トライガン・マキシマム

伝説のガンマン・ヴァッシュ・ザ・スタンピードが、宿敵であるミリオンズ・ナイブズを探すために砂漠だらけの惑星を放浪。途中で出会った無法者や異能の戦闘者たちと銃を交える、西部劇色の濃いストーリーマンガ。内藤泰弘の『トライガン』の続編であり完結編。第40回星雲賞コミック部門受賞(2009年)

概要・あらすじ

地球とは異なる砂漠だらけの荒涼とした惑星にて、天空に浮かぶ5つの月のうちのひとつに一筋の光が撃ち込まれ、大穴が穿たれた。世に言うフィフス・ムーン事件と同時に、その主謀者と目される伝説のガンマン・ヴァッシュ・ザ・スタンピードが姿を消して2年の時が流れる。フィフス・ムーン事件の目撃者で、巡回牧師のニコラス・D・ウルフウッドが訪れた小さな街で平穏に暮らしているエリクスと名乗る大人しい青年。

彼こそがヴァッシュ・ザ・スタンピードその人であった。ニコラス・D・ウルフウッドにより、人類殲滅を目論む宿敵・ミリオンズ・ナイブズが動き出していることを知ったヴァッシュは、一時の平穏に別れを告げ、再び過酷な戦いに身を投じる覚悟を固める。

そして、2年前に中断されたミリオンズ・ナイブズの腹心・レガート・ブルーサマーズ率いる12人の戦闘集団・GUNG-HO-GUNSと、ヴァッシュとの殺戮ゲームが再開。異能とも言える魔技を駆使して襲い来るGUNG-HO-GUNSのメンバーたち。どんな悪であれ、けっして人の生命を奪わぬことを誓いながらも過酷な戦いに身を投じ、その矛盾の狭間で苦しむヴァッシュ

戦いが苛烈さを極めていくなか、ヴァッシュミリオンズ・ナイブズの過去、因縁、そしてふたりの正体が明かされていく。

登場人物・キャラクター

ヴァッシュ・ザ・スタンピード

真紅のロングコートに逆立てた金髪が目を引く長身のガンマン。長年の鍛錬により人間離れした銃の腕前を持つ。人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)の異名を持ち、訪れた地を荒野に変える危険人物として600億$$(ダブドル)の賞金が懸けられていたが、人類初の人間災害に認定されて賞金は取り消された。 軽薄とも取れるほどに明るい性格をした極端な平和主義者で、たとえ悪であろうとも人命を尊重。それ故に戦いと生命の狭間で苦悩することも多い。過酷な道を進んできた代償として全身には無数の傷が刻まれており、左腕は隠し銃を備えた義手である。その正体はプラントより生まれた存在で、人類の根絶を企てる双子の兄・ミリオンズ・ナイブズを止めるため、各地を放浪している。

ニコラス・D・ウルフウッド

巨大な十字架型の銃火器パニッシャーを背負った巡回牧師。関西弁を操る飄々とした明るい男だが、命のやり取りという面においては一定のシビアさを持つ。その正体はGUNG-HO-GUNSの一員で、ミリオンズ・ナイブズの指示により、ヴァッシュに接近していた。だが、ともに行動するうちに互いの背を預けられるほどの関係となり、やがてミリオンズ・ナイブズに反逆する。 その後、同じ孤児院で育ったGUNG-HO-GUNSの一員・リヴィオ・ザ・ダブルファングのもうひとつの人格であるラズロとの戦いで代謝機能を促進させる薬を限界まで使用。リヴィオを正気に戻すことには成功するものの、肉体が限界を迎え、ヴァッシュの見守る前で息を引き取った。

メリル・ストライフ

ベルナルデリ保険協会に所属するショートカットで健康的な女性外交員。人類初の局地災害指定として認定されたヴァッシュ・ザ・スタンピードが引き起こす災害を査定するために派遣された。各地を転々とするヴァッシュを追っているうちに、ミリオンズ・ナイブズとの戦いに巻き込まれる。 マントの下に大量の小型拳銃デリンジャーを装備しており、有事の時にはそれを抜いて対処する。

ミリィ・トンプソン

ベルナルデリ保険協会の外交員で、メリル・ストライフの後輩。メリルとともにヴァッシュ・ザ・スタンピードを追う。大家族の末っ子として育ち、おっとりとした心優しい性格をしている。十字型の弾丸を射出する大型の連発式スタンガンを軽々と操るほどの巨躯で、理不尽な相手に立ち向かう勇敢な心も持つ。

ミリオンズ・ナイブズ

ヴァッシュ・ザ・スタンピードの双子の兄で、プラントから生まれた存在。同胞を酷使する人間に強い憎悪を抱いており、人類の根絶を企てる。ヴァッシュの身を案じ、同じ道を歩ませようと説得したものの、生命を尊ぶレム・セイブレムの意志を尊重するヴァッシュはそれを拒絶した。 プラントの力を開放させることで、すべてを切り裂く次元の刃に腕を変化させることが可能。ヴァッシュとの決別の際には、その力で彼の左腕を切り落とした。

レム・セイブレム

地球からの移民船団を運行していた女性クルー。船内のプラントから生まれたヴァッシュ・ザ・スタンピードとミリオンズ・ナイブズを保護して育てた、ふたりにとっての母親のような存在。生命の尊さを知る芯の強い女性で、ヴァッシュの過剰な博愛主義的な性格は、彼女の影響が大きい。 ミリオンズ・ナイブズが意図的に仕組んだ移民船の墜落により生命を落とした。

レガート・ブルーサマーズ

どこか影のある暗い眼をした色男で、見えないほど細い糸を打ち込んで電気信号を流すことで広範囲、多数の人間の肉体を限界を超えて自在に操る術を会得している。ミリオンズ・ナイブズの腹心であり彼に心酔。異能の戦闘集団GUNG-HO-GUNSのメンバーたちを指揮してヴァッシュ・ザ・スタンピードの抹殺を企てたが、勝手に行動した咎によりミリオンズ・ナイブズの手によって肉体を潰され不随となった。 だが、その後もミリオンズ・ナイブズへの忠誠心は揺るぐことなく、装飾の施された棺桶に入ってGUNG-HO-GUNSのメンバーたちに指示を出し続けた。棺桶内での鍛錬の末に自由な身体を取り戻し、ヴァッシュに戦いを挑むが敗北。 リヴィオ・ザ・ダブルファングを人質に取り、その心に咎を追わせるためにヴァッシュの手で自らを射殺させた。

ザジ・ザ・ビースト

GUNG-HO-GUNSの一員。まだあどけない顔をした少年で、無数の羽虫を操り、その目が得た情報を共有する能力を持つ。基本的に戦うことはなく、情報の伝達や監視を担当する。監視を拒むGUNG-HO-GUNSのミッドバレイ・ザ・ホーンフリークとホッパード・ザ・ガントレットの連携攻撃を受けて肉体を切り裂かれたが、その正体は砂漠に住む巨大な砂蟲ワムズの意識の集合体であり、別の少女の身体を端末にして生き延びた。 その後、ミリオンズ・ナイブズの肉体を乗っ取ろうとするが、企てが露見し、惑星内のワムズを全滅させられるという形で消滅した。

エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル

GUNG-HO-GUNSの一員。見た目や口調は女性だが性別は男性。いわゆるオカマであり、スリムでスタイルのよい身体と、鋭く冷たい瞳が特徴。GUNG-HO-GUNSは12人しか存在しないが、最強の存在としてロストナンバーの13人目として特別に登録されている。巨大な楔を連続して打ち込むネイルカノンを装備。 驚異的な身体能力を備えており、ネイルカノンを十数発乱射しても、1度の発射音しか聞こえないほどの動きを見せる。幼少期よりミリオンズ・ナイブズに心酔しており、たとえその身も同時に滅びようとも、ミリオンズ・ナイブズの野望の到達点である人類殲滅の時を心待ちにしていた。GUNG-HO-GUNSを抜けたリヴィオ・ザ・ダブルファングと死闘を繰り広げ、身体能力では圧倒するものの、自分もろとも楔で貫くという相打ち覚悟の反撃を喰らい、命を落とす。

リヴィオ・ザ・ダブルファング

GUNG-HO-GUNSの一員。顔の左半分に骸骨のような鬼の面を被った青年。前後に銃口を装備した十字型の二連式機関銃・二重牙(ダブルファング)を両腕に装備し、前後左右の敵を一度に殲滅する。幼少期に受けた虐待により、凶暴な性格をしたラズロというもうひとつの人格を持つ。 本来は優しい性格だったが、暗殺組織ミカエルの眼の教育を受けたことで、人間性を失っている。師匠であるマスター・チャペルとともにニコラス・D・ウルフウッドに戦いを挑む。激戦の果てに生命を賭したニコラスの説得により正気を取り戻し、戦いで死去した彼に変わってヴァッシュ・ザ・スタンピードとともに戦う道を選んだ。

マスター・チャペル

暗殺組織ミカエルの眼の幹部で、ニコラス・D・ウルフウッドおよびリヴィオ・ザ・ダブルファングの師でもある。ニコラスにより瀕死の重傷を負わされ、代謝機能を促進させる薬を大量に投与して生命は長らえたものの、極度に老化し車椅子での移動を余儀なくされた。リヴィオと組み、執拗にニコラスを追い、彼が育った孤児院を占拠。 そこで壮絶な戦いを繰り広げたが、乱戦の隙を突く形で繰り出したニコラスの強烈な頭突きを顔面に喰らい、即死した。

集団・組織

GUNG-HO-GUNS (がんほーがんず)

『トライガン・マキシマム』に登場する組織。ミリオンズ・ナイブズに選ばれた12名からなる異能戦闘集団。それぞれ魔人と読んでも差し支えないほどの異常とも言える戦闘能力を有しており、メンバーには1~12までのナンバーが与えられている。また、ロストナンバーとして13番が与えられたエレンディラ・ザ・クリムゾンネイルも存在。

ミカエルの眼 (みかえるのめ)

『トライガン・マキシマム』に登場する組織。ミリオンズ・ナイブズを崇拝する宗教色の色濃い暗殺者集団で、所属するメンバーは十字架を模した武器を使用する。各地の孤児をスカウトして暗殺者として育成。外科的手術や薬物投与によって身体能力を向上させたり、感覚器官を鋭敏化させて異形の暗殺者に仕立てるなど、人の道に外れた所業を行っている。 なお、ミカエルの眼からGUNG-HO-GUNSのメンバーとして3人が選出された。

その他キーワード

プラント

『トライガン・マキシマム』に登場する装置。巨大な電球のような形状をしており、その中に天使のような姿の生体ユニットが組み込まれている。この力を発動させることでで、あらゆるものを物理法則を無視して生み出すことが可能。だが、その力は有限であり、生体ユニットは徐々に疲弊していく。元々は地球からの移民船の動力源として使われており、砂漠だらけの惑星で人々が生活するエネルギーの源となっている。 そのため、巨大な街には移民船の残骸とプラントが必ず存在。管理技術が失われていいるため、プラント自体を新たに作ることができず、プラントがすべて失われることは人類が滅びることと直結している。生体ユニットはプラント内でしか生きることができないが、稀にプラント外でも生存できる種が誕生する。 それがヴァッシュ・ザ・スタンピードとミリオンズ・ナイブズである。

書誌情報

トライガン・マキシマム 全14巻 少年画報社〈ヤングキングコミックス〉 完結

第1巻

(1998年7月1日発行、 978-4785918422)

第2巻

(1999年2月1日発行、 978-4785918880)

第3巻

(1999年10月1日発行、 978-4785919481)

第4巻

(2000年7月1日発行、 978-4785920128)

第5巻

(2001年2月1日発行、 978-4785920661)

第6巻

(2001年10月1日発行、 978-4785921286)

第7巻

(2002年8月7日発行、 978-4785922177)

第8巻

(2003年4月25日発行、 978-4785923068)

第9巻

(2003年10月24日発行、 978-4785923693)

第10巻

(2004年12月27日発行、 978-4785924973)

第11巻

(2004年12月27日発行、 978-4785924980)

第12巻

(2006年7月26日発行、 978-4785926656)

第13巻

(2007年11月9日発行、 978-4785928841)

第14巻

(2008年2月27日発行、 978-4785929237)

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