ナイツ&マジック

ナイツ&マジック

天酒之瓢の同名小説のコミカライズ作品。無念の死を遂げた無類のロボット好きな天才プログラマーが剣と魔法の異世界に転生し、エルネスティ・エチェバルリアとして第二の生を生きる姿を描いたロボットアクション。「ヤングガンガン」2016年9号から連載の作品。TVアニメ化もされ、2017年にはAT-X、BS11ほかでTVアニメ化されている。

正式名称
ナイツ&マジック
原作者
天酒之 瓢
漫画
ジャンル
ロボット
関連商品
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あらすじ

第1巻

「最終防衛ライン」の異名を持っている敏腕プログラマーの倉田翼は、いつものように切羽詰った職場を切り盛りしていた。ようやく仕事に一段落つけた倉田は、趣味であるロボットのプラモデル作りで息抜きをしようと考えていたが、そこで交通事故に遭い、命を落としてしまう。しかし、倉田は異世界で新たな生を受け、エルネスティ・エチェバルリアとして第二の人生を歩む事になった。そしてエルネスティとなった彼は、異世界にはロボット、幻晶騎士が存在する事を知り、前世からの夢であったロボットのパイロットである騎操士になる事を目指し、剣や魔法に、訓練を重ねていく。同年代の友人としてアーキッド・オルターアデルトルート・オルターバトソン・テルモネンら三人と交流を深めながら、エルネスティは騎操士になるための第一歩としてライヒアラ騎操士学園に入学する。幼い頃より騎操士を目指すため、プログラマーとしての経験を活かして魔法の特訓をしていたエルネスティは、魔法に関してはすでに大人顔負けの実力を持っており、多くの騒動を引き起こしていく。

第2巻

エルネスティ・エチェバルリアは、魔法に関しては人並み外れた能力を見せるものの、身長制限によって幻晶騎士には乗れない事を知り愕然とする。しかし、すぐに自分自身の手で幻晶騎士を作ればいいと前向きに考え、そのための知識を蓄えて、騎操士として訓練を受けている先輩達と交流を深めていく。時が流れ、中等部に編入したエルネスティと多くの生徒達は、野外での遠征訓練中に魔獣の大群に遭遇してしまう。エルネスティの援護や騎操士としての訓練を受けるエドガー・C・ブランシュ達の活躍もあり、生徒達は魔物の大群から辛くも逃れたものの、そこに地鳴りを響かせながら師団級魔獣の陸皇亀が近づいて来る。山のような巨体を相手に、幻晶騎士達は足止めすら満足にできずに倒れていく。そんな中、エドガーの同級生であるディートリヒ・クーニッツは、無残に死んでいく仲間を目撃して逃亡してしまう。逃亡したディートリヒをたまたま見かけたエルネスティはディートリヒの意識を奪い、機体も奪って陸皇亀との戦いに参戦し、辛くも戦いに勝利する。

第3巻

エルネスティ・エチェバルリアは、陸皇亀との戦い「陸皇事変」において勝利に大きな貢献をしたものの、騎士団の威信を傷つけないよう、その活躍を伏せられる事になった。しかし、国王であるアンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラはエルネスティに興味を持ち、非公式で謁見の場を設ける。アンブロシウスとの交渉によって、自分だけの最強の幻晶騎士を作る道筋を見つけたエルネスティは、学園に戻り、陸皇亀の襲来によって壊れた学園の訓練用幻晶騎士を利用して、新型幻晶騎士を作ろうと画策。エルネスティの持つ異世界の知識を盛り込んだ新型幻晶騎士案は、幻晶騎士専門の鍛冶師を目指す学生であるダーヴィド・ヘプケンや、騎操士の訓練生であるエドガー・C・ブランシュディートリヒ・クーニッツヘルヴィ・オーバーリなど、多くの人を巻き込んで大騒動へと発展していく。「幻晶甲冑」や「背面武装(バックウェポン)」など新しい試みをいくつも行い、作っては欠点を直していくという試行錯誤の果てに、新型幻晶騎士は試作機、テレスターレとしてひとまずの完成を見せる。しかし、それと時を同じくして、いくつもの怪しい影が蠢動し始めていた。

第4巻

王の側近であるクヌート・ディクスゴード公爵とヨアキム・セラーティ侯爵は、エルネスティ・エチェバルリアの異質さを危険視し、密かに監視していた。エルネスティが学生を扇動し、新型機を完成させた事で、遂に彼らは行動を開始してしまう。エルネスティ自身の本心を確かめるため、ディクスゴード公爵はエルネスティと学生達を、自らのいる「カザドシュ砦」に迎え入れ、見定める決意をする。途中、魔獣の遭遇というアクシンデントに遭遇したものの、新型機、テレスターレの力で難なく撃破した一行は無事にカザドシュ砦に到着し、エルネスティとディクスゴード公爵は相対する事となった。

一方、他国の騎士団である銅牙騎士団は、学生に混じった間者から情報を手に入れ、テレスターレを狙っていたが、ディクスゴード公爵に先を越された事で焦っていた。銅牙騎士団は姦計をめぐらし、味方を装って難攻不落なカザドシュ砦に侵入してテレスターレを奪い、砦の騎士達を次々と襲い始める。ディクスゴード公爵を得意の営業トークで翻弄していたエルネスティは、騎士団の面々と合流し、銅牙騎士団との戦いに身を投じていく。

登場人物・キャラクター

エルネスティ・エチェバルリア (えるねすてぃえちぇばるりあ)

銀髪の美少女然とした少年。前世は、地球で無念の死を遂げたプログラマー「倉田翼」であり、前世からの影響で無類のロボット好き。一目見た異世界のロボット、幻晶騎士を気に入り、そのパイロット、騎操士を目指す事を決心する。前世でのプログラマーの経験を活かし、特訓の末に大人顔負けの魔法の実力を身につけている。アーキッド・オルター、アデルトルート・オルターと知り合って以降は、彼らの魔法の師匠を務める。 ライヒアラ騎操士学園に入学後は、高等学部の騎操士訓練生や教師達からも規格外扱いを受けている。ただし、初等部に入学した9歳からは身体の成長が緩やかになり、12歳になって中等部に入学しても少女のような体格のままで、身長制限により幻晶騎士となる道を阻まれる事となった。 以降は自分だけが乗れる幻晶騎士を手にする事を目的に行動するようになり、ダーヴィド・ヘプケンらを巻き込んで、新型幻晶騎士開発計画を立ち上げた。マイペースで自由な性格だが、前世の経験から営業トークを得意としている。

アデルトルート・オルター (あでるとるーとおるたー)

エルネスティ・エチェバルリアの幼なじみ。アーキッド・オルターの双子の妹で、黒い髪を伸ばした少女。周囲の人からは「アディ」の愛称で呼ばれる。エルネスティの家の近所に住み、アーキッドと共に変わった特訓を繰り返すエルネスティに興味を持ち、交流を重ねるようになった。ライヒアラ騎操士学園に入学してからはエルネスティ、アーキッドと行動を共にする事が多く、よく三人でいっしょにいる。 無類のかわいいもの好きで、美少女のような姿をしたエルネスティにも強い好意を抱いており、頻繁にスキンシップを取っている。アーキッドと共にエルネスティの魔法の特訓を受けており、その魔法の腕は、エルネスティには一歩劣るものの幻晶甲冑を苦もなく動かすほどで、周囲から規格外扱いを受けている。 貴族でもあるヨアキム・セラーティ侯爵を父親に持つが、母親は妾であり、正妻との関係がこじれている。アデルトルート・オルター自身はこのような人間関係に嫌気が差しており、一時は家出を考えていた。ライヒアラ騎操士学園入学後は異母姉のステファニア・セラーティとの和解などを通じて、父親に対する認識を変えている。

アーキッド・オルター (あーきっどおるたー)

エルネスティ・エチェバルリアの幼なじみ。アデルトルート・オルターの双子の兄で、快活な雰囲気を持つ少年。仲のいい人物からは「キッド」の愛称で呼ばれる。エルネスティの家の近所に住み、アデルトルートと共に変わった特訓を繰り返すエルネスティに興味を持ち、交流を重ねるようになった。好奇心旺盛で行動力もあるが、フリーダムなエルネスティや直感派なアデルトルートといっしょにいる時には、フォロー役を担う事が多い。 アデルトルートと共にエルネスティの魔法の特訓を受けており、その腕前は大人顔負け。ライヒアラ騎操士学園に入学後はエルネスティ、アデルトルートと共によく三人で行動し、エルネスティの始めた新型幻晶騎士開発計画にも、幻晶甲冑など新装備のテスト役として参加している。 貴族でもあるヨアキム・セラーティ侯爵を父親に持つが、母親が庶民の出であるなど家族関係は複雑で、アーキッド・オルター本人が興味がないにもかかわらず、お家騒動にも発展しかけた。父親に対しては隔意こそないものの、アデルトルートの意志を尊重して距離を取ろうとしていた。異母姉であるステファニア・セラーティと和解して以降は、少しずつ父親とも向き合うようになっている。

バトソン・テルモネン (ばとそんてるもねん)

エルネスティ・エチェバルリアの幼なじみ。鍛冶が得意なドワーフ族の少年。幼い頃、同年代の子供達からいじめを受けていたところを、エルネスティとアーキッド・オルター、アデルトルート・オルターに助けられて以降、よく行動を共にするようになった。実家が鍛冶屋で、エルネスティの杖も、彼のアイディアを盛り込んでバトソンの家で作られた。 また、エルネスティに頼まれて、よく装備の試作などを行っている。エルネスティ達と共にライヒアラ騎操士学園に入学したが、騎操士志望の三人とは違って鍛冶師志望である事から、学内ではあまりいっしょに行動する事はない。しかし「陸皇事変」後はエルネスティの新型幻晶騎士開発計画に合流し、幻晶甲冑の開発を手伝った。

エドガー・C・ブランシュ

ライヒアラ騎操士学園の騎操士訓練生の青年。エルネスティ・エチェバルリアの先輩であり、高等部騎操士学科に在籍している3年生。誠実でまじめな性格で、幻晶騎士に関しては常軌を逸した行動力を発揮するエルネスティにも気さくに接する。性格を反映した守りを主体とする堅実な戦い方を得意としており、正騎士と比べても遜色ない実力だと、高く評価されている。 ディートリヒ・クーニッツ、ヘルヴィ・オーバーリとは同期で、彼らからは苦言を呈する口うるさい存在と思われつつも、頼りにされている。「陸皇事変」では次々と仲間が倒れて行く絶望的な状況の中、ほかの仲間が逃げ切るまでの時間を稼ぐべく陸皇亀の足止めを行い、学生達の中で唯一、幻晶騎士を破壊されずに最後まで戦いを生き延びた。 その後はエルネスティの新型幻晶騎士開発計画に参加し、型落ちのサロドレアで、試作機ながら性能は大幅に上がっているテレスターレと模擬戦を行った。この時、テレスターレの欠点の洗い出しを行いつつ、勝ち星を挙げている。愛機は白い装甲が特徴のサロドレア・アールカンバー。

ディートリヒ・クーニッツ (でぃーとりひくーにっつ)

ライヒアラ騎操士学園の騎操士訓練生の青年。エルネスティ・エチェバルリアの先輩であり、高等部騎操士学科に在籍している3年生。紅いサロドレア・グゥーエルを愛機とする。軽薄な雰囲気を持っている。同期であるエドガー・C・ブランシュをライバル視しつつも、勝てない事にいら立ち、エドガーからの苦言にも耳を貸さず、腐った態度を取っていた。 そんな中、陸皇亀に遭遇し、次々と仲間が倒れて行く事態に、その場から逃げてしまう。その醜態に失望したエルネスティに機体を奪われる事となった。エルネスティと陸皇亀の戦いを間近で見る事によって意識が変わり、「陸皇事変」以降はまじめに訓練に取り組むようになる。同時に態度も丸くなり、何だかんだと言いつつ、エルネスティの新型幻晶騎士開発計画にも協力する。 なお、グゥーエルは陸皇亀との戦いで最も損傷がひどかったため、修理を後回しにされ、結果的にテレスターレに改修された機体の中で唯一、銅牙騎士団に奪われずに済む事となる。

ヘルヴィ・オーバーリ (へるゔぃおーばーり)

ライヒアラ騎操士学園の騎操士訓練生の女性。エルネスティ・エチェバルリアの先輩であり、高等部騎操士学科に在籍している3年生。ショートカットの髪型で、さっぱりとした性格。同期であるエドガー・C・ブランシュの事はその腕を認めつつも、対抗心をむき出しにしている。陸皇亀との戦いでは、エドガーと共に絶望的な状況の中で足止めを行い、結果的に生き残りはしたものの、愛機のサロドレア・トランドオーケスは大破。 また仲間達の死により、以降はライヒアラ騎操士学園の訓練生の中の紅一点となった。エルネスティの新型幻晶騎士開発計画では、トランドオーケスが素体として選ばれており、その縁でヘルヴィ・オーバーリは新型機のテストパイロットとして参加した。 トランドオーケスを基にして生まれたテレスターレに強い愛着を抱いている。

ダーヴィド・ヘプケン (だーゔぃどへぷけん)

ライヒアラ騎操士学園の鍛冶学科に在籍している男子生徒。エドガー・C・ブランシュらが扱う訓練用幻晶騎士の整備のまとめ役を担っており、周囲からは「親方」と呼ばれている。幻晶騎士が好きなエルネスティ・エチェバルリアとは、以前から交流を持っていた。「陸皇事変」によって大破した訓練機を修理する際、エルネスティと改めて意気投合。 以降、エルネスティと共に新型幻晶騎士開発計画を立ち上げ、人を集めて計画を推進する。職人気質な鍛冶師だが、固定観念にこだわる事はせず、エルネスティのもたらす奇抜な発想を受け入れて形にする、柔軟な対応力も持っている。

アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ (あんぶろしうすたはゔぉふれめゔぃーら)

エルネスティ・エチェバルリア達が暮らすフレメヴィーラ王国の第10代目国王。ひげを生やした初老の男性。落ち着いた中に豪儀さを併せ持ち、「陸皇事変」における活躍を耳にして、エルネスティに興味を持つ。当初はその危うさを見定めるつもりでエルネスティに謁見を許したが、話をするうちに意気投合。新型幻晶騎士の開発に成功した暁には、秘中の秘とされる「魔力転換炉の製造法」を教える事を約束した。 今でこそ落ち着いているが、若い頃はやんちゃだったらしく、アンブロシウスの若き日を知るクヌート・ディクスゴード公爵は、エルネスティとは似た者同士と評している。

クヌート・ディクスゴード (くぬーとでぃくすごーど)

フレメヴィーラ王国の国王であるアンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラの側近。理知的な雰囲気を持つ目つきの鋭い老爺。国家機密である「魔力転換炉の製造法」を求めたエルネスティ・エチェバルリアを危険視し、その動向を密かに監視していた。学生達が新型機、テレスターレを完成させたという異常事態を受けて、エルネスティと一対一の交渉を行う。 この時、強引な交渉にも効果がないエルネスティを前にして、若き日のアンブロシウスの姿を思い出す。危険性はないものの、暴走癖のある非常識な存在として、別の意味で頭を抱える事になった。

ヨアキム・セラーティ (よあきむせらーてぃ)

フレメヴィーラ王国の国王であるアンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラの側近。穏やかな雰囲気を持つ中年の男性。エルネスティ・エチェバルリアの幼なじみである双子のアーキッド・オルター、アデルトルート・オルターの父親でもある。アデルトルートとアーキッドは妾の子という事もあり、正妻の目を気にして離れ離れになって暮らしている。 そのような関係から、幼い日のアデルトルートには嫌われていたが、ヨアキム・セラーティ侯爵自身は、子供達に分け隔てなく愛情を注いでいる。アデルトルートとアーキッドが正妻の娘であるステファニア・セラーティと仲よくなって以降は、少しずつ距離が縮まっている。「陸皇事変」以降はエルネスティの言動を警戒し、アデルトルートとアーキッドを通じてそれとなく監視していた。

ステファニア・セラーティ (すてふぁにあせらーてぃ)

穏やかな雰囲気を持つロングヘアの少女。ライヒアラ騎操士学園に通う。エルネスティ・エチェバルリアの2歳年上の先輩。父親はヨアキム・セラーティ侯爵であり、アーキッド・オルター、アデルトルート・オルターとは異母きょうだいの関係にあたる。正妻である自分の母親が、嫉妬で双子とその母親を追い出した事を申し訳なく思っており、ステファニア・セラーティ自身はアーキッドやアデルトルートとも仲よくしたがっている。 ライヒアラ騎操士学園に双子が入学して以降は接点を持ち、少しずつ距離を縮めていく。エルネスティが中等部に編入された時点では生徒会長を務めており、遠征訓練中は魔獣の大群と遭遇するというアクシデントの中、陣頭指揮をとって被害を最小限に留めた。 アデルトルートとは、かわいいもの好きと言う点が似通っており、かわいらしい容姿のエルネスティに対し、同じようにスキンシップを取る。

ケルヒルト・ヒエタカンナス (けるひるとひえたかんなす)

フレメヴィーラ王国の裏側で暗躍する謎の集団、銅牙騎士団の団長。長い髪に、左目に傷のある妙齢の女性。学生に間者を紛れ込ませて情報を収集しており、新型機、テレスターレの完成後、強奪の機会をうかがっていたが、クヌート・ディクスゴード公爵に先を越されてしまう。その後、テレスターレが運び込まれたカザドシュ砦前で手をこまねいていた。 「本国」と呼ばれる場所からの指示により、カザドシュ砦へ侵入し、テレスターレを強奪する。

集団・組織

銅牙騎士団 (どうがきしだん)

ケルヒルト・ヒエタカンナスに率いられる謎の集団。騎士団と呼ばれているが、フレメヴィーラ王国に所属している訳ではなく、「本国」と呼ばれる場所にいる「陛下」と呼ばれる存在の指示を受けて動いている。主な任務はフレメヴィーラ王国内の情報収集で、その一環として新型機、テレスターレの情報も入手していた。隠密行動に特化した幻晶騎士、ヴェンドバダーラや「呪餌」など、独自の装備をそろえている。

場所

フレメヴィーラ王国 (ふれめゔぃーらおうこく)

アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラが国王としておさめる国。魔獣達の一大勢力圏であるボキューズ大森海に隣接しているため、国内では魔獣による被害が日常的に起きている。場合によっては魔獣によって村一つが消え去る事も珍しくなく、それに対抗するため騎操士の育成を積極的に行っている。新型幻晶騎士の開発も行っていたが、技術的には頭打ち状態となっており、ここ100年は小さな改良に留まっていた。 そんな中、エルネスティ・エチェバルリアが新型機、テレスターレを開発したのをきっかけに、国内に騒動が広がる事となった。

ライヒアラ騎操士学園 (らいひあらきそうしがくえん)

フレメヴィーラ王国が誇る最大級の学園。身分に関係なく多くの人々に門戸を開いており、農業、工学、商業と幅広い分野を学ぶ事が可能。9歳から初等部に入学が可能で、12歳になると中等部に編入となり、その後、高等部では17歳まで学べる。騎操士の訓練が受けられる場所でもあり、学内には20機ほどの訓練用幻晶騎士、サロドレアが配備され、その整備環境も整っている。 現学園長はエルネスティ・エチェバルリアの祖父であるラウリ・エチェバルリア。

その他キーワード

幻晶騎士 (しるえっとないと)

全長10メートル前後の大型ロボット。結晶筋肉(クリスタルティシュー)を筋肉、金属内格(インナースケルトン)を骨、銀線神経(シルバーナーヴ)を神経、魔導演算機(マギウスエンジン)を脳、魔力転換炉を心臓、外装(アウタースキン)を鎧にして稼働する巨人。それぞれ人間に対応する部分があるのは、基本の設計思想が「人間を模倣」したからであり、人から大きく離れる構造を発想する余地がなかったからである。 魔力転換炉より生み出される莫大な魔力で機体を強化して動かすため、幻晶騎士は見た目以上の防御力とパワーを発揮できる。しかし、魔力が足りなくなると自重すら支えられなくなり、自壊してしまうという欠点も併せ持つ。魔力転換炉は半永久的に魔力を生み出せるが、一度に精製できる量には限りがあるため、通常の幻晶騎士には、自壊を防ぐための安全装置が組み込まれている。 フレメヴィーラ王国では、幻晶騎士は日常的に魔獣との戦いが絶えない事から、操作性と汎用性が重要視されている。

サロドレア

ライヒアラ騎操士学園で使われている訓練用の幻晶騎士。20機ほど配備されている。現行の正式採用機であるカルダトアの一世代前の旧式だが、整備性や燃費以外はカルダトアと性能差はほとんどない。学園では、国から払い下げられた機体を長く使ってきたため、装甲部分には学生の手が入り、エドガー・C・ブランシュの白く塗装されたアールカンバーや、ディートリヒ・クーニッツの赤く塗装されたグゥーエルなど、ほぼ原形を留めず機体ごとに独自色が出ている。 「陸皇事変」ではほかの学生を守るため、アールカンバー以外は大破・中破状態となり、エルネスティ・エチェバルリアはサロドレアの修復作業を利用して新型幻晶騎士の開発を行った。のちにサロドレアは、アールカンバーを除きすべてテレスターレに生まれ変わったものの、アールカンバーとグゥーエルを除いた機体は銅牙騎士団によって破壊、もしくは強奪されてしまう。

テレスターレ

新型の試作幻晶騎士。エルネスティ・エチェバルリアとライヒアラ騎操士学園の学生達によって組み上げられた。従来の機体は「人体の延長」という設計思想にとらわれていたが、エルネスティが「機械」として設計した結果、結晶筋肉(クリスタルティシュー)を編んで使う「網型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)」、背中に腕を生やして固定砲台を載せる「背面武装(バックウェポン)」、背面武装を制御・稼働させる「火器管制(ファイアコントロール)システム」など、これまでにない機構がいくつも盛り込まれている。 あえて新素材を使わず、既存の素材を組み合わせを変えて使う事で出力や耐久力が大幅に向上している。「背面武装」により武器の持ち変えを行わずに攻撃を行えるようになったため、火力も手数も大幅に上昇している。 ただし、それは同時に燃費の悪化にもつながっており、従来の機体よりも短い時間しか稼働できない。また、本来は操縦性に優れたサロドレアを下敷きにしているにもかかわらず操縦性が悪く、騎操士にかかる負担が大きいなど、試作機ゆえの欠点も多い。のちに板状結晶筋肉を採用する事で燃費の悪さは一応は改善されたが、これにより機体のバランスが悪化し、細かい調整を含めて今後の課題とされた。 この段階でクヌート・ディクスゴード公爵に接収され、その後は銅牙騎士団に強奪されてしまう。

幻晶甲冑 (しるえっとぎあ)

小型の幻晶騎士ともいうべき存在。エルネスティ・エチェバルリアがテレスターレの開発の合間にバトソン・テルモネンに作らせた。2メートルほどの全身甲冑となっており、身体強化の魔法を使って操作する事で、生身を越える高い機動力を発揮する。「陸皇事変」によってライヒアラ騎操士学園の訓練用幻晶騎士がほぼ壊滅してしまったため、その穴埋めという名目で作られた。 ただし、術式を保持する機能を持つ魔導演算機(マギウスエンジン)が搭載されておらず、機体の制御や強化を自力で行わなければならないため、実体としては欠陥機である。事実、まともに動かせていたのはエルネスティ、アーキッド・オルター、アデルトルート・オルターの三人だけ。 騎操士の訓練生の中では優秀な成績を誇るエドガー・C・ブランシュですら、まともに動かせなかった。またエルネスティはノリで幻晶甲冑用の装備をいくつも考えて実装しており、昇降用のワイヤーや連射式のクロスボウなど、さまざまなギミックが追加されている。のちに完成した初期の幻晶甲冑には、「モートルビート」の機種名が与えられた。

魔力転換炉 (えーてるりあくた)

幻晶騎士の心臓部とも呼べる部品。大気中のエーテルを半永久的に魔力に変換する機構を持ち、幻晶騎士を動かすための莫大な魔力を生み出している。幻晶騎士の部品の中では最も高価であるとされ、幻晶騎士の配備数が限定されているのも、魔力転換炉の生産数の少なさが原因となっている。その製法は国家機密の中でも秘中の秘とされており、エルネスティ・エチェバルリアは最強の幻晶騎士を作るためにこの製法を欲していたが、これがクヌート・ディクスゴード公爵とヨアキム・セラーティ侯爵の警戒を招く要因となった。

魔法 (まほう)

大気中に漂う「エーテル」を魔力に変換し、「魔法術式(スクリプト)」に魔力を走らせる事で現象を引き起こす技術。魔法術式は図形や記号を組み合わせたもので、エルネスティ・エチェバルリアはこれに現実のプログラムとの共通点を見つけている。魔法術式は脳内にある「魔術演算領域(マギウス・サーキット)」で演算しなければならず、この領域の処理能力で魔法をあやつる技量が決まる。 幻晶騎士など大きなものを強化しながら動かすのは莫大な処理能力が必要となるため、術式を保存する機械である「魔導演算機(マギウスエンジン)」を利用している。またエーテルを魔力に変換するためには本来、触媒が必要だが、人間にはこれが備わっていないため、魔法を使うためには杖などに加工した「触媒結晶」が必要とされる。

騎操士 (ないとらんなー)

幻晶騎士のパイロットを指す言葉。幻晶騎士は国家の戦力の基本であるため、騎操士になるためには騎士としての知恵と力を磨き、認められる必要がある。基本的に高い実力が必要となるものの、庶民や女性でもなれるほど門戸は広く開かれている。ただし、騎操士の身の安全のため、幻晶騎士に乗るのには身長制限がある。初等部以降ほとんど身長が伸びていないエルネスティ・エチェバルリアは、この制限に引っかかってしまう。

魔獣 (まじゅう)

人間をはじめとする一般的な生物と異なり、生まれながらにして体内に触媒を持つ獣。これを利用し、天然の魔法ともいうべき「純粋な魔法」をあやつる事ができる。ドラゴンが口から吐き出す炎など、その能力はさまざまだが、人間サイズでも身体を強化され、見た目以上の凶暴さと強さを持つ事から、人間の天敵とされている。エルネスティ・エチェバルリアの暮らすフレメヴィーラ王国は、魔獣達の一大生息地であるボキューズ大森海に隣接しているため、日常的に魔獣による被害にさらされている。 そのため幻晶騎士の装備や騎操士の訓練内容も、対魔獣戦を想定したものとなっている。魔獣の強さや大きさによって区分されており、幻晶騎士と互角の能力を持つ魔獣は「決闘級」と称される。 陸皇亀は「師団級」魔獣とされている。

陸皇亀 (べへもす)

エルネスティ・エチェバルリアらライヒアラ騎操士学園の生徒達が遠征訓練中に遭遇した巨大な魔獣。魔獣が跋扈するフレメヴィーラ王国においてもほとんど目撃例のない師団級魔獣。その姿は山のように大きな陸亀で、全高だけでも幻晶騎士の数倍以上ある。またその巨体を支えるために強力な身体強化魔法を常時発動しており、関節にすらまともに攻撃が通らないほど強固な防御力を誇る。 その巨体が動くだけで周囲に被害が広がる災害のような存在で、動きは鈍重だが、そのパワーは圧倒的。また口から放つ圧縮された風による衝撃波は、複数の幻晶騎士をまとめて吹き飛ばすほどの威力がある。ライヒアラ騎操士学園の訓練生達を次々と屠(ほふ)って行ったが、ディートリヒ・クーニッツの機体を奪って乱入したエルネスティとの激闘の果てに死亡した。 陸皇亀の襲来は歴史的な事件とされ、のちのち、人々のあいだでは「陸皇事変」と呼ばれるようになった。

クレジット

原作

キャラクター原案

黒銀

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