チッポくんこんにちは

チッポくんこんにちは

赤ん坊の頃、ねずみに育てられたチッポくんは、心の優しいねこの男の子。ねこなのに、ねずみを食べることが出来ないから弱虫扱いされるけれど、本当は勇気あるチッポくんは、仲良しのねずみを守るため、いろいろな作戦を立てて大活躍する。手塚治虫の幼年まんがの代表作で、漫画と絵物語の両方の形式で描かれており、「たのしい三年生」1957年1月号から1957年12月号にかけて掲載されたⅠ、1973年に絵本として刊行されたⅡ、「二年の学習」と「三年の学習」1973年7月号から1974年6月号にかけて掲載されたⅢの3部構成となっている。

正式名称
チッポくんこんにちは
ふりがな
ちっぽくんこんにちは
作者
ジャンル
動物擬人化
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概要・あらすじ

子ねこのチッポくんは、生まれた時に元気がなく死にかけていたため、飼い主に捨てられてしまったところを年寄りのねずみに拾われて育てられた。成長して元の家族と一緒に暮らすようになったが、パパにゃんママにゃんに何度怒られても、兄弟たちに馬鹿にされても、大事な仲間であるねずみを食べることができない。そんな心優しいチッポくんは、ねずみたちを守るため、ご近所の騒動から、海を越えた島にあるねずみの国まで飛び回り、仲間たちの協力を得ながら持ち前の知恵と勇気で問題を解決していく。

登場人物・キャラクター

チッポ

生まれた時に体が弱く死にかけていたため、この子は育たないだろうと飼い主に捨てられて、両親と引き離されてしまったねこの男の子。年寄りのねずみに拾われて育てられ、成長してからねこの家族のもとに戻った。幼い頃を一緒に過ごしたねずみを大切な仲間だと思っており、両親や兄弟たちからねずみを食べるように言われても、食べることができずにいる。 そのため弱虫だと馬鹿にされているが、家族や仲間のためなら身を挺して戦える勇気と知恵を持っている。

パパにゃん

チッポくんの父親。ねこはねずみを取って食べるべきだと考えているため、ねずみを食べられないチッポくんを腰抜けの弱虫だと思っている。なにかとチッポくんをけしかけて、ねずみを食べさせようとしては失敗するが、あまり懲りていない。少々ずるがしこい性格で、友達としてねずみ王国のパーティに招待されたチッポくんについて行って、ねずみを食べようと企んだ。

ママにゃん

チッポくんの母親。赤ん坊の時に飼い主に捨てられてしまったチッポくんを心配し、どうにかしてご馳走のねずみを食べさせようとする。ねことしては変わり者のチッポくんを気にかけており、一人前の猫にしようと世話を焼いている。

チョロン

引っ越しの途中で車から落ちてしまい、チッポくんの家に迷い込んで来たねずみの男の子。友達になったチッポくんに助けられて、家族の後を追いかける旅に出る。港まで来たところで船に乗っていた家族と再会し、チッポくんや家族とともに、ねずみの国とねこの国がある島に流れ着く。

王女 (おうじょ)

ねこの国の王女様。ねずみの国の王が仕掛けた罠に捕らえられ、火山の噴火口近くに張り付けられて処刑されそうになっていた。同じくねずみの王に捕まえられて処刑するために連れて来られたチッポくんに出会い、命を助けられる。その後、ねずみを食べられないことをねこの王様に知られたせいで、牢屋に入れられてしまったチッポくんをこっそり逃がす。

チュリイ

ねずみ王国のお姫様で、のちに女王になる。3匹のイタチを率いるガリゴリ将軍に国を奪われ、ねずみに優しいねこがいるという噂を頼りに、助けを求めるためチッポくんのもとを訪ねて来た。それ以来友達になり、チッポくんを新年パーティに誘う招待状を送ったり、町まで遊びに来たりと交友を続けている。

ドッグファーザー

横町に住んでいる大きなオス犬。近所では一番乱暴で、意地が悪いという評判が立っている。偶然にチュリイと出くわし、食べてやろうと捕まえる。チュリイを助けようとするチッポくんと戦ってその勇敢さに惚れ込み、以後は仲間になって協力するようになる。

チュンガラ

チュリイに仕える、忠義に篤いねずみ王国の大臣。ガリゴリ将軍に国を追われた後、チュリィを連れて城を逃げ出し、強くて優しい人に助けてもらおうと、あちこち旅をしてチッポくんがいる町へたどり着いた。チュリィを守るためにドッグファーザーと戦ったチッポくんに、国を守ってくれるよう頼み込む。

ガリゴリ将軍 (がりごりしょうぐん)

3匹のイタチを率いてクーデターを起こし、ねずみ王国を奪ったねずみ。イタチをけしかけ、ねずみたちをどんどん食べさせるので、誰もがガリゴリ将軍を恐れて戦おうとしない。姫であるチュリイの命を狙い、王国を完全に乗っ取ろうとしている。

はりねずみ

遠くの国からやって来たはりねずみの大男。背中に鋭いとげを背負っており、とげの玉に変身して戦うことができる。自分はねこよりも犬よりも強いばかりか、世界中の動物で一番強いと豪語し、アフリカではワニも退治したと威張っている。ねずみに頼まれてねこをやっつけるためにやって来たが、ねこを懲らしめてからは次々と報酬を要求し、ついには村長の娘のチュッピを嫁によこせと言い出す。

チュッピ

ねこをやっつけてもらうため、はりねずみを呼び寄せたねずみの村長の娘。とても可愛らしく、はりねずみに目を付けられて無理矢理に花嫁にされそうになる。怖くて屋根裏で泣いているところをチッポくんに見つけられ、チッポくんがねずみの味方だと知っていたため、訳を話して相談を持ちかける。

チロ

チッポくんの近所に引っ越して来て、友達になった可愛らしいねこの女の子。仲良くしたいチッポくんからいろんなプレゼントを贈られるが、一番の好物はねずみだと言ってチッポくんを困らせる。チッポくんがねずみを捕まえたことも食べたこともないと聞いて、捕まえ方を教えてあげると倉庫に連れて行ったところ、人間に出くわして2匹そろってさらわれてしまう。

うみねこ

空から落ちてきて、死んだようにぐったりしていたところをチッポくんの兄弟たちに見つけられた小鳥の男の子。悪いものを食べて死んだなら体に毒だろうと打ち捨てられていたのを、チッポくんとチロに拾われて医者に連れて行かれた。遠くの島から散歩にやって来て迷子になったと語り、チッポくんたちと仲良くなって海岸まで送ってもらう。

オオアリクイ

パパにゃんの知り合いの外国から来たお客様が連れて来たオオアリクイの坊や。チッポくんの家で一日あずかることになる。ママにゃんがお頭付きの魚とかつぶしご飯を出しても食べられず、悲しそうにしていたのを見かねたチッポくんは知恵を絞り、オオアリクイでも食べられるものを探しに行く。

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