スライムもりもり

スライムもりもり

TVゲーム『スライムもりもりドラゴンクエスト 衝撃のしっぽ団』の世界観をもとに描く、モンスター・スライムを主人公にしたコミカルな冒険物語。「Vジャンプ」2003年12月号から2015年11月号にかけて掲載された。コミックス第7巻以降の巻末には「最強ジャンプ」に掲載された読み切りエピソードも収録されている。

正式名称
スライムもりもり
ふりがな
すらいむもりもり
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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あらすじ

スラリンとしっぽ団(第1巻~第2巻)

スラバッカ島で暮らしていたスラリンは、ある日、スライムをさらう悪の組織「しっぽ団」のタンタンと出会う。対決の末、タンタンはスラリンの強さに早々と降伏して、仲間になる事を誓う。以後、二匹はしっぽ団の手下達を次々に倒しながら、さらわれていたスーラン町の住民達を救出していく。そんな状況にしっぽ団のボスであるドン・モジャールは怒り、戦闘メカのモジャンガーWを出撃させる。その戦闘メカには、なぞの催眠術師にあやつられたミイホンが乗り込んでいた。スラリン達はこの脅威に対抗するために、物知りの村の長老スライム、グランじいさんから教わった伝説の勇車を探す旅に出る。そして勇車の番人、ヨーゼフから勇車を動かす伝説の資材の情報を得たスラリン達は、沼や砂漠や雪山を捜索して資材を集め、ついにしっぽ団の撃退に成功する。

スラリンと街の警備隊(第2巻~第3巻)

しっぽ団の被害からやっと復興を遂げたスーラン町の平和を守るため、スラリンミイホンタンタンの三人は自警団を結成する。そんな彼らのもとを、妖精のエルジーが訪ねて来る。彼は妖精界を氷竜による危機から救ってもらうため、伝説の勇者様を探しに来たのだと語る。スラリンとミイホンは彼に連れられ、妖精界へと赴くのだった。

スラリンとおかしな来訪者(第3巻)

氷竜を倒して妖精界の平和を取り戻したスラリン達の前に、遅れてやって来たしっぽ団の四天王の一匹、サジや、サーフィンのうまいマリンスライムのマリンがあこがれるかわいい人魚族(マーマン族)の女の子、シルダをはじめとしたおかしな魔物達が次々と現れるが、スラリン達はいつもと変わらず、おとぼけに満ちた平和な日々を過ごしていた。

スラリンと懐かしい面々(第3巻)

スラリンミイホングランじいさんの家を掃除中に古い写真を見つける。そこに写っていたゴールデンスライムのゴンザレスは世界最強の男を目指し、子供の頃にスラバッカ島から旅立っていた。そんなゴンザレスは何十年ぶりかにスラバッカ島に帰還し、スラリンとミイホンに圧倒的な強さを見せつけて感服させる。

それからしばらく経ったある日、町の外れにスラリン達が見つけたあやしい塔にいたのは、スラリンへの復讐のため新たに猫しっぽ団を結成した猫まどうのスズのすけだった。そんな中、危機を救った妖精の国からも、妖精の果実をご馳走するためにエルジーがスラリン達を誘いに来たりと、懐かしい面々が次々にやって来る。

スラリンと激闘大会(第3巻~第4巻)

気まぐれな王様のキングノイル六世が主催する激闘大会が10年ぶりに開催される事になり、司会者のガーコは前回大会準優勝でシード権を持つゴンザレスを大会に招待するためにやって来た。ところがゴンザレスは年を取り過ぎており、身体がきついとの理由でそれを辞退し、代わりに弟子のスラリンミイホンを推薦する。がっかりするガーコだったが、予選をやすやすと勝ち上がったスラリンの実力を見て考えを改める。本戦では、前回の大会優勝者であるパン太スライバが戦い、スライバは奮闘するが敗退してしまう。スライバの雄姿に感動したスラリンは決勝まで駒を進め、ついにパン太を敗って激闘大会の優勝者となる。

スラリンと新たな技と仲間(第4巻)

スラリンは、激闘大会の優勝賞金100万ゴールドをスラリンぱぱに遣いこまれ、怒って家出をしてしまう。そんな中、新生しっぽ団の四天王を名乗るヘルーツが現れ、スラみを人質にして「妖精の笛」を要求する。駆けつけたスラリンとスラリンぱぱだったが、スラリンぱぱは娘が言い寄られていると勘違いし、「スーパー・スラ・ストライク」でヘルーツを弾き飛ばしてしまう。スラリンぱぱの強さに感心するスラリンに対して、スラリンぱぱは激闘大会での優勝に慢心しない事が大切だ、と熱く語る。スラリンはバール姫に付きまとう魔族の少年、ライコネンや、久しぶりにやって来た船長MJ、宝の番人、カラクリムサシ達と、さまざまな魔物に出会いながらも楽しくおとぼけな毎日を過ごす。

スラリンと深海の秘宝(第4巻~第5巻)

新生しっぽ団の団長、ドン・モジャールヤシゲから「妖精の笛」を用意するように依頼されていた。しかし第一の刺客はスラリンぱぱに倒されたため、次は深海の秘宝を目標に定める。新生しっぽ団の襲撃を受け、リューグゥ城の姫、シルダは、スラリンタンタンに助けを求める。そしてスラリンはドン・モジャールの新たな手下、ヒッカバドフを倒し、新生しっぽ団を退ける。だが戦いの混乱の中、深海の秘宝はヒッカによって持ち去られてしまう。実はヒッカはヤシゲの部下で、深海の秘宝を得るため新生しっぽ団に潜入していたのだった。スラリンは深海の秘宝をかけてヒッカと1対1の勝負を仕掛け、激闘の末勝利する。しかし、取り返した深海の秘宝はヒッカによってすり替えられた偽物だった。

スラリンとヒトツメ団(第5巻~第6巻)

ヤシゲは、深海の秘宝ヒトツメ団リ・ガタ・ボに奪われてしまう。マ・ダメが率いるヒトツメ団は次に「妖精の笛」を探すために、リ・ガとタ・ボがスラバッカ島に向かい、島を守ろうと現れたギガおを倒す。マ・ダメは勇者と妖精の笛、それに深海の秘宝を手に入れ、強力な力を得ようとしていたのだ。しかしマ・ダメが祭壇に捧げた品の中に、勇者だと勘違いして連れて来たスラリンがいたせいで、儀式は失敗に終わる。怒ったマ・ダメはスーラン町を攻撃し、深海の秘宝を守るために旅をしていたシドマンによって奪い返された妖精の笛の奪還を目論む。加えて勇者の居場所を占わせるため、シドマンの連れの占い師、スララベルの協力を依頼するが、スラリンはそれを拒み、応戦する。追い詰められたリ・ガとタ・ボは融合の杖を使い、これまでと比べようもない強さでスラリンに猛攻を仕掛けるが、シドマンの呪文の援護を受けたスラリンによって敗れ去る。

スラリンと呪われしロック(第6巻~第7巻)

ライコネンは、スラリンに仕返しをしようと海賊船の船長、海盗ロックをそそのかし、スラリンが暮らすスラバッカ島を襲わせる。スラリンに思わぬ苦戦を強いられた海盗ロックはバール姫を人質に取り、身代金として一週間後に金塊100万個以上を用意しろ、と言い残して去っていく。そこへ船を持っていないスラリン達の前にドン・モジャールシドモジャが現れ、鉱山の金塊を好きなだけくれるのであれば船を用意する、と取引を持ちかける。実はシドモジャは海盗ロックに船を造って渡したが、その代金回収が滞っていたのだ。代金を踏み倒されては船造り名人の名折れだと、けしかけるドン・モジャールに対し、シドモジャはバール姫救出に向かうタンタンに海盗ロックの船の弱点を伝え、いっそ沈めてしまえと謀(はかりごと)をめぐらすのだった。シドモジャの思惑通りに、海盗ロックの船に沈没寸前のダメージが与えられる。一方スラリンは、タンタンとライコネンを氷漬けにした強敵、バンパとの戦いの決着をつけるため、海盗ロックのアジトに戦いの場を移す。そこに修行でさらに強くなったミイホンも現れてバンパを倒すが、追い詰められた海盗ロックは、身につけると呪われてしまうという魔界のメダリオンを装備して、スラリンとミイホンに戦いを挑む。激闘の末、スラリン達は海盗ロックを倒すが、スラバッカ島に帰る船に何故か同行して来たバンパは、タンタンに今は途絶えてしまった武器仙人の技術と名称を継いだらどうかと提案する。

スラリンと魔界の使者(第8巻~第11巻)

ジゴ・ンバンと名乗る悪魔が魔界から地上界に現れる。出会ってすぐさまスライバに戦いを挑む好戦的な振る舞いのジゴ・ンバンは、魔王のマゴに化けた邪魔堕張の命を受け、魔界のメダリオンを探していた。スラリンが魔界のメダリオンを保有していると思い込んだジゴ・ンバンは、スラリンを探し出して戦いを挑むが、敗れて魔界に退却する。それを受け、魔王マゴに扮する邪魔堕張は龍人(ドラゴンマン)の婢弐龍魔界地上界対抗バトル大会への誘いの書状を持たせ、キングノイル六世のもとに向かわせる。かつての魔地大戦のような争いでなく武術大会で勝敗を決し、魔界が勝利した場合は「地上界のわずかばかりの土地」と魔界のメダリオンを望む内容だったが、お祭り好きなキングノイル六世はそれを快諾する。魔王マゴに扮する邪魔堕張の申し出により、地上の代表選手の選考場所や大会の会場などもすべて魔界の手配で整えられたが、そこはかつての魔王が占拠して城を構え、魔地大戦の決戦場所になった島だった。その戦いの裏で、邪魔堕張は真の目的である地上界の征服に着手し始める。

登場人物・キャラクター

スラリン

青いしずく型の弾力のある身体を持つ魔物。種族は「スライム」。親友でライバルのミイホン、もともと、しっぽ団の団員だったおおきづちのタンタンとよくいっしょに過ごしている。父親はスラリンぱぱ、母親はスラリンまま、妹はスラみで、スラバッカ島のスーラン町に四人で暮らしている。天然ボケのマイペースな性格で、よく聞き間違えやモンスターの見間違えをする。 柔軟な身体を活かした攻撃技を習得し、激闘大会で優勝した。初期技は身体を引っ張り伸ばして力を溜め、その反動で体当たりする「スラ・ストライク」。以後、それより高い攻撃力を誇る「スラ・バズーカ」、スラリンぱぱの技を見て覚えた「スーパー・スラ・ストライク」、巻き付き攻撃の「スラ・スパイラル」、燃え上がって攻撃する「フェニックスラ・フレイム」と、戦いを重ねて多様な技を身につけた。 家族や町のみんなを守る時には桁外れのパワーを発揮する。一方、敵の海盗ロックにかかった呪いを解いてあげようとするなど、魔物全般に対して非常に優しい。スライバにはスライム族の勇者を意味する「伝説の青きしずく」と呼ばれている。

ミイホン

青い弾力のある身体の下に触手の生えた、クラゲのような姿をした魔物。種族は「ホイミスライム」だが、回復技は使えない。スラリンとはよきライバル関係で、共に修行もする仲間でもある。よく聞き間違えや人の見間違えをするスラリンに突っ込みを入れている。勇敢な性格で、身を挺して仲間を逃がしたり、強い攻撃を受けても決して倒れる事はない。 技は「ミイホンパンチ」のみに絞って鍛え上げている。

スラみ

オレンジ色のしずく型の弾力のある身体を持つ魔物。種族は「スライムベス」。スラリンの妹で、頭に大きなリボンを付けている。食いしん坊で、美味しいものに目がない。

グランじいさん

弾力のある大きなしずく型の身体を持つ魔物。種族は「グランスライム」。スーラン町の長老。大きな八の字ひげと、頭にかぶった兜が特徴。スラバッカ島に伝わる伝説をはじめ、さまざまな事をよく知っている。スラリンに伝説の勇車の存在を教えた。

ドラお

弾力のある身体と羽を持ち、ゴーグルをかけた魔物。種族は「ドラゴスライム」。スラリンの友達。推理する事が大好きで趣味でもあるが、ほとんど当たる事はなく、はずれてばかりいる。

スラリンぱぱ

大きなしずく型の、弾力のある身体を持つ魔物。種族は「スライム」。スラリンとスラみの父親で、スラリンままの夫。黒い大きな八の字髭と、頭にかぶったハットが特徴。珍しいアイテムに目がないため、お金が入るとすぐにアイテムにつぎ込んでしまい、スラリンままに怒られている。しかしその浪費癖以外は、子供思いの優しいぱぱである。

スラリンまま

大きなしずく型の、弾力のある身体を持つ魔物。種族は「スライム」。スラリンとスラみの母親で、スラリンぱぱの妻。頭のてっぺんに布を巻いて、前で結んでいるのが特徴。しっかりとした性格で、家のローンが残っているのにもかかわらず、アイテム好きが治らないスラリンぱぱに厳しいお説教をする。

タンタン

大きな木槌を持った、手足の短い小柄な魔物。種族は「おおきづち」。立派な髭があり、頭のてっぺんにリボンを付けている。もともとはしっぽ団の団員だったが、スラリンの強さを見てすぐに寝返った。呑気なスラリンの天然ボケに、つねに突っ込みを入れている。最初は小ずるく振る舞っていたが、ミイホンの男気にあこがれ、のちに格上の敵に立ち向かい、身を盾にしてバール姫を守った。 手先が器用で、武器仙人を継承して重要なアイテム、魔界のメダリオンの精巧な複製を作る。

トロル

恰幅のいい壮年男性のような姿をした魔物。種族は「トロル」。突起ばかりのこん棒を持っている。しっぽ団の「スライム」捜索隊を一団任されている隊長だったが、スラリンに一撃で倒されてしまう。

スズのすけ

服を着た二足歩行の猫型の魔物。種族は「猫まどう」。自分が棲処(すみか)にしていた森を通過しようとしたスラリンから、しっぽ団の団員と間違われて攻撃された。のちにしっぽ団に入団してスラリンと再戦するが、敗退する。その後新たに猫しっぽ団を結成したが、再びスラリンに敗れた。努力家の執念深い性格で、最初、使える技は火焔を飛ばす「メラ」のみだったが、しっぽ団団員として現れた時は敵を眠らせる「ラリホー」を覚え、猫しっぽ団団長として現れた時は、今まで覚えた魔法の強化版の「ラリホーマ」に「メラミ」を覚えていた。

船長 (せんちょう)

髭を蓄えたがっしりした体格の壮年男性のような姿をした魔物。種族は「鉄球魔人」。自らの海賊船で船長を務めており、仲間達からは「おかしら」と呼ばれている。スラリンがスラバッカ島に帰るために乗船できる船を探していた時に知り合い、意気投合する。昔自身の船に海盗ロックを乗せていたが、女性の好みの違いで大喧嘩して決別している。

ツボまる

タコツボに下半身が入った小柄なタコの姿をした魔物。海しっぽ団の団員。弟で、角と牙のある巨体の大ダコ、ダゴぼうをけしかけてきた。

ダゴぼう

ツボまるの弟。複数の角と一対の牙のある大ダコの姿をした魔物。海しっぽ団の団員。大砲もまったく寄せつけない強敵だったが、スラリンの「スラストライク」でやられてしまう。

ギガお

一つ目で角を持つ、人型をした魔物。種族は「ギガンテス」。しっぽ団では一番の怪力の持ち主。どんな攻撃も効かない特異体質で、のちに、生まれながらに無敵状態になる「アストロン」の呪文がかかった皮膚を持つ天才児だったと判明する。ドン・モジャールとの戦いでスラリンの前に立ちはだかったが、MJが特技の受け流しで代わりに応戦した。 しっぽ団壊滅後、スーラン町に溶け込み、スライム達と仲よく暮らしている。

ドン・モジャール (どんもじゃーる)

鳥のくちばしのような口をして、獣の身体をした魔物。つば付き帽子をかぶり、眼帯を付けている。種族は「ももんじゃ」。しっぽを6本持つ。世界中に7000万いるといわれるしっぽ団員のすべてを統括している、ボス中のボス。噂では3日で世界を焼き尽くせるほどの魔力を持つといわれていた。だがそんなしっぽ団もスラリンとミイホンに倒され、次に結成した新生しっぽ団もスラリンに倒されてしまった。 共に武器作成を担当しているシドモジャとは、金儲けに貪欲な点で気が合う。

ゴレムス

ブロックで形成された大柄な人型の魔物。種族は「ゴーレム」。しっぽ団の団員で四天王の一人。喋る言葉がすべてカタカナなので聞き取りにくく、スラリンにはすべて聴き流されている。実は「ももんじゃ」が頭部に乗り込んであやつっているが、首の後ろからしっぽがはみ出ていたため、中に誰か乗っていると見破られ、タンタンに乗っ取られてしまう。

ナスボー

両手が触手のように伸び、本体は茄子に似た魔物。種族は「ナスビナーラ」。しっぽ団の団員で四天王の一人。スラバッカ島にあるニコミスキー鉱山を任されていた。スラリンが力を溜めるために伸びる瞬間に巻き付いて、必殺技の「スラストライク」を封じた。これで一度は優勢になるものの、ナイトドールを使いこなして再戦を仕掛けてきたスラリンに敗れる。

サドロとウドロ

人の手首から先の形をした二人組の魔物。手のひらの部分に顔がある。種族は「マドハンド」。いつもいっしょに行動し、息がぴったり合った漫才を披露している。しっぽ団に所属していたが、ギガおにこき使われたのが嫌で逃げ出した。それからはスラバッカ島に二人で住み、楽しく暮らしている。

ジョー

鎧をまとった人型の魔物。種族は「さまようよろい」。絶対防御の盾を持ち、スラバッカ島の周辺の離島にある遺跡の門の番人をしている。しっぽ団に所属していた。自らを「オンリージョー」と名乗っているが、その由来は不明。保有している剣を地面に突きたてる事で遺跡の門が開く仕組みになっており、スラリンから攻撃を受けて剣を取り落とした事で門は開いた。

MJ (えむじぇい)

二足歩行の狼に似た外観の魔物。眼帯を付けた厳めしい顔をしている。種族は「シードッグ」。船長の海賊船の乗組員。スラリンに「みはり」と呼ばれているが、せめて「J」と呼んでほしいと訴えていた。その後スラリンとタンタンに、みはりのJを略して「MJ(エムジェイ)」と名付けられる。困惑しながらもそれを受け入れ、以降は定着した。 攻撃の受け流しを得意とする。

ヨーゼフ

裾すぼまりで足のない、宙に浮いたお化け型の魔物。とんがったつば付きの帽子をかぶっている。種族は「ゴースト」。「伝説の勇車」の守護者として長年存在している。勇車を借りに訪ねて来たスラリンを勇者と間違え、何も覚えていないと言うスラリンを疑いもせずに伝説の資材の探し方など事細かに伝授した、お人好しな性格。

人面ガエル (じんめんがえる)

前面が普通の蛙、背面に炎を吐く人面がくっついている魔物。伝説の資材の一つ、「勇者のカブト」をソーハサセ沼の底で見つけ、気に入って身につけていた。本体と人面部分で性格が違い、スラリンは本体の気のいい蛙と交渉して、勇者のカブトを譲ってもらった。

大ミミズ (おおみみず)

全長は不明だが、頭部だけでスラリンと同じくらいの大きさを持つ魔物。サバ砂漠にいた大きなミミズ。伝説の資材の一つ、「勇者の剣」を飲み込んでしまっていた。

モコみち

丸い胴部に短い手足、とんがった耳を持つ魔物。種族は「モコモック」。伝説の資材の一つ、「勇者の盾」がある場所で眠っているモコモック族の守り神、シルデビに仕えている。雪山のミルモーム山に住んでいる。

シルデビ

上を向いた鼻に尖った耳と羽、しっぽを持った魔物。種族は「シルバーデビル」。バール姫の親で、世界を3秒で滅ぼしたといわれている存在。モコモック族の守り神とされており、モコみちが仕え、世話をしている。非常に寝起きが悪く、無理に起こされると、その腹いせに、モコみちに向けて、広範囲の雪を一挙に溶かす威力を持つ「ベギラマ」を唱えた。

謎の催眠術師 (なぞのさいみんじゅつし)

全身をすっぽり覆うマントをまとった魔物。しっぽ団の四天王の一人。ミイホンに「ハイパー催眠術」をかけて仲間に引き入れた。スラリンには、つられて踊ってしまう「さそう踊り」も駆使したが、術がすべて効かずに敗れた。

スライバ

しずく型の弾力のある身体を持つ魔物。鋭い突起のある兜のような飾りをつけているのが特徴。スラリンのライバル。ゴンザレスに修行をつけてもらった事もあり、スラリンとは兄弟弟子にあたる。必殺技は素早い体当たり攻撃の「シャイニングスライバスター」。種族は「スライム」に似ているが、その正体は不明。魔界の住人が勇者を指して呼ぶ「伝説の青きしずく」との呼び名をスラリンに対して使うなど、不審な点が多い。

エルジー

見た目は少年の姿をした妖精。伝説の勇者に助けて貰うためにスラバッカ島にやって来たが、あまりに空腹だったため、スラみのクッキーを食べてしまった事で信用をなくす。人の力をあてにしてばかりいるお調子者だが、スラリンを見込んで連れて来るなど、見る目はある。

妖精界の女王 (ようせいかいのじょうおう)

妖精の女王。見た目は髪の長い若い女性。妖精界の危機を伝説の勇者に救ってもらおうと、エルジーを地上に送り出した。妖精界を氷漬けにした氷竜を倒したスラリンに、御礼に妖精の国に代々伝わる「妖精の笛」を贈った。贈り物やアイテムを贈る際はドレスの前の裾を少し持ち上げて、スカートの中から取り出す。

チョウ子 (ちょうこ)

蝶の羽を持ち、胴部にあたる場所に顔のある魔物の女の子。妖精界に住んでいる。種族は「人面蝶」。「マヌーサ」を使い、スラリンとミイホンのピンチを救った。

ハナ子 (はなこ)

花弁の真ん中に口があり、触手で歩く魔物の女の子。妖精界に住んでいる。種族は「人喰い花(マンイーター)」。「甘い息」を使い、スラリンとミイホンの氷竜との戦いに加勢した。

氷竜 (あいすどらごん)

大きな竜の魔物。妖精界を氷漬けにしてしまい、チョウ子とハナ子以外のすべての住人達も氷漬けにした。昔、勇者に負けてからは、おとなしくしていたが、最近急に暴れ出した。エルジーが地上界から連れて来たスラリンとミイホンに倒された。力を失うとスラリンと同じ大きさになる。

モンスターマスターの少年 (もんすたーますたーのしょうねん)

髪を束にし、毛先を尖らせて逆立てたヘアスタイルが特徴の少年。スカウトリングを持っており、色々なモンスターを仲間にして旅やバトルをしている。伝説の神獣を連れてスラバッカ島にやって来たが、スラリンらは旅に興味を抱かず、スカウトは失敗に終わり、帰っていった。

伝説の神獣 (でんせつのしんじゅう)

兜と胴あてをつけた、犬のような姿をした魔物。モンスターマスターの少年が連れており、必殺技は「スーパーハイテンション+バイキルト」をかけた状態での「スカウトアタック」。それを受けると、通常は攻撃を当てた魔物を高確率で仲間にできる。しかしギガおには無効で、スラリンに負けて弾き飛ばされてしまう。

サジ

牛に似た角のある顔に、コウモリのような翼を持つ二足歩行の魔物。相手を燃やす技、「イオ」を使う。方向音痴が酷すぎて、ドン・モジャールの招集を受けてスラバッカ島に向かったが、すっかり戦いが終わってしっぽ団壊滅後に、やっと到着した。のちに再びドン・モジャールに拾われ、新生しっぽ団の四天王も兼任した。

マリン

弾力のある身体を持ち、巻貝をかぶった魔物。種族は「マリンスライム」。サーフィンがうまく、海辺でスラリンやミイホン、タンタンの前で腕前を披露していたが、シルダに気をとられてミスをしてしまう。

シルダ

眼鏡をかけたショートヘアの少女のような上半身と、魚のような下半身を持つ魔物。種族は「マーマン」。陸上の魔物の血も引いているために、地上で普通に過ごす事ができる。ミイホンやドラお、マリンを微笑みだけでときめかせてしまう、かわいい女の子。しかし本当に好きなのは立派なヒゲで、それが敵のヒゲであっても、ときめいてしまうほどのマニア。

ゴンザレス

宝石のような形をした固いメタル身体を持つ魔物。種族は「ゴールデンスライム」。グランじいさんの友達で幼なじみだが、子供の時に強い敵を求めて島を出て、武者修行の旅を続けていた。何十年ぶりかにスラバッカ島に帰って来て、スラリンとミイホンからあまり強そうに見えない、と言われて怒り、本気の戦いを挑んだ。 必殺技は固い身体を回転させて敵にぶつける「黄金のコマ」。

ガーコ

鳥のくちばしにコウモリのような羽を持つ魔物。種族は「ガーゴイル」。スーツにネクタイを締めた姿で、マイクをよく持ち歩いている。激闘大会の司会者を務めている。

パン太 (ぱんた)

パンサーのような顔を持ち、二足歩行をする、人に似た体つきの魔物。種族は「かくとうパンサー」。19歳の若さで、10年前に開催された激闘大会で優勝を果たす。格闘家としては現在の方が強くなっている、とゴンザレスは分析していた。激闘大会の本戦第4試合でスライバと戦って勝ち進み、2回戦でバックスも破って決勝まで進んだが、スラリンに負けてしまう。 高校のバトル部に所属していた際は、ヒッカに負け続けた因縁がある。特技は打撃技の「爆裂アッパー」で、相手の体内に直接衝撃波を送り込む「内部破裂波(インサイド・ブラスター)」。

キングノイル六世 (きんぐのいるろくせい)

二本足で立つライオンのような姿をした魔物。気まぐれな王様で、激闘大会を10年ぶりに開催したかと思えば、翌日に次回大会を開催すると宣言するなど、ムラっ気のある性格。話が長く、開会の挨拶に30分もかけた事で激闘大会の選手達から苦情が続出した。

アカンシ

一つ目の左右に角の生えた人型の魔物。こん棒を両手に持ち、マントを羽織っている。激闘大会で本戦第1試合でスラリンと戦った。関西弁を喋り、必殺技は広範囲に炎を出現させる「ベギラマ」。

リパト

人型で頭巾をかぶった小柄な魔物。弓矢を射かけて攻撃する。激闘大会の本戦第2試合でダン平と戦った。素早い攻撃で序盤は優位に立っていたものの、弓矢攻撃を封じられて敗退した。

ダン平 (だんぺい)

がっちりした体格の、人のような身体を持つ魔物。種族は「ダンビラムーチョ」。激闘大会の本戦第2試合でリパトと戦い、勝ち上がった。力だけの選手との印象が強いが、攻撃力を2倍にする「バイキルト」も使える。本戦第2回戦ではスラリンと戦い、連続して張り手を繰り出す「千手はりて(せんじゅはりて)」で攻撃したが、スラリンにはまったく効果がなく、弾き飛ばされて判定負けとなった。

アイタン

亀のような姿をした魔物。種族は「アイアンタートル」。背中の甲羅は「鉄の甲羅」で固く、鋭いトゲもある。激闘大会の本戦第3試合でバックスと戦ってひっくり返されてしまい、起き上がれずに敗退した。

バックス

後ろ脚で立つ恐竜のような姿をした魔物。木のオノを振るって戦うが、激闘大会の本戦第3試合の相手、アイタンの甲羅の固さに苦戦した。本戦の第2回戦でパン太と戦って敗退する。特技は「火炎の息(ファイヤーブレス)」。

バール姫 (ばーるひめ)

上を向いた鼻に尖った耳、長いしっぽと翼を持つ二足歩行の魔物。シルデビの娘。種族は「シルバーデビル」。スラリンの事を気に入り、守り人にしてやってもいいと、上から目線で話していた。ライコネンに惚れられ、追いかけ回された末にスラリンに助けを求めていた。のちに海盗ロックに攫(さら)われた時に、身を盾にして庇ってくれたタンタンに好意を寄せるようになった。

ヘルーツ

上半身は青年の姿、下半身はタコの姿をした魔物。見た目はスラバッカ島のスライムの女の子をときめかすほどのイケメン。新生しっぽ団の四天王の一人。「妖精の笛」を狙ってやって来た。スラみを人質に取ってスラリンから妖精の笛を奪おうとしたが、スラリンぱぱに倒される。

ライコネン

魔界の住人。少年のような姿をしており、黒い翼を生やしている。種族は「ライオネック」と似ているが、確定はされていない。当初、バール姫を追いかけまわしていたが、タンタンの傍にいる事が増えたバール姫の事をあきらめ、種族に関係なく女の子を口説くようになった。特技は強力な雷を落とす「ライデイン」。

カラクリムサシ

スラリンと同じ大きさの、機械の姿をした魔物。種族は「キラーマシン」に似ているが、確定はされていない。何百年も昔、悪行を轟かせていた伝説の魔界商人が宝の番人として使っていた。作られたのが昔な事から、昔気質で融通が利かない性格をしているが、一途な忠誠心を持っている。特技は「二刀流」で、新生しっぽ団の四天王の一人でもあるバドフと拮抗した戦いを繰り広げた。

ヤシゲ

小柄な中年男性のような姿をした人型の魔物。立派な髭を蓄えている。珍しいアイテム収集を請け負い、依頼主に売る事を生業としている。「魔界商会」の商人でもあり、ヒッカと組んで活動している。高額買取を提示し、しっぽ団に「スライム」の捕獲を依頼し、また新生しっぽ団に深海の秘宝の収集を依頼していた。

ヒッカ

全身が鱗で覆われた成人男性型の魔物。種族は「オーシャンクロ―」。長髪で頭部の上半分を覆う仮面をかぶり、鉤爪の武器を両手につけている。新生しっぽ団の四天王としてスラリンの前に現れたが、正体は珍しいアイテムの収集および転売を生業とする「魔界商会」の一員で、ヤシゲの相棒だった。深海の秘宝を入手する事を目的として新生しっぽ団潜り込んでいた。 しかし、所在地の分かるレーダー機能を備えた、しっぽ団のしっぽをつけたままヤシゲと合流したため、ドン・モジャールに追いつかれたうっかり者。戦いの最中でも笑みを浮かべたりと不真面目な態度を取るが、特技の打撃相手を凍らせる技「凍結アッパー」や、パン太と同じ技の「内部破裂波」は強力な威力を持つ。 ちなみにパン太とは高校時代に同じバトル部に所属していたが、ヒッカのほうが格段に強かった。

バドフ

鶏の姿をした二足歩行の魔物。新生しっぽ団の四天王の一人。種族は「バードファイター」。剣技に自信を持っており、正々堂々とした勝負を好む。守銭奴のドン・モジャールに忠誠を誓っているが、それは翼のない自分達のような種族のための理想国家を作ろうという立派な志を、ドン・モジャールが抱いていると勘違いしているため。 特技は刀での攻撃と同時に稲妻を浴びせる「いなずま斬り」。

キングマーマン

上半身は人に似た、下半身が魚の魔物。立派な髭を蓄え、王冠をかぶっている。シルダの父親で、リューグゥ城の王様。えら呼吸をしているため深海の城に適合して暮らせている。逆に酸素の多すぎる陸上では生活できない。

タ・ボ (たぼ)

体格のいい人型の魔物。一つ目で、喋りかたがたどたどしい。巨石も砕く怪力の持ち主で、ヒトツメ団の団員。ほかの団員と共に活動しているが、いちいち嫌味を口にするリ・ガと仲が悪い。

リ・ガ (りが)

ひょろりとした細身の人型の魔物。一つ目で、気取った口調で喋る。変化の杖、海鳴りの杖、融合の杖を駆使して戦うヒトツメ団の団員。タ・ボと組んで活動しているが、力押しばかりの単純なタ・ボの性格を嫌い、何かにつけて嫌味を言ってはケンカばかりしている。

マ・ダメ (まだめ)

小柄な人型をした魔物。一つ目で、怒りっぽい性格から、よくタ・ボとリ・ガを怒鳴りつけている、ヒトツメ団の団長を務めている。一人称はミー。深海の秘宝に封じられた強大な力を手に入れ、世界を征服しようと目論んでいる。

タリ・ボガ (たりぼが)

中肉中背の成人のような人型の魔物。リ・ガとタ・ボが融合して目が二つになった姿で、細身のリ・ガとふとっちょのタ・ボの中間のような体形になる。冷静な口調でしゃべり、合体すると個々の人格は消滅し、タリ・ボガとして好戦的で残虐な性格になる。二つ目を持った事でヒトツメ団の団長、マ・ダメの指示にはまったく従わず、力を誇示するためだけにスラリンを痛めつけた。

スララベル

弾力のある身体で、下部に触手を生やした魔物。種族は「ベホマスライム」だが、回復呪文の「ベホマ」は使えない。ベールのようなものをかぶった女の子。シドマンと共に深海の秘宝の封印が破られ、世界が破滅すると予言された未来を変えるために旅をしている。占いが得意で、絶対の自信を持っているが、まれに大きく外してしまう。 しかし、外してもくよくよしない前向きな明るい性格。

シドマン

標準体型の人型をした魔物。種族は「まどうし」。深海の秘宝の封印が解かれ、世界が破滅するとのスララベルの予言を阻止するため、伝説の勇車の封印されている祠にやって来た。まじめで責任感の強い性格をしている。だが勇車は既にドン・モジャールとの戦いで壊れてしまっていたため、スラリンらと共に元に戻すため、時の砂を探す旅に出る。 勇車は復活したが、ヒトツメ団の手下が変身したタリ・ボガに苦戦を強いられた。強力な火炎を発する「ベギラマ」、素早さを上げる「ピオリム」、目覚めさせる「ザメハ」、攻撃力を上げる「バイキルト」、守備力を上げる「スクルト」、敵の素早さを落とす「ボミオス」の呪文を立て続けに発する事ができる力の持ち主。

シノービ

忍者装束の小柄な少年の姿をした魔物。ワの国に住んでいて関西弁で喋る。スララベルの占いで時の砂を持っていると出たため、譲って貰うためにスラリン達が訪問した。しかしその占いは外れており、時の砂はほかの場所で発見される。聞き間違いがひどく、「俺様の実力」を「ピスタチオ」と聞き間違えるほど。だが相手の攻撃のタイミングに合わせて、ズレた聞き間違いを口にしてボケるため、対戦相手のペースを乱して有利に攻撃を進める事ができる。 魔界地上界対抗バトル大会に出場し、魔界チームの副将ボンファを破った。

シャーマン

縦長の仮面をつけた人型の魔物。イスタ島に住み、時の砂を保有していた。だが暴れん坊でお宝好きなクラッドに奪われたため、時の砂を探してやって来たスラリン達に、クラッド退治をしてくれれば時の砂は持って行って構わないと告げた。

クラッド

スラリンの倍以上もある大きなピエロの頭部のみの魔物。種族は「クラウンヘッド」。お宝好きな暴れん坊で、10年前の激闘大会で銅メダルを取った実力者。だが今回の激闘大会で、スラリンが当時の優勝者のパン太を倒したと聞いて即降参した。特技は相手に向かって勢いをつけて落下する「メガトン・スタンプ」。

海盗ロック (かいとうろっく)

見た目は青年の姿をしている魔物。昔、船長の船に乗っていたが、世界一の美女は誰かという、どうでもいい問答で喧嘩になり、そのまま憎み合って離反した。現在は自らの船で船長を務めている。子ザルの「キイ坊」をかわいがっており、手下のマミーラとケルトンにも慕われている。仲間思いな性格で、全力で戦って敗れたスラリンの事も認めている。

マミーラ

包帯をぐるぐるに巻いた姿をしている魔物。海盗ロックの手下で、仲間思いなところのある海盗ロックを慕っている。包帯を伸ばして相手に巻き付け、捕まえる。

ケルトン

鎧を身につけた骸骨の姿をしている魔物。海盗ロックの手下で、仲間思いなところのある海盗ロックを慕っている。刀を使って攻撃してくる。

シドモジャ

鳥のくちばしを持ち、丸っこい獣の身体をした二足歩行の魔物。武器を作り、船の整備なども手掛けているドン・モジャールの手下。海盗ロックの船や、タンタン達が乗るための船も造って提供した。ミイホンはシドモジャの事を、武器商人は悪いやつばかりだと評している。お金さえ稼げれば、手段はどんな方法でも構わないと考えている。

バンパ

サングラスをかけた青年のような姿をした魔物。海盗ロックの船に乗っているバンパイア。コウモリに変身して空を飛び、偵察役も担っていた。相手を凍らせる呪文、「ヒャド」を使う。吸血の技により相手の能力をコピーし、スラリンと戦いを繰り広げて善戦した。

カラクリコジロー

丸っこい機械の身体を持つ魔物。武器仙人の最期の作品で、武器仙人の家を守っていた。武器仙人は代々おおきづち族が継ぐと教え、軽いノリでタンタンを武器仙人の家の傍にあった試験場に案内した。

オリハルコンドル

大きなコンドルの姿をしている魔物。何百年も使われずに放置された鉱石、オリハルコンが魔物化した存在。武器仙人になるための試験として、タンタンの前に立ちはだかった。

ジゴ・ンバン (じごんばん)

地獄の門番を務めている魔物。青年のような姿をしており、4本の角と大きな翼、尖ったしっぽが生えている。魔界の住人で、魔界のメダリオンを探しにカガミといっしょに地上にやって来た。好戦的で、戦闘が大好きながら努力は嫌うため、一夜漬けで即死呪文「ザラキ」を覚えようとして失敗し、魔界地上界対抗バトル大会でスラリンに負けてしまう。

カガミ

人型の魔物と同じ大きさの鏡に、骸骨の頭と手足が付いている魔物。魔界の住人で、魔界のメダリオンを探しにジゴ・ンバンと共に地上界にやって来た。鏡面はタッチパネルのように使用する事ができ、すべての魔物のデータが集まっている「マカペディア」から必要な情報を検索できる。「モシャス」の呪文で色々な姿に変身する事ができる。

婢弐龍 (ひあるろん)

成人女性のような姿をしており、頭部に2本の角、コウモリのような翼とトカゲのようなしっぽを持つ魔物。魔界の住人で、地上の王、キングノイル六世へ魔界地上界対抗バトル大会の開催の誘いの手紙を持参した。マデリンには「アル」と呼ばれている。礼儀正しく、棒術に長けている。

チープー

小柄でまるっこい体格の、子供のような姿をした魔物。プチット族の格闘家で、パンチで攻撃する。魔界地上界対抗バトル大会の予選でスラリンと戦って敗退した。素直で礼儀正しい武闘家でもある。

ボンファ

骸骨の顔に成人男性の身体を持ち、鎧兜を身につけた4本腕の魔物。それぞれの腕に異なる武器を持ち、それらを巧みに使いこなす四刀流の骸骨戦士。魔界地上界対抗バトル大会で「マルチエレメントソード」「絶・四刀流」といった強力な技を駆使し、シノービと戦った。しかし相手の素早さと、聞き間違いの酷さに脱力してペースを狂わされ、敗退した。

バトューラ

馬のような下半身と成人男性の上半身、左右に突き出した角とコウモリの翼を持った魔物。数百年前の大戦では魔王軍の総大将を務めており、たった一人で3つの国を壊滅させた。「伝説の青きしずく」と伝説の勇車に圧倒されたものの、地上の民よりも魔界の者の方が優れているとの強いプライドを持っている。魔界地上界対抗バトル大会でスライバと戦い、強力な火力で攻撃する呪文、「イオナズン」や、火炎を吐く「はげしい炎」で攻撃した。 種族は「地獄闘士(ヘルバトラー)」。

マデリン

尖った耳を持つ少女の姿をした魔物。魔界のお姫さまで、魔王であるマゴの姉。魔界地上界対抗バトル大会を発案した最近のマゴは偽物ではと疑っている。その疑念をしかるべき相手に知らせようとして、魔界地上界対抗バトル大会の選考会場にフードをかぶって潜り込んでいた。婢弐龍にはその疑念を打ち明けた。

マゴ

コウモリの羽のような耳を持つ、少年の姿をした魔物。マデリンの弟で、魔界を総べる「魔王」。正当な魔王継承の証である耳飾り「龍の牙」を奪われ、封魔の土びんに数年前から封じ込められていた。部下の過ちも、反省を促しはするが咎める事のない、ポジティブな性格。

魔架龍 (まかろん)

龍の顔と、人型の身体とトカゲのしっぽを持った魔物で、眼帯をつけている。魔界の住人で、邪魔堕張が成りすましていた魔王のマゴと共に地上界を征服しようと目論む。世界を滅ぼした伝説の闇の龍「魔龍(マロン)」の怨念に憑りつかれており、本来の力が出せずにいた。邪魔堕張は魔龍を復活させ、地上界を征服しようと目論んでいた。 しかし魔架龍は、それ以上の力を持つ破壊者だった。そのため、スラリン達が「魔龍」を倒した手順で攻撃した事で、魔龍の意識は消滅し、すべての力を取り戻した。

ガオルド

扉を左右に分けた形のシールドを持った魔物。種族は「シールドオーガ」。扉に成りすまし、魔界地上界対抗バトル大会の会場に閉じ込められた選手達の脱走を妨げようとした。「凍える吹雪」で攻撃してきたが、パン太がそれを防いだ。

ライオネン

雲の上に住むの人型の魔物。種族は「ライオネック」。恰幅のいい中年男性の姿をして、角と羽が生えている。魔架龍の体内に潜む魔龍が復活すれば天空にも危害が及ぶため、それを阻止のためにライコネンに強力な呪文「ギガデイン」を教えた。

邪魔堕張 (じゃまだはる)

ふくよかな成人男性の姿をした魔物。魔界の住人で、大神官の地位に就いていた。だが魔王のマゴの生ぬるい政策に不満を募らせて封魔の土びんにマゴを封じ、自分が魔王としてマゴに成り代わって地上界の征服を企てた。

スライブ

弾力のある身体を持つ、しずく型の魔物。種族は「スライム」。今は故人であり、霊界の住人となっている。勇者のご先祖と共に霊界の入り口に現れた。額部分と顔の両脇を飾る頭飾りを身につけ、髭を蓄えている。伝説の勇車に乗っていた、勇者の影武者。スラリンを現世に引き留めに現れ、勇者の代わりに魔架龍を倒して世界を救ってほしいと頼んだ。 必殺技は体当たり技の「スラブレイカー」。

勇者のご先祖 (ゆうしゃのごせんぞ)

しずく型の、弾力のある身体を持つ魔物。種族は「スライム」。4代目なのか5代目なのか、自分でも忘れてしまっている勇者のご先祖。黒一色で、環を縦にして頭頂部に添えている。なんでも軽めの自己判断に基づき、イケルよ、と請け負ってしまう、ふわふわしたつかみどころのない性格をしている。スライブと共に三途の川を渡りかけたスラリンを引き留めに現れた。

集団・組織

しっぽ団 (しっぽだん)

世界中に7000万の団員がいるといわれる集団。統括しているのはドン・モジャールで、強大な魔力を持つとされている。直下の部下は、四天王と「マドハンド部隊」を率いているギガお。四天王の配下に「エージェント」と呼ばれる者達がおり、その下に外人部隊が名を連ねている。その下の構成メンバーはしっぽの数で階級分けがされており、3本兵、2本兵、1本兵と続く。 ちなみにタンタンは一番下の1本兵。

海しっぽ団 (うみしっぽだん)

世界中に7000万の団員がいるといわれるしっぽ団の中で、海を仕切っている集団。団員には、ツボに乗ったたらこ唇の魔物のツボまると、船を凌ぐ大きさの大ダコの魔物のダゴぼうがいる。

猫しっぽ団 (ねこしっぽだん)

しっぽ団が壊滅したため、猫まどうのスズのすけが立ち上げた新しい集団。「プリズニャン」と「キラーパンサー」を仲間に迎え、あやしい塔を根城にしてスラリンに再戦を挑んだが、負けて逃げ帰った。時の砂を探す旅でも、邪魔をするために現れた。

新生しっぽ団 (しんせいしっぽだん)

ドン・モジャールがスラリンに壊滅させられたしっぽ団の次に立ち上げた集団。だが、四天王のヘルーツ、ヒッカ、バドフ、サジ以外に戦闘員はおらず、昔に比べて団員が随分少ないと、タンタンに同情されてしまう。

ヒトツメ団 (ひとつめだん)

マ・ダメが率いる、世界征服を目論む集団。リ・ガとタ・ボが団員で、空飛ぶ戦艦デス・メーダでスーラン町を破壊した。深海の秘宝に封じられた力を入手するため、「妖精の笛」や勇者の血を集めていた。

場所

スラバッカ島 (すらばっかとう)

西の海のはてにある、と船乗りのあいだで言い伝えられている島の事。ものすごい財宝が眠っているとの噂が出回っている。実際に金が豊富に獲れるが、スラリン達は金の事を価値あるものと思っていない。沼地あり、砂漠あり、雪山ありと変化に富んだ地形の島。探そうとしても簡単に見つからない場所にあり、ガーコは激闘大会開催を知らせるため幾日も彷徨い、魔界のジゴ・ンバンも探し回っていた。

スーラン町 (すーらんまち)

「スライム」達が暮らしている町。スラバッカ島にあり、何度も攻撃されて壊されているが、そのたびに復興している。

リューグゥ城 (りゅーぐぅじょう)

キングマーマンがおさめる、「人魚族(マーマン族)」の城。海の底へ30分以上潜った先の深海にある。深海の秘宝を古くから守っている。

その他キーワード

魔物 (もんすたー)

人間とは異なる生物で、大きさや特性、暮らしている場所は多種多様。お互いの事を「おおきづち」の「タンタン」などと「種族」と「名前」で呼び合っている。

モジャンガーW (もじゃんがーだぶりゅー)

「ももんじゃ」に似た形をした、ドン・モジャールの戦闘用メカ。鉄球を発射し、両手の先はかぎづめの付いたロケットアンカーになっている。ハイテク兵器のように見せかけているが、動力はモンスター達が身体を使って作った運動エネルギーに頼っている。

伝説の勇車 (でんせつのゆうしゃ)

大きなしずく型をした戦車で、口の部分に砲台が付いている。必殺技はダジャレE砲台。代々の勇者がダジャレエネルギーを貯めた伝説の資材を燃料にした事により、エネルギーを補充されている。一回しか発する事ができないが、モジャンガーWの半身をごっそり削ぎ取ったほど効果は大きい。

伝説の製材 (でんせつのしざい)

「勇者の剣」「勇者の盾」「勇者のカブト」の3つの事。伝説の勇車の動力とするために火にくべて使用する。スラリン達は折角集めたのに、火にくべるのはもったいないと言っていたが、番人のヨーゼフによると、100年もたてば元に戻る仕組みになっている。

深海の秘宝 (しんかいのひほう)

はるか昔、世界を壊滅させた大悪魔、シルデビから勇者が邪気を切り離して封印した宝箱。ヤシゲは宝物だと思い込んでいたが、殆どのものが制御し切れないくらいの強大な力を封じているのもの。「マーマン族」の手によって海底に保管され、リューグゥ城に保管されていたが、噂が独り歩きして深海の秘宝と呼ばれるようになった。

パワード・モジャール・スーツ (ぱわーどもじゃーるすーつ)

搭乗して操作する形の攻撃用の機械。ドン・モジャールが海底の城、リューグゥ城を攻めるのに使った。必殺技は右手に装備したドリルで刺突する「ドリル・右ストレート」で、スラリンを追い詰めた。だが、追って来たカラクリムサシとスラリンの連携技の「S(スーパー)・スラ・ストライク+回転ムサシアタック」により大破した。

モジャンガーM (もじゃんがーまりなー)

ドン・モジャールの潜水艦。海底の城、リューグゥ城に攻め入るのに使われた。結局新生しっぽ団は敗北したため、帰りの船を失ってしまっていたスラリン達を同乗させて地上に帰る羽目に陥った。

変化の杖 (へんげのつえ)

相手の姿を変えてしまう杖。リ・ガが持っており、ヒッカを蝶に変えて一撃で重傷を負わせ、タンタンをなめくじに変身させた。3分で変身は解ける。

時の砂 (ときのすな)

ドン・モジャールとの戦いで壊れてしまっていた伝説の勇車を元通りにするためにスラリン、タンタン、スララベル、シドマンが探しだした。

デス・メーダ (ですめーだ)

シドモジャが作った最高傑作の空飛ぶ戦艦。スーラン町を攻撃した。伝説の勇車の砲撃にも負けない装甲を持つ。だがシドマンの助けで「バイキルト」をかけた勇車の砲台の攻撃に耐えられず、戦闘不能となった。

融合の杖 (ゆうごうのつえ)

リ・ガとタ・ボはこれによって合体し、タリ・ボガに変身した。

魔界のメダリオン (まかいのめだりおん)

メダルの形をした、魔界の王家に代々伝わる秘宝。装備したものにとてつもない力をもたらす恐ろしい道具。魔界王家の血筋の者以外が身につけると、呪いにかかって外せなくなる。そのうえ、生命エネルギーを放出し続けるため、装備したものは、早く呪いを解いてもらえないと生命の危機に瀕する。

封魔の土びん (ふうまのどびん)

スラリンぱぱが100万ゴールドでオークションで買ったツボ。購入当初から札が貼られており、使用済みだった。中に封じられていたのは本物のマゴだった。

激闘大会 (ぎがばとるとーなめんと)

大陸の王様、キングノイル六世が主催する、不定期で気まぐれに開催される大会。世界中から腕に覚えのある猛者達が集い、1対1で戦って世界最強を決めるトーナメント方式で行なわれる。10年ぶりに開催が決まった。

魔界地上界対抗バトル大会 (まかいちじょうかいたいこうばとるたいかい)

地上のわずかばかりの土地と魔界のメダリオンをかけた戦い。魔界の住人と地上界は、かつて領地を求めた魔界軍が地上に侵攻した「魔地大戦」を起こしており、以降数百年、干渉を控えていたが、魔界の住人が増えて領土不足が深刻化したため、提案されたもの。地上の代表選手を五名選出し、魔界の代表五名と1対1で戦い、気絶したり降参したり試合続行不可能となった選手が負けというルールで開催された。

勇者 (ゆうしゃ)

代々「スライム」族から生まれる、特別な力を持った魔物。霊界の入り口に現れた勇者のご先祖の「一代あとの勇者」が強力過ぎたために、時の王が勇者の力を封じてしまった。そこで、現世に新たな勇者が生まれるまでは、あと数百年待たねばならない状態となっている。封印が解けるまでは勇者は戦う力を失っており、悪者に狙われないように隠れて暮らし続けている。

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