フランケンシュタインズ・プリンセス

フランケンシュタインズ・プリンセス

人間そっくりな外見と心を持つ人形の少女ヴィスが織りなす、元天才人形師であるアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインとの日常を描いたファンタジーバトルコメディ漫画。「月刊Gファンタジー」に連載された。

正式名称
フランケンシュタインズ・プリンセス
ふりがな
ふらんけんしゅたいんず ぷりんせす
作者
ジャンル
アンドロイド・人造人間
関連商品
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概要・あらすじ

片田舎に存在するヴァサゴの街へ、名前を持たない人形の少女が降り立つ。彼女の目的はアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインと呼ばれる人形師を探すことだった。街についてすぐに鞄を盗まれてしまった少女は、盗人の少年を追いかけた先で鞄を取り返してくれた発明家の青年に出会い、なし崩し的に一晩泊めて貰うことになる。

明けて、朝食の場で旅の目的を尋ねられた少女がヴィクターの名を口にした途端、少女はわけも分からぬうちに家から追い出され、青年に「その男は死んだ」と告げられるのだった。

登場人物・キャラクター

ヴィス

ヴァサゴの街へアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインを探しにやってきた人形の少女。快活で前向きだが、どこか考えたらずでドジな性格をしている。慣れない街で鞄を盗まれたところを助けてくれた青年が偶然にも探していた人物、ヴィクターその人だったのをきっかけに、彼のもとで厄介になることになる。名前を持たなかったが、ヴィクターによって「ヴィス」という名前を付けられる。

アイザック・ヴィクター・フランケンシュタイン (あいざっくゔぃくたーふらんけんしゅたいん)

ヴァサゴの街で暮らす謎の多い青年。街では「発明家のアイザック」として名が通っている。人形の調整や修理などの知識に詳しく、転んで膝を痛めたヴィスや動作不良を起こしたクリオの修理を行った。普段は「ヴィクター」とのみ名乗っており、「アイザック・ヴィクター・フランケンシュタイン」を名乗っていた人物は死んだとして、ヴィスが尋ねてきた際もはぐらかしていた。 ぶっきらぼうで冷徹な人間に見えるが、ヴィスやクリオのことを助けたりと根本部分では心優しい性格をしている。

ガブリエル

ヴァサゴの街でアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインと共に暮らす人形。楕円に近い形の鳥型をした人形で、背丈はヴィスの腰ほどもあり、関西弁のような独特の口調で話す。かつてはゴミ捨て場で収集車に回収されるのを待つ身だったが、偶然通りかかったヴィクターに拾われて、それ以後も彼と暮らすようになった。

ジョナサン

ヴァサゴの街へ来たばかりのヴィスの鞄を盗んだ少年。元はヴァサゴの街の裕福な資産家の息子だったが、父親が事業に失敗し心労により他界。母親もそれを追うように亡くなり、現在ではかつて買い与えられた人形のクリオと共に貧しい生活をしている。生活苦からスリをしているが、クリオと共に生きるという意志を持ったまっすぐな心意気の持ち主。

クリオ

ヴァサゴの街でジョナサンと共に暮らす人形の少女。まだ裕福だった頃のジョナサンの家に買われ、ジョナサンを一人にしないように心配した両親に代わり遊び相手となっていた。ジョナサンの家が没落してからも2人で共に生きることを第一に、ジョナサンに付き従っている。献身的で自己犠牲を厭わない心優しい性格。

エリザベス=ラベンツァ (えりざべすらべんつぁ)

ヴァサゴの街に新設された錬金術師協会の支部長として赴任してきた、錬金術師であり人形師でもある女性。露出の際どい鎧を身に纏っている。かつて錬金術師協会から追放されたアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインに、錬金術師協会へ戻るよう説得することを本部から命令されており、魔法学院時代に一度もヴィクターに勝てなかったという因縁も相まって彼に執着している。

アルファ

エリザベス=ラベンツァによって造り出された人形の青年。ヴァサゴの街の錬金術師協会の支部へラベンツァと共にやってきた。優れた人形で、徒競走から勉強・料理までを高度にこなしてみせる万能性を有する。しかし、アルファ自身は人形であるからには人間より優れているのは当たり前と考えており、人間よりも不器用でドジばかりをやらかすヴィスのことを、逆に人形が目指すべき理想的な姿として捉えている。 これを理由に、彼女をストーキングする程の執着を持つ。

アレイスター・クロウリー (あれいすたーくろうりー)

アイザック・ヴィクター・フランケンシュタインたちの前に現れた死霊使い(ネクロマンサー)の男。錬金術師協会を恨んでおり、ヴァサゴの街に建てられた支部を攻撃してきた。タプラ・スマラグディーナと呼ばれる万能の力を秘めた石版の封印を解くために、ヴィクターたちを利用しようと企んでいるが、それ以外にも個人的な感情からヴィクターに対して妄執に近い想いを抱いている。

ベルリネッタ

アイザック・ヴィクター・フランケンシュタインによって造り出された人形で、髪の長い女性の外見をしている。心を持つ、人間に近い人形を作り出すという目的を持っていた当時のヴィクターにとっては踏み台に過ぎず、高値で貴族に売り払われるところだった。3年前に事件を起こし、その際に高所から身を投げて死んだものとされており、ヴィクターにとってのトラウマとなっている。

おかみさん

居酒屋「女将」で女将を務める女性。長い黒髪を背中で結び、チャイナドレスのような服を着た外見をしている。居酒屋に食事に来るアイザック・ヴィクター・フランケンシュタインとは知り合いで、なじみの客。ヴィクターがおかみさんのもとでツケで食事をしていたために、その取り立ての電話を切っ掛けにヴィスとも知り合うこととなった。

集団・組織

カルロ一家 (かるろふぁみりー)

ヴァサゴの街に存在するマフィアの一団。荒くれ者の集団で、おかみさんからはこの街のダニと呼ばれる程に嫌われている。みかじめ料を普段から取って回っているようで、新しくやってきた錬金術師協会の支部に売り上げの10%を収め続けるようにと脅しにやってきた。

錬金術師協会 (えーすくうぇあ)

12派からなる錬金術師たちの総本山。エー・スクウェアのエーは「Alchemist-Association」を略したもの。「身喰う蛇(ウロボロス)」の紋章を掲げている。本部は帝都に存在しており、多数の支部を展開して各地の錬金術師たちを管理、運営している。だが、田舎にまで支部を置くことは珍しく、ことヴァサゴの街のような場所に支部が置かれるようなことは滅多にない。

場所

ヴァサゴの街 (ゔぁさごのまち)

アイザック・ヴィクター・フランケンシュタインが住んでいる街。田舎町で、ヴィクターによれば、錬金術師協会の支部が建設された際にはなぜこんな田舎にと疑問に思うほどだったという。ジョナサンが所属していたスリを行う一団を始め、カルロ一家と呼ばれるマフィアが存在する。

その他キーワード

人形 (ふぃぎゅあ)

原価度外視の贅沢品で、アイザック・ヴィクター・フランケンシュタイン曰く、その価値が分からん奴には「最も高級な家具」と言われている、最高に値の張る調度品。人形師によって造り出された存在で、人型や鳥型などさまざまなタイプが存在している。人間と違い、魂の代わりに結晶と呼ばれる高密度の魔法結晶体を核としており、そこに宿る精霊が人形の心を造り出している。

人形師 (あるけみすと)

科学や魔法といったあらゆる技術を利用する錬金術によって、人形を造り出す職業のこと。錬金術師協会による資格が必要で、造り出された人形は高値で取引される。呼び出した精霊が形を持った、結晶と呼ばれる高純度の魔法結晶体を、人形という精錬装置を使って賢者の石にまで昇華することを究極の目標としている。

結晶 (こくーん)

人形の魂ともいえるもののこと。この世界の物質を司る、第一質料(プライ・マテリア)から引き出された四つの元素、「土」「水」「風」「火」によって成り立っており、そのうちの一つを抽出して高密度の魔法結晶体としたもののことをいう。さまざまな型式(タイプ)が存在する人形にとって唯一の共通点といいえるモノで、魂を持たない人形が心を持っているのは結晶の力による。

賢者の石 (けんじゃのいし)

人形を作る錬金術師たちがその生成を目指す最終目的にして、結晶の究極形態。非金属を金に変えたり、不老長寿の錬金薬を造り出すことができるという謂われがある。人形が長い間人の世の中で過ごすことによって、人形内の結晶が賢者の石に昇華するとされており、人形は賢者の石を作り出すための精錬装置に過ぎないと考える一派も存在する。

クリプトビオシス

禁呪の一種。人形が死ぬと共に崩れ落ちていく結晶の崩壊を、呪法によって縛り上げることで防ぐことができる。そのため、死にゆく人形の死を食い止められるが、同時に結晶に込められた人形の意思を押しつぶし、精霊に対して耐えがたい苦痛を強いるため、呪いの一つとされている。クリプトビオシスとはラテン語で隠された生命を意味している。

タプラ・スマラグディーナ (たぷらすまらぐでぃーな)

錬金術最大の秘宝といわれる石版。12の奥義を秘めた翠玉銘碑(エメラルド・タブレット)で、一説には「手にした者の願いをすべて叶える」とされている。その強大な力ゆえに「7つの封印(セブンス・シール)」と呼ばれる封印が施されている。

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