バクちゃん

バクちゃん

増村十七の代表作。さまざまな星の住人たちが共存する地球を舞台にしている。バクの姿をした異星人のバクちゃんが、ホームステイ先の東京で仕事や勉強を通じて成長していく姿を描いた、SFダイバーシティ物語。異なる文化を持つ種族同士が交流する難しさや、永住のためのプロセスの複雑さ、移民がいかに大変であるかなど、国から星単位に置き換えながら現実の社会問題をテーマにしている。故郷のバク星を懐かしく思いながらも、地球で友達を見つけて精一杯アルバイトに励むバクちゃんと、彼を異星人だと色眼鏡で見ずに大切な友達として接するハナが、それぞれの目的に向かって進む姿がかわいらしい絵柄で描かれる。KADOKAWA「月刊コミックビーム」2019年9月号から2021年1月号にかけて連載の作品。商業連載前の個人制作のオリジナル版で第21回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞を受賞している。

正式名称
バクちゃん
ふりがな
ばくちゃん
作者
ジャンル
異星人・宇宙人
レーベル
ビームコミックス(KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

バクちゃん

「バク星」と呼ばれる星から地球にやって来た異星人「バク星人」の男の子。他人の見ている夢を吸い取り、体内で栄養素に変換する能力を持つ。地球人と同様に食事もすることができる。夢を吸わなくても生命に支障はないが、バク星人にとって夢はごちそうと同義で、長く吸っていないと物足りなさを覚えてしまう。思慮深く心優しい性格で、ハナをはじめ多くの地球人や異星人たちからかわいがられている。日本の大学で教授を務めている親戚がおり、彼を頼る形で地球にホームステイしたいと考えている。その準備にあたって地球の文化や日本の言語を修得したが、実際に地球に降り立つと、バク星と地球の文化の違いや、異なる星に移住する難しさを痛感。そんな中、ハナとなかよくなり、調査のためにブラジルに向かったバクちゃん自身の親戚が戻って来るまでのあいだ、ハナの親戚、遠縁小牧の家に滞在する。さらに、知り合いのバク星人が経営する飲食店でアルバイトを始め、日本文化を学びながら、永住に必要な資格の取得にも励みつつ、充実した日々を過ごしている。

ハナ

美術およびクリエイター関係の高校に通っている、地球人の女子。明るく前向きな性格で、時おり方言をしゃべる。異星人と地球が友好条約を結んだあとに生まれたため、異星人に対して偏見や違和感をいっさい持っていない。絵画や芸術、特撮技術などに興味があり、将来はそれらにかかわる仕事につきたいと考えている。中学生までは名古屋で暮らしていたが、高校に進学するために上京した。そして、その道中で知り合って意気投合したバクちゃんを、親戚でホームステイ先の遠縁小牧に紹介し、三人で暮らすことになる。バクちゃんのことを弟のようにかわいがっており、彼が日本で暮らしたがっていることを知り、できる限りのサポートを行っている。

書誌情報

バクちゃん 全2巻 KADOKAWA〈ビームコミックス〉

第1巻

(2020-05-11発行、 978-4047360815)

第2巻

(2021-01-12発行、 978-4047364813)

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