センゴク

センゴク

宮下英樹の代表作で後にシリーズ化される「センゴク」シリーズの第一部。戦国時代、一兵卒として秀吉に従うことになったセンゴクこと仙石権兵衛秀久。一途な気持ちでそうそうたる武将の心を動かし、信長の戦いに貢献する。講談社「週刊ヤングマガジン」2004年21号から2007年45号まで連載。

正式名称
センゴク
ふりがな
せんごく
作者
ジャンル
戦国
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
全15巻完結
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概要・あらすじ

15歳だったセンゴクこと仙石権兵衛秀久は、1567(永禄10)年の稲葉山城の落城で織田軍の捕虜に。だが信長に素質を見込まれ、秀吉の下で先駆けを任される。1570(元亀1)年に浅井家離反で織田軍が窮地に陥った際、秀吉らがしんがりを務めた金ヶ崎の戦いで伏兵として活躍。さらに同年の姉川の合戦では、浅井家の先駆け大将・山崎新平を馬上槍の対決で撃破する武功を立てた。

いっぽう翌年の比叡山焼き討ちでは、生き別れになっていた相思相愛の侍女・お蝶を助けるため戦線から逃亡。本来なら打ち首のところを、秀吉の計らいで佐久間隊へ移される。家康が大敗した1572(元亀3)年の三方ヶ原の戦いから生還した後、秀吉の部隊に復帰。

翌年に浅井長政を追い詰めた小谷城虎口攻めでは、決死の先駆けで突破口を開く。その武功で信長から永楽銭の旗を授かるとともに、所領千石の領主に取り立てられた。

登場人物・キャラクター

仙石権兵衛秀久

仙石家四男。当時の平均身長より頭1つ大きい巨体の持ち主。もともとは斉藤家に仕えていたが、後に秀吉の兵に。秀吉にはセンゴク、信長にはダンゴなどと呼ばれる。故郷の美濃国では幼なじみの侍女・お蝶と思いを通わせていたが、稲葉山城の落城で離ればなれになってしまった。 頭を使うことが大の苦手で、思慮に乏しい直情型。比叡山焼き討ちではお蝶のため無断で戦闘を放棄、一兵卒ながら信長にも口答えするなど、型破りな行動で周囲を困らせる。だが誰にも負けない一途な熱い気持ちの持ち主で、信長、秀吉、家康、明智光秀、竹中半兵衛ら武将の心を動かす。同時代の実在の人物・仙石秀久をモデルにしている。

お蝶

斉藤家の侍女。センゴクの恋人。稲葉山城の落城後、逃げ延びた斉藤龍興と行動をともにする。恋のためなら死もいとわない激情の持ち主で、侍女らとの淫蕩に耽る龍興も手が出せなかった。信長打倒を掲げる龍興はお蝶を自分の妹・蝶姫と称し、反織田勢の朝倉家に仕える鳥居景近に差し出す。 だが景近も手を出さず、紳士的に接した。やがて龍興の死と朝倉家の滅亡で解放され、センゴクと再会。だが景近との出会いでセンゴクから心が離れており、別れを告げて故郷へ去った。

木下藤吉郎 秀吉

センゴクと出会った頃は口先だけの合戦下手、臆病ねずみと言われ、兵の信頼も薄かった。だがセンゴクの一本気な闘志を見て熱い心をかき立てられ、武将として成長。センゴクに感化され、木下隊は兵を1人1人大事にする部隊だと自ら誇るようになる。金ヶ崎の戦いで頭角を現し、姉川の合戦で最大の武功を挙げた。 小谷城虎口攻めの武功により、大名に取り立てられる。同時代の実在の人物・豊臣秀吉をモデルにしている。

織田上総介 信長

時代を愛し天下を寝取る武将で、後に弾正忠とも呼ばれる。信長のそばに仕える母衣衆を選抜する試し合戦で手柄を立てたセンゴクを、「その生き方、向上心を貫き通し、大名になれぃ」と励ます。同時代の実在の人物・織田信長をモデルにしている。

鳥居兵庫助 景近

朝倉家の若手急進派筆頭とされる武将。当初は温和な美男子だったが、比叡山焼き討ちの際にお蝶を巡ってセンゴクと戦い、顔に傷を負ってしまう。以後は面をつけ、狂気じみた性格に豹変。一乗谷の焼き討ちを経て、朝倉家を裏切った朝倉景鏡を討とうとして命を落とした。同時代の実在の人物・鳥居景近をモデルにしている。

斉藤右兵衛大輔 龍興

元美濃国主。信長に敗れて流浪と謀略の日々を送り、朝倉家に身を寄せた。女子衆を道具でなく愛を持って教育してきた人物。いっぽうで侍女らに次々と手を出す好色家でもある。織田軍が刀根坂で朝倉軍を追撃した戦いで死亡。同時代の実在の人物・斎藤龍興をモデルにしている。

堀久太郎 秀政

信長が最もその才能を見込んでいる男であり、信長の親衛隊・馬廻り衆となる。金ヶ崎の戦いでは秀吉が務めるしんがりにすすんで参加した。後に信長の取り次ぎ役として部隊長を務めるように。同時代の実在の人物・堀秀政をモデルにしている。

お鹿

透っ波と呼ばれる間者。斉藤龍興に仕えた。お蝶と仲よくなり、織田軍の情報を探るかたわら、お蝶からセンゴクへの伝言を頼まれる。だがお鹿もセンゴクのことが好きになり、苦悩するように。比叡山焼き討ちの際、矢に当たって死亡。

竹中半兵衛 重治

たった16人で稲葉山城を乗っ取った伝説の天才と称される。その後争いに辟易し、手助けを求めた友人の秀吉も追い返した。だがセンゴクの熱い気持ちに動かされ、秀吉の軍勢に加わることに。同時代の実在の人物・竹中半兵衛をモデルにしている。

明智十兵衛 光秀

斎藤道三から鉄砲術を学び、足利家、朝倉家を渡り歩いた後、足利義昭、信長と主従の契りを結んだ。一連の合戦や謀略で信長を大いに助け、志賀郡坂本の大名に取り立てられる。同時代の実在の人物・明智光秀をモデルにしている。

山崎新平 俊秀

浅井家中で常に先陣に発つ先駆け大将で、豪傑として畿内に名を轟かす。腑抜けた浅井長政に代わって姉川の合戦で浅井軍を率いるが、馬上槍の対決でセンゴクに敗北。19歳の時に合戦で鼻を削がれ、その後は面をつけていた。同時代の実在の人物・山崎俊秀をモデルにしている。

浅井備前守 長政

織田家の同盟国、浅井家の当主。信長の妹で「当世一の美女」・お市の夫。だが信長が盟友の朝倉家を奇襲したことで、反旗を翻した。お市に頭が上がらず、信長を裏切ったことをなじられ足蹴にされる。だが織田軍との衝突を前に、急速に貫禄ある武将に成長。同時代の実在の人物・浅井長政をモデルにしている。

坂井久蔵

思慮は浅いが血気盛んな若者。センゴクをゴン兄ィと呼んで慕う。金ヶ崎の戦いでは秀吉が務めるしんがりにすすんで参加。姉川の合戦で山崎新平に討ち取られた。同時代の実在の人物・坂井尚恒をモデルにしている。

佐久間右衛門尉 信盛

比叡山焼き討ちで戦闘放棄したセンゴクを秀吉から預かる。退却戦を得意とし、退き佐久間と称される武将。過去の合戦の記録を精査して、戦略を立てる。だが三方ヶ原の戦いで対峙した武田信玄にはその知略も役に立たず、ただひたむきに総大将の家康を信じるセンゴクに助けられた。同時代の実在の人物・佐久間信盛をモデルにしている。

武田法性院 信玄

反織田勢・本願寺顕如光佐の挙兵要請を断っていたが、1572(元亀3)年に至って織田家・徳川家への四方同時侵攻を計画する。三方ヶ原の戦いで家康を追い詰めるが病に倒れ、ほどなく死んだ。同時代の実在の人物・武田信玄をモデルにしている。

徳川次郎三郎 家康

織田家同盟軍・三河国国主。ばくち好きで賭けごとに熱くなる性分。三方ヶ原の戦いに先立って、武田信玄が遣わした馬場信春の懐柔を拒否する。敗走を助けて生還したセンゴクに、いつか借りを返すと約束する。同時代の実在の人物・徳川家康をモデルにしている。

本願寺顕如光佐

石山本願寺第11代宗主。戦国時代最強の戦闘集団だった本願寺を率いる。圧倒的なカリスマの持ち主で、潤沢な資金力で各地の豪族と門徒を動かし、信長を包囲した。同時代の実在の人物・顕如をモデルにしている。

続編

センゴク天正記 (せんごくてんしょうき)

宮下英樹の「センゴク」シリーズ第二部。武将・仙石秀久を中心に、「長島一向一揆 」から「武田家滅亡」までを描く。講談社「週刊ヤングマガジン」2008年14号から2012年26号まで連載。 関連ページ:センゴク天正記

センゴク一統記 (せんごくいっとうき)

宮下英樹の「センゴク」シリーズの第三部で、『センゴク 天正記』の続編。激動の戦国時代を舞台に、美濃出身の武将・仙石権兵衛秀久の歴史的な失敗からの挽回劇や、乱世の終焉と新時代の幕開けを描くリアル戦国合戦... 関連ページ:センゴク一統記

センゴク権兵衛 (せんごくごんべえ)

宮下英樹の代表作「センゴク」シリーズの一作で、『センゴク』『センゴク天正記』『センゴク一統記』に続く第四部にして完結編。戦国時代を舞台に、羽柴藤吉郎秀吉の家臣、仙石権兵衛秀久が秀吉の指揮の下で武勲を上... 関連ページ:センゴク権兵衛

関連

センゴク外伝 桶狭間戦記 (せんごくがいでん おけはざませんき)

宮下英樹の代表作「センゴク」シリーズの外伝。戦国時代における最大の逆転劇として名高い桶狭間の戦いを描いた歴史漫画。歴史書や資料を参考にしつつも作者独自の解釈を多分に加えており、特に今川義元や織田信長ら... 関連ページ:センゴク外伝 桶狭間戦記

書誌情報

センゴク 全15巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2004-11-03発行、 978-4063612844)

第2巻

(2004-11-03発行、 978-4063612851)

第3巻

(2004-12-25発行、 978-4063612981)

第4巻

(2005-03-03発行、 978-4063613186)

第5巻

(2005-06-04発行、 978-4063613452)

第6巻

(2005-09-04発行、 978-4063613735)

第7巻

(2005-12-23発行、 978-4063614114)

第8巻

(2006-03-04発行、 978-4063614329)

第9巻

(2006-04-28発行、 978-4063614404)

第10巻

(2006-08-04発行、 978-4063614640)

第11巻

(2006-11-06発行、 978-4063614909)

第12巻

(2007-02-06発行、 978-4063615227)

第13巻

(2007-04-27発行、 978-4063615500)

第14巻

(2007-09-06発行、 978-4063615869)

第15巻

(2007-12-28発行、 978-4063616309)

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