概要・あらすじ
人間の娘プシケの美しさに嫉妬したビーナスは、その幸福がプシケが飼っているユニコーン、ユニコの力だと思い、蝶の精パピヨンにユニコをさらわせ、西風の精ゼフィルスに命じてユニコを遠い時間の彼方へ運ばせる。愛されることで力を出せるユニコは、やさしくしてくれた人々に幸福をもたらして、また次の旅へと向かう。
登場人物・キャラクター
ユニコ
『ユニコ』に登場するキャラクター。プシケに飼われていたユニコーン。プシケの美しさに嫉妬したビーナスによってさらわれ、西風の精ゼフィルスに時間の流れを下って見知らぬ場所へ運ばれてしまう。 やさしくされると力が出て人を乗せて走れるくらいに大きくなったり、虫くらいに小さくなることや、空を飛ぶことができる。 人間の言葉も話せ、いろんな動物の声をまねることも得意。西風の精ゼフィルスに違う時間、違う場所へ運ばれるたびに、それまでのことを忘れてしまう。
ビーナス
『ユニコ』に登場する美しいが、嫉妬深い女神。オリンポスの神殿に暮らす。人間の娘プシケの美しさに嫉妬し、その幸福がプシケが飼っているユニコーン、ユニコの力だと思い、蝶の精パピヨンにユニコをさらわせ、西風の精ゼフィルスに命じてユニコを遠い時間の彼方へ運ばせる。
エロス
『ユニコ』に登場するビーナスの息子。愛の矢を放って、男と女を恋に落とす愛のキューピッド。
プシケ
ナナシス王の3人姉妹の末娘。毎日2万通のラブレターが届く美しい娘。なついた人間に永遠の幸福をもたらす動物ユニコーンを飼っている。その美しさからビーナスの嫉妬をかい、ユニコをさらわれてしまう。
ゼフィルス
『ユニコ』に登場する西風の精。ビーナスの命令で時間の流れを下ってユニコを遠い時間の彼方の様々な場所へ運んで行く。
ティピ
アメリカ先住民の男の子。バッファローに跳ね飛ばされて気を失ったユニコを連れ帰る。白人の女の子メアリと出会い、ユニコの力でひととき大人にしてもらい、2人で恋人の時間を過ごす。
ロゼリア
グロス公国の王女。父である王は、戦いに明け暮れ、勝つために悪魔に自分の顔を売ってしまう。以来、カエルそっくりのみにくい姿になってしまい、その姿を見てみんなが逃げてしまうため、娘のロゼリアにも恋人ができず、寂しい日々を送っている。部下のダンダラ卿の陰謀で処刑されそうになった父をユニコに救われ、ロゼリアはかつてグロス公国に滅ぼされたローズランドの王子ルピナスと結ばれる。
チャオ
捨てられた黒い子猫。ユニコの力で1時間だけ美しい人間の娘の姿になる。森の動物や役に立たない召し使いを次々殺してしまう冷酷なゴースト男爵に捕まり、大きな鳥かごに入れられてしまった。ユニコが森の動物全部を人間に変えて男爵を森から追放し、チャオはかごから助け出される。
チコ
工場のコンピューターに愛されてしまった人間の女の子。おじいさんと暮らしているが恋に狂った工場から流れてくる毒のために病気になってしまう。ユニコに妖精の島へ連れて行ってもらい妖精の王子から白い羽をもらう。工場に捕まって病気がもっと悪くなるが、妖精の羽の力で工場は正気に帰り、チコは元気になっておじいさんの元へ戻る。
ピロ
スフィンクスの息子。母のスフィンクスをオイディプス王に倒され、死に際に、立派なスフィンクスになれと息子に言い残す。アゼンスの森で妖精王の妃チターニアにロバにされユニコと妖精のパックに救われる。
マーシュカ
帝政ロシアのとある町で、ひったくりや強盗でその日暮らしをするチンピラ。男の格好をしているが、実は孤児院を抜け出した少女。「1度だけでいいから恋をしたい」という思いをユニコに打ち明けると、ユニコは彼女を美しいドレスで着飾ったコーカサスの令嬢にしたてる。舞踏会で自分を追っている警察署長のロマノフと恋に落ちたマーシュカは、その翌日、ロマノフに会いたいがために死刑を覚悟で自首する。 ロマノフは彼女のために恩赦をとりつけ、二人は結婚式を挙げるために馬上の人となる。
孤独という名の悪魔 (こどくというなのあくま)
『ユニコ』に登場する悪魔。生きとし生けるものがかげをひそめた地の果ての国にすむ、子どもの悪魔。ユニコのツノをほしがり、1日だけ貸してもらう。ユニコにツノを返そうとして海でおぼれそうになり、ユニコに助けられたことにより、初めて人に助けられると言うことを知る。
ユニコーン
『ユニコ』に登場する伝説の生き物。基本的には人間にはなつかないが、いったんなつけばその人間に幸福をもたらす伝説の生き物。純潔で正直で素直な心の持ち主には安心してなつくと言われている。