概要・あらすじ
鳳高等学校に通う朝倉ツバメは女子バレーボール部に所属する女子高生。彼女は、男子バレーボール部の期待のホープで、意中の相手でもあるワシガヤに猛アタックを続けた結果、とうとうバレーボールの試合を2人で見に行く約束をとりつけることに成功。だがその直後、ツバメは事故に巻き込まれてしまう。目を覚ましたツバメに告げられたのは、自分だけが助かり、ワシガヤが自分をかばったために死亡したという絶望的な事実だった。
想い人の突然の死に悲しみにくれるツバメだったが、ある日自分のジャンプ力が普通でないことに気がつく。彼女の足には、事故の際に両足の組織がワシガヤから移植されていたのである。ツバメは自分の中にワシガヤが居たことを知り、その驚異的なジャンプ力で自分がワシガヤの代わりにバレーボール界のホープになることを決意する。
登場人物・キャラクター
朝倉 ツバメ (あさくら つばめ)
鳳高等学校の女子バレーボール部に所属する女子高生で、男子バレーボール部のホープであるワシガヤのことが好き。バレーボール部には彼を追って入部したため、実はまったくの初心者。ワシガヤと一緒にいた時に事故に巻き込まれ、両足がズタズタになってしまったが、この時に死亡したワシガヤの足の組織を移植する。これにより、ワシガヤと同等のジャンプ力を手に入れた。
ワシガヤ
鳳高等学校の男子バレーボール部に所属していた選手。驚異的なジャンプ力を誇り、無名校である鳳高等学校を全国区の強豪までに押し上げた功労者。厳しい自主練もかかさない努力家で、決して才能だけでバレーボールをやっているわけではない。TVの取材が絶えず訪れるほどの実力の持ち主で、将来のオリンピック代表候補として活躍を期待されていたが、朝倉ツバメを事故から守ったためにトラックに轢かれて死亡した。
横井 ひよこ (よこい ひよこ)
鳳高等学校の女子バレーボール部所属。黒髪のショートカットで分け目は九対一くらいで右に流している。朝倉ツバメとは幼稚園からの付き合いで、ツバメの恋愛遍歴をすべて知っている。「ひよこのバレー講座」という形で、読者に対してバレーボールのルールや情報を伝えるコーナーを担当している。
玉瀬 千鶴 (たませ ちづる)
鳳高等学校の女子バレーボール部のキャプテン。肩までかかるほどのウェーブのかかった髪と巨大な胸が特徴的。キャプテンとして部員がまったく集まらないことと、いざという時に頼られない人望のなさを気にしている。携帯電話の着信音は「アタックNo.1」のテーマ。
刈谷 鷹美 (かりや たかみ)
鳳高等学校のバレー部所属の女子。バレーボール部に所属はしているが、中学の時より楽そうだったから入部しただけで、本人はほとんど部活に顔を出さず毎日カラオケボックスで遊んでいた。肌は黒く、染色した髪の毛を肩までのばしている。烏丸今日子に脅され、土下座しながらバレーボール部の練習に参加するようになる。
目白 麗 (めじろ れい)
鳳高等学校に通う女子高生で玉瀬千鶴と同じ2年生。レディース暴走族「爆裂妖精」の総長も務めている。暴走族の中でも相当な実力の持ち主で、横浜の公道をすべて手中に収めていた。中学生の時はバレーボール部に所属しており、実は勧誘されるのをずっと待っていた。総長としての面子を保つために「腕相撲で負けたらバレー部に入る」という約束のもと、朝倉ツバメと腕相撲で勝負をする。 もちろんこの時は、バレーボール部に入部したいがためにわざと負けた。
烏丸 今日子 (からすま きょうこ)
鳳高等学校に通う女子高生。目白麗が所属するレディース暴走族「爆裂妖精」のメンバーでもある。麗のことを慕っており、バレーボール部に入部した麗が同性愛に目覚めたと勘違いして、後を追う形で入部した。バレーボールの経験はまったくなくルールも知らなかったので、当初は飛んできたボールを両手で掴んだりしていた。
ワシガヤ 典子 (わしがや のりこ)
ワシガヤの妹で中学3年生。自分の兄が死んで、生き残ってバレーを続けている朝倉ツバメを恨んでいた。自身もバレーボールの選手で、本来はアタッカーをやりたかったが兄のような跳躍力は持たなかったため、セッターを務めている。トスを上げる際にボールに不規則な回転をかけ、それをアタックすると勝手に曲がるようになるなど技術は一流。
集団・組織
爆裂妖精 (ばくれつようせい)
目白麗が総長、烏丸今日子が特攻隊長を務めるレディース暴走族。横浜の公道は麗の功績ですべてこの「爆裂妖精」のものとなっており、我が物顔で暴走活動が可能。当初、麗がバレーボール部に入部して集会に顔を出せなくなった際には、今日子は仲間に「バイクの故障」と説明していた。その後は、バレーボール部に入部した今日子の練習相手をしたり、練習試合の応援にかけつけてくれたりと、なにかとバレーボール部に協力してくれる存在となる。
場所
鳳高等学校 (おおとりこうとうがっこう)
神奈川県にある県立高等学校。男子、女子バレーボール部共に元々は弱小校だったが、男子バレーボール部はワシガヤの加入で全国区の強豪校へと上り詰めた。女子バレー部は練習に来るメンバーが3人しかおらず、試合はもちろん、練習もまともにできないので兜学園に赴き合同練習をしていた。
兜学園 (かぶとがくえん)
神奈川県にある私立の高校。ワシガヤが生前に目標としていた高校で、野球、サッカー、バレーボールが全国区クラスの実力を誇り、校風も文武両道を志している。女子バレーボール部の部員数も多く、その選手層の厚さは県内でも随一。部室とは別にトレーニング室も完備するなど設備も充実している。
その他キーワード
空中で止まるトス (くうちゅうでとまるとす)
兜学園との練習試合が近づき、初心者の朝倉ツバメがアタックを打ちやすいように玉瀬千鶴が提案したトス。トスを上げる際に軽くバックスピンをかけてボールを落下しにくくする。バレーボール部全員がその技の習得に苦戦する中、刈谷鷹美だけが一発でこのトスを習得してみせた。