概要・あらすじ
大学生の紙戸屋川露は、ある日恋人の擬宝珠みぞれを交通事故で亡くす。落ち込む露は、みぞれの机の中から奇妙な手紙を見つける。その手紙には、「死体を焼かずに見守ってくれていればキセキが起きる」と書かれていた。数日後、みぞれの遺体はまるでゾンビのように動き出すのだった。そのままみぞれの世話を始める露だったが、ある日突然みぞれの体から黒いアメーバのような怪物が飛び出し、露は重体を負ってしまう。病室で意識を取り戻した露は、警視庁公安部に所属する女性、赤児早苗と出会う。赤児から、みぞれが人間の死体に寄生する怪物「黒穢」に感染していたことや、さらに露自身も生きながらにして黒穢に感染しまったことを聞かされた露は、赤児に促されるまま黒穢との戦いに身を投じていくのだった。
登場人物・キャラクター
紙戸屋川 露 (しとやがわ つゆ)
大学1年生の青年。両親からネグレクトされ親戚の家で育つが、そこでも虐待を受け、家出したところを3年前に擬宝珠みぞれに拾われ、以降同棲していた。黒穢に感染したみぞれに襲われ、自分も生きながらにして黒穢に感染。右半身が黒く変色し、いびつに変形している。赤児早苗に出会い、公安部の反4課に協力。失踪したみぞれを探し、彼女を元の人間に戻そうと考えるが、反4課の目的が黒穢の殲滅であることを知って苦悩する。
擬宝珠 みぞれ (ぎぼし みぞれ)
京都府の大学に通う女性。大学3年生。困っている人を見ると放っておけない性格の持ち主で、家出していた紙戸屋川露を自宅に引き取り、以降同棲している。あるときトラックに跳ねられて死亡する。しかし、その時黒穢に感染していたらしく、死亡してから数日後に復活。復活してすぐはゾンビのような状態だったが、数日後露から世話をされているうちに黒穢として「開花」し、知性を持つようになる。露を襲い、重症を負わせた後に失踪する。
赤児 早苗 (あかご さなえ)
警視庁公安部の反4課に所属する捜査官。黒穢の起こす事件を捜査している小柄な女性。常に人を食ったような態度を取る。黒穢に感染して「不在死人」と化した紙戸屋川露の前に現れ、彼に反4課捜査官という身分を与えて、協力させようとする。京都のどこかに黒穢を匿うコミュニティがあると考えており、その調査を行っている。
その他キーワード
黒穢 (くろえ)
人間に寄生して死亡させたのちにその肉体を復活させ、ゾンビのような状態にして乗っ取る謎の生物。正式には「黒玉質特殊潜在型死穢変容忌生生物」と呼ばれ、警視庁公安部にはそれに対抗する反4課と呼ばれる部署がある。生きながら黒穢に感染した人間は「不在死人(いぬじにん)」と呼ばれ、特殊な能力を持つようになり、反4課の管理化に置かれる。
クレジット
- 原作