概要・あらすじ
夏休みも半ばを過ぎたというのに、のび太は宿題の自由研究に全く手を付けていなかった。さすがに焦りを感じるのび太だったが、結局今回もドラえもんのひみつ道具に頼ることに。ドラえもんが出したのは創世セットというミニチュア宇宙作成キットで、その中で展開される歴史を観察し、日記に記録していこうという計画を立てる。
宇宙の素を蒔き、ビッグバンを起こし、かき混ぜ、少しずつ太陽系を形作っていくのび太たち。そして遂に、地球そっくりの星を作り出すことに成功する。それを新地球と呼び、時に手を加えながら観察していく。そこで繰り広げられる歴史は本物の地球によく似ていたが、のび太たちがまだ気付かない、大きな違いがあった。
登場人物・キャラクター
ドラえもん
22世紀からタイムマシンでやって来た未来のネコ型ロボット。お腹のポケットから様々なひみつ道具を出すことができる。夏休みの自由研究に全く手を付けていないのび太のために、創世セットを出してやる。そして作り上げた新地球に入り込み、その歴史をのび太、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんと一緒に観察。 現実の地球の歴史と比較、解説し、のび太たちをナビゲートしていく。
野比 のび太 (のび のびた)
スポーツも勉強も苦手なさえない小学生。夏休みも半ばを過ぎたというのに、自由研究に全くを手を付けていない。困り果てたのび太は結局今回もドラえもんのひみつ道具に頼ることに。出してもらった創世セットでミニチュア宇宙を作り、そこにできた新地球の歴史を観察することにする。 その過程で何度かひみつ道具を使って手を加えていくが、それが後々思わぬ出来事を招くことになる。
源 静香 (みなもと しずか)
のび太の友人で、優しい性格の女の子。また真面目な性格でもあり、夏休みの自由研究は終わらせていたが、のび太に誘われ、彼女も新地球の観察メンバーに加わる。早々にサボり始めるジャイアンやスネ夫とは違い、新地球の観察には毎回同行。途中から創世セットに付属する神様セットをコピーしてもらい、のび太と手分けして新地球を観察することになる。
剛田 武 (ごうだ たけし)
のび太の友人の男の子。体が大きく、乱暴な性格。のび太同様、夏休みの自由研究に全く手を付けていない。のび太を道連れに自由研究を諦めようとするが、創世セットのことを聞き、のび太の自由研究に無理やり相乗りし、「共同研究」にしてしまう。この出来事の前後、彼の周りに昆虫の顔をした謎の知的生物が現れ始める。 そしてスネ夫に誘われた旅行先の海岸で、スネ夫と共に誘拐されてしまう。
骨川 スネ夫 (ほねかわ すねお)
のび太の友人の男の子。家が金持ちで、それをひけらかした言動が目立つ。独自に自由研究をしていたが、ジャイアンにそそのかされ、彼も創世セットを使った自由研究に相乗りすることに。観察日記ではイラストを担当するが、参加したのは初回だけで、その後はジャイアンを連れて別荘に旅行に行ってしまう。 だがそこでジャイアンと共に、創世セットに端を発する事件に巻き込まれてしまう。
チュン子 (ちゅんこ)
『大長編ドラえもん のび太の創世日記』に登場するキャラクター。創世セットで作られた新地球に住む、クワガタのような姿をした謎の生物。赤ん坊ぐらいの大きさで「チュン」という声で鳴く。話すことはできないが、人間の言葉は理解する。山の中で怪我をして動けなくなっていたところを人間の老人・野比奈に助けられ、チュン子と名付けられる。 おとぎ話「舌切り雀」がモデルになっている。
出来松 (できまつ)
創世セットで作られた新地球に住む人間の男性。現実世界の出木杉英才に非常に良く似た人物。自作の気球で南極を横断した実績を持つ博士で、その際に発見した南極点の巨大な穴を調査するため、資金援助を野美のび秀に願い出る。
野美 のび秀 (のび のびひで)
創世セットで作られた新地球に住む人間の男性。チュン子を助けた老人・野比奈の子孫で、のび太に似た顔をしている。野美コンツェルンを率いる資産家でもある。自身と秘書の源しず代を同行させることを条件に、出来松博士の南極の大穴調査への資金援助を快諾する。
昆虫人 (こんちゅうじん)
『大長編ドラえもん のび太の創世日記』に登場するキャラクター。創世セットで作られた新地球に住む種族。昆虫から進化し、人間とは別の独自の文化を発展させたのだが、それは、のび太たちが新地球の生物の進化に介入したことに原因があった。小さく、2足歩行する昆虫の姿をしているが、人間と接触する際は、彼らを驚かせないように人間の姿に変身することができる。 平和を好み、山の中の洞窟等に隠れ住んでいる。人間の歴史の中で時折語られる妖精伝説等は、彼らと人間の接触の記録であるらしい。
ビタノ
『大長編ドラえもん のび太の創世日記』の登場するキャラクター。ある目的のため、ジャイアンとスネ夫を旅行先の海岸から、芋虫型のタイムマシンを使って誘拐する。のび太に似た姿をしているが、実はそれは変身した姿で、正体は昆虫人の大学生。エモドランというドラえもんに良く似たロボットを連れている。
場所
新地球 (しんちきゅう)
のび太が夏休みの自由研究のために創世セットで作り上げたミニチュアの地球。制作開始時にのび太が手抜きをしたため、現実の地球とは微妙に違っているが、生物の進化や文明の発展など、ほぼ同じ歴史を歩んでいる。だが、それは表面上のことで、陰では現実とは全く違う事態が進行していた。
地底世界 (ちていせかい)
新地球の南極点にある大穴の先に広がる世界。そこには空と太陽があり、新地球の内壁が地面になっている。中では昆虫類が地上の人間よりもはるかに進んだ文明を築いていた。この設定は、神話や、昔の仮説、SF小説等で数多く語られてきた「地球空洞説」がベースになっている。
その他キーワード
進化退化放射線源 (しんかたいかほうしゃせんげん)
生物を進化または退化させる効果を持つ光線を放射するひみつ道具。自分の作った新地球が、地上に昆虫しか生息していないことを知ったのび太は、このひみつ道具を使い、まだ海中に生息していた動物を無理やり進化させ、地上へと導いた。しかしその時、進化光線を浴びたのは海中の動物だけではなかった。
創世セット (そうせいせっと)
のび太の夏休みの自由研究にとドラえもんが出したひみつ道具。ミニチュアの宇宙を作ることができる道具で、宇宙を作るためのベースマットと宇宙の素、作り出した世界へ介入するための神様セットで構成される。これを使ってのび太は、ビッグバンから地球の誕生、人類の進化と彼らがたどる歴史を観察し、日記を付けようと計画する。