概要・あらすじ
学校でいじめにあっていた女子中学生沢本いづみは、町外れの教会に相談に訪れた。しかし、そこにいたのは、聖職者らしかぬ破天荒なシスター。実は彼女は、世にはびこる殺人鬼たちを怨霊の憑いたナックルで処刑する「サタニスター」なのであった。ある日、「世界最強殺人鬼決定戦」の開催を知ったサタニスターは、殺人鬼たちを皆殺しにするために参加を決意。
いづみを無理やり連れ、戦いの場へおもむくのだった。
登場人物・キャラクター
サタニスター
殺人鬼を狩る使命を帯びた、悪魔寄りのシスター。グラマーな美女で、酒と葉巻を好み、およそ聖職者らしかぬ過激な発言が多い。普段は星村教会を一人で管理している。上下の辺の長さが同じ十字架「ダブルヘッドクロス」をシンボルマークとする。これは十字架と、悪魔の象徴である逆さ十字架の両方の意味をあわせ持つ。殺人鬼を狩ることは先祖代々からの使命ではあるが、本音では単に身勝手な殺人鬼が嫌いだからと語っている。 武器はソードオフしたショットガンと、これまでに殺した人間の怨霊が憑いたナックル。このナックルは、精神力の弱い人間が触れると怨霊に取り込まれてしまう。「サタニスター」とは個人名ではなく、闇バチカンに所属するシスターの総称であるため、本名は不明。他のサタニスターたちからは「ナックルスター」と呼ばれている。
沢本 いづみ (さわもと いづみ)
15歳の女子中学生。メガネをかけ、大人しい性格。クラスメイトからいじめを受けていることを教会に相談に訪れ、サタニスターと出会った。その後、彼女に無理やり世界最強殺人鬼決定戦に連れて行かれ、予選を勝ち抜き本戦へと参加することになる。元々は無力な中学生であったが、サタニスターから、怨霊の力が込められたナックルを削って作ったダブルヘッドクロスのネックレスを与えられ、殺人鬼たちと対等に渡り合うほどの身体能力を得た。
バルキリー
自殺サイトで集まった人間を狩ったり、高校生を拉致して死のゲームを行わせたりと、面白半分に殺人を繰り返す殺人鬼。主な武器は両手首に装着した刃で、高い戦闘能力を持つ。10年前は酒びたりの父のもと、盗みを働いて暮らしていた。ある日、父に強姦されそうになったところを返り討ちにして殺害。そのとき偶然テレビで流れていた北欧神話を紹介する番組で戦いの女神「バルキリー」の姿を観て、「バルキリー」と名乗るようになった。 幼いころ盗んだ夫婦の人形を「家族」として大事にしている。
雷崎 (らいざき)
殺された娘の仇を討つためバルキリーを追う刑事。サタニスターとは面識があり、彼女に特殊能力を持つ犯罪者の情報を流している。
蟲飼 童玄 (むしかい どうげん)
連続強盗グループのリーダー。もとは南米の大学でミミズの研究をしていた。体内に品種改良したミミズを飼っており、このミミズを人間の脳に侵入させ乗っ取り、自分の手下とする。
ホールガール
巨大なドリルで人を殺すことを趣味とする女性殺人鬼。バルキリーの殺人鬼友達。語尾に「ですゥ~~」と付けた口調が特徴。バルキリーの標的を追ってサタニスターを襲うが返り討ちにされ、彼女に世界最強殺人鬼決定戦の招待状を渡した。
墓井田 鉄郎 (はかいだ てつろう)
機械人間。もとは有名な不良だったが、トラックにはねられて重症を負い、友人である米斗路の手によって機械人間として蘇った。米斗路の仇を探すため、世界最強殺人鬼決定戦に参加する。だが、実は殺人を犯したことがなかったため、試合中に参加資格を剥奪されてしまう。
米斗路 (めとろ)
墓井田鉄郎の幼馴染み。機械工学の天才で、瀕死の重傷を負った墓井田を機械人間に改造し蘇らせた。最新技術の情報を得ようと各国政府の機関にハッキングをかけていたため、ヒットマンバリーに殺されてしまう。
ディオルペ
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。全身をカビに似た菌類に犯されており、自身は投薬で抑えているが、触れられた人間はボロボロに崩れて即死してしまう。6歳のころにこの奇病に感染し、以来研究機関で孤独に過ごしてきた。そのため、人のぬくもりを求め、女性の肌に触れることを熱望している。しかし、自分の欲望で罪のない女性を死なせることをよしとせず、生きるに値しない罪人ならば殺してもいいと考え大会に参加した。
バリー
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。ヒットマンを生業とする。名前の「バリー」とは「いじめ」を意味する。一見小柄だが、首もとに付いているスイッチを切り替えることで、体格を変化させることのできる「多重体格者」である。筋骨隆々の巨漢「バーバリアンch」、武装した軍人「コンバットch」、弓を持つ女性「アーチェリーch」、スレッジハンマーを武器とする「解体屋ch」、ガソリンで「放火魔ch」、馬ごとカウボーイとなる「カウボーイch」の順に変身する。 墓井田鉄郎の友人、米斗路を殺した犯人である。
バーズム・タランチュラ (ばーずむたらんちゅら)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。本業はミュージシャン。語尾に「チュラ」とつけた口調が特徴。アルバム「マイ・ネーム・イズ・タランチュラ」制作の際、グルーピーを殺害して断末魔の声をサンプリングしたと言われている。無数のクモを操り、相手を糸に巻きつけて殺害する。
伊看崎 研 (いかんざき けん)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。無免許の薬剤師。口調は関西弁。自分の仕事を増やす殺人鬼を嫌悪しており、犠牲者を増やさないために大会に参加した。積極的に殺人は行わず、独自に調合した薬品で相手に幻覚を見せ、行動不能にするという戦い方を取る。
ハンス・シュヴァルツマン (はんすしゅゔぁるつまん)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。ドイツの殺人鬼シェフ。使用する食材は人肉。人肉は人間が食べるには最も理想的な肉という考えの持ち主。料理の腕前に誇りを持っており、自分を侮辱したサタニスターに怒り、無関係な赤ん坊を人質にして彼女に料理を作るよう強要した。
力丸 亜砂美 (りきまる あさみ)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。女性体育教師。運動オンチの生徒を徹底的にいじめ殺し、素性と経歴を隠し全国を回り殺人を繰り返していた。シゴキを加える際は軍服姿となり、生徒に「軍曹」と呼ばせている。小学生時代の沢本いづみにも苛烈な指導を与え、友人であった静香は反抗したが、いづみ自身は黙っていた。結果、静香は惨殺されてしまい、いづみは深いトラウマを負った。 愛用のナイフには殺した生徒たちの怨霊がまとわりついているが、本人は気付いていない。
毒壺 幽骸 (どくつぼ ゆうがい)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。大会の主催者である毒壺の会のボスの息子。そのため、裏工作を疑われ、自分の強さを証明するために勝ち残った選手6人全員と戦うことを提案する。「魔界人」から得た、自分に忠実な怪物を呼び出す「怪物銃」を武器とする。
皮裂 ユリ (かわさき ゆり)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。コスプレイヤー殺人鬼。お気に入りのキャラになりきるため、服装はおろか整形までし続けたため顔面が崩れてしまい、鉄仮面で顔を隠している。三家本礼の作品『ゾンビ屋れい子』の登場人物・百合川サキのコスプレで登場する。
マタニティ・レッド (またにてぃれっど)
世界最強殺人鬼決定戦の出場者。腹の膨らんだ妊婦。中の子供はあまりに顔が醜すぎるため、生まれることを嫌がり16年間ものあいだ胎内にとどまり続けている。戦闘の際は、その子供が股間から腕だけを出して攻撃する。毒壺幽骸に金で雇われており、彼を援護する。
マジェンカ
世界最強殺人鬼決定戦を主催する毒壺の会に仕える「毒壺ガールズ」の一員。貧しい家族を支えるため、毒壺ガールズとなり働いている。サタニスターや沢本いづみの世話係をするうちに彼女たちに情が移り、毒壺の会が毒壺幽骸を優勝させようとするなか、一人反旗を翻した。
その他キーワード
世界最強殺人鬼決定戦 (せかいさいきょうさつじんきけっていせん)
世界中の殺人鬼が、さまざまな好条件のもとに招待され、その強さを競い合う大会。4年に一度開催され、主催は闇のシンジケート・毒壺の会。大会は試合形式で行われ、武器の使用も認められる。上位入賞者は毒壺の会の保護のもとにおかれ、一生涯に渡って完全なる身の安全が保障される。