概要・あらすじ
中学3年生の吉田毬夫は、かつてともに暮らしていた母親が出ていったマンションの一室で一人暮らしをしている。そんな彼女の家に、正体不明のトリが侵入。トリは毬夫の境遇を知り、お節介にも彼女の世話を買って出る。こうして正体不明のトリと毬夫は、なし崩し的に共同生活を始める。
登場人物・キャラクター
吉田 毬夫 (よしだ まりお)
中学校3年生の女の子。プライドが高く、誰かに優しくされたり同情されたりするのを嫌うが、その一方で孤独というものに恐怖を感じている。当初はトリが厚かましく世話を焼いてくることをうっとうしがっていたが、トリの存在が日常となっていくにつれ、徐々に感情に変化が生まれていく。
トリ
吉田毬夫の部屋にやって来た、正体不明の生物。その正体は、野村の実験によって生まれた、人間サイズに巨大化し知性を持った鳥で、蘭の兄。非常にお節介な性格で、毬夫だけでなくさまざまな人間と関わりを持っては不用な助言をする。基本的にポジティブな考え方の持ち主。
蘭 (らん)
トリの妹にあたる鳥。トリと同じく野村の実験によって巨大化し、人語をしゃべることができるようになった。吉田毬夫のもとに居候を続けるトリを探し出し、自分の家に連れ帰ろうとするけなげな性格。しかし、かなりの毒舌家で、兄であるトリに対しても容赦ない言葉を浴びせる。
野村 (のむら)
トリと蘭を生み出した男性。高校生くらいに見えるが、実年齢は24歳。トリを巨大化したり不老の薬を生み出すほどの知性を持っているが、冷たい性格で人付き合いは苦手。しかし、吉田毬夫との交流を続けるうちに、その考え方が徐々に変わっていく。
毬夫の母 (まりおのはは)
吉田毬夫の実の母親。毬夫の父親との離婚をきっかけに、毬夫との間に距離を置くようになってしまう。娘である毬夫のことを愛していないわけではないが、過去に自分の母親が自殺したことが理由で、毬夫に正面から向き合うことができない。トリと偶然出会って説得され、毬夫のもとへ帰ることになる。