概要・あらすじ
大財閥根津家の跡取り娘、根津雪妃は、ある時自分の護衛の為に赤子の頃よりインドの暗殺教団サッグに鍛えられたという男、鉄樹を祖父の根津より紹介され、彼を弟とすることになる。しかし、雪妃は鉄樹の残虐な振る舞いに嫌悪感を抱いてしまい、更には鉄樹に無理やり抱かれたせいで、彼のことを絶対に愛さないと心に固く誓ってしまう。
しかし、根津財閥の財産を狙った日本政府からの刺客が多く襲来してくる中で、自分を愛し自分の為に戦っていく鉄樹に、雪妃は次第に心を許していくようになる。やがて、本格的に兵を送り込んでくる日本政府を前に、鉄樹は根津に財産を譲り渡すことを提案、鉄樹と雪妃の間に愛が実ったことを知った根津は、鉄樹の提案に乗ることを決め服毒自殺してしまう。
登場人物・キャラクター
鉄樹 (てつき)
赤子の頃に人買い市場で根津に買われ、根津雪妃を護る為に暗殺教団サッグで訓練を積まされた青年。辛い修行を経て、現在ではサッグの教主となっている。根津家の財産を狙った日本政府の攻撃が強くなったため、日本へ呼ばれることとなる。雪妃を護るため、彼女を愛するように教育されており、常に雪妃の映像を見ながら成長したために彼女にとても強い愛情を抱いている。 戦闘能力は人間離れしており、肉弾戦や銃撃戦など様々な状況に対応できる。特に肉体の強さは名前の通りに鉄のようであり、サッグでの呼び名のジャンガリーは「鉄の樹の森」という意味を持つ。雪妃のことを当初は姉のように思っており、彼女に対して欲情しないように根津に呪いをかけられていたが、後に呪いを解かれ彼女と肉体関係を結び、根津家崩壊後は夫婦となる。
根津 雪妃 (ねづ ゆきひ)
容姿端麗な上に運動神経も良く、頭も切れる日本の大財閥根津家の跡取り娘。根津家の財産を狙った日本政府の攻撃から守るため、祖父の根津がボディーガードとして連れてきた鉄樹と姉弟となる。当初は人間らしさに欠ける鉄樹に嫌悪感を抱いていたが、彼の自分に対する思いが強いことを知ると、彼のことを愛するようになっていく。 気が強く、気品がある性格だが、根津からは冷酷で残忍、かつ淫乱と言われており、根津家崩壊後は明るく溌剌とした行動が目立つようになる。また、インドへ渡った後は暗殺集団サッグ首領の妻として、肉体的・精神的にも成長していく。また、登場時は長かった髪も、作戦中に邪魔になるとして短くしている。
根津 (ねづ)
国家予算に匹敵するほどの財力を持つ根津財閥の当主。孫娘の根津雪妃を護るため、まだ赤子だった鉄樹を人買い市場で買い、インドの暗殺集団サッグの下で修行させた張本人。根津家の財産を守るためにあらゆる策を弄するが、第一の財産は雪妃であり、彼女と鉄樹が愛で結ばれたことを知ると、二人に日本政府からの追手がかからないように服毒自殺をする。
鳩野 (はとの)
日本政府からの依頼を受けて、根津家の崩壊を画策する破壊工作員。大柄の肉体にスキンヘッドで、人相は非常に悪い。世界中から依頼が来るほど腕が立つものの、鉄樹の前に敗れる。
百八竜 (はんどれっどえいとどらごん)
香港を拠点とする殺人集団百八竜の首領。外見は浮浪者のような老人だが、常人離れした身体能力を持ち、爆発物や武器、果ては武術までも下らないものと考えている。暗殺には形跡を残さないことをモットーとしている。
獅子竜 (しゅうろん)
百八竜の息子である大柄な男。横浜に在住している。肉体での戦いにこだわった百八竜とは違い、機械の力による殺しを信条としており、ショベルカーを用いて鉄樹との戦いに臨む。
アップルブラザーズ
アメリカのマフィアに所属する双子の殺し屋。非常に腕の立つ殺し屋であるが、同時にかなりの女好きであり、「腐ったりんご」と陰口を叩かれることもある。上からの命令に従って鉄樹の命を狙い、鉄樹の妻、根津雪妃を手籠めにしようと企んでいる。
ブダイ
暗殺教団サッグの一員であり、幼かった鉄樹を鍛え上げた師匠のような存在。年老いた現在においても、年齢を感じさせない動きを見せる。サッグの教義に誇りをもっており、ロボットなどのテクノロジーを使用することを疑問視している。
集団・組織
サッグ
『デュエット』に登場する組織。インドのバラモン教に属する暗殺教団。かつては総員10万人を超える程の勢力を誇っていたが、現在では数が減り実在すら疑われている。しかし、その存在を知る者からは今なお恐れられており、世界最強の殺人集団と呼ばれることもある。現在の教主はジャンガリーと呼ばれる鉄樹。 実在した教団サッグがモデルとなっている。
サヴァ
『デュエット』に登場する組織。レバノンに拠点を持つシーア派に所属する国際テロリスト集団。最強の殺し屋集団を自称しており、アメリカの帝国主義に対抗し、なおかつ自分たちの名を広めるためにオリンピックの襲撃を計画、アメリカ政府に雇われたサッグ教主の鉄樹と激しい戦いを繰り広げることになる。 指導者はサッタン・ダキーキ。
クレジット
- 原作