スパイダーマン

スパイダーマン

クモの特殊能力を得た高校生、小森ユウがスパイダーマンとなり、自分の超能力に翻弄されながらも悪と闘う社会派ヒーロー活劇。米マーベル・コミックの『スパイダーマン』の翻案だが、作家・平井和正が原作に加わってからはシリアスな要素が増え、独自色が強まっている。

正式名称
スパイダーマン
作者
原作
ジャンル
異能力・超能力
レーベル
MFコミックス(メディアファクトリー)
巻数
全5巻
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概要・あらすじ

運動神経が鈍い高校生・小森ユウは、放射能制御装置の実験中にクモに咬まれて超人的な特殊能力を身に付け、スパイダーマンになる。ユウは自らの超能力の暴走を恐れ、さらに思春期の悩みも抱えながら、ヒーローとして、さまざまな怪人や魔女、社会問題と闘っていく。

登場人物・キャラクター

小森 ユウ

音羽高校の男子生徒。元々は「運動神経が鈍い」、本の虫などといわれ、科学者を目指していた。ある日、放射能制御装置の実験中にクモに咬まれ、クモの特殊能力である超人的な運動能力と弾丸をも弾き返す肉体、予知や索敵などが可能な研ぎ澄まされた超能力、「スパイダー感覚」を身に付けた。 その後、自身の科学知識を活かして、クモの糸や網、パラシュートとしても活用できる万能の「スパイダー液」を開発、自ら作成したコスチュームをまとってスパイダーマンとなった。ユウは自らのスパイダーマンの超能力の暴走を恐れ、思春期の悩みも抱えながら、ヒーローとして、さまざまな怪人や魔女、社会問題と闘っていく。 幼いころ、両親と別れて養護施設に預けられていたが、何らかの事情でおばさんに引き取られ、育てられた。東京都三鷹市の一軒家に住んでいる。血液型はAB型。ペンフレンドの白石ルミ子に好意を持っている。ルミ子がゴーゴーガールになり苦悩するが、真相を狂魔事件の際に知り、ある決心をする。

白石 ルミ子

小森ユウ(スパイダーマン)のペンフレンドで、北海道富良野市に住んでいたが、エレクトロ事件の後、しばらくして上京。小森ユウとおばさんの家にわずかな期間だが居候していた。純朴な雰囲気の少女だったが、にせスパイダーマン・ミステリオ事件後に渋谷のゴーゴー喫茶でゴーゴーガールになり、派手になった。

おばさん

小森ユウの養母。作中、おばさんとだけ呼ばれ、氏名の描写がない。つねに割烹着を着てメガネを掛けている。幼いころ、両親と別れて養護施設に預けられていた小森ユウ(のちのスパイダーマン)を引き取り、育てている。白石ルミ子によると、小森ユウの成長ぶりを見ることだけが、おばさんのただ1つの生きがいである。 小森ユウと共に東京都三鷹市の一軒家に住んでいる。

電気人間エレクトロ

スパイダーマンに初めて敵対したサイボーグ。体に帯電装置が埋め込まれており、稲妻をモチーフにしたコスチュームを着ている。必殺技は、手先から電撃を発する電光ショックで金庫のドアなどを破壊することができる。さらに、手足の先が電磁石になっていて壁をかけ登ることができるなど、スパイダーマンと互角に戦えるだけの能力がある。 その正体は小森ユウにとって意外な人物であり、その後の小森ユウ(スパイダーマン)、白石ルミ子の生き方に影響を与えることになった。

犬丸博士

小森ユウが尊敬している科学者で、生物学の研究をしている。南太平洋の島で発生した事件で被害者となり、ゾアントロピー(獣人現象)によって白衣を着たトカゲの怪人、トカゲ男に変身できるようになった。別名は「トカゲの怪物」で、スパイダーマンを超えるパワーを発揮した。 新薬発見の名誉だけでなく、トカゲ男になったことで愛する妻も失い、興田製薬と加害者に復讐を果たそうとする。のちに小森ユウは事件の真相を知って苦悩する。小森ユウが通う音羽高校の男子生徒・犬丸との関係は不明。

荒木

小森ユウ(スパイダーマン)の友人。音羽高校の男子生徒。作中、名の記述がない。剣道部に所属している。オートバイや車を運転し、酒、タバコものむが不良とは一線を画している。当初、小森ユウからは「荒木さん」と呼ばれていたが、のちに「荒木」と呼ばれるようになった。父は興田製薬に勤める医学博士。 母、妹(洋子)と大邸宅に住んでいる。トカゲ男事件で誘拐されるなど、さまざまな事件の関係者、目撃者となる。

カンガルー男

オーストラリアの原野でカンガルーのジャンプ力に魅せられ、一緒に走り回っているうちにカンガルー以上にジャンプできる超能力(超人的な脚力)を身に付け、殺人プロレスラーになった。必殺技はドロップキック。アメリカ全土で指名手配されており、日本に来て捕らわれそうになっていたが、スパイダーマンが勘違いをして逃がしてしまう。 そのため、スパイダーマンは情報新聞社などからネガティブキャンペーンをされることになった。その後、カンガルー男は、金と間違えて医学上重要な実験用バクテリアを盗み、東京をパニックに陥れる。

にせスパイダーマン

スパイダーマンとして、映画スター加山年男襲撃や銀行強盗など悪事を行い、「全都民の敵」と呼ばれるようになる。その姿はスパイダーマンに酷似しており、同じ超能力とスパイダー液を使用するが、なぜこれらを手に入れたかは不明(ある事件後、小森ユウがコスチュームを川に投げ入れるシーンが描かれている)。 その行動で、白石ルミ子がスパイダーマン(小森ユウ)を憎むようになるなど、小森ユウとルミ子の関係に深い影響を与えた。

ミステリオ

悪事を働くスパイダーマン(本当はにせスパイダーマン)に挑戦状を叩きつけ、勇者として登場した。奇怪なマント、異様なヘルメットを身にまとい、足先などから発生させる人工霧と超音波装置でスパイダーマンのスパイダー感覚を狂わせたり、クモの糸(スパイダー液)を溶かすことができる。 その能力を駆使して、挑発に乗ったスパイダーマン(小森ユウ)に1度は勝利し、逃げ延びた小森ユウと白石ルミ子の運命を狂わせることになった。にせスパイダーマン事件はミステリオが引き起こしたものであり、その正体に小森ユウは衝撃を受け、ヒーローとしての決心を改めることになった。

ジョージ・ミードロ

オートバイ(ハーレー)に乗って登場。気に入らないことがあると、相手が警官であっても躊躇なく拳銃を乱射する。小森ユウらを人質に取って車で逃走、さらに羽田空港からハイジャックをして逃亡を図ろうとする。事件後、動機を知った小森ユウ(スパイダーマン)はやり場のない怒りを感じることになる。

犬丸

音羽高校の男子生徒。作中、名の記述がない。周囲から「犬丸さん」と呼ばれる不良グループのリーダー。小森ユウを気に掛けており、渋谷のたまり場に誘う。犬丸に不思議な魅力を感じたユウは、それに応じる。高校生でありながら高級マンションに住むなど羽振りが良いのは、アメリカの犯罪組織と麻薬取引などのビジネスをしていたためだが、そのため暴力団東名会と衝突することになり、スパイダーマンと関わりを持つことになる。 小森ユウが尊敬している科学者、犬丸博士との関係は不明。

斉木 未夜

小森ユウ(スパイダーマン)が凄まじいスパイダー感覚の発信源として見つけた、黒い喪服を身に着けた女。花壇を枯らせてしまったり、カップルを事故に巻き込んだり、山野昭一を凍死させるなど、さまざまな災厄をもたらす超能力(潜在意識の怪物)を持っている。コントロールできない自分の異常な力に恐怖し、苦悩している。

狂魔

ハイウェイの連続殺人者。超絶技巧の運転技術を持ち、高性能の車を駈って手当たり次第に車を狙い、衝突させて事故を起こす。マスコミや市民から交通戦争・競争社会と闘うブラック・ヒーロー(ダークヒーロー)としてもてはやされるが、国産車メーカーとテレビ番組のタイアップで狂魔探しに懸賞金が掛けられる。 正体は競争の世界でしか生きられない男だった。狂魔の犯罪は、小森ユウ(スパイダーマン)と白石ルミ子の運命を大きく狂わせることになる。

北野 光夫

大規模な列車事故にあって瀕死の重傷となっていたが、小森ユウからAB型の血液を輸血され急速に回復、スパイダーマンの超能力を身に付けた。その能力を使って「怪盗ビル荒らし」となっていたが、その後スパイダーマン2(小森ユウがスパイダーマン1)となり、公害狩りを宣言、マスコミの寵児となる。 姉の北野雪子を欺くなど狡猾な人物である。

三輪 真名児

小森ユウが通う音羽高校に赴任してきた教師で、ユウのクラスの担任となった魔女。その金色の目を見た人間はたぶらかされ、操られ、殺し合いなどをはじめてしまうため、音羽高校は荒廃し、校長の死から政治的な背景を持たない学園闘争を引き起こす。さらに事態は悪化し、紛争状態の中、小森ユウを罠にかけ、スパイダーマンを呼び出そうとする。

尾関 ミキ

真鍋芸能プロにいた新人歌手で、実力もあり芽が出かけていたが、グループサウンズの「モッブス」に襲われて未来を失った。真鍋芸能プロを追われる悲劇もあり、寝ている間に心の中の怨念の虎が肉体を離れて人を食い殺しに行く超能力を身に付けてしまい、モッブス襲撃などの事件を起こす。 その後、小森ユウ(スパイダーマン)の動きによって事情を知った真鍋芸能プロの意向を受けたヤクザ、塚原組に命を狙われることになる。

集団・組織

音羽高等高校

『スパイダーマン』の舞台の1つ。東京都にある。周囲に草むらなどがある自然に囲まれた環境にある。学校にある胸像には「創立以来、本校はつねに成績優秀にして健康なる青年を養成してきた。」とあり、スパイダーマン誕生のきっかけと考えられる放射能制御装置がテスト問題になると示唆されるなど、ハイレベルな高校である。小森ユウは学者を目指していた。 しかし、生徒の荒木が飲酒、喫煙する場面が描かれたり、別の生徒、犬丸が暴力団と敵対したり、剣道部キャプテンらがレイプ事件を起こすなど、乱れが見られる。「金色の目の魔女」事件では校長が殺害され、惨劇の舞台となった。

その他キーワード

スパイダー感覚

『スパイダーマン』に登場する超能力。スパイダーマンの持つ特殊能力で、予感といったレベルから比較的正確な予知、敵や邪悪な存在の位置を探ることなどができる。小森ユウが最も利用する能力。クモの特殊能力である超人的な運動能力や、弾丸をも弾き返す強靭な肉体、小森ユウが豊富な科学知識を駆使して開発した、クモの糸や網、パラシュートとしても活用できる万能の「スパイダー液」と合わせて、スパイダーマンの重要な能力の1つである。 にせスパイダーマンやスパイダーマン2が利用できるかどうかは不明。

書誌情報

スパイダーマン 全5巻 メディアファクトリー〈MFコミックス〉 完結

第1巻

(2004年6月23日発行、 978-4840109550)

第2巻

(2004年6月23日発行、 978-4840109567)

第3巻

(2004年7月23日発行、 978-4840109611)

第4巻

(2004年7月23日発行、 978-4840109628)

第5巻

(2004年7月23日発行、 978-4840109635)

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