シュガーポット

シュガーポット

実家が営むカフェにやって来る客に一目惚れした平野沙保が、両思いになるべく奮闘する姿を描いたラブコメディ。2003年「りぼん秋のびっくり大増刊号」に掲載されたあと、「りぼんオリジナル」2004年2月号から12月号にかけて連載。その後、『シュガーポット -CAFE FLAT-』とタイトルが改められ、「りぼんオリジナル」2005年12月号から2006年4月号にかけて連載された。そのため、コミックスも最終第3巻のみ『シュガーポット -CAFE FLAT-』のタイトルとなっている。

正式名称
シュガーポット
ふりがな
しゅがーぽっと
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

実家が経営するカフェ「FLAT」を手伝っている平野沙保は、客である大学生の各務雅輝に片想いをしていた。ある日、沙保はアルバイトの麻美のネットワークにより、雅輝の住むマンションの住所を入手。早速その住所へと向かった沙保は、雅輝を見つけて話しかける。突然の展開に戸惑う雅輝であったが、沙保は強引に面識を持つのだった。その後、沙保がいつものように「FLAT」を手伝っている最中、麻美たちに「沙保がいつもスニーカーを履いていて足を出さないのは、水虫だからだ」とからかわれている現場を雅輝に見られてしまう。誤解を与えてしまったとパニックになった沙保は嫌われたくない思いから、過去に事故に遭って脚に傷があるコンプレックスを雅輝に打ち明ける。そして雅輝は「気にする事はない」と沙保に高価なミュールをプレゼントし、二人の関係は少しずつ近づいていく。(第1話)

恋愛経験のない沙保は、彼氏のいる妹・平野志保や周囲の友達に遅れをとっているのではないかと焦っていた。そんな中、「FLAT」に中学時代に顔見知りだった柏原が現われ、当時沙保の事が好きだったと打ち明ける。麻美たちからは「雅輝より柏原を選んだ方がいい」とアドバイスを受けるが、沙保自身はやはり雅輝の事が諦めきれない。ちょうどバレンタインデーが近い事もあり、沙保は雅輝に手作りチョコレートを渡す事を決意する。当日、沙保は雅輝の住むマンションまでチョコレートを届けに行くが、そこで天候が悪化。帰れなくなってしまった沙保は雅輝の家に泊まる事になるが、キスをしたところで雅輝に急な仕事が入ってしまい、それ以上の進展はなく終わってしまう。(第2話)

雅輝の執筆した小説が権威のある賞を受賞した。同時に作者である雅輝のルックスのよさも受け、世間では大きな話題となる。その影響から、「FLAT」には雅輝目当てのアルバイト店員・河瀬恵理子が新しく入って来るなど、沙保の周囲も何やら騒がしくなってきた。雅輝が手の届かない場所にいってしまったと寂しさを覚えた沙保は、麻美やことみからのアドバイスにより、雅輝のサイン会に参加。しかし沙保は、華やかなファン達に囲まれ、壇上であいさつをする雅輝をますます遠くに感じるのだった。そんな中、雅輝は自身が缶詰にされているホテルに食べ物を持って来てほしいと沙保を呼び出す。自分を頼ってくれた事に心躍らせる沙保であったが、食事のあとには即座に帰宅を促され、意気消沈するのであった。(第3話)

第2巻

各務雅輝はますます売れっ子になっていくものの、同時に周囲からの期待を受けて余裕を失い、小説に没頭したいからと平野沙保を遠ざけるようになっていた。そんな中、沙保は柏原から、友達の阿川河瀬恵理子に一目惚れしたので仲介役になってほしいと頼まれる。快くその依頼を引き受けた沙保は、柏原、阿川、恵理子の四人での遊園地デートを計画。そんな日々の中、柏原からの好意や数々の気づかいを受けた沙保は、次第に柏原に心惹かれるようになっていく。(第4話、第5話)

いつも通り沙保が麻美らとカフェ「FLAT」で働いていたところ、「サラダになめくじが入っていた」と大声でクレームを言って、暴れている大原真名を含む女子高校生の団体に遭遇。その騒ぎによって「FLAT」の不手際が噂となり、客足が一気に落ち込み、閉店の話まで出てくるほどに追い込まれてしまう。やり過ぎてしまったと後悔する真名は、偶然にも街中で柏原と再会。柏原が自分をしっかり覚えていてくれた事、そして変わらず優しく話しかけてくれた事に感激した真名は、その足で沙保たちが働く「FLAT」を訪れ、心から謝罪をするのだった。その後、「FLAT」は雅輝のコネから雑誌に掲載されるようになり、以前の活気を取り戻していく。(第6話)

ある日、沙保は父親から「FLAT」が立ち退きを迫られている事を聞かされる。店の経営を続けるにはかなりのお金が必要だったが、そんな資金はどこにもなかった。そこで沙保は雅輝に援助を求めるが、甘い事を言うなと激怒されてしまう。何とか自分でお金を稼ごうと考えた沙保は、麻美の実家である高級クラブで接客の仕事を始める。雅輝はそんな沙保の姿を見て彼女の思いを認め、「FLAT」への投資を決めるのだった。(第7話)

第3巻

相変らず平野沙保各務雅輝の関係は恋人同士ともいえず、曖昧なままであった。そんな中、沙保が食事を持参して雅輝の住むマンションに向かうと、同じく食事を持って来た大柳と顔を合わせる。大柳は、沙保が雅輝の執筆活動を邪魔しているのではないかと疑念を抱き、彼女に冷たくあたるのだった。沙保はそんな大柳の態度と、都合のいい時にしか呼び出さない雅輝に対して凹み、すっかり自信を失くしてしまう。(menu.1)

雅輝がカフェ「FLAT」でくつろいでいると、顔見知りである恋愛小説家・桜井梓が声をかけてきた。ファンだという梓に対して雅輝も丁寧に対応をし、沙保は二人のあいだに入り込めない。さらに沙保は梓から雅輝の作品を読んでいない事を指摘され、雅輝からも残念そうな表情をされてしまう。そのあとも梓は仕事中にもかかわらず雅輝の周りをウロウロとし、ついに大柳に怒られてしまう。梓はそれを雅輝に言いつけるなど、雅輝を自分だけのものにしようと画策するが、結局雅輝にははっきりと拒絶されるのであった。(menu.2)

バレンタインデーを迎え、沙保は昨年の2月14日に初めて雅輝とキスをした事を思い出す。同時に二人の関係がまったく進展していない事実に愕然とし、雅輝は自分をどう思っているのだろうと不安を覚えるのだった。(menu.3)

登場人物・キャラクター

平野 沙保 (ひらの さほ)

高校1年生の女子で、平野志保の姉。明るく前向きな性格で、よくいえば素直、悪くいえば騙されやすいところがある。実家はカフェ「FLAT」を営んでおり、平野沙保も暇な時は手伝っている。料理の腕はかなりのもので、「FLAT」では主に調理場を担当している。たびたびカフェにやって来る大学生・各務雅輝に片思いしており、オーダーされたカプチーノのラテアートをハートにするなど、伝わりづらいアプローチをしていた。 中学時代は陸上部で短距離走をしており、県大会の記録を持つほどの実力者だったが、中学3年生の時に事故に遭い、それ以降は陸上から離れている。ちなみに脚に傷は残っているものの現在は回復しており、足の速さには自信を持っている。麻美の協力により雅輝の住所を入手し、押しかけるかたちで仲よくなったが、なかなか関係が進展せずにいる。

各務 雅輝 (かがみ まさき)

カフェ「FLAT」をたびたび訪れている男子大学生。高校生の頃に投稿した小説が受賞してデビューし、その後は大学生兼小説家として活動している。「FLAT」を訪れていたのも、原稿を執筆するため。かなりの美男子であり、女性から好意を寄せられる事が多い。さらに来る女性は拒まずという姿勢の遊び人でもある。ただし、これは過去に彼女を親友に奪われた経験からやけになっているだけであり、本来は一途な性格。 突然自分の住むマンションに現われた平野沙保と親交を深めるが、思わせぶりな態度ばかりで関係は進展していない。

麻美 (あさみ)

カフェ「FLAT」でアルバイトをしている女子大学生。実家は高級クラブを経営している美女。男性から声をかけられる事が多く、モテるのを利用して高級ブランド品を貢がせるなどやりたい放題している。ちなみに「FLAT」でアルバイトをしている理由も、いい男からナンパされる事が目的。年下である平野沙保を使い走り感覚で使っており、親に言いつけたら各務雅輝に片思いをしている事を本人に伝えると、脅迫している。 しかし、沙保との関係はそれほど険悪なものではなく、麻美自身は彼女の事をいじりがいのある妹のような存在だと感じており、自分の知る雅輝の情報を流したりして沙保の恋を応援している。

菜々 (なな)

カフェ「FLAT」でアルバイトをしている女子大学生。ノリの軽い女性で、麻美と気が合う。結婚するならば金持ちがいいと公言するなど、打算的な性格をしている。意外と面倒見がよく、平野沙保には何かと付き合うのが面倒そうな各務雅輝よりも、好人物である柏原の方を勧めている。

ことみ

カフェ「FLAT」でアルバイトをしている女子大学生。本が好きで、各務雅輝の事にも詳しい。片思いをしているにもかかわらず雅輝の事を何も知らない沙保に対し、彼がどれほど偉大な小説家なのかを教える。

河瀬 恵理子 (かわせ えりこ)

カフェ「FLAT」に新人アルバイトとして入って来た高校1年生の女子で、平野沙保とは別のお嬢様学校に通っている。自分の事を「エリ」と呼んでいる。アルバイトを始めたきっかけは金ではなく、テレビで観た各務雅輝に一目惚れし、雅輝が頻繁に現われるカフェがあるという噂を聞きつけたため。雅輝だけではなく柏原の事も気にするなど、かなりの面食いで惚れっぽい性格。

柏原 (かしわばら)

平野沙保とは別の学校に通う、高校1年生の男子。爽やかな好人物として知られている。中学時代は沙保も出場していた陸上大会で優秀な成績をおさめていたが、医師になる夢を叶えるため、進学してからは陸上を辞めている。沙保とは直接会話を交わした事はなかったが、当時から密かに好意を寄せていた。たまたま友達とカフェ「FLAT」にやって来た事で、沙保と再会する。

阿川 (あがわ)

平野沙保とは別の学校に通う、高校1年生の男子で、柏原の友達。柏原と共にカフェ「FLAT」を訪れた際、河瀬恵理子に一目惚れし、沙保と柏原に仲介役を頼んだ。しかし、恵理子のイケメン好きで惚れっぽい性格に呆れ、何の進展もなく終わっている。

大原 真名 (おおはら まな)

平野沙保とは別の学校に通う、高校1年生の女子。中学から現在に至るまで陸上部に所属しており、沙保をライバル視していたものの一度も勝てなかった。そのうえ、ずっと憧れていた柏原と沙保が二人で楽しそうに歩いている姿を目撃し、嫉妬のあまりカフェ「FLAT」に対して嫌がらせをした。

大柳 (おおやなぎ)

各務雅輝の親友の青年。小説家として多忙な雅輝を心配し、手料理を振る舞うなど世話をしていた。雅輝の住むマンションの合い鍵も所持している。何かと雅輝の周りをウロウロする平野沙保を快く思っておらず、執筆活動の邪魔をしていると不快に感じている。その後は雅輝が迷惑に感じていない事、そして沙保が一途に尽くしている姿を見て誤解を解くが、以降も沙保に対しては軽く意地悪をして楽しんでいるところがある。

桜井 梓 (さくらい あずさ)

大学1年生の女性で、恋愛小説家として活動している。知的で清楚なイメージの美女。各務雅輝とは出版社のかかわりで面識があり、カフェ「FLAT」で偶然に顔を合わせた事で親交を深め、雅輝に何かと付きまとうようになる。普段はおっとりとした性格を演じているが実際は腹黒く、自分の目的を達成するためには手段を選ばない。雅輝と親しい平野沙保をライバル視しており、邪魔な大柳共々陥れようとしている。

大野 (おおの)

出版社に勤務している29歳の独身女性で、各務雅輝の担当編集者。才能にあふれ、ルックスもいい雅輝を世間に売り込もうと必死で奔走している。編集者としては厳しい姿勢で仕事に向き合っているものの、本来は明るくノリのいい、適当な性格の持ち主。

平野 志保 (ひらの しほ)

平野沙保の中学2年生の妹。沙保よりも大人っぽい雰囲気の持ち主で、恋愛の知識や経験も豊富。家族公認の藤田という彼氏がいる。

藤田 (ふじた)

中学2年生の男子。平野志保の彼氏で、平野沙保の自宅によく遊びに来ている。遅くなった時には晩の食事にも誘われるなど、沙保の家族から快く受け入れられている。

場所

FLAT

平野沙保の実家で、地域では有名なカフェ。沙保の父親が店長を務めている。美味しい手作りケーキが自慢で、アルバイト店員も多い。沙保も暇な時には手伝っているが、アルバイトの女子大学生・麻美にこき使われるなど、経営者の娘だからといって特別扱いは一切されていない。

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