概要
ディーン・メーストルが日本で才賀正二の息子を演じるために名乗った名前が「貞義」。正二が引き取った孤児を弟の才賀善治とし、またいろいろなところから子どもを集め、長男・才賀孝太郎、次男・徳臣、長女・佳代、次女・貴子とした。さらに自分の記憶と人格を転送(ダウンロード)するための器として、愛人との間に才賀勝という子どもを作った。しかし「しろがね」となった人間は生殖能力が極めて低いため、本当に血縁関係があるかどうかは定かではない。また、「生命の水(アクア・ウイタエ)」といっても、白銀が溶け込んだものを飲んだのではないため、貞義は厳密には「しろがね」ではない。
白金のときにはフランシーヌ、ディーンのときにはアンジェリーナと、それぞれ相思相愛になれなかった。そこでアンジェリーナの体内にある「柔らかい石」を手に入れるために、正二に変装して黒賀村の村人を隣村に移動させ、自動人形(オートマータ)にそっくりな人形を作りアンジェリーナたちを襲わせた。この人形たちがフランシーヌ人形の命令を聞かなかったのは、そのためである。
アンジェリーナの体内に「柔らかい石」がなかったことを知ると、今度は勝に自分の記憶と人格を転送し、勝とエレオノールが一緒になることを目的にする。まずはエレオノールを日本に派遣しようとするが、これ自体は図らずも正二がそのように行動させてしまった。エレオノールのことは「勝を守れば人間になれる」と洗脳してあるため、勝に自分の遺産180億円を相続させて親族同士の争いを起こさせ、同時に黒賀村の人形使いとその糸操り人形を破壊。これらの争いから勝をエレオノールに守らせ、自分は勝に記憶と人格を転送することを計画。
自分の計画に邪魔な正二を亡き者にしようと、1997年に黒賀村にゾナハ病を撒き散らして正二をおびき出した。糸繰り人形の「キャプテン・ネモ」で正二の車を破壊し、「ゴイエレメス」によって正二にとどめを刺したと思いきや、それは精巧に作られた糸繰り人形(才賀正二(糸繰り人形))だった。正二はすでに先手を打って、貞義の記憶と人格の転送に必要なデータを焼き払っていた。このデータ焼失により転送の作業は3年遅らせざるを得なくなってしまう。
3年後の2月17日、睡眠薬の入ったココアで勝を眠らせ、車の助手席に搭載した転送システムで勝への転送を開始。しかし、高速道路で待ち構えていた正二と黒賀村の者たち、ギイ・クリストフ・レッシュによって行動を阻止される。濃度94パーセントの濃硫酸のプールを内蔵したタンクローリーで車の前を塞がれ、さらに正二が糸繰り人形を車のタイヤに巻き込ませたため、正二とともに車の外に投げ出されてしまう。そして正二に掴まれたまま、濃硫酸のプールに一緒に落下するが、濃硫酸に体を溶かされながらも機械を分解し、誰にも気付かれずに脱出することに成功した。
その後は体を機械で補強し、フェイスレスという名で再び「しろがね」の中に入り込み、ついには「しろがね-O」の総司令という立場を得るまでとなった。