ドロねこ9

ドロねこ9

特殊な能力を持つ蠱り者と呼ばれる人間たちを描いた伝奇ファンタジー作品。同作者の『コックリさんが通る』に登場したキャラクターと同名の人物も登場するが、作品同士の関連性には明らかになっていない点が多い。

正式名称
ドロねこ9
ふりがな
どろねこないん
作者
ジャンル
怪談・伝奇
関連商品
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概要・あらすじ

現代の日本。とある理由からバラバラに暮らしている白波姉弟たちの長女・白波まあやは、特殊な能力を持つ蠱り者だった。高校に通うかたわら、公には存在しないことになっている美術品などを盗み出す仕事を行なっていたまあやは、同じ高校に通う蠱り者の少年・柴多浪玖と出会って親交を深める。一方、まあやの弟たちは、陰ながらまあやの仕事をサポートしていたが、その積み重ねが姉弟に危機をまねくことになってしまう。

登場人物・キャラクター

白波 まあや (しらなみ まあや)

都立高校の一年生。ロングヘアで黒縁の眼鏡をかけている。バラバラになった9人姉弟の長女。蠱り者であり、裏の仕事で大上銀一郎に使われている。仕事の際には蠱骸を身にまとい、全身毛が生えた化け猫のような姿になる。中学生の頃はトップクラスの成績だったが、ややおっちょこちょいな性格で、仕事でミスも多い。公園にテントを張って暮らしており、つねに腹ペコ。

柴多 浪玖 (しばた ろうく)

白波まあやと同じ高校に通うサッカー部の少年。父子家庭で育ち、高校には四月から転入した。蠱り者だが、本人にその自覚はなく、蠱骸も上手く操ることができない。人間離れした嗅覚を持つ。空腹で倒れそうになっているまあやを見かねて、自分の弁当を食べさせたことでまあやと仲良くなる。料理が得意。

車爺 (くるまじい)

白波まあやのテントの近くに住む老人。まあやの親代わり的な存在で、仕事で負った怪我の治療を行なうなど、まあやの世話をしている。現在は基盤部品などのゴミを拾って生計を立てているが、昔は盗賊団の頭だったらしい。

大上 銀一郎 (おおかみ ぎんいちろう)

黒戸彪子の部下の男。長い白髪をオールバックにしている。白波まあやに直接指示を出す人物。彪子に服従している。ふだんは厳格だが、意外と融通が利く一面もあり、まあやの世話を焼くこともある。しかし、未成年のまあやに食費替わりにビール券を渡すなど、どこかズレている。

黒戸 彪子 (くろと あやこ)

蠱り者の女性。詐欺や窃盗、または後ろ暗い理由で世には存在しないことになっているなど、公には出回らなくなった美術品などを、要人から依頼を受けて盗み出す業務を持つ黒戸事務所所長。白波まあやとは、そういった仕事をさせるかわりに生活費を渡すという契約を結んでいる。ふだんからプールに入っている。

白波 寅 (しらなみ とら)

白波姉弟の長男で白波まあやの弟。蠱り者の少年で15歳の高校生。メガネをかけている。白波雹の双子の兄。現在は藤崎家の養子になっており、学校などでは藤崎姓で呼ばれている。冷静な性格。蠱骸を操る能力に長け、陰ながらまあやの仕事をサポートしている。

白波 雹 (しらなみ ひょう)

白波姉弟の次男で白波まあやの弟。白波寅とは双子で、二百四十秒後に生まれた弟。寅と同じ高校に通っており、同じく藤崎家の養子。寅とは対照的にケンカっ早い性格で、口が悪い。長男である寅にはもっと自分たちを仕切れるよう、責任感を持って欲しいと思っている。

白波 里音 (しらなみ りおん)

白波姉弟の三男。中学生。体は男性だが、性同一性障害の持ち主。ロングヘアでセーラー服を着ており、ホルモン剤の投薬治療も行っている。姉弟の中でも抜きん出た戦闘力を持ち、たてがみのある蠱骸を身にまとう。現在は鏡戸家の養子になっている。

白波 嵯春 (しらなみ さはる)

白波姉弟の四男。白波里音と同じく、鏡戸家の養子。自立しようと考えて仕事を探した結果、「中学生でも稼げる仕事はアイドルか漫画家しかない」と考え、漫画家志望になる。出版社に原稿の持ち込みを続けており、自分たち姉弟をモデルにした漫画でデビューを控えている。

島谷 葵帆 (しまたに きほ)

白波まあやのクラスに転入してきた少女。帰国子女で五ヶ国語を操る。柴多浪玖とは知人関係。浪玖に対して「まあやには近づくな」と警告する。正体は柴多管理官の部下であり、過去の記憶のない浪玖を守りつつ、まあやを監視する任務を持つ。

柴多管理官 (しばたかんりかん)

柴多浪玖の父親。男手一人で息子を育てている。警視庁公安部の警視。犯罪を犯した蠱り者を処刑する公安6課6係の管理官。黒戸事務所関連の犯罪も捜査中であり、息子の浪玖が、白波まあやと交際中であることを知って戸惑いを覚えるが、まあやを迎え入れる決心をする。

灯園 (ほその)

公安6課6係に所属する公安警官の男。島谷葵帆の部下で白波まあやの母親の行方を追っている。柴多浪玖が訓練中に訓練教官を殺害したことを根に持ち、同時に嫉妬している。島谷を裏切り、まあやの母親に行き着くためという名目で、浪玖を殺害しようとする。

タカハシ

公安6課6係に所属する公安警官。凶暴な三つ首犬の蠱骸を操る蠱り者で、ホソノ、サカモトという首ごとに別の人格も持つ。重度のヘビースモーカー。車爺のかつての部下だった、外国人窃盗団の蠱り者たちを処刑する。

その他キーワード

蠱り者 (まじりもの)

動物のような姿に変身する不思議な力を持つ人間の総称。それぞれに秀でた身体能力を持つが、出自や体質などには謎が多い。変身した姿は「蠱骸(むくろ)」と呼ばれる。日光の当たる場所で蠱骸を身につけると、体が燃え尽きる。

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