概要・あらすじ
女子高校生御茶屋さえ子は、再会した幼馴染三浦衣良が深いノイローゼ状態にあることに気付く。衣良が長年依存していた姉三浦沙良の結婚がその原因だと理解したさえ子は、衣良に恋愛を経験させることで彼女を不安から救おうと決意。兄御茶屋峠に衣良の理想像である「世間にうしろめたさを感じている男色家」を装わせる。
登場人物・キャラクター
三浦 衣良 (みうら いら)
女子高校生。長い髪を猫の耳のように二つ丸めておだんご状に結っている。幼児性が強く、元々ノイローゼ的な傾向があったが、強く依存していた姉の三浦沙良の結婚によりさらに精神不安定状態となった。両親は衣良に精神鑑定を受けさせるべきかと考えている。御茶屋さえ子とは小学校1年生の頃一緒に遊んでいた友達で、さえ子の転校によって一度別れたが、衣良の転校で再び出会った。 理想の男性は「世間に後ろめたさを感じている男色家」で、自分は世間からの隠れ蓑として、後ろめたさを感じずにいられるまで世話をする役になりたいと考えている。
御茶屋峠 (おちゃやとうげ)
長髪の青年。大学2年生。三浦衣良や妹御茶屋さえ子の通う高校のサッカー部コーチを務めている。衣良にさえ子が紹介するはずだった「世間に後ろめたさを感じている男色家」と勘違いされてしまう。そのままさえ子の頼みによって、衣良の精神不安を落ち着かせるため、彼女と偽装結婚する男色家の役を演じることになる。 本来はプレイボーイで、恋人が多数いた。大人の女性と付き合ってきたため、衣良の子供のような感性を新鮮に感じている。
御茶屋 さえ子
女子高校生。ショートカットでめがねをかけている。転入により再会した幼馴染三浦衣良の精神不安定状態を見て取り、彼女を落ち着かせるため、恋人を作らせようとするが、衣良の理想の男性像は「世間に後ろめたさを感じている男色家」だった。相手をしてくれる男色家を探している最中、片思いをしていた奥上大地が男色家だったという事実を知ってしまう。 しかし行き違いから衣良がさえ子の兄御茶屋峠をその男色家だと思い込んでしまったため、兄に偽装結婚をするよう頼み込む。
奥上 大地 (おうかみ だいち)
男子高校生。サッカー部のキャプテン。オープンな男色家。新潟健一と付き合っていた。御茶屋さえ子に頼まれ、男色家のふりをして三浦衣良と偽装結婚をしている御茶屋峠の恋人役を演じることになる。最初は演技のつもりであったが、そのうち本気で御茶屋峠に恋心を抱いてしまい、新潟健一に激しい折檻を受ける。
三々波 三郎 (さざなみ さぶろう)
大学生。柔道部の青年。御茶屋峠の友人。男色家を演じることになってしまった御茶屋峠に頼まれ、恋人役を演じようとするが失敗してしまう。
新潟 健一 (にいがた けんいち)
御茶屋峠の通う大学の哲学教授である中年男性。男色家で、奥上大地の恋人。奥上大地が御茶屋峠と浮気をしていると勘違いし、彼を激しく折檻した。
三浦 沙良 (みうら さら)
三浦衣良の姉。精神不安定な妹を常にいたわり、思いやってきた。妹を心配しつつも、結婚して家を離れる。新婚旅行ではスペインなどに行った。