概要・あらすじ
新米で初仕事のチェリーは乳母(ナニー)としてマクレガー家にやってきた。そこには一癖も二癖もある子供たちが控えていて、チェリーは魔法の道具、世界童話百科を用いて、マクレガー家の子供たちと打ち解けていく。
登場人物・キャラクター
チェリー
小さな少女。ちょっとおっちょこちょいで、料理の苦手な新米の乳母(ナニー)。紅茶を入れることと、魔法の本である世界童話百科からお菓子を出すことは得意。7人兄妹の末っ子で、姉のシェリーやキャリーから心配されている。ロビン以外のマクレガー家の子供たちにはすぐ懐かれる。
ロビン
マクレガー家の子供たちのなかでも特に変わり者で、本ばかり読んでいる少年。紅茶にはうるさく、先にミルクを入れてから紅茶を淹れるべき、というこだわりを持っている。最初は反発していたが、徐々にチェリーに惹かれていく。バイオリンの練習をよくしている。
リズ、メグ
マクレガー家の双子の少女。最初は2人共似たような性格の持ち主だったが、成長するにつれて徐々に違う個性を持つ少女として成長していく。チェリーに本を読んでもらうのが好きで、2人でよくねだっている。
ロッテ
マクレガー家の赤ちゃん。当初は抱っこされてばかりいたが、成長に伴って歩けるようになり、チェリーの助けを必要としなくなっていく。「あー、うー」としかしゃべれないが、付き合いが長くなるにつれ、チェリーはその言葉を理解できるようになる。
オークの木 (おーくのき)
マクレガー家の庭に生えている木。マクレガー家を長い間見守り続けており、知らないことはない。チェリーと会話することができ、彼女の相談に乗ったり助言をすることもある。
ピーターパン
リズが恋した少年。ロンドンの夜を一人占めして自由自在に空を飛び回る、永遠に大人にはならない存在。ピーターパンにはこの世の常識が通じず、気の向くまま、思うまま過ごしている。
シェリー
チェリーの5番目の姉。元々は妖精と親しかったが、妖精を拒否したことでその姿を見ることができなくなってしまった乳母(ナニー)。チェリーとマクレガー家の少年少女たちのおかげで、再び妖精を見ることができるようになる。
キャリー
チェリーの6番目の姉。男っぽい格好をしている乳母(ナニー)で、自分のところの煩い子供たちに嫌気が差して、チェリーのところへ飛び込んできた。料理の腕前やお菓子作りの腕前は、チェリーより断然上。
デイデイ
チェリーとマクレガー家の子供たちが飼っているヤマメ。ロンドンではヤマメをティーポットの中で飼うのが流行っているため、デイデイの寝床もティーポットの中。この待遇についてはデイデイにも不満はなく、チェリーと話をしながら、楽しい日々を送っている。
センセイ
ツバメだが色々な童話に通じており、チェリーにとっては童話の先生。最期くらいは北の方へ行って、親指姫のような童話の主人公になりたいと願ったものの、もう老齢のため飛べずにチェリーたちに保護された。チェリーにゆずり葉の話を教えた。
リリス
シェリーと友達の妖精。人間嫌いで、特に妖精を否定することの多い男性を嫌っている。そのため、ロビンたちを寄せつけなかったが、彼が妖精を肯定すると言ったため、リリスはロビンたちとなら関わってもいいと心を変えた。
キャミィ
見習い乳母(ナニー)。見習い乳母は各家を転々とし、それぞれの乳母より学ぶことで一人前になるというしきたりがあり、キャミィもそれに則ってマクレガー家に来た。どこかチェリーに似たところがある。
集団・組織
マクレガー家 (まくれがーけ)
ロビン、リズ、メグ、ロッテの4人の兄妹のこと。また、ロビンたちの父親と母親を含む場合もある。チェリーがマクレガー家に来る前は、4人の兄妹、なかでもロビンは乳母(ナニー)を寄せつけなかった。
その他キーワード
世界童話百科 (せかいどうわひゃっか)
チェリーが使う魔法の本。童話について載っていないことはなく、童話に関係した魔法を使うことができる。一例として、「ジャックと豆の木」の豆の木を出して、空の上でお茶会をすることなども可能。チェリー以外の人物が使うと、望んだ童話ではない童話の登場人物が勝手に顕現してしまうこともある。
ゆずり葉の話 (ゆずりはのはなし)
普通窓の外の木は秋に葉が散っていくが、ゆずり葉は春に若い芽が出てくる頃になると、古い葉は「この場所に出ておいで」と若い芽を導きながら散る。ゆずり葉はこうして生命を繋いでいく、という物語。センセイがチェリーに遺した最後の話でもある。