概要
才賀正二との戦いで体のほとんどを失った才賀貞義、すなわちディーン・メーストルが、体を機械で補強して別人として「しろがね」に潜り込んだ際の名前が「フェイスレス」である。その圧倒的な技術力で「しろがね」内での地位と信用を築き上げ、「しろがね-O」の総司令の立場を得るまでになる。「生命の水(アクア・ウイタエ)」とはいえ白銀が溶け込んだものを飲んだのではないため、厳密には「しろがね」ではない。
「しろがね」を人体改造で強化して加齢を停止させ、糸操り人形を必要としない「しろがね-O」を作り出し、また小型の医療用カプセル「エッグ」を開発するなど、「しろがね」全体への貢献度は高い。「三解のフェイスレス」の異名を持ち、機械を一瞬で「分解」し、酸性の液体で物を一瞬で「溶解」し、そして他の誰もが知らなかったことだが、自分が自動人形(オートマータ)の造物主であることを「理解」させることができる。
「しろがね」と自動人形の総力戦であるサハラ戦において、加藤鳴海を助けるために自らの体を歯車に巻き込ませたことにより、死亡したと思われた。しかし実は生きており、黒賀村で才賀勝が貞義の記憶と人格を受け継いでいるか嫌疑をかけられている際に、青年団の団長である加納大輝に変装して動向を見守っていた。
そしてついに正体を明かし、自分が白金でありディーンであり貞義でもあるフェイスレスだと名乗る。同行させていた「O」に黒賀村の者を襲わせ、自分は勝を拉致し、正二とギイ・クリストフ・レッシュを殺害しようとする。しかし、自分の記憶を持っている勝との戦闘に苦戦し、勝に対して2年間エレオノールを守る義務を課すゲームの開始を一方的に宣言して黒賀村を後にする。
その後、「O」と自動人形を配下に加えた新生真夜中のサーカスを結成し、勝に対して度々刺客を送り込む。しかし2年を待たずして次の行動を起こし、最後の四人であるハーレクイン、カピタン・グラツィアーノ、ブリゲッラ・カヴィッキオ・ダ・ヴァル・ブレンバーナ、ディアマンティーナを使ってエレオノールを拉致し、追ってきた勝に人格の「転送(ダウンロード)」を成功させ、ロケットで宇宙ステーション型自動人形アルファーへと飛び立とうとする。だが、最後の最後で計画は失敗し、フェイスレスひとりだけがロケットで宇宙ステーションへ行くことになる。
ひとりアルファーで若い肉体を手に入れるが、すべてが思い通りにならなかった世界に興味をなくし、ゾナハ病を発生させる超小型自動人形・アポリオンを活性化させて全人類を滅亡させようとする。それを阻止しようとスペースシャトルでアルファーまでやってきた勝と戦うが、ディアマンティーナが起こした爆発によってアルファーが地球に落下するという危機に見舞われる。すべてを諦めていたフェイスレスだったが、勝の行動に心を動かされ、落下地点を海上に修正する作業を勝と共同で行い、果てはアポリオンの止め方をも口にする。