概要・あらすじ
主人公・蛇ヶ崎晋太郎は、東京都舞羽市の交番に務める警察官。平凡で予測可能な人生をつまらないと感じながらも、事なかれ主義を貫き、日々をのらりくらりと過ごしていた。ある日、酔っぱらいの対応で電車に乗った際、部下に大声で説教する迷惑なエリート会社員に遭遇する。本心を隠し、あくまで物腰柔らかく注意する蛇ヶ崎だったが、エリート会社員は聞き入れず、説教はますます加熱する。
やがてエリート会社員の顔は変形していき、醜悪で恐ろしい姿の化物になった。変形した唇から伸びる長い舌で部下を切り裂き、乗車客を次々と殺していくエリート会社員。蛇ヶ崎は、拳銃で射殺しようと銃口を向けるが、舌で人差し指と中指を切り落とされてしまう。死を覚悟する蛇ヶ崎だったが、右手がいつのまにか銃のような形状に変化。
指先から巨大なエネルギーのようなものが発射され、エリート会社員を破壊してしまう。呆然とする蛇ヶ崎の前に、まん丸いフクロウが現れる。フクロウは毒山田惨死郎、通称ドクちゃんと名乗る。ドクちゃんによると、人間に寄生するマッドゼノパス(キチガエル)が街中にばらまかれたらしい。
キチガエルは人間の抑圧された欲望を栄養とし、宿主を「壊人」にする。自我を失って凶暴化した壊人を倒すのが蛇ヶ崎の役目で、自分はその相棒なのだという。こうして蛇ヶ崎の平凡でつまらない日常は終わり、世界を救うため、異常で危険な使命を背負うことになった。
登場人物・キャラクター
蛇ヶ崎 晋太郎 (じゃがさき しんたろう)
東京都舞羽市の交番に勤務する青年警察官。平凡な外見だが、意外に細マッチョ。優柔不断で事なかれ主義、いつもヘラヘラ噓笑いをしている。一方で予想のつく平凡な未来をつまらないと考えており、妄想で周りの人間を拳銃で撃ってウサを晴らす。すぐに拳銃を撃つ舞羽市のご当地キャラ「ぶっぱなす」を敬愛し、心の師匠とする。街にばらまかれたキチガエルのオタマジャクシに寄生され、半壊人「壊人戦士ジャガーン」となり、右腕に蛇ヶ崎銃(ジャガン)を宿す。 どこからともなく現れたドクちゃんを相棒に、世界に散らばったキチガエルをすべて捕まえる使命を背負う。ドクちゃんはキチガエルを食べ、フンガーボールを排泄するが、これを定期的に摂取しないと、完全に壊人化してしまう。 壊人化した恋人・石坂由利子を撃ち殺したことを後悔し、生首をラップに巻いて冷蔵庫で保存。すべての壊人を倒せば、自分の命と引き換えに生命を一つ創造できると知り、由利子の復活を人生の目的とする。
ドクちゃん
まん丸い形状のフクロウ。ゴーグル付きの飛行帽を被る。人間の言葉を話し、一人称は「オリ」。突然、蛇ヶ崎晋太郎の前に現れ、蛇ヶ崎の相棒を名乗る。世界に散らばったキチガエルを食べて回収するのが目的。キチガエルを食べた後、ドクちゃんが排泄するフンガーボールには、蛇ヶ崎の壊人化を防ぐ働きがある。
石坂 由利子 (いしざか ゆりこ)
蛇ヶ崎晋太郎と同棲している彼女。27歳。蛇ヶ崎のことをシンちゃんと呼ぶ。軽くウエーブがかったロングヘアで、細身だが巨乳。4年前に合コンで蛇ヶ崎と知り合い、2年前から同棲。強い結婚願望を秘めており、キチガエルに寄生されて「愛欲! 彼女壊人ヒスコルピオン」に変身してしまう。巨大なサソリのシッポ状の武器を蛇ヶ崎に突きつけ、首を絞めながら結婚を迫ったため、蛇ヶ崎に撃ち殺される。
ベル
蛇ヶ崎晋太郎の後輩。ショートカット、ナイスボディの婦人警官。本名は川本クララベル。日本人の母とイギリス人の父を持つ。ハーフだが英語は全然話せない。本音をズバッと言い放つドライな性格で、上司に対してもまったく遠慮がない。蛇ヶ崎に対しては好意を持っている様子を見せる。
呂場端 求 (ろばはた もとむ)
蛇ヶ崎晋太郎が高校2年生のときのクラスメイトで、小柄な青年。27歳。派遣のバイトをしており、収入は月16万円。趣味は盗撮で、バイトで知り得た個人情報をもとに、女性の部屋へ忍び込んでカメラを設置する。
松屋町 散春 (まつやま ちはる)
蛇ヶ崎晋太郎と同じく、オタマジャクシのキチガエルを宿した半壊人。左腕が植物になっているため、「ヒダリキッキー」という名で呼ばれる。極楽鷹のナラクという鷹が相棒。ポニーテール状にまとめた長髪と、牙のように見える右の八重歯が特徴。相手を植物にしてしまう能力を持つ。
極楽鷹のナラク (ごくらくだかのならく)
壊人戦士ヒダリキッキーこと松屋町散春の相棒。極楽鳥に似た鷹で、目隠しをしている。ドクちゃん同様、人の言葉を話す。一人称は「僕」。
佐々岡 (ささおか)
細身で長身のエリート会社員の男性。年収1800万円で、マンションを5つ持っている。仕事ができない人間や低所得者を蔑み、驕り高ぶっている。キチガエルに寄生され、電車で部下を説教しているうちに壊人化する。壊人ネームは「高圧! 上司壊人キルベロ」。何重にも重なったくちびるおばけのような顔面から、ムチのような舌を伸ばし、人間を切り裂く。
池上 レイナ (いけがみ れいな)
蛇ヶ崎晋太郎の友人の彼女。結婚式でハイ状態になって壊人化、「祝福! 花嫁壊人メデタウロス」に変身する。ケンタウロスのように半人半馬、右手は槍状、左手はボウガンのようになっている。
場所
舞羽市 (ぶっぱし)
蛇ヶ崎晋太郎が交番勤務する東京都の都市。ご当地キャラは、拳銃を持ったナスのキャラクター「ぶっぱなす」。ある日、大量のキチガエルが空から降ってきて、壊人が発生する。
その他キーワード
壊人 (かいじん)
キチガエルに寄生され、変身した人間。自我を失い、欲望のままに凶暴化、通常の人間の何倍もの力と特殊武器を備える。蛇ヶ崎晋太郎は、キチガエルのオタマジャクシに寄生されており、半壊人と呼ばれる状態。
キチガエル
強い欲望を持つ人間を感知して寄生する生物。見た目は普通のカエルとあまり変わらない。ある日突然、世界中にばらまかれる。人間の抑圧された欲望を栄養に肉体と融合し、宿主を自我のない凶暴な化物(壊人)に変身させる。
クレジット
- 原作
書誌情報
ジャガーン 14巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2017-05-30発行、 978-4091895059)
第2巻
(2017-07-28発行、 978-4091896025)
第3巻
(2017-10-30発行、 978-4091897190)
第4巻
(2018-02-23発行、 978-4091897954)
第5巻
(2018-06-29発行、 978-4091898937)
第6巻
(2018-10-30発行、 978-4098601202)
第7巻
(2019-02-28発行、 978-4098602247)
第8巻
(2019-06-28発行、 978-4098603176)
第9巻
(2019-11-29発行、 978-4098604456)
第10巻
(2020-04-27発行、 978-4098605972)
第11巻
(2020-09-30発行、 978-4098607136)
第12巻
(2021-02-26発行、 978-4098608577)
第13巻
(2021-07-30発行、 978-4098611126)
第14巻
(2021-12-28発行、 978-4098611713)