あらすじ
26歳のOL・仲村叶は同僚からは女子力が高いと見られているが、実は大の「特オタ(特撮オタク)」。叶は幼い頃から特撮番組、時にヒーロー物が大好きだったが、娘に女の子らしさを求める母親の猛反発によって、一度はこの世界を卒業していた。しかし、社会人となって一人暮らしを始め、自分の世界を確保できるようになると、幼い頃の抑圧が一気に噴出し、見事に「特オタ」に返り咲いたのだった。社会人となって世間の目も気にするようになっていた叶は、自分の好きな事を悪く言われることに対する恐れもあって、周囲にはオタクであることを隠していた。そんな彼女の前に、職場の飲み会や、同僚の結婚式などによる身バレや金銭的なピンチなど、さまざまな困難が立ちはだかる。しかし、叶は特撮ヒーローの熱い正義のメッセージを胸に立ち向かっていくのであった。そんな叶の前に、同じく「特オタ」の吉田さんや、女児向けアニメオタの任侠さん、さらにはオタク嫌いの北代さんらの面々が現れ、彼女のオタク道は混迷を深めていく。
テレビドラマ
2019年テレビドラマ化。1月18日から3月1日までNHK総合にて全7話で放送。主人公の仲村叶を小芝風花が演じる。 特撮パートは「スーパー戦隊」シリーズで有名な東映の協力を得て撮影。スーツアクターは「仮面ライダーシリーズ」などで有名な岡元次郎が出演。最終回は仮面ライダーV3の主役、宮内洋が書店の店主役で出演した。また、ドラマで使用されたキャラクター衣装や小道具など展示する「トクサツガガガ」展が、2019年1月8日から3月10日までNHK名古屋放送局プラザウエーブ21にて、2019年4月27日から5月6日までNHKスタジオパークにて開催された。
登場人物・キャラクター
仲村 叶 (なかむら かの)
26歳のOL。関西出身。職場では女子力が高いと思われているが、実は「特オタ(特撮オタク)」。周囲にはオタクであることを隠し、。幼いころから特撮好きだったが、かわいくて女の子らしいものを好む母に特撮を見ることを厳しく禁じられ育った。そのため、一時は特撮から離れていたが、一人暮らしを始めてからは抑圧から開放され、「特オタ」に返り咲いた。 幼いころ好きだった番組は「救急機エマージェイソン」。現在は「獅風怒闘ジョウシュウワン」にはまっている。
吉田さん (よしださん)
仲村叶・「特オタ」の仲間。年齢不詳だが、仲村よりは年上で、北代さんと同年代。写真を撮ることが得意。仲村とは「ジョウシュウワン」のキーホルダーをつけていたことがきっかけで出会った。その後、ヒーローショーで再開し友人となる。いい大人がいつまでもみっともないと、「特オタ」卒業を考えていたが、ショーに感動する仲村の姿を見て思いとどまった。 「ジョウシュウワン」ではトライガーが好き。
ダミアン
「ジョウシュウワン」好きの小学三年生。真面目な性格の少年。ダミアンは仲村叶が勝手につけたあだ名。塾から帰る途中、「ジョウシュウワン」のカプセルトイを回していた仲村と出会った。中の人の存在について悩み、特撮から離れかけていたが、グリーティングでのトライガーの立ち振る舞いに心を奪われ、より好きになった。 後にヒーローショーで吉田さんと出会い、一目ぼれする。
任侠さん (にんきょうさん)
仲村叶が食玩目当てによく行くお菓子屋の一人息子。一見強面だが、女児向けアニメ「ラブキュート」好きで、思いやりのある性格。任侠さんは仲村が見た目で勝手につけたあだ名。小学生のころは気弱で学校に行くのを嫌がっていたが、「ラブキュート」を心の支えに頑張っていた。
北代さん (きたしろさん)
仲村叶の同僚。無愛想な態度で、周囲から恐れられている。オタク嫌いで、仲村が「特オタ」であることを知った際は、彼女を激しく非難した。実はかつては男性アイドルユニット「Bee Boys」のファンだったが、友人のみやびさんにそのことを職場にバラされて、いたたまれなくなってしまったという過去を持つ。
仲村 望 (なかむら のぞむ)
仲村叶の兄。32歳。妻帯者で娘もいる。普段は地元関西で社会人をしながら、バンド活動をやっている。叶の特撮好きを知っており、家では彼女の理解者だった。
仲村 ちさと (なかむら ちさと)
仲村望の娘で、仲村叶の姪。4歳。あだ名は「ちー」。叶のことを「かのちん」と呼びなついている。「ジョウシュウワン」はたまに観ているため、ショーが見たい仲村の口実とされることも。
チャラ彦 (ちゃらひこ)
仲村叶の同僚。軽い性格で、悪気なく距離をつめて来ては仲村を苛立たせている。チャラ彦は仲村が勝手につけたあだ名で、本名は不明。
みやびさん
北代さんの「Bee Boys」のファン仲間。名古屋在住の学生。みやびはアカウント名で、本名は宮根。上京した際、北代さんの会社の飲み会に参加し、悪気なく北代さんがアイドルファンであることをバラしてしまい、彼女とから距離を置かれている。
小野田くん (おのだくん)
仲村叶の後輩。仲村を尊敬し、ひっそりと好意を寄せている。
ユキちゃん
仲村叶の同僚。好きなイケメン俳優が出演している特撮番組に持ったため、それをきっかけに仲村は「特オタ」の道に引き込もうと目論んでいる。
叶の母 (かののはは)
仲村叶と仲村望の母親。叶と反対にかわいくて「女の子らしい」ものが好き。叶が3歳のころ離婚し、女手一つで兄妹を育ててきた。「女の子らしく」ない特撮を毛嫌いし、自分の好きなものを一方的に娘に押し付けてきたため、叶からは苦手意識を持たれている。
その他キーワード
獅風怒闘ジョウシュウワン
『トクサツガガガ』に登場する特撮ドラマ。仲村叶が現在はまっている作品。動物とオリエンタルをモチーフとした、戦隊ヒーローもの。現在登場しているのは、熱血漢のリーダー・シシレオー/ショウ、クールでキザなトライガー/ゴウ、紅一点のチェルダ/リン、追加戦士のセロトル/レイ。
救急機エマージェイソン
『トクサツガガガ』特撮ドラマ。仲村叶が幼いころ好きだった、正体不明の正義のロボット・エマージェイソンを主人公とした作品。「メタルヒーロー」シリーズをモデルにしていると思われる。
書誌情報
トクサツガガガ 20巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2014-11-28発行、 978-4091866066)
第2巻
(2015-03-30発行、 978-4091868107)
第3巻
(2015-06-30発行、 978-4091870605)
第4巻
(2015-09-30発行、 978-4091872173)
第5巻
(2015-12-28発行、 978-4091873637)
第6巻
(2016-03-30発行、 978-4091875167)
第7巻
(2016-06-30発行、 978-4091876386)
第8巻
(2016-09-30発行、 978-4091877840)
第9巻
(2017-01-30発行、 978-4091892591)
第10巻
(2017-05-30発行、 978-4091895127)
第11巻
(2017-09-29発行、 978-4091896452)
第12巻
(2018-01-30発行、 978-4091897831)
第13巻
(2018-05-30発行、 978-4091898807)
第14巻
(2018-09-28発行、 978-4098600762)
第15巻
(2019-01-30発行、 978-4098602070)
第16巻
(2019-05-30発行、 978-4098602872)
第17巻
(2019-09-30発行、 978-4098604081)
第18巻
(2020-01-30発行、 978-4098605286)
第19巻
(2020-05-29発行、 978-4098606207)
第20巻
(2020-08-28発行、 978-4098607112)