概要・あらすじ
砂漠のオアシスとして栄える時の王国は人を襲う砂喰族に怯え、砂漠に出なくなった。時の王国の皇子、煌は初めての砂漠に出た際、護衛をまいて砂喰族の少年、砂牙と出会う。砂牙は「また遊ぼう」という言葉を残して去っていくが、煌は彼のことを忘れられずにいた。
登場人物・キャラクター
煌 (きらめき)
時の王国の皇子だが、本人は王になる気はまったくなく、戦士になりたいとこぼしている。快活で誰とでも仲良くなれる性格だが、目的のためには手段を選ばない狡猾さも持ち合わせている。戦争の際に、自分の隊を全滅させた罪で処刑されるはずだった叶を助け、従者にした。砂牙に対しても、砂喰族だからといって臆することはなく、最初は純粋に友達として慕っていた。 煌と砂牙は異母兄弟にあたる。
砂牙 (さが)
砂喰族の少年。最初は砂漠で出会った煌と遊ぼうとしていたが、叶に止められたため、「また遊ぼう」という言葉とともに去る。その数年後、砂牙は誘王を殺し砂樹羅王とともに時の王国を支配する。本来は無邪気な性格だったが、誘王からの使者と偽った砂樹羅王の手のものに母を殺された挙句に地下深くの監獄へ入れられたため、現在では心にあるのは復讐の念だけとなっている。 煌と砂牙は異母兄弟にあたる。
叶 (かない)
煌の従者の男性。身長が高く、額には煌につけられた傷がある。戦争の際に、自分の隊を全滅させた罪で処刑されるはずだったところを煌に助けられ、従者にしてもらった過去がある。このことに恩を感じた叶は、煌のことを純粋に慕い、命尽き果てるまで従者として仕えると宣言している。
誘王 (いざなぎおう)
煌と砂牙の父親。煌のことはもちろん愛しているが、砂牙のことも愛しており、一度は母子ともに王宮に迎え入れようとしていた。しかし、誘王の使者と偽った砂樹羅王の手のものに砂牙の母は殺され、砂牙も死んだものと思っていた。どこまでも国と息子たちのことを考えている良き王。
愁 (うれい)
砂漠のオアシスにできた時の王国で、水の巫女という役職を担う少女。のちに水の女神、シェラフィータを降ろすことができる稀有な存在として珍重され、砂樹羅王に捕らえられる。性格はお転婆で、煌のことが好き。
砂樹羅王 (さじゅらおう)
時の王国と自分と正反対の力を持つシェラフィータを憎んでいる、男性の姿をした魔物。砂牙を利用して時の王国の誘王に成り代わり、王宮を支配した。しかし、愁に乗り移ったシェラフィータと、利用されたと知った砂牙、煌によって打倒される。
シェラフィータ
古来より時の王国のオアシスを満たす水を司る水の女神。砂樹羅王にとっては天敵でもあり、もっとも恐れられている存在。彼女にかかれば、誘王に成り代わった砂樹羅王をもとの魔物の姿に戻すことなど容易に行える。彼女が愁に降りてきた時は、額に女神の証が付く。
集団・組織
砂喰族 (さしょくぞく)
砂漠に生きる、人を食らう種族のこと。多くの砂喰族は褐色の肌を持ち、その見た目から時の王国の民からは迫害されている。砂喰族とのハーフも褐色の肌を持つことが多い。ハーフであれば、お金さえ出せば水の洗礼は受けられるものの、やはり砂喰族と近しいと見なされ、あまりいい待遇にはならない。
場所
時の王国 (ときのおうこく)
砂漠のオアシスに栄えた国。今は誘王によって統治されている。オアシスにある王国だけに水源が豊富で、また水の巫女による水の洗礼を受けることができる。この水の洗礼を受けることが、時の王国の民である証にもなっている。
その他キーワード
水の洗礼 (みずのせんれい)
時の王国の民は皆、水の巫女による水の洗礼を受ける。水の洗礼とは、時の王国の民であることを示すものであり、建前上、水の洗礼を受けたものは砂喰族とのハーフであろうと時の王国の民になる。しかし、現実には水の洗礼を受けていても、砂喰族とのハーフは迫害されている。