概要
「しろがね」としては比較的若い、糸操り人形(マリオネット)・「オリンピア」の繰り手。軽井沢のからくり屋敷で左腕を付け根から失う大けがを負った加藤鳴海を救出し、最後の「生命の水(アクア・ウイタエ)」を飲ませ、エレオノールの糸操り人形・「あるるかん」の左腕を接合して生きながらえさせた。
その後は鳴海とルシール・ベルヌイユとともにヨーロッパ各地、アメリカ・イリノイ州にあるグリーンタウンやレイ疫病研究所を訪れ、真夜中のサーカスの次の目的地である中国へ向かう飛行機での自動人形(オートマータ)との空中戦で負傷し、日本に落ちた際に仲町サーカスに救出された。
救出後はエレオノールの看病を受けながら仲町サーカスに身を寄せていたが、才賀勝に才賀貞義の人格が転送(ダウンロード)されていることを疑い、彼を殺害するために黒賀村へと向かう。そして勝が貞義の記憶のみを受け継いでいることを理解し、さらに勝がフェイスレスからエレオノールを2年間守るゲームを強制されたため、黒賀村で勝に人形繰りを叩き込むことにする。
その後、フウ・インダストリーのフウ・クロード・ボワローの元を訪れて、鳴海の顛末を聞く。そして鳴海、梁明霞、生方法安らとともに、ゾナハ病を無効化する「ワルトハイム電磁波」発生装置「ハリー」を奪取するため、再びアメリカのレイ疫病研究所に向かい、任務は成功するがさらに大きな傷を負うことになる。
最後はスペースシャトル発射場へと向かう鳴海、エレオノール、仲町サーカスの面々を助けるために、1人で自動人形たちを引き付け、3000体の自動人形を道連れに爆弾を爆発させ、その生涯に終わりを告げた。
もともと、1898年、12歳のときにゾナハ病を発症し、パリ郊外の病院に入れられていたが、マリーから「生命の水」を飲んで「しろがね」になるかどうかの選択を迫られ、「しろがね」となる道を選んだ。「しろがね」としての初任務で、妊娠したアンジェリーナの体から「柔らかい石」を取り出して生まれた赤ん坊に移植して持ち帰るため、明治時代の日本へ来た。アンジェリーナと戦い、敗れて傷を負ったため黒賀村で養生していたところ、正二とともに村を訪れたフランシーヌ人形をいったんは警戒するが、エレオノールを思う気持ちに共通点を見つけて気を許すことになる。
その後、黒賀村は自動人形の襲撃を受け、ギイをかばったアンジェリーナが絶命。ギイはアンジェリーナを「ママン」と呼んで、復讐のため襲撃してきた200体超の自動人形をすべて撃破する。このときの凄まじさは自動人形たちの中でも、「伝説の人形200体破壊者」として認識されるほどだった。その後は「しろがね」となってしまったエレオノールを守るために、才賀正二と計画し、人形破壊者「しろがね」としてエレオノールの先生となる。
数十年の間、そうして陰からエレオノールを見守っていたところ、彼女が鳴海と出会い、お互いに想いを寄せ合うようになったことを知る。エレオノールと生涯をともに歩く相手として鳴海を認め、瀕死の重症を負った鳴海に「生命の水」を与え、エレオノールと生涯を連れ添ってほしいと願ったのだった。
関連人物・キャラクター
加藤 鳴海 (かとう なるみ)
中国拳法(形意拳)の達人で、高い戦闘力を持つ19歳の男。得意技は崩拳。父親が貿易関係の仕事をしていたため、少年時代を中国で過ごし、梁剣峰の下で中国拳法を習うことになる。梁剣峰の娘・梁明霞は姉弟子で、梁... 関連ページ:加藤 鳴海