ハッピーシュガーライフ

マンションの一室で同居する松坂さとうと神戸しおの生活と、二人を取り巻く人物や環境を描く、純愛サイコホラー。「月刊ガンガンJOKER」2014年9月号に掲載された読み切り作品『ホワイトシュガーガーデン、ブラックソルトケージ。』が原型となっている。「月刊ガンガンJOKER」にて、2015年6月号より連載の作品。2018年7月から、毎日放送ほかでTVアニメ化されている。

あらすじ

第1巻

牧巣原高校に通う女子高校生の松坂さとうは、親友の飛騨しょうこと続けていた男遊びをやめ、毎日アルバイトに励んでいた。彼女がアルバイトに励む理由は、マンションで同居している神戸しおとの甘い生活を守るためだった。最愛のしおとの生活を守るべく、さとうは収入を増やすために、駅前の「プリンセスインペリアル」で新たにアルバイトを始める。ある日、さとうは同僚の三星太陽に告白されたものの、あっさりと彼をふってしまう。その直後、さとうは太陽と店長が部屋に入るのを見かけるが、その日以来、太陽は出勤しなくなった。そしてさとうは、徐々に店長から嫌がらせを受けるようになる。

第2巻

神戸しおを捜している少年、神戸あさひに出会った松坂さとうは、初めての嫉妬の感情を覚え、喜びを感じていた。同時にあさひとしおを絶対に近づかせないと決意するさとうだったが、家に帰ってもしおの姿はなく、さとうは慌てて街へ探しに出る。その頃、一人で街をさ迷うしおは、おぼろげな記憶に残る謎の女性の幻影を追う途中で、三星太陽に出会う。しおに執着する太陽は、彼女を家に連れて帰ろうとするものの、通りすがりの男性二人に捕まり、暴行を受けてしまう。殴られている太陽を見て、しおが過去の幻影に苦しめられる中、さとうが現れてしおを助けようとする。

第3巻

外出していた神戸しおを連れ戻した松坂さとうは、しおとの生活を守るために新たな決意を胸にする。しかし、さとうが気づかないあいだに、しおは少しずつ家族の記憶を取り戻し始め、二人の生活には小さな亀裂が生じていた。一方、アルバイトを無断欠勤して引きこもっている三星太陽を心配し、飛騨しょうこは太陽の家を訪れていた。太陽と再会したしょうこは、彼がしおに異常な執着心を抱いている事を知り、戸惑いながらその場を去ろうとする。そして行方不明のしおとさとうの関係を疑う太陽の言葉で、しょうこはさとうに対し疑問を抱くようになる。

第4巻

松坂さとうから「処理に困っているゴミ」の始末を任された北埋川大地は、彼女がさとうの叔母を殺し、ゴミの正体はその叔母の死体であると推測する。その頃、さとうは引きこもっている三星太陽に近づくようになり、アルバイトの連絡ノートを通して神戸しおの存在を仄めかし、彼を引きずり出そうとする。一方、彼氏と同棲し始めたと言うさとうの事が気になっていた飛騨しょうこは、偶然知り合った神戸あさひと会っていた。あさひが捜し続けているしおの事が気になり出したしょうこは、太陽から聞いた話を思い出し、しおとの関係が疑われるさとうの真実に踏み込む事を決意する。

第5巻

三星太陽は一度は神戸しおの事を忘れ、トラウマを払拭して真人間になろうとするものの、松坂さとうに協力を求められる。太陽はさとうの行動にさまざまな疑問を持っていたが、しおへの執着が捨てきれず、さとうに協力する事になる。そして太陽は、しおを捜し続けている神戸あさひが遠くへ行くよう仕向けるための工作を、さとうに依頼される。一方、さとうの家に踏み込もうとした飛騨しょうこは、さとうが抱える現状に中途半端に踏み入り、結局力になれなかった事を後悔していた。泣きながら自分を責めているしょうこを見たあさひは、彼女を励ます。そしてしょうこと別れたあさひの携帯電話に、非通知の着信が入るのだった。

第6巻

親友の飛騨しょうこを手に掛けてしまった松坂さとうからは、いつもの元気と笑顔が消えていた。元気をなくし、部屋の中で黙ったままうずくまるさとうを心配する神戸しおは、さとうを元気づけようと、家事や料理に励む。しかし、さとうに「何もしなくていい」と言われてしまったしおは、さとうに対し初めて反発と拒絶の言葉を投げかける。しおに初めて拒絶された事で、今までの思いがすべて壊れそうになる事を恐れたさとうは、さらなるショックを受け、精神が崩壊寸前となってしまう。

第7巻

親が選んだ服を着て、親が選んだ学校に通う女子高校生の神戸ゆうなは、なんとなく流されるままに人生を送っていた。そんな時、ぶつかった男性に暴行を受けた事で、ゆうなの生活は大きく一転してしまう。男性からの暴行によって妊娠したゆうなは、半ば無理やりその男性と結婚する事になり、見知らぬ町に引っ越したのちに神戸あさひを出産する。地獄のような生活を送りながらも、あさひを大切に育てようとするゆうなに、新たなる絶望が待ち受けていた。

登場人物・キャラクター

松坂 さとう (まつざか さとう)

牧巣原高校に通う女子高校生。偶然出会った神戸しおとマンションの1208号室で同居している。両親を幼い頃に亡くし、さとうの叔母に育てられていた。しかし、叔母からは異常な愛情しか貰えず、本当の愛を探し求めて男遊びを繰り返していた。だが本当の愛を見つける事はできず、空虚の日々を送っていたところでしおと出会う。 しおを愛する内に本当の愛情を知り、ついには彼女と同居するようになる。しおとの甘い生活を「ハッピーシュガーライフ」と称し、どんな手段を使ってもこの生活を守ろうとしている。しおとの同居を中心にいくつもの秘密を抱えており、親友の飛騨しょうこをはじめ周囲の人間には「彼氏と同棲している」で通し、しおの件も隠している。しおを愛する事と彼女との生活を守る事を最大の生きがいとしており、しお以外の人間は「その他大勢」としか考えておらず、時には目的のために利用する事もある。 しおの事は一途に思っているが、「外は危険が多いから」という理由で、彼女に外出を禁止している。またしおとの生活を続けるために、放課後はアルバイトに励んでいる。普段は明るく笑顔で振る舞っているが、長らく感情が欠落していた反動で、「愛のためであれば何をしても許される」という歪んだ信念を持つようになる。 同時に目的のためなら手段を選ばない冷徹さと行動力を持ち、周囲に噓をついたり、犯罪に手を染める事もある。その一方で、しおの存在が唯一の拠り所となっており、彼女を失う事を何よりも恐れる、脆い一面を併せ持つ。

神戸 しお (こうべ しお)

松坂さとうと1208号室で同居している幼い少女。年齢不詳で、無知で純粋な性格の持ち主。さとうの事を慕っているが、「外は危険が多いから」という理由で、さとうから外出を禁じられている。神戸ゆうなの娘で神戸あさひの妹だが、さとうと出会う前の事をほんとど覚えておらず、時おり母親のゆうなの幻覚を見る事がある。 町のあちこちには、兄のあさひによって神戸しおの捜索貼り紙が無数に貼られており、行方不明のお尋ね人となっている。基本的にはさとうに対して従順だが、孤独感から言いつけを破って外出を試みるなど、自分の意志で行動する事もある。また、自分がさとうにとってただの人形のような存在と感じた際には、初めてさとうへの反発を見せた。 それでもさとうへの強い愛情は変わっておらず、さとうに守られるだけでなく、守るために協力し合う事を決意する。この時にゆうなの事や自分の過去を思い出すものの、あさひの事だけは思い出せずにいる。

三星 太陽 (みつぼし たいよう)

松坂さとうのアルバイト仲間の青年。金髪の好青年で、女性からの人気が高い。さとうに片思いして告白するもののあっさりふられてしまい、それを見ていた店長に監禁・陵辱されてしまう。この出来事がトラウマとなり、年上の女性を異常に恐れるようになる。その後、神戸しおの捜索貼り紙を見つけ、外出していたしおと偶然出会う。 以来しおに対し、「トラウマを浄化してくれる天使のような存在」として、異常な執着心を抱くようになる。一度はトラウマを克服して真人間になろうとしていたが、しおへの執着を捨てられず、それに気づいたさとうに利用されるようになる。

飛騨 しょうこ (ひだ しょうこ)

松坂さとうの親友で、アルバイト仲間でもある女子高校生。かつてはさとうといっしょに男遊びを繰り返していた。突然、さとうが男遊びをやめて付き合いが悪くなったと感じるものの、神戸しおとの同居の件や、彼女の家庭の詳細は知らずにいた。しかし、神戸あさひとの出会いや三星太陽の話を聞いた事から、さとうの行動や家庭について疑問を抱くようになり、さとうの家に踏み入る事で彼女と向き合おうとする。 しかし、さとうの叔母に会った事で、歪んだ性格の叔母に育てられたさとうからも、目を背けるようになってしまう。両親が厳しいため自分の家族や家に居心地の悪さを感じており、現実逃避のようにアルバイトや男遊びをしていた。明るく頑張り屋なさとうにあこがれのような感情を抱き、窮屈な世界の扉を開けてくれた彼女を特別な友達と思っており、力になりたいと願っている。

北埋川 大地 (きたうめがわ だいち)

松坂さとうが通う牧巣原高校の男性教師。学年主任を務めている。穏やかで清潔感のあるやさしい雰囲気から、女子生徒からの人気が高い。さとうの家庭環境を心配していたが、実はさとうに異常な執着心を持ち、ストーカー行為をしていた。さとうの秘密を知ってからもさとうに執着し続け、彼女の秘密を握る事に歪んだ快感を覚えている。既婚者で子供もいるが、独身と偽っている。

神戸 あさひ (こうべ あさひ)

神戸しおの兄で、しおの事を捜し続けている少年。つねにフードをかぶっており、体のあちこちに包帯が巻かれている。町のあちこちにしおの捜索貼り紙を貼り続けている。かつては母親の神戸ゆうなと父親、妹のしおとの四人で暮らしていたが、父親の暴力からしおと母親を守るために二人を逃がす。以降、父親の暴力に耐えながら暮らしていたが、5年後に父親が死亡した事で自由の身となる。 その後、ゆうなとしおとの再会を夢見て二人を迎えに行こうとするものの、しおとの再会は果たせず、しおを捜しながら一人で放浪し続けている。実家には帰っておらず、公園でホームレスのような暮らしをしているが、ゆうなとしおの三人で平和に暮らす事以外の幸せを見つけられずにいる。また父親に暴力を受け続けた事から、大人を信用できなくなっている。 のちに捜索貼り紙を見ていた飛騨しょうこと出会い、自分を心配してくれるしょうこに恩を感じるようになる。その後は三星太陽から得たしおの情報を頼りに、しょうこに別れを告げて旅立つ。

さとうの叔母 (さとうのおば)

松坂さとうの叔母で、保護者でもある。さとうが神戸しおと同居している1208号室とは別の305号室で暮らしており、現在はさとうとほとんど会っていない。体のあちこちに傷があり、包帯や絆創膏を貼っている。一見明るく優しい女性だが、他人からの暴力も性行為もすべて愛と受け止め、欲望を受け止める事に悦びを感じる、不気味で歪んだ性癖の持ち主。 昔から多くの男を部屋に連れ込み、さとうには歪んだ愛情しか与えていなかった。この事実が、さとうの感情が欠落している一因となっている。

店長 (てんちょう)

松坂さとうと三星太陽がアルバイトをしていた、「プリンセスインペリアル」の店長の女性。太陽に対し異常な執着心を持って監禁し、太陽が片思いしていたさとうにも、嫌がらせをするようになる。また太陽を監禁した際に彼にトラウマを植えつけ、彼が年上の女性嫌いになる原因を作った。

すーちゃん

松坂さとうのアルバイトの後輩。地味で不器用な自分に嫌気がさしており、器用で要領のいいさとうに強くあこがれ、次第に強い執着心を抱くようになる。アルバイトのシフトや化粧品までさとうの真似をし、ついにはさとうの履歴書を盗み見るなど、彼女を執拗に詮索するようになる。さとうに思いを打ち明けるものの、さとうから「そのままでいてほしい」と言われる。 同時にさとうから詮索行為をやめるよう念を押され、さとうへの恐怖心から欠勤するようになる。

神戸 ゆうな (こうべ ゆうな)

神戸しおと神戸あさひの母親。両親の言いなりのような人生を送っていたが、女子高校生時代に偶然出会った男性に暴行を受けて妊娠する。その男性の両親に言いくるめられてしまい、そのまま結婚して知らない町で暮らすようになり、のちにあさひを出産する。その後両親を事故で亡くし、戻って来た夫に再び暴行を受け、のちにしおを出産する。 女手一つであさひとしおを育てていたもののうまくいかず、のちにあさひの提案で夫から逃れるために家を出る。その後はあさひが迎えに来るのを待ちながら、しおと二人でひっそり暮らしていた。

お兄さん (おにいさん)

松坂さとうと同じマンションに住んでいた男性。1208号室のもともとの住人。さとうから「お兄さん」と呼ばれている。絵描きをしているが、人間には興味を持てずにいたところ、男遊びを繰り返していたさとうと出会う。感情が欠落したさとうに強く惹かれ、一時は彼女の絵を描く事に夢中になる。しかし、さとうが連れて来た神戸しおが、さとうの感情を埋め始めている事に気づき、しおを殺害しようと試みるものの、それに気づいたさとうに撲殺されてしまう。

場所

1208号室

松坂さとうと神戸しおが同居しているマンションの一室。もともとはお兄さんが住んでいたが、お兄さんがさとうに殺された事で、さとうとしおが暮らす居城となる。奥には鍵がいくつもかかって、しおが入れない部屋があり、さとう以外はこの部屋の中の事を知らない。

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