ザ・トラックマン

競馬紙の記者であるトラックマンに焦点を当てた競馬漫画。トラックマンの視点から見た競馬界が描かれているが、競走馬や競馬騎手事情についても丁寧に解説している。「別冊漫画ゴラク」に連載された作品。

正式名称
ザ・トラックマン
作者
ジャンル
ギャンブル・賭博
レーベル
ニチブンコミックス(日本文芸社)
巻数
全2巻
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概要・あらすじ

「競馬ゴラク」のトラックマンである驫木一番は、史上最高配当の3連単を的中させた伝説の人物。プライベートでは、行きずりの女性や爆乳タレント、競馬リポーターを本能のままに抱く、だらしのない男性だが、仕事では自分の信条である「穴予想師」として、信じた馬に印を打つ日々を送っている。しかし過去の栄光とは裏腹に、現在は鳴かず飛ばずで、後輩の西中島南方にも馬鹿にされている。

そんななか、一番は再起を誓って消費者金融で金を借り、その資金をフェブラリーステークスに投じるのだった。

登場人物・キャラクター

驫木 一番 (トドロキ イチバン)

競馬専門紙「競馬ゴラク」のトラックマンの男性。極度の女好き。仕事場である支局の宿泊施設に女性を連れ込むことも珍しくはないが、同じ仕事場の同僚である身内には絶対に手を出さない。女性にはだらしないが、仕事には真摯に向き合っている。史上最高配当の3連単を当てるなど、誰もが避けるような大穴予想に限って的中させる、伝説的な勝負強さを持つ。

西中島 南方 (ニシナカジマ ミナミカタ)

競馬専門紙「競馬ゴラク」のトラックマンの男性。驫木一番の後輩にあたる。トラックマンとしても社会人としても無茶苦茶な一番に振り回されることが多いが、一番の手腕を近くで見ており、その実力を認めている。一番が女性にモテることについては、素直に羨ましいと思っており、こと女性関連の話になると妬んだり悔しがったりすることが多い。 自らは女性にまったくモテない素人童貞。

南森町 あおい (ミナミモリマチ アオイ)

競馬専門紙「競馬ゴラク」のトラックマン。同紙60年の歴史において、初めての新卒女性。配属は想定班で、驫木一番のもとで共に仕事をしている。競争馬に対する知識や競馬会全体の知識はあるものの、当初はダービー候補馬を持つ有力厩舎にしか興味がなく、それ以外の厩舎を回る時には不満を募らせていた。しかし、一番のもとで競走馬を見て回るうちに、それぞれの馬にドラマがあることを知り、徐々に考え方を改めていく。

宮里 藍之助 (ミヤザト アイノスケ)

「競馬ゴラク」新聞社美浦支局長の男性。博多弁をしゃべる。いつも支局の宿泊施設に女性を連れ込んでいる驫木一番を、クビにしようとしているが、未だに達成できていない。一番が女性と関係を持つパターンは概ね理解しており、身内には手を出さないということも把握している。

寺島 忍 (テラシマ シノブ)

寺島五月の母親。支局のまかない婦をしており、近くに住んでいる。五月が有名私立中学校に合格したことを喜んでいた。しかし、最近になって登校拒否を繰り返しているせいで元気がなく、驫木一番に醤油と酢を間違えて渡すなど、うっかりミスも多くなっている。

寺島 五月 (テラシマ サツキ)

寺島忍の娘。有名私立中学校に合格して間もなく、登校拒否状態になっている。その原因は、周りの生徒が良家のお嬢様ばかりであることと、進学校の勉強についていけるかどうかで不安になったため。驫木一番とは昔からの知り合いで、お互い気兼ねなく話せる間柄。競走馬にも詳しく、ダイワメジャーの血統について解説ができるほど。

ほしの あこ (ホシノ アコ)

競馬番組のレポーターを務める爆乳タレントの女性。驫木一番のセフレ。嫉妬深い性格で、一番が同僚の神崎まどかと関係を持ったことを知った際には怒りを露わにし、「私の心は失ったかもね」と涙を流して去っていった。

富田林 勝男 (トンダバヤシ カツオ)

ビエラビスタを管理する竹本厩舎の専属騎手。デビュー前からビエラビスタの調教を手がけている男性。その筋の情報にはハズレがなく、驫木一番もビエラビスタの状態を確認するために、わざわざ酒の席を設けていた。過去には新人王も期待された騎手だったが、現在デビューして6年間も勝ち星がないことから、引退を視野にいれている。

小林 (コバヤシ)

競走馬ニャンダースピードの馬主の男性。驫木一番が「旦那さん」と呼ぶ、今時珍しく気前の良い馬主。一番が1万円のハズレ馬券を見せたら10万円を渡してくれるほど。競馬新聞紙とスポーツ紙にはすべて目を通しており、自分の馬を推してくれるトラックマンのことを完璧に把握している。

Dr.トラノ (ドクタートラノ)

「トラノ」の冠名を持つ馬主の男性。整形外科専門の「虎野ビューティクリニック」で院長。自らもTVCMに出演して広告塔になるなど、美容整形界の草分け的な存在。過去に重賞をいくつも勝ったトラノアイジンを所有しており、当時はその馬名どおり、本当に愛人を何人も侍らせていた。現在は経営するクリニックの医療ミスが発覚して経営が傾き、所有馬をほとんど手放して落ちぶれている。

所 直喜 (トコロ ナオキ)

競馬専門紙「競馬ゴラク」のトラックマンの男性。調教時計を計る時計班に所属している。女性を支局に連れ込んでいる轟木一番を叱るよう西中島南方から言われているが、伝説的な予想を的中させている一番のことをエース扱いしており、一番に対して強く出られずにいる。

松竹 梅三郎 (マツタケ ウメザブロウ)

競馬専門紙「競馬ムック」のトラックマンの男性。ほしのあこの熱心なファンであり、あこをセフレとしている驫木一番のことを逆恨みしている。調教師を一手に束ねる全日本調教師会の会長である松竹調教師の息子という立場を利用し、一番に調教師から情報を与えないように圧力をかける。

神崎 まどか (カンザキ マドカ)

競馬レポーターを務める女性。驫木一番と体の関係を持った後、どんどんTV出演の機会を増やしていく。ほしのあこいわく、「ツキのある男性を見つけては寝て、そのツキを奪い取る超さげまん女」。事実、神崎まどかと関係を持った一番は、その後に216レースで的中ゼロ、10週連続的中記録も途切れてしまい、連載コラムも終了になるなど散々な目に遭う。

巽 徹五郎 (タツミ テツゴロウ)

ベテラン調教師。南森町あおいが初めて受け持った担当厩舎で、責任者を務める56歳の男性。頭と額に管理馬に割られた際にできた無数の傷がある。それでも30年間、何度も死の淵から這い上がって調教師を続け、数多くの名馬を送り出してきた名伯楽。かなり気難しい性格で、あおいも最初はまったく相手にされなかったが、趣味の麻雀を通じて多少は心を開くようになった。

東海林 (ショウジ)

競馬専門紙「競馬ゴラク」の想定班に所属する中年男性。特定の騎手と契約を結んで、その騎手のスケジュール管理や騎乗馬の手配をしている。関東を代表する凄腕エージェント。予想の他に誌面でコラムも手掛けているなど、トラックマンとしても優秀な能力を持ち、西中島南方が目標としている人物。

鷺沼 早紀 (サギヌマ サキ)

一口馬主クラブの広報を自称する女性。女っ気のまったくない西中島南方が熱を上げている。容姿端麗で、驫木一番も「イイ女」と認めるほどの美貌の持ち主。その後、一口馬主クラブが存在しなかったり、その馬主クラブが所有している馬の情報が違っていたりと、「競馬ゴラク」の面々から怪しまれることになるが、100万円もするダイヤの指輪を彼女に贈った南方だけは、ただ一人信じて疑わなかった。

桜井 翔子 (サクライ ショウコ)

中央競馬界唯一の女性騎手。21歳の時にデビューし、2戦目で初勝利を収める。その年には13勝もの勝ち星を積み重ね、JRA史上初めて、女性騎手として新人王を獲得した。卓越した騎乗センスと技術、そしてアイドル顔負けのルックスを持つ。競馬界に留まらない人気を誇っていたが、30歳を超えると注目度が下がり32歳で引退した。驫木一番とは競馬学校の同期生で、一番からは「一番グレートな騎手」と評されている。

リンダ・ハミルトン (リンダハミルトン)

アメリカの女性騎手。有馬記念に出走予定のビエラビスタに対抗するため、驫木一番が巽徹五郎に推薦した。2年連続ケンタッキーダービー制覇に加えて年間100勝を挙げており、一番は「女性騎手の中でもずば抜けている」と評している。容姿端麗なうえに爆乳の持ち主だが、騎乗前夜に男性に騎乗しないと本番で力を発揮できない、という欠点を持つ。

恵比寿 五郎 (エビス ゴロウ)

競馬番組の司会をしている競馬会の重鎮。TVの前ではにこやかで、「仏のえびす」の異名を持つ男性。しかし、驫木一番と共演した際には、CMで番組が中断している間に穴予想を全否定し悪態をつくなど、かなり腹黒い一面も持っている。一方で若くて可愛い女性にはめっぽう甘く、南森町あおいに対してはすべての予想を肯定する。

五十嵐 紋次郎 (イガラシ モンジロウ)

かつて競馬専門紙「競馬ゴラク」の時計班に所属していた64歳の男性。退職していたが、時計班に欠員が出たことで復帰した。女性に対してボディタッチをしたり連絡先を聞いたりするなど、かなりのエロじじいぶりを発揮する。しかし、南森町あおいのことを驫木一番が「生娘」と呼んだ瞬間にセクハラをやめてしまうなど、処女には興味がない。 別名「トケイの神様」と呼ばれ、時間には絶対的な自信を持つ人物。ストップウォッチなしでも、体内時計で時計班としての役割を1人で担うことができる。

横川 珍一郎 (ヨコカワ チンイチロウ)

18歳の新人騎手の男性。父親にリーディング騎手の横川珍平を持つ2世騎手。デビュー1か月ですでに5勝を挙げた実力派だが、同じ競馬学校の同期である奈良信男のことを馬鹿にして、パシリにするなど性格は少々歪んでいる。

奈良 信男 (ナラ ノブオ)

18歳の新人騎手。そのハートのような生え際の形から、仲間内から「ラブ男」と呼ばれている気弱な青年。競馬学校の同期からはパシリのような扱いを受けており、現在も買い物に行かされたりしている。競馬学校時代の成績はいつもビリだったが、背筋力240キロ、握力80キロオーバーとかなりの身体能力を誇る。

毒蝮 三遊太 (ドクマムシ サンユウタ)

毒蝮厩舎の調教師を務める40歳の男性。かつて騎手だった時代には、厩舎の調教師に安い賃金でコキ使われ、ほとんど馬に乗ることなく引退している。競馬学校での成績がいつもビリで、実習先の厩舎からも見放された奈良信男を引き取った。その背景には、信男に昔の自分のようにはなって欲しくないという思いがある。

吾妻 九州男 (アズマ クスオ)

かつて競馬専門紙「競馬ゴラク」のトラックマンだった男性。ノミ行為に手を出したことが明るみに出て、クビになった。現在はバックにヤクザが構えているノミ屋の社長を務め、羽振りのいい生活をしている。驫木一番の予想勘を高く評価しており、自分の会社にスカウトするために一番のもとを訪れる。

吾妻 みさこ (アズマ ミサコ)

吾妻九州男の妻。かつて競馬専門紙「競馬ゴラク」本社で営業として働いていた。支局にもよく顔を出しており、女っ気がない社内ではマドンナ的な存在だった。当時は驫木一番と仲が良く、お互いに両想いだったが、一番が身内に手を出さない信条を貫いたため、結ばれることはなかった。

金田 蔵之介 (カネダ クラノスケ)

金田ホールディングスの社長と馬主協会会長を務める60歳の男性。日本ダービー2勝、昨年は牡牝3冠クラシック完全制覇の偉業を成し遂げた競走馬の馬主。愛娘である金田マリアと付き合っている驫木一番に対し、トラックマンとして自分の所有している馬すべてに印をつけることを迫る。

金田 マリア (カネダ マリア)

金田ホールディングスの社長を務める大馬主・金田蔵之助の一人娘。元々、家柄を知らずに声をかけた驫木一番と、のちに親密な関係になり、結婚を前提とした付き合いをしている。器量が良く誰にでも好かれる性格をしている一方、一番に浮気をしないよう、メタリック製の貞操帯をつけるなど、独占欲が強い一面もある。

ドクガンリュウオウ (ドクガンリュウオウ)

毒蝮厩舎に所属している牡の3歳馬。戦績は1戦1勝。毒蝮厩舎のなかでは期待されている馬で、驫木一番もその実力を認めるほど潜在能力は高い。勝ち星はリーディング騎手の横川珍平が挙げており、その実力を認めたのか、再び騎乗したいとの申し出を受けている。

ビエラビスタ (ビエラビスタ)

宝塚記念に出走予定の1番人気馬。アホォッカなき後の競馬界をリードする現役最強牡馬。宝塚記念において穴予想を行っている驫木一番に最も恐れられている存在。騎乗予定の騎手が落馬で骨折したため、一番がデビューから鳴かず飛ばずの富田林勝男を騎乗させるよう頼み込み、その通りとなった。その際のオッズは1番人気ながら4.7倍。

ニッシンゲッポ (ニッシンゲッポ)

平地のレースを走っていた競走馬。結果が出ずに、半年ほど前に障害レースに転向した。障害レースへの出走を勧めたのは驫木一番で、障害レースで走ったおかげで、トモが強くなり力強い走りを身につけた。有力馬にしか興味のない南森町あおいが、トラックマンとして初めて見た馬でもあり、当初はまったく目もくれなかった。

ナンクルナイサー (ナンクルナイサー)

皐月賞に出走予定の1歳馬。これまで10戦1勝。種馬の牡馬は行方不明となっており、血統もお世辞にも良いものとは言えない。しかし、母親馬であるオシンの堅実な走りを評価していた驫木一番は、本命として10万円を賭けていた。一番が登校拒否していた寺島五月に紹介した馬で、その境遇も五月と似ている。

ダイワメジャー (ダイワメジャー)

皐月賞を獲った競走馬。1勝馬にも関わらず、500万下クラススプリングステークスで3着となった。父は「最強種牡馬」サンデーサイレンス、母は「華麗なる牝系」スカーレットブーケという良血統。寺島五月がナンクルナイサーと比較する際に例えに出した実在馬。

オヒカエナスッテ (オヒカエナスッテ)

驫木一番が弥生賞に急遽出場させた牝馬。1600メートル以上のコースを得意としており、500万特別賞では圧勝、暮れの重賞やラジオ賞では差のない3着に入っている。鞍上の騎手は、あたりが。柔らかく牝馬の扱いには定評のある外崎を起用した。

スミレキングダム (スミレキングダム)

弥生賞に出走する競走馬。目下3連勝中、連対率100%で今年のダービー候補との呼び声も高い。デビュー2戦は夏競馬のため、まだ馬が若く勝ちきれなかったとされていた。しかし、実際は牝馬の尻を追いかけまわすのが好きで、目の前に好みの牝馬の尻があると、そこに鼻ヅラを突っ込むというクセがあるだけだった。

ボラギノールスチー (ボラギノールスチー)

フェブラリーステークスに出走予定の競走馬。天下無敵のダート界の王者。G1レース3連勝中で、フェブラリーステークスを足掛かりに世界最高峰のレースドバイワールドカップへの出走を目論む。驫木一番も1着と予想する本命中の本命馬。

トラノコチケット (トラノコチケット)

フェブラリーステークスに出走予定の競走馬。落ちつぶれてしまった馬主であるDr.トラノが所有している最後の競走馬。フェブラリーステークスで1着にならなければ、手放さなければならない、という追い込まれた状況になっている。地方のレースでしか勝利を収めていない中央未勝利の馬で、周りからも1着を勝ち取るのはほぼ不可能だと思われている。

コンヤモオアズケ (コンヤモオアズケ)

G1初挑戦の馬。天皇賞に出走させるため、急きょ驫木一番がトラックで運んできた競争馬。今年の天皇賞では最も人気がない。しかし、一番はこの馬を最も評価しており、ただ1人◎(本命)をつけた。左回りが得意で、天皇賞と同じコースを、かつてコンマ2秒差をつけて勝った実績を持つ。

アホォッカ (アホォッカ)

牝馬にしてG1で2勝を収めているダービー馬。昨年の日本ダービーと天皇賞を獲っており、いずれルドルフやオペラオー、ディープインパクトといった伝説の名馬に並ぶと評されている。今年度の天皇賞でも、単勝オッズ1.2倍の大本命となっている。

書誌情報

ザ・トラックマン 全2巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(2010年10月28日発行、 978-4537126617)

第2巻

(2011年7月16日発行、 978-4537127652)

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