概要・あらすじ
数々の難現場を成功に導くと言われる伝説の流れドカがいた。その名もドカコック。彼はチカラメシでドカ達の腹を満たし、現場を成功へと導く。頼られることを嫌い、流れた先でまた頼られてしまう彼は、今日も日本全国を流れてどこかの現場を成功へと導いている。
登場人物・キャラクター
京橋 建策 (きょうばし けんさく)
非常に腕の立つドカ。また、料理の腕も人並みではなく、食べた人たちを軒並み感動させている。数々の難現場に現れては、ドカの腕と料理で現場を成功に導いていることから「伝説のドカコック」と呼ばれ、名建築のカゲにはドカコック有りと謳われている。建設作業に見立てて、調理を行い、料理の完成を竣工と呼ぶ。 その能力から、現場の責任者を初め多くの人に頼りにされるが、それを嫌い、難所を乗り越えるとまた流離っていく。自分の名前が入った包丁と、ノースリーブの革ジャンを愛用している。
ドボクック
北海道にある赤字路線が、集客を目的に新しい駅弁を作ろうとした際に、企画の担当をした。角食(=食パン)に、砂糖を投入したマーガリンをバターと偽りタップリと塗り、真ん中に鉄道を模して準チョコレートで線を引いただけの「白い恋人達の三湖鉄道物語SL角食。バターあめ~~」を240円で発売することを提唱した。 フェミニストを自称するが、居合わせた女性記者に否定されると、あっさりと主義を撤回してしまう。その後京橋建策の作ったド開拓弁竣工に敗北し、京橋に再戦を誓った。
橋田 州架子 (はしだ すがこ)
「一橋一家」キャッチワードに鹿児島でドカをしている橋田一家の二代目。男勝りな性格で、父親の死後二代目を継いだが、現場のことは分からないとドカたちに馬鹿にされ、うまく纏めきることが出来ないでいる。ある日、一人のドカの言葉に激高し、掴みかかったことから大喧嘩に発展してしまう。しかし、そこに居合わせた京橋建策が、橋田組員に「一橋一家」の言葉を思い出して貰おうと作ったドカルビ焼飯丼の調理工程を見る内に、そして食べる内にドカ達と心が一つになっていった。
カズヲ
長野県伊那の出身。10年前に立派な大工になることを心指して渡米するも、アメリカの圧倒的合理性の凄さに膝を屈し、それ以来異常なまでに合理性を求めるようになってしまった。京橋建策の作った伊那のド勘太ローメン飯を食べて地元の大切さを思いだし、熟練の大工たちと共に頑張ることを誓った。
大衆食堂さすらいの主人 (たいしゅうしょくどうさすらいのしゅじん)
山梨県甲府市で、大衆食堂を営む男性。ドカ達にたくさん食べて思いっきり働いてもらおうと「精の付くラーメン」を作るも、やる気のなくなってしまったドカ達には相手にされなかった。京橋建策の作った揚げたてドカコロ丼を食べて元の心を取り戻したドカたちから、「明日からもうまいメシ頼む」と言われた。 京橋の調理中、レシピメモを取っていた。
ユージ
学生時代に友人のタカと、横浜ベイブリッジでハマっ子のソウルフード、焼売を食べながら医者になる約束をした。しかし、実習生の時に医者の責任の重さを目の当たりにし、それ以来自信を無くして徘徊する日々が続いていた。京橋建策が竣工した、横浜開港ロードカレーを食べ、一度潰れた焼売でもドカうまくなることを知り、再び一歩踏み出す勇気を出した。
タカ
横浜開港152周年記念道路工事に参加している若手のドカ。学生時代、横浜ベイブリッジでお互いの夢を語りあった友人ユージが夢破れ、放浪している様を見て愕然とした。京橋建策の作った横浜開港ロードカレーを食べて感動し、京橋に伝説のドカコックではないかと訊くが、「自分はただのドカですよ」と流されてしまう。
登郎 (のぼろう)
大阪第2通天閣の建設に参加していたドカ。現場のエースだったが、ちょっとした事故で怪我をしてしまい、辞めてしまった。周囲からは故郷の福井へ帰って実家の水菜農業を継いでいると思われていたが、まだドカに未練があり大阪にいた。世界一のビルを建てることが夢で福井から恋人の昇子と共に出てきた。昇子にストリッパーをやらせてヒモをやってる自分がなさけなくなり、逃げだそうとするが、そこに居合わせた京橋建策が作ったドカハリ丼を食べて初心に戻り、再び頑張ることを誓った。
その他キーワード
ド開拓弁竣工!! (どかいたくべんしゅんこう)
『ドカコック』に登場する弁当。京橋建策が、北海道の赤字路線を救うための案として作った。鮭の切り身をよく焼いて解し、ミソとカレー粉とバターという北海道のニューグルメの味を入れ、地場産のコメを引きつめた弁当箱に平らに敷き詰める、仕上げに粗く刻んだ利尻の塩昆布を北海道開拓時代に多大な貢献をした弁慶号と義経号に準えて二本引く。 コストはかかるが、値段じゃないうまさがある。
ドカルビ焼飯丼 (どかるびやきにくどん)
『ドカコック』に登場する料理。京橋建策が鹿児島のドカ、橋本組の内部争いをよそに作った。ゴマをオーガスクリューのように擦り、サラダ油と共に中華鍋に投入、飯を投入しお玉をスコップのように使い炒めていく。そこに芋焼酎を使って作ったタレに漬け込んでおいた鹿児島黒毛和牛を焼いたものをたっぷりと乗せる。肉のうまみと焼酎のタレの甘み、パラりと仕上がったチャーハンが渾然一体となり世界遺産並にうまい。
伊那のド勘太ローメン飯 (いなのどかんたろーめんはん)
『ドカコック』に登場する料理。京橋建策が、大工の心を無くしたサブヲに、昔を思い出させる為に作った。マトンを玄翁で釘を打つようにテンダーミートで叩いて柔らかくし、包丁を鉋のように使い薄く削ぐ。削いだ肉を塩とざく切りキャベツと共に鶏がらスープに入れてウスターソースで味を調えて蒸し面を加えてローメンを作る。そのローメンに水溶き片栗粉でとろみを付けたら、丼に飯をもり生卵を落として上からとろみローメンを流し込み、行者ニンニクのしょうゆ漬けを散らす。 出来上がったものに食べるものが各々好みのトッピングをすることで完成する。飯と麺のハーモニー。
揚げたてドカコロ丼 (あげたてどかころどん)
『ドカコック』に登場する料理。京橋建策が、難工事に嫌気がさしてやる気を無くしたドカたちに、昔の気持ちを思い出させる為に作った。ニンニクと玉ねぎをランマーのリズムで刻み、キャベツも同様に千切りにする。茹でたジャガイモは粗くつぶし、にんにくと玉ねぎと混ぜて衣を付けて揚げる。飯の上に千切りキャベツを乗せて、更に揚げたコロッケを乗せて「大衆食堂さすらい」の特製特濃ソースをたっぷりとかける。 ボリュームたっぷりの一品であり、これを食したドカたちは意気揚々と現場へ向かって行った。
横浜開港ロードカレー (よこはまかいこうろーどかれー)
『ドカコック』に登場する料理。夢から逃げてしまった若者、ユージに初心を思い出してもらうために京橋建策が作った。蒸した焼売を潰し、ソースとカレーで味付けをして、スタビライザーのごとく撹拌させる。それをレトルトご飯の上に乗せ、とろけるチーズでセンターラインを作り、道路のように見立てる。潰した焼売とソースとカレーがベストマッチし、とろけたチーズも食欲を誘う一品。
ドカハリ丼 (どかはりどん)
『ドカコック』に登場する料理。働き甲斐とは志であると、悩む若きドカ登郎に思い出してもらおうと京橋建策が作った。福井の水菜をモンケンのリズムで刻み、出汁を沸かせた鍋に投入する。そこに紀州沖で獲れた鯨の赤味と油身を、油圧シャベルのように豪快に投入する。火が通ったら丼に盛った河内米の上につゆだくでかける。大阪名物のハリハリ鍋を丼にしたいっぴん。 柔らかい鯨の肉と、水菜とダシの組み合わせはまるで夢のよう。