あらすじ
第1巻
国を動かしている有力貴族の子弟が多くいる皇国学院中等部に通うカムイ・クロイツは、臣下で友人のルッツやアルトと共に有力貴族の子弟と知り合う策を相談していた。子弟たちとはクラスが違うため、これまでと同じ方法では知り合うことはできないと考えたカムイたちは、多少目立つことをして子弟の方から声を掛けてもらう策を採用する。そこで、ルッツが剣術で目を見張るような活躍をすると、予想どおり、ルッツはヒルデガンド・イーゼンベルグとディーフリート・オッペンハイムに声を掛けられる。そのルッツを通してヒルデガンドとディーフリートの二人と面識を得たカムイは、当初の目的を果たしたうえで、仕えないかという彼らの勧誘もうまくかわすのだった。その後、カムイたちは皇国学院中等部恒例の合同演習合宿に参加。合宿は問題なく進んでいたが、夜になって魔物が現れたことで状況は一変する。
関連作品
小説
本作『魔王の器』は、月野文人の小説『魔王の器』を原作としている。原作小説版は、月野文人が「小説家になろう」に投稿していた同名小説で、KADOKAWAから刊行されている。イラストはttlが担当している。
登場人物・キャラクター
カムイ・クロイツ
皇国学院中等部に通う少年。生まれは名門貴族のホンフリート家ながら、魔法が使えないことを理由に勘当されて孤児院に入所し、その後は辺境の貴族、クロイツ子爵の養子になる。辺境での生活で人間の醜さと国の現状を見せつけられ、国を根本から変えるために皇国学院中等部に入学する。魔法が使えない原因はアウルによって解消されているが、使える魔法の種類は周囲にばれないように気をつけている。
アウル
カムイ・クロイツを主として仕えている女性。ふだんは猫に変身してカムイの近くにいる。カムイが魔法を使えなかった原因を解消した人物。シュテンとはいっしょに戦ったことがある。
ルッツ
皇国学院中等部に通う少年。カムイ・クロイツについていけばどんなことでもできると感じ、アルトやダークと共にカムイに忠誠を誓う。おとなしそうな見た目に反して剣の腕は立つ。
アルト
皇国学院中等部に通う少年。頭がよくて仲間の中では参謀としてさまざまな策を講じている。孤児院の出身で、孤児院にいた時にカムイ・クロイツから教科書をもらったことで恩を感じ、ルッツやダークと共にカムイに忠誠を誓う。
ダーク
孤児院に住む少年。貧民街の改革を目標に仲間を増やしており、カムイ・クロイツの後押しもあって「貧民街のボス」を目指している。カムイとなら夢が実現できそうだと考え、ルッツやアルトと共にカムイに忠誠を誓う。
セレネ
皇国学院中等部に通う少女。年齢は12歳。カムイ・クロイツとディーフリート・オッペンハイムからは「セレ」と呼ばれている。今は辺境の貴族の娘だが、実は50年前に皇国に滅ぼされたエリクソン王国の王族で、国のみんなからは王国復活を期待されている。
ヒルデガンド・イーゼンベルグ
皇国学院中等部に通う少女。親しい人から「ヒルダ」と呼ばれている。東方伯家の娘で、中等部の最大派閥「ヒルダ派」のリーダーを務めている。優秀な人間を見かけると自分の派閥にスカウトしている。剣の腕は同年代でもっとも立つ。
ディーフリート・オッペンハイム
皇国学院中等部に通う少年。親しい人から「ディー」と呼ばれている。西方伯家の息子で、中等部の派閥で2番目に大きい「ディー派」のリーダーを務めている。ヒルデガンド・イーゼンベルグのことをライバル視している。有力貴族の人間とは思えないほどフランクな性格の持ち主。
シュテン
オーガの男性。アウルとは共に戦ったことがある間柄。息子を殺された恨みで、下位種のゴブリンを従えて合同演習合宿中の皇国学院中等部を襲う。囮として単独行動していたカムイ・クロイツと死闘を繰り広げる。
クレジット
- 原作
-
月野 文人
- キャラクター原案
-
ttl