ドキュンサーガ

ドキュンサーガ

人間から虐げられる「異形」たちの指導者となった少女・魔王を中心に、異形と人類の数百年に及ぶ戦いを描くSFファンタジー。「ComicWalker」で2021年1月から配信の作品。

正式名称
ドキュンサーガ
ふりがな
どきゅんさーが
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

魔王vsモッコス

ザイダーマ王国は建国以来、500年にわたって魔族に脅かされ続けていた。魔族たちは初代国王に一方的な要求を突き付けて遵守をせまり、以来その取り決めを破ると民を虐殺しに現れるのだった。40年前に起こった最後の魔族の襲撃に対して、ザイダーマ王国は勇者や軍の精鋭で魔族を迎撃したが、たった一人の魔王によって皆殺しにされてしまう。魔王が再び目覚めることを知った国王のチャン・ウーピンは、粗暴で凶悪だが強力な魔法をあやつるモッコスに魔王討伐を依頼する。好戦的なモッコスは、その依頼を受けて魔王がいるとされる島に向かい、魔王を守る四天王のテキサスユタケンタッキーを難なく倒す。残る四天王の一人・キョウトメガネンはモッコスの圧倒的な強さを見て、あっさりと寝返るのだった。40年の眠りから覚めた魔王は、状況を理解すると魔力で作り出した武器を使ってモッコスの腕を切り落とす。しかしモッコスは損傷した部位を自動で再生する呪文を使い、魔王に何度体を切られても復活を繰り返す。だが、無尽蔵の魔力を使って攻撃を続ける魔王によってついにモッコスは倒される。そしてモッコスは、その強さと能力から、人間ではなく魔族であるという衝撃の事実を魔王から知らされるのだった。魔王は、そんなモッコスに960年前に起こった魔族の誕生について語り出す。

異形の誕生

960年前、エネルギー資源の枯渇によって世界は混迷を極め、資源を巡った戦争が続く暗黒の時代を迎えていた。その頃、世界中で不思議な力に目覚める子供たちが続出する。新人類と呼ばれる彼らは、資源を要さずに高出力の熱や電気を作り出すことができた。アメリカ合衆国のとある企業は、新人類の能力を研究し、「計算式」と呼ばれる呪文のようなものを口述することで、誰でも発火や治癒の能力を発揮できることを解明する。新エネルギーの登場によって世界は再び希望を取り戻しつつあったが、脳や肉体が常人とは完全に別物の突然変異も現れ始める。彼らの能力は計算式化できず、醜悪な見た目で人間の数倍から数百倍の筋力を持つ彼らは、「異形」と呼ばれて人間から迫害されるのだった。

異形の少女

世界では「異形」狩りが推奨されて懸賞金まで懸けられ、異形たちは人間たちから隠れるように暮らしていた。耳が長いこと以外はふつうの人間と見た目の変わらない異形の少女(魔王)も、ニット帽で耳を隠し、他人とかかわらないようにとの母親の言いつけを守っていた。スラムで暮らす魔王は、ある日、売春を強要されて生きている一人の人間の少女と出会い、なかよくなる。後日、その少女が男に暴力を振るわれている場面に出くわした魔王は、発火の能力を使って男を焼き殺す。それは魔王にとって初めての殺人だった。魔王が異形であることを少女に知られてしまったものの、少女は魔王を受け入れ、二人は友人となるのだった。しかし、ほどなくして魔王の母親が、人間たちの異形狩りによって殺されてしまう。母親の居場所を密告したのは、魔王が親しくなったあの少女だった。怒りと絶望に包まれた魔王は生まれて初めて本気の殺意を抱き、生まれて初めて全力で能力を振るう。空に無数の刀を出現させた魔王は、それを地区一帯に降り注ぎ、地区の人間を一人残らず殺すのだった。

魔王

魔王が地区の人間を皆殺しにした事件は、「船端の大虐殺」と呼ばれ、大々的に報道されるものの犯人は正体不明のままで、魔王が手配されることはなかった。それから2年、無気力で自暴自棄となった魔王は、強姦目的でせまってくる人間のごろつきを返り討ちにして奪った金で空腹を満たす、空虚な毎日を送っていた。そんなある日、魔王は「異形」狩りの人間たちによって殺されそうになっていた二人の異形、薮内五木を気まぐれで助け、行動を共にするようになる。久しぶりに笑い合える仲間ができた魔王は、仲間が増えればもっと楽しくなると考え、異形たちを収容所から解放する計画を立て、実行に移す。収容所では、研究と称して異形たちが拷問のようなひどい実験材料にされていた。もはや魔王の能力を持ってしても助けられない異形たちも多く、魔王は泣く泣く彼らを安楽死させる。これまでも人間を嫌っていた魔王だったが、収容所の惨状を目にし、人間のことをはっきりと敵として認識する。魔王たちによって解放された12人の異形たちの人間への憎しみも大きく、魔王は彼らのリーダーとして全国の異形たちを救出することを誓う。

戦争

魔王は「異形」のリーダーとして仲間を率い、各地の収容所で人間を殺しまくっては、捕らわれている異形たちを救出していく。魔族の仲間は増え続け、仲間たちの人間への憎悪はさらに増大して深くなっていく。人間は邪悪な存在であり、根絶やしにすべきであるということが絶対的な思想と化し、人間たちを楽しむように残虐に殺す魔族たちも現れていた。一方、上流階級の街を占拠した魔王たちは、ファッションや娯楽を満喫し、人間らしい生活を楽しんでいた。それから12年が経過し、魔王率いる魔族は地上の大半を人間から奪い取ることに成功していたが、最終局面で膠着状態に陥っていた。魔王たちは妥協し、人間に降伏する機会を与える。その条件とは、欧州に設けた居住区でのみ人間の自治権を認める、人間は核兵器をはじめとするすべての武装を破棄する、居住区内で突然変異が認められた場合は直ちに魔族に引き渡す、条約の履行確認のために定期的に居住区に査察団を派遣する、というものだった。魔族からの提案から半年が経過し、ついに人間はこの条件をのむ。だが、それは人間たちの時間稼ぎであり、人間は地下に隠れ、最後の抵抗として欧州全土に放射性物質を拡散させるのだった。魔王たちも地上が浄化されるまで最低でも400年間にわたる核シェルターへの非難を余儀なくされ、避難できなかった魔族の半分が犠牲となる。

地下での暮らし

メンザが中心となって建設していた地下シェルターに避難した魔王たち魔族だったが、そこには街が丸ごと作られており、液晶画面で作られた天井には青空が映され、地上と変わらない暮らしを送っていた。それから十数年は地下での平和な暮らしが続き、魔族たちは愛し合って子供ももうけた。しかし生まれた子供たちには、両親の異形や特殊能力の異質を遺伝したものの、強さは受け継がれていなかった。この弱体化が400年続けば、やがて来る人間との戦争に勝つことはできない。その解決策として、メンザは「転生機」と呼ばれるマシンを開発する。転生機とは、中に入った魔族の肉体を分解し、任意の年齢で再構成する装置で、この装置を使って魔族の幹部が400年間を生き抜き、弱体化した子孫たちの代わりに自分たちで人間を滅ぼすという計画である。一部を除き、魔族の幹部たちはその計画を受け入れる。

地上への帰還

地下で生まれた新しい世代の魔族たちは、人間を知らないため、当然人間への敵意も持っていなかった。それどころか人間たちの遺した文化に親しみを持っていた。そのことに危機感を抱く一派は、かつて収容所で人間たちが「異形」に対して行っていた残虐な実験の映像を子供たちに見せて、人間の恐ろしさを教育していく。その結果、魔族の中でも、人間を激しく敵対視して人間のつくった文化までも否定する派と、人間を敵と認識しつつも人間文化への親しみを残す派の分裂を生む。そんな中、魔族の幹部たちは転生機による冬眠と若返りを繰り返して長い年月を過ごし、ついに地上の放射能が浄化される日を迎える。人間たちは、放射能に耐えられる遺伝子操作を施し、魔族よりも先に地上への復帰を果たしていた。再び始まる人間との戦争に向けて人間の街を偵察した魔族は驚愕する。人間たちの文明は、中世レベルまで退化しており、もはや人間は魔族の敵ではなかった。

登場人物・キャラクター

魔王 (まおう)

魔族と呼ばれる「異形」たちを率いる魔王。見た目は少女ながら実は900歳を超えており、老いと若返りを繰り返している。エルフのような耳を持つ以外は、見た目はふつうの人間と変わらない。その容姿を気にして、五木からプレゼントされた二本の角が付いたヘアバンドを巻いている。胸に「まおう」と大きな名札を付けた体操着の上に赤いジャージ、下はブルマに黒いニーソックスを身につけている。魔力を物質化する能力を持ち、何もない空間から武器や兵器などを作り出すことができる。また、「撃ち出した魔力を元通り回収する」という異形の中でも特殊な能力を持っている。魔力切れとは無縁で大出力の魔力をぶっ放し放題というのが最大の強みで、魔族の中でも最強の存在。仲間からは「魔王様」や「ボス」と呼ばれることが多いが、一番仲のいい五木からは「真央」と呼ばれている。人間との戦争で地下シェルターへ避難後、メンザの診断を受けて、永遠に子供のままの肉体で成長できず、子供もつくれない体であることが判明する。不老ではあるが不死ではなく、寿命自体はほかの魔族と変わらない。

モッコス

勇者バッカスの息子で、異形の男性。見た目も言動もヤンキーそのもので、自分では「エドワードハインリッヒ」と名乗っている。「モッコス」と呼ばれるとキレて相手が誰であろうと暴力を振るう。幼い頃から強力な魔法を扱うことができ、欲望の赴くままに生きてきた。そんな中、国王のチャン・ウーピンから依頼を受け、魔王の討伐に向かうこととなる。戦いでは魔王に敗れ、モッコスは人間ではなく魔族であると告げられる。タバコの代金を求めてきた道具屋を店ごと焼殺したり、国王が用意した船が気に入らないからと港湾労働者をミンチにしたりするなど、人を殺すことなどなんとも思っていない凶暴な性格をしている。魔力が尽きない限り、オートで肉体の損傷を再生し続ける呪文を使うことができ、何度体を破壊されても復活できる。

チャン・ウーピン

建国500年の歴史を持つザイダーマ王国の国王。坊主頭の中年男性で、髭を蓄えて頭に王冠を載せている。40年前に王都を襲撃した魔王が眠りから目覚めることに備え、モッコスに魔王討伐を依頼する。

キョウトメガネン

魔王軍の四天王の一人。頭部から触角のような五本の目玉が飛び出ている異形の男性で、関西弁でしゃべる。触手を刺して生物の体を乗っ取り、DNAを書き換えて自らの肉体にする能力を持つが、戦闘は苦手としている。実は目玉の部分が本体で、五つの目玉で記憶と人格を同期させている。目玉がどれか一つでも残っている限り死ぬことはない。局部収納型の異形で、ふだんは性器を股間に収納しているため、いつも全裸でいる。四天王の一人でありながら、襲撃してきたモッコスの強さを見るや否や、すぐに寝返った卑怯者。

テキサス

魔王軍の四天王の一人。二本の角を生やした異形の巨乳美女で、SM女王のような露出度の高いボンデージビキニを身につけている。触れた無機質な物を自在な形に変形させてあやつる能力を持ち、鞭を使った攻撃を好む。魔王を守ることに命を懸けているが、魔王討伐にやって来たモッコスにあっさり倒された。モッコスによって全裸に首輪を付けられ、犬のように四つ足で歩く屈辱的な扱いを受けるが、魔王によって救われる。

ユタ

魔王軍の四天王の一人。上半身はイケメンの男性で、下半身はケンタウロスのような異形。頭部に二本の短く鋭い角がある。平常時の移動速度は馬と同じ時速90キロほどだが、電気をまとわせた物体の移動速度を3倍にする加速能力を使うことができ、その能力をユタ自身に使うと時速270キロで走ることができる。自らの骨を矢の状態に分離して放ち、それを加速能力でブーストすることで素早い攻撃が可能となる。魔王を守ることに命を懸けているが、魔王討伐にやって来たモッコスに倒された。好きなものは、ご先祖様の肖像画。嫌いなものは美意識に欠けた輩。自分が世界で一番美しいと思っている。

ケンタッキー

魔王軍の四天王の一人。鳥のようなくちばしを持つ異形の男性で、太った体型をしている。体液を任意で発火させることができ、口から炎を吐いて攻撃する。自らの体液によって生じた炎を一定時間自在にあやつることが可能で、生じる炎の量と操作できる時間は、発火に消費した体液の量に比例する。四天王として魔王を守ることに命を懸けているが、魔王討伐にやって来たモッコスに倒された。一人称はワシ。好きなものは整理整頓、嫌いなものは仲間同士の揉め事。

薮内 (やぶうち)

魔王軍の幹部の一人。魔王が最初に助けた異形の男性で、「ヤブ」と呼ばれている。頭から一つの目玉が付いた触手が生えている。一人称は「ワイ」で、関西弁で話す。目玉付きの触手をちぎって、無機物や生き物に刺すと、刺したものを自由に変形させてラジコンのようにあやつれるという能力を持っている。人間の死体に触手を刺してあやつり、食料や衣服を調達して、五木といっしょに人間から逃げていた。地下シェルターで暮らすようになったあと、中村明日香と結婚して16人もの子供をもうける。四天王のキョウトメガネンは薮内の子孫にあたる。

五木 (いつき)

魔王軍の幹部の一人。魔王が最初に助けた異形の女性で、頭部に昆虫のような触角があり、右目の黒目が三つに分かれている。薮内といっしょに人間から逃げていたところを魔王によって救出された。極度の恥ずかしがり屋で顔を見られるとまともに話せないため、紙袋をかぶって顔を隠している。のちにガスマスクをかぶるようになる。かわいらしい顔立ちで、スタイルも抜群。バリア生成の能力を使って、相手の攻撃から身を守っている。魔王と一番仲のいい存在となり、魔王が唯一甘えられる人物。魔王からは「いっきー」の愛称で呼ばれる。

中村 明日香 (なかむら あすか)

魔王軍の幹部の一人。巨大な一つ目の異形の女性で、マーキングした相手の15分先までの未来がわかる予知能力を持つ。人間との戦争では、世界各地の拠点にマーキングした仲間を配置することで、人間が飛ばした核ミサイルの着弾地点を正確に把握してすべて撃ち落とすことに成功した。地下シェルターで暮らすようになったあと、薮内と結婚して多数の子供をもうける。四天王のキョウトメガネンは中村明日香の子孫にあたる。

メンザ

魔王軍の幹部の一人。宇宙人のような見た目で、体が小さい異形の男性。脳みそがむき出しになったような頭部に目玉が二つある。能力は高知能で、人類の天才たちが100年かけて解けるか解けないような難解な計算を1秒で解くことができる。魔王軍の頭脳として研究および科学面をほぼ一人で担当している。人間との戦争に備えて地下シェルターとして街を丸ごと作るなど用意周到。魔族の子孫が弱体化する問題が発覚した際も、解決策として転生機や冬眠装置を開発した。また、地上に戻った際に人間と魔族以外の生物が死に絶えていては味気ないからと、あらかじめ地下シェルターに幅広い種類の動物を持ち込んでおり、DNAをいじって放射線耐性を付与して地上に放った。その際、異形には無条件で懐き、人間には敵意をむき出しにするようにも改造している。しかし、転生機を使って転生すると、異形としての特殊能力がわずかに劣化することが判明するなど、自らの知能の劣化に悩み始める。知能がよりどころであったメンザにとって、高知能の能力が劣化していくことは耐えられず、最終的には自ら死を選んだ。その際、仲間には再生のできない完全な死を実行できる毒薬を形見として遺した。また、残された仲間のために自分の代わりとして開発したMNZ02も遺している。

桐生 (きりゅう)

魔王軍の幹部の一人。三つの目を持つ異形の男性で、人間の収容所で右手を輪切りにされている。魔王によって救出されたあとは右腕を再生することも可能だったが、人間にされた仕打ちを忘れないようにするためにあえて再生させずに義手を付けている。人間への強い憎しみを維持し続け、地上に出たら人間を根絶やしにすることを目標に地下シェルターでの400年を過ごした。しかし、地上で見つけた人間たちは文明が中世レベルに退化しており、桐生が望むような戦いはできなかった。「酸性雨」を降らせる能力を持ち、小さな街の人間を酸性雨で全滅させたものの虚しさだけが残り、酒に溺れるようになる。仲間の子供や孫たちには慕われており、彼らに戦い方を教えている。

日村 (ひむら)

魔王軍の幹部の一人。鳥のような鋭いくちばしを持つ異形の男性で、体を炎と化す特殊能力を持つ。変身の際には5秒間の集中が必要で、炎の持続時間は1日に15分という制限があるが、炎と化しているあいだは無敵でいっさいの攻撃が通じず、異形最強の破壊力を誇る。飛び回っているだけで、熱波によって大都市を蒸発させて消滅させるほど強力。魔王軍幹部の中では最も人間への憎しみが強く、好戦的な性格をしている。地下シェルターで暮らすようになってからは、結婚して家庭を築いた。しかし人間を憎むあまり、人間のつくった文化を愛する子供たちにも敵意をむき出しにし、人間の作った本をすべて燃やすなど行き過ぎた行動に出る。家庭でも居場所を失い、ついには妻を殺してしまう。最終的にはステイシーによって処刑された。

クラーブ

魔王軍の幹部の一人。頭部がカニに擬人化した異形の男性で、全魚類を支配する能力を持つ。人間との戦争では、魚たちに命令することで核を搭載した原子力潜水艦を捕捉し、活躍した。魚語で話すため、仲間と会話する際にはアリバタによる通訳を必要とする。魔族が地下シェルターへ避難する際は、地上に残った魚たちと運命を共にする道を選んだ。

(ふぇい)

魔王軍の幹部の一人。自由に変形できる黒い体に無数の目を持った異形の男性。空間移動の能力を持ち、行ったことのある場所なら距離を問わず扉をつなげることができる。クールで読書を愛する物静かな性格の持ち主。ふだんは金髪のカツラをかぶっており、見た目はイケメン。

ステイシー

魔王軍の幹部の一人。ツインテールの髪型をした異形の女性で、見た目はモッコス同様にふつうの人間と変わらない。最強の肉体を誇り、魔王の攻撃以外では傷つくことはない。殴る蹴るだけでビルをなぎ倒すほどのパワーを持ち、ミサイルが直撃しても傷一つつかない。人生で唯一体に傷を付けたのが魔王の能力で作った刃であり、長年焦がれていた痛みという感覚を初めて味わって感動する。その後、魔王の協力でボディーピアスにハマり、体じゅうピアスだらけにする。面倒事を嫌い、幹部による会議も嫌っていた。転生機に入って生き延びることを拒否し、寿命を全うした。

アリバタ

魔王軍の幹部の一人。サボテンのような体を持つ異形の男性。有機物でも無機物でも、触れた物を分裂させ、際限なく増殖させる能力を持つ。冷静沈着で温和な性格の持ち主で、魚語を話すクラーブの通訳も担当していた。寿命という枷を拒絶するのは生命への冒涜だと考えているため、転生機に入って生き延びることを拒否し、寿命を全うした。

鬼頭 (きとう)

全身が筋肉のような見た目の異形の男性。3分間だけ巨大化する能力を持つ。初期から魔王をボスと慕う仲間の一人であったが、人間を憎むあまりに人間の文化を好む魔族と敵対し、そのいざこざで仲間の魔族を殺害してしまう。その結果、魔王によって泣く泣く処刑された。

河堀 (かわほり)

耳の近くに小さなコウモリのような羽が生えている異形の女性。「かわっち」と呼ばれている。影を実体化してあやつる能力を持っており、全力で3分ほど暴れられる。

MNZ02

メンザが自ら死を選ぶ前に仲間たちのために開発した、メンザを模した機械。メンザと同等の知識を持ち、地下設備の保全や冬眠装置の管理を難なくこなす。メンザのことは「創造主」と呼び、インプットされた命令を忠実にこなす。実は本体は地下の都市部より下層にある巨大コンピューターの中のプログラムであり、機体はいち端末に過ぎず、街中にいるすべてのロボットがMNZ02であるともいえる。

モルモ

下半身がケンタウロスのような体をした異形の女性。魔族の中でも、人間に強い敵対心を燃やす過激な異形一派のリーダーを務めていたが、グループメンバーの暴走を止められず、仲間や鬼頭が犠牲となった。その性根を叩き直すという名目で飛に付きっ切りの指導を受けたことで、今では飛を守護天使として敬愛している。地上にモルモシティという魔族の都市を作り、そこの終身市長として活動していたが、選挙で負けて退陣し、その座を息子のソルトに譲った。

クアドラ

四つの目を持った異形の女性。皮膚を任意のタイミングで爆発させる能力を持つ。なお、その爆発はクアドラ自身にダメージが及ぶことはない。ムーワとは犬猿の仲ながら、ムーワが人間の女性を凌辱して産ませた子供・イソメを母親代わりとして育てている。

ムーワ

触手のような体を持つ異形の男性。つねにフード付きのポンチョをかぶっているため、素顔は見えない。触手で触れた物の成分を分析する能力を持つ。魔王によって禁じられていた人間の妊婦への拷問実験を隠れて実行していた。その実験中に人間を凌辱し、イソメという子供を産ませている。残虐な性格ながら、娘のイソメだけは溺愛している。

ジェリー

触手のような体を持つ異形の女性。かわいらしい顔立ちをしている。クアドラやカフたちの仲間で、触手で触れた相手の感情を読み取る能力を持つ。

カフ

小さなサメのような体を持つ異形。サメの開いた口の中に目があり、ほとんどしゃべることはない。地面から3メートルほどの高さに浮遊できる能力を持ち、ふだんは空中に浮いている。

イソメ

ムーワが人間の女性を凌辱して産ませた異形の女性。顔は人間の女の子だが、手足は複数の触手になっている。表向きにはムーワとクアドラのあいだに生まれた子供ということになっており、クアドラに育てられている。

オースティン

ウシのような二つの角を持つ異形の女性。手と足を切断され、視力も奪われている。人間たちの性処理用の家畜として監禁されていたが、魔王軍によって救出される。救出されたあとは手足の再生処置を受けるが長い虐待によって深刻な心的外傷を持ち、救出時のメンバーであった魔王、クアドラ、ジェリー、カフ以外の者が近づくと怯えて硬直するか、泣き出してしまう。

その他キーワード

異形 (みゅーたんと)

突然変異によって生まれた、人間とは異なる見た目をした者たちのこと。異形独自の特殊な能力を持っている。その見た目から、人間たちに迫害され、多くは収容所で残虐な実験や拷問を受けていたが、魔王たちによって解放された。「魔族」と呼ぶこともある。

計算式 (こーど)

人類および異形共通の能力。呪文を口述することで特殊能力を発現でき、その呪文または方法のことを「計算式」と呼ぶ。ただし、計算式で発現できる能力は発火や治癒など簡単なもので、異形たちが独自に持つ能力は再現できない。人間文化を嫌う過激な魔族の一派は、計算式も人間が使うものとして厳しく使用を禁じている。

書誌情報

ドキュンサーガ 4巻 KADOKAWA〈MFC〉

第4巻

(2022-08-22発行、 978-4046811240)

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