竹の勢いで、地区大会を勝ち進んだ。
その他キーワード
真スペシャル (まことすぺしゃる)
藤咲真が繰り出す必殺技。アタックしたボールが、途中から軌道を変えて飛ぶ。ボールが浮く場合もあれば、逆に沈む場合もある。浮くボールは、レシーブする選手の顔目掛けて飛び、沈むボールはレシーバーの目の前に落ちたりするので、受けづらい。森村香里からの最高のトスを受けた時にのみ、打つことができる。