才賀 正二

才賀 正二

からくりサーカス(漫画)の作品登場人物。読みは「さいが しょうじ」。別称、成瀬 正二郎。エレオノールとは親族関係にある。

登場作品
からくりサーカス(漫画)
正式名称
才賀 正二
ふりがな
さいが しょうじ
別称
成瀬 正二郎
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概要

江戸時代の長崎で「乙名頭取」を父として生まれた。幼名は「成瀬正二郎」。次男であるため、父親の仕事に同席することは許されていない。少年時代に、医師として来日した老境の白銀(オランダ人のジャコブ・インと名乗っている)と交流を深める。白銀からは様々な教えを受け、また白銀の人形作りの手助けをしながらともに時間を過ごした。白銀に、日本語読みの「しろがね」という名を与え、クローグ村を再訪する決意を固めさせた。

白銀が日本を去った後、剣術を極めると同時に医師を志し、25年後には長崎随一の医師となる。治療に訪れた遊郭で、遊女に化けて「遠野太夫」と名乗って暮らしていたアンジェリーナと邂逅。彼女の過去を知り、彼女が所持していた「生命の水」を飲むことで自らも「しろがね」となり、アンジェリーナと連れ添うようになった。正二は、ゾナハ病に罹患せずに自身の意思で「しろがね」となった唯一の存在である。

その後は少年時代に白銀と行った人形作りの知識を活かし、アンジェリーナとともに「しろがね」のための糸操り人形の制作に勤しむようになる。同時に、その技術力を売りにした会社「才賀機巧社」を起ち上げ、瞬く間に大会社へと育て上げる。「しろがね」本部から派遣された変装の名人でもあるディーン・メーストルの協力で、異常に長寿な自分たちが周囲に怪しまれないよう、父親役と息子役とを入れ替えながら長年生活していた。ディーンが正二の息子を演じる際には、才賀貞義と名乗っている。

明治42年になると、アンジェリーナが「しろがね」として初めて妊娠。出産のため、縁の地である黒賀村にアンジェリーナを向かわせ、自身は東京に残っていたところ、アンジェリーナに自身を分解してもらいたいと望むフランシーヌ人形と出会う。正二は苦悩の末、フランシーヌ人形をアンジェリーナに引き会わせることを決意。フランシーヌ人形を伴い黒賀村へ赴いた。アンジェリーナがエレオノールを産んだ後も黒賀村にとどまっていたが、そこへ「柔らかい石」を狙った自動人形(オートマータ)が襲来。「しろがね」本部から独自の任務を受けて村に来ていたギイ・クリストフ・レッシュとともに必死で戦ったが、アンジェリーナを失ってしまう。フランシーヌ人形がその身を賭けて守り抜いたエレオノールは、自分の身に宿った「柔らかい石」の反応によって「しろがね」となってしまう。

正二とギイはエレオノールを守るための策を講じ、“妻は行方不明”、“娘は死亡”、“エレオノールはギイが見つけた「しろがね」”、“エレオノールが成長するまで正二は他人を装う”ということにした。しかし、数十年後にキュベロンで再会したエレオノールは、自分の心を閉ざしており、何者かが彼女の心に働きかけていることに気付く。ギイとともに謎を追った結果、貞義がすべての黒幕であることを突き止める。

策略のすべてを認めた貞義が黒賀村にゾナハ病をばら撒いたため、正二は村の住人を救うために体中の血液のほとんどを提供する。再び動けるようになると、貞義の策略を阻止するために行動を開始。貞義は自分の記憶と人格を、愛人との間に作った子ども・才賀勝に「転送(ダウンロード)」しようとしていたが、正二と黒賀村の者たちは高速道路で追い詰める。そこで正二は貞義とともに濃硫酸のプールへと身を投じ、体の半分を失ったが貞義を殺害し勝の救出を成し遂げたはずだった。

その後、勝が単身で黒賀村を訪れた際、勝が貞義の人格を引き継いでいると思い込み、正二自身の血を飲ませることによって今までの人生を追体験させた上で殺害しようとする。その場には一緒に秘密を共有していたギイの姿もあった。しかし実際に勝に「転送」されたのは記憶のみだったため、この時点で勝は白金と貞義であるディーンと、そして正二の記憶を受け取ることになる。そこに「O」を伴ったフェイスレスが現れ、自分が白金でありディーンであり貞義であることを暴露し、ギイと正二を殺害しようとする。勝が正二の記憶から引き継いだ剣術を駆使しフェイスレスを退けたものの、正二の体はすでに限界を超えていた。

関連人物・キャラクター

エレオノール

「自分の身に危険が迫ったら、一番近くのサーカスに行って助けを求めよ」と祖父・才賀正二に言われた才賀勝の前に現れた、銀髪で銀目の美しい女性。年齢は18歳で身長168cm。幼い頃、正二に「勝という少年を守... 関連ページ:エレオノール

白 銀 (ばい いん)

1700年代の中国のある村で、糸操り人形を芸として見せる白家に生まれる。白金の兄。家業を極めるための努力を怠らず、より良い人形を生み出すことを目指し、その極致としての錬金術を修めるため、弟の白金ととも... 関連ページ:白 銀

アンジェリーナ

白金によって襲撃されたクローグ村に住んでいたルシール・ベルヌイユの娘。クローグ村の生き残りとして「しろがね」になった者の中で、唯一の子どもだった。「生命の水(アクア・ウイタエ)」が溢れる井戸の底からそ... 関連ページ:アンジェリーナ

ギイ・クリストフ・レッシュ (ぎいくりすとふれっしゅ)

「しろがね」としては比較的若い、糸操り人形(マリオネット)・「オリンピア」の繰り手。軽井沢のからくり屋敷で左腕を付け根から失う大けがを負った加藤鳴海を救出し、最後の「生命の水(アクア・ウイタエ)」を飲... 関連ページ:ギイ・クリストフ・レッシュ

フランシーヌ人形 (ふらんしーぬにんぎょう)

フランシーヌを失った白金によって生み出された最初の自動人形(オートマータ)。本物のフランシーヌの髪の毛が植毛されており、また霊薬・「生命の水(アクア・ウイタエ)」を与えられたことで自立思考が可能。人間と変わらない感情を表現するが、笑うことだけはできなかった。その後、白金にうち捨てられたが、白金が去った原因は自分が笑えないことにあると考え、「生命の水」を模した擬似体液を開発し、自らと同時期に作られた自動人形の「最古の四人」であるアルレッキーノ、パンタローネ、ドットーレ、コロンビーヌに与えることで、彼らにも自我を獲得させた。 その後、数を増した自動人形らとともに、真夜中のサーカスとして、笑うための手段を探し求めて世界中を旅するようになる。長きにわたって各地の人間にゾナハ病を撒き散らしながら旅を続けるが、次第にその行為に疲れを覚え、自分にそっくりな偽フランシーヌ人形を作って残し、ひとりで真夜中のサーカスを去った。 自らと対立する「しろがね」の糸操り人形を作っている者の手で自身を分解してもらおうと考え、日本で才賀正二と連れ添っているアンジェリーナのもとを訪れる。そのときアンジェリーナは臨月を迎えており、なりゆきで彼女の出産に立ち会うことになる。 人間がどうやって生まれてくるかを知り驚愕したフランシーヌ人形は、生まれてきた赤ん坊・エレオノールに対し特別な感情を抱くようになった。懸命に赤ん坊の世話をしたたね、アンジェリーナ、正二、ギイ・クリストフ・レッシュからの信頼を獲得し、もはや笑えなくとも構わないと思い始めた矢先、自分の命令に従わない自動人形たちの襲撃を受ける。 アンジェリーナからエレオノールを託され、彼女を守るために懸命に逃げるが、誤って井戸に落ちてしまう。エレオノールの体内には、アンジェリーナの体内にあったはずの「柔らかい石」が移っていたため、それが生命の危機に瀕して反応し、井戸水が「生命の水」に変化。フランシーヌ人形は身を挺してエレオノールを守ろうとした結果、自身は「生命の水」に溶けて消滅した。

関連キーワード

しろがね

白銀がその中に溶け込んだ霊薬・「生命の水(アクア・ウイタエ)」を摂取することで生まれる存在。「生命の水」本来の力で身体能力が通常の人間の5倍に向上すると同時に、老化のスピードが下がり5年に1歳ずつしか... 関連ページ:しろがね

登場作品

からくりサーカス

拳法の達人である加藤鳴海と、莫大な財産を相続したため親族に命を狙われるようになった才賀勝、そして「しろがね」を名乗るエレオノールという女性を中心にした、人類と、人類に仇なす自動人形との戦いを描いたファ... 関連ページ:からくりサーカス

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