商人道

商人道

『さすがの猿飛』『ギャラリーフェイク』他で知られる細野不二彦が、2014年から2015年にかけて連載した作品。舞台は現代の中国。中堅商社「ヒノマル物産」の大佛晃人は、24時間働くモウレツ商社マン。その根性を買われ、シェールガス発掘チームに抜擢された大佛が、中国を舞台にビッグビジネスを追い求める姿を描いた熱血企業ドラマ。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2014年第30号から2015年第32号まで連載。

正式名称
商人道
ふりがな
あきんろーど
作者
ジャンル
サラリーマン
 
ヒューマンドラマ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
全3巻完結
関連商品
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命懸けで本物の商人(あきんど)を目指す

大佛晃人は、中堅商社「ヒノマル物産」入社七年目、生活産業部門の営業担当。動いていないと死ぬのではという働きぶりから「マグロ男(マン)」と呼ばれている。ある日、上司のミスをかぶり、理不尽な異動を命じられた大佛だったが、鉄砲玉のような男を探していた熊代尊常務に社内ヘッドハンティングされる。熊代が進めていたのは、中国大陸でのシェールガス発掘プロジェクト。ライバルの亀和田専務に差をつけられている熊代の、失点を回復するための大博打といわれている案件だった。でっかい商売をやり遂げて、本物の商人(あきんど)になりたいと願う大佛は、常務の話に瞳を輝かせる。しかし、魑魅魍魎の類いがうごめく中国でのビジネスは一筋縄ではいかない。本作は、商社マンを主人公にしたビジネスドラマだが、命懸けで危険を乗り越え、プロジェクトを成功させようとするアドベンチャーストーリーでもある。

女傑・王菲との出会い

大佛らは北京に到着するが、熊代の古くからの知人で国家エネルギー局の局長であるリュウは、収賄の疑いで当局に拘留されていた。リュウ局長の後任は、美人だがドSの女傑・王菲(ワンフェイ)だった。王菲にガッツを認められた大佛は、油田基地調査のため、中国東北部黒龍江省チチハル近郊の小さな村に向かう。試掘現場は、優秀な王菲のもと、エンジニアたちが本気で採掘に取り組む熱い現場だが、シェールガス開発を快く思わない勢力もあった。シェールガス反対派の急先鋒が、中国の三大石油公社の一つ「南海石油公司」。その重役で共産党幹部の子息・馬東雲は王菲と因縁があり、また、熊代のライバル・亀和田とも繫がっており、さまざまな妨害工作を仕掛けてくる。

登場人物・キャラクター

大佛 晃人 (おさらぎ あきひと)

中堅商社「ヒノマル物産」入社七年目の男性社員。生活産業部門を経てエネルギー・金属部門に所属。父はギャンブル狂で母と離婚。以後、母の手一つで育てられた。公務員を経てモデルガンショップを経営する兄がいる。ヒノマル物産の伝説(レジェンド)になる野望を抱き、24時間がむしゃらに働くことから「マグロ男(マン)」と称される。熊代尊常務が進める、中国シェールガス発掘プロジェクトに夢を感じ、シェールガス田調査のために中国に入国する。王菲(ワンフェイ)からは「晃晃(ホアンホアン)」と呼ばれている。

王菲 (わんふぇい)

中国の国家エネルギー局局長代理の女性。局長が収賄容疑で拘束されたことで、シェールガス開発主任から昇格した。ショートカットとくわえタバコが特徴。美人で頭も恐ろしくキレる女傑で、アメリカ留学で数学を専攻してMBAを取得し、さまざまな石油開発会社を渡り歩いた経験の持ち主。ドSで男勝りな気性だが、おばけが苦手というかわいい一面もある。中国東北部黒龍江省チチハル近郊の掘削現場のエンジニアたちを束ねている。

熊代 尊 (くましろ たける)

中堅商社「ヒノマル物産」でエネルギー・金属部門を統括する常務取締役。太い眉、メガネ、恰幅のよい体格が特徴の中年男性。生活産業部門だった大佛晃人を社内ヘッドハンティングした。ヒノマル物産伝説の営業マンで「ロシアのレアメタル鉱山を一人でいくつも開拓した」「コンゴ内戦時、ジャンボ機を調達して、日本人スタッフ、家族全員を脱出させた」などの伝説を持つ。中国シェールガス発掘プロジェクトを推進するが、ライバルの亀和田専務と対立する。

書誌情報

商人道 全3巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2014-09-30発行、 978-4091865052)

第2巻

(2015-01-30発行、 978-4091867445)

第3巻

(2015-07-30発行、 978-4091870650)

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