概要・あらすじ
勤め先の会社が倒産し、彼女にまでフラれてしまったツイてない青年コージは、街で絡まれている女性を助けたあと、命からがらあるタイ料理店に逃げ込む。やたらと露出の激しいウェイトレスが注文を取りに来て、仕方なくランチを注文したコージだったが、その料理を一口食べるなり、強烈な美味さに涙を流してしまう。久々に生きている喜びを感じたコージは、すぐさまバイトに雇ってもらおうとするのだが、そこに現れたシェフは、どう見てもカタギではない、かなりいかつい風貌をしていた。
登場人物・キャラクター
コージ
23歳。チンピラに絡まれている女性を助けたあと、命からがら逃げ込んだタイ料理店チャーンでその味の虜になってしまう。勤め先の会社が倒産し、恋人のノリコにまでフラれてしまうという絶望の淵にいたが、チャーンの料理で元気と希望を取り戻し、調理助手として雇ってもらう。ビビりで頼りなく見えるが、教えられると何でもコツを摑んでしまうので、オーナーシェフであるボスにはかなり見込まれている。 優しい性格で、ワケありの客がいれば何かとお節介を焼いてしまう。
ボス
チャーンのオーナーシェフ。主人公コージの師匠。国籍不明。やたらといかつい見た目で、街の不良たちからも恐れられている。元ヤクザ、特攻部隊出身など、様々な噂が飛び交っているが、その真相は謎に包まれている。料理の腕は一流で、生み出される繊細な料理は、人々に幸せを与えている。
ポーラ
主人公コージの同僚。チャーンのウェイトレス。スペイン系。やたらと露出が多い派手な美女。日本に来たばかりの頃ボスに会い、店で雇ってもらう。気が強くてコージには常に厳しいが、子供や女性には優しく接する。一人で数人の男を倒せるほどケンカが強い。気ままな自由人に見えるが、ボディガードや召使いが時々店に訪れることから、どこかの姫という噂もある。
リン
主人公コージに惚れるベトナム人女性。街でチンピラに絡まれているところをコージに助けられて以来、コージに想いを寄せている。ポーラが突然消息を絶った後、チャーンの新しいウェイトレスとして雇われた。
ノリコ
主人公コージの元カノ。理由も告げずにコージに別れを伝え姿を消したが、しばらくして偶然コージと再会する。コージから調理助手のバイトをしている事を聞かされ、不安定な職である事からかなり反対する。しかし、やりがいを見つけてイキイキしているコージの姿に魅了され、再び気持ちが揺らぎ始める。
レーカ
チャーンの常連。ハンガリー人。日本には出稼ぎで来ている。悲しい事がある度にポーラお気に入りの公園で泣く癖があり、その直後に必ずチャーンを訪れる。帰国の日、必死で貯めたお金をスリに盗られるが、ポーラによって無事取り戻された。
伊藤青果の兄さん (いとうせいかのにいさん)
チャーンに野菜を卸す青年。ボスやポーラとは古い付き合いで、店で起こる暴力沙汰や、何年かに一度起こる爆破事故にも動じることがない。
ヒデキ
チャーンの常連。死んだ父親からアパートを受け継ぎ大家をしている。行く場所のない人や外国人ばかり住まわせ、彼らを家族のように大切にしている。ヤクザから理不尽な地上げにあい、アパート取り壊しの危機に直面するが、ポーラやコージの協力によりなんとか家も住人も守り通す。
マイ
チャーンの常連。ヒデキのアパートで母親ヨーコと二人暮らしをしていたが、ある日突然ヨーコが消息をくらます。その日以降、母親の帰りを待つため一歩も外に出なくなってしまうが、コージがご飯を届けると心を許し、元気を取り戻していく。
場所
チャーン
主人公コージが働くタイ料理店。コージのほかに、いかついオーナーシェフのボスと、露出の多いウェイトレスのポーラで構成される。ワケアリの客が多く集まる。