人造人間カティサーク

人造人間カティサーク

地球を襲う謎の組織に立ち向かう女性型人造人間と、そのメンテナンスを行う科学者の少年との、ちょっと変わった恋愛模様を描いた作品。どちらかといえば敵との戦いは二の次で、女性型人造人間と少年の恋愛が成立するかというテーマに重きを置いて描かれる。「月刊コミックRUSH」2006年8月号から2009年10月号にかけて連載された作品。

正式名称
人造人間カティサーク
ふりがな
じんぞうにんげんかてぃさーく
作者
ジャンル
アンドロイド・人造人間
関連商品
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概要・あらすじ

19XX年、地球は謎の人造兵器集団「ブラックマンデー」の襲撃を受け、崩壊の危機にさらされていた。しかし、人類側の唯一の対抗手段として、人造人間カティサークが現れる。毎週月曜日の夜7時、定期的に都市=ライラックを襲撃してくる「ブラックマンデー」を撃退するカティサークは人類の最後の希望であり、その活躍を中継するテレビ番組が組まれるほど。

そんなカティサークの力の源は、自分をメンテナンスしてくれる峠鉄兵に向ける愛の力であった。生粋の科学者である鉄兵は「たかが機械に恋愛感情があるはずがない」と戸惑いながらも、複雑な思いでカティサークとの関係を深めていく。

登場人物・キャラクター

人造人間カティサーク (あんどりゅーかてぃさーく)

毎週月曜日夜7時に襲ってくる「ブラックマンデー」の人造人間に唯一対抗できる女性型人造人間。全身が肌色の装甲で覆われており、見た目は華奢な少女のようで人間と見分けがつかないものの、両腕の肘から先は機械的なデザインになっている。また人造人間のため機械語しかしゃべることができない。青いロングヘアに側頭部にハートのアクセサリを付けている。 肩の出たワンピースに赤く長いマフラーを付けた出で立ちが基本スタイルだが、時に服装が異なることもある。人造人間ではあるが、自分をメンテナンスしてくれる科学者の少年・峠鉄兵に恋心を抱いており、その想いの強さに応じて出力を無限に上昇させることができる。一方で、鉄兵がいないと力を発揮できず、「ブラックマンデー」に対してなす術もなく撃退されるほど弱くなる。

峠 鉄兵 (とうげ てっぺい)

人造人間カティサークのメンテナンスを担当する少年。非常に高い知能を誇り、とりわけ数学やプログラミングに関してはまさに天才。14歳にして飛び級でサンタマリア高校に通う。また軍部から依頼を受け、都市=ライラックのコンピュータシステムの管理を一人で担う。「万物は数字でできている」がモットーであり、所詮は人工知能プログラムに過ぎないはずのカティサークから恋愛感情を向けられていること、また自分のカティサークに対する想いに、戸惑っている。

メグ=A=トウゲ (めぐあんなとうげ)

峠鉄兵の姉で18歳。実際には血のつながった姉弟ではなく、メグ=A=トウゲが峠家に養子として迎えられているため、鉄平の義理の姉ということになる。内側にカールのかかったミドルボブの髪型でメガネをかけている。鉄兵のクラスメイトには「美人の姉」と言われており、大きな胸を含めてスタイルはかなり良く、性格も明るく穏やかで家庭的。 人造人間カティサークの管理を行う組織「ティークリッパー」の作戦司令兼メカニックチーフを担当し、科学者としても優秀。鉄兵とは対照的に「世の中には数字で表せないこともある」と考えており、主にカティサークの感情を優先しながら鉄兵との仲を応援する。時折、出表する出来事などに対して「お約束」「クールの山場」などメタ発言をすることがある。

峠 練太郎 (とうげ れんたろう)

峠鉄兵の実の父親であり、メグ=A=トウゲを養子に迎えた人物。元科学技術庁長官としての肩書を持つ天才科学者。都市=ライラックの全面ネットワーク化に着手し、それを実現させるだけの知能を誇る。また人造人間カティサークを発明・開発した生みの親でもある。詳細は不明だが、すでに死亡したとされている。

風巻 ひびき (かざまき ひびき)

峠鉄兵と同じくサンタマリア高校に飛び級で入学した14歳の天才少女。地元の有力企業である風巻コネクションの令嬢であり、当主を務める。大きなリボンで髪を二つ結びにした髪型と、吊り上がったきつい目元が特徴。見た目に違わず非常にきつい性格の持ち主で、「ブラックマンデー」対策を人造人間カティサークに頼り切り、情報統制まで行う軍部とそれに関係する人物のことが嫌いだと豪語してやまない。 兵器開発をする自分と企業に自信を持っており、カティサークとその管理者・鉄兵とメグ=A=トウゲに対しては、特にライバル心をむき出しにする。一方で鉄兵には恋心を抱いており、それを素直に表現することができないでいる。

フェデリカ・フェリーニ (ふぇでりかふぇりーに)

都市=ライラックで放送されているテレビ局「セントラルTV」のディレクター。ブロンドのロングヘアにバンダナ、胸下までのショート丈タンクトップにローライズジーンズという挑発的な恰好の女性。人造人間カティサークの密着取材番組を担当し、収録時には平然と「ヤラセ」を行う。これに対して峠鉄兵からツッコミを入れられても、「報道が真実を作ることもある」と言ってはばからない。 とはいえ悪人ではなく、番組の無理な設定もヤラセも、視聴者に希望を持たせるために必要なことと割り切っている。

リカルド

峠鉄兵のクラスメイトの男子。前髪を残してサイドとトップをオールバックに固めた髪型をしており、恰幅の良い体型で丸い眼鏡をかけている。飛び級した鉄兵の年上に当たり、クラスメイトながら鉄兵からは「リカルド先輩」と呼ばれている。作中序盤から登場していたが、名前が明かされたのは中盤になってから。登場する人物の人となりや過去のエピソードを、紙芝居を使って表現する特殊なクセがある。 主人公の友人でメカニックマニアという設定を持ち、TVアニメや漫画における「お約束」の役どころを演じる人物。

ラウラ

風巻ガールズの一員で、室長を務める22歳の女性。前髪を一束残して、残りをオールバックに固めた髪型をしている。風巻ガールズの中でも最も長身で、凛とした表情を持つ。私服ではなぜか男装を好む。

リンファ

風巻ガールズの一員の18歳の女性。ミドルボブの髪をカチューシャで留めており、露出した広いおでこが特徴。技術者だが、東洋出身で中国拳法の使い手でもある。

サーラ

風巻ガールズの一員の17歳の女性。ポニーテールの髪型が特徴の明るい性格で、高校では風巻ひびきと同級生の関係。ソフトボール部に所属している。

フィオリナ

風巻ガールズの一員の14歳の女性。サーラの妹。肩の長さでそろえた毛先がカールした栗色の髪型をしている。風巻ガールズに選ばれてはいるが、風巻ひびきのように飛び級をしていないので、まだ中学生。お菓子作りが得意。

カティサークツヴァイ

毎週月曜日の夜7時に1体ずつ現れるという「ブラックマンデー」の都市=ライラック襲撃サイクルを無視し、峠鉄兵を単騎で襲った人造人間。見た目は人造人間カティサークと瓜二つだが、ハートの髪留めが逆向きにつけられ、スペードのような形状になっているほか、他の「ブラックマンデー」の人造人間と同じく、黒いコートを着用している。 愛を出力に変換するカティサークと異なり、完全に戦闘行為に特化しているため、すべてのスペックがカティサークを上回っている。

集団・組織

鉄兵の友人たち (てっぺいのゆうじんたち)

峠鉄兵と4人でつるんでいるクラスメイトの男子たち。いつも冷静沈着で愛想もない鉄兵の、年齢相応に幼い部分を見つけては「かわいいやつ」と評し、何かと世話を焼く。メンバーはほぼ決まっており、ツンツンした髪型でそばかすのある友人、わずかに分けた前髪と幼い顔立ちの穏やかな性格の友人、そしてクラスメイトの中で唯一名前が登場しているリカルドの3人。

ティークリッパー

人造人間カティサークの運用・管理を行っている組織。普段は移動式クレープ屋として、都市=ライラックの街角で店を構えている。その店の地下に本体の組織基地が存在する。構成員は、作戦司令兼メカニックチーフのメグ=A=トウゲと、プログラムチーフの峠鉄兵の2人のみ。基地へ入る時には、クレープ屋で「バナナクレープにチョコチップとミントをトッピングしたものを今度の月曜夜7時に予約する」という合言葉を使う必要があり、秘密組織という体裁を取っている。 しかし、鉄兵とカティサークの仲睦まじい関係はテレビ番組で放送されており、都市の人間が全員知っているため、もはや公然の秘密となっている。

風巻コネクション (かざまきこねくしょん)

都市=ライラックに本社を構える大企業。兵器開発を主な事業内容としており、開発した兵器の軍へのプレゼンテーションや技術提供などがメイン。どちらかといえばメーカーというより研究機関としての側面が強い。現在のトップ・風巻ひびきの独断によって、本社は兵器研究開発所及び対「ブラックマンデー」兵器の出撃施設となっている。

風巻ガールズ (かざまきがーるず)

風巻コネクションに所属し、技術開発や作戦参謀を務める有能な女子のみを集めた集団。「男子は無能」という理念の下、風巻ひびきの独断によって選別されている。当初は端役のような形で登場したが、ストーリーが進むにつれて登場回数がどんどん増えていくことになった。

場所

都市=ライラック (してぃらいらっく)

ヨーロッパにある小国の都市で、人造人間カティサークや峠鉄兵らが暮らしている街。他にも世界各地に都市があるが、作中で単に「都市(シティ)」というとこの街のことを指す。街並みは近代ヨーロッパ風の建築様式。道路は石畳で、整った景観が特徴。またこの都市に住む人々は、総じて情熱的で明るくノリがいい。カティサークを正義のヒロインとして持ち上げ、毎週月曜に「ブラックマンデー」の襲撃があるのをいいことに、その活躍をテレビ番組で中継するほど楽天的。 しかし、決してそれに頼り切っているわけではなく、時には軍部から軍用兵器を出動させることもある。

サンタマリア高校 (さんたまりあはいすくーる)

峠鉄兵やメグ=A=トウゲが通っている高校。制服はブレザータイプを採用しているが、制服での登校が強制されているわけではなく、公序良俗を犯さない範囲であれば自由。

願いの壁 (ねがいのかべ)

都市=ライラックの郊外にある有名スポット。過去に行われた戦争において幾度も戦火にさらされながら、唯一残った都市部の壁。そのため、いつしか「この壁に願い事を書いた紙を貼ると叶う」と言われるようになった。

その他キーワード

ブラックマンデー

毎週月曜日の夜7時に都市=ライラックを襲撃する巨大な人造人間、またそれを裏で操る組織の仮称。そして、月曜に行われる襲撃そのものを総括して指す。略称は「BM」。「ブラックマンデー」の巨大人造人間は、必ず黒い服を身にまとっており、また昆虫の複眼のようなパーツを有するのが特徴。メグ=A=トウゲによれば襲撃を重ねる毎に人造人間の出力は上昇しており、1年後には本当の「ブラックマンデー」が訪れると予想している。 また、襲撃は都市=ライラック以外にも及んでおり、地球の他の主要都市には対抗手段がないため、ほぼ壊滅状態となっている様子。

ENIGMA (えにぐま)

「ブラックマンデー」が作った人類殲滅用プログラム。全世界の主要都市に向けて台風サイズの超巨大人造人間15機と空爆型人造人間2352機、さらに特殊型人造人間1214機で総攻撃を仕掛けるというもの。

MEGU (めぐ)

「ブラックマンデー」の人類殲滅用プログラム「ENIGMA」の発動を阻止し、人間とロボットの共存を目指すべく峠練太郎が作成したプログラム。内容は、「襲撃を月曜日の夜7時にのみ限定」「人間、建造物、ほかのすべての生物に対する攻撃の禁止」「人間を愛し共生すること」の3点。しかし「ENIGMA」の想像以上の進化により、一部プログラムしか適用されなかった。

迅雷号壱拾六式 (じんらいごうじゅうろくしき)

風巻コネクションの技術の粋を集めて製作された対「ブラックマンデー」兵器。人の数倍ほどもある巨大な人間の手の形をしており、粒子加速器を搭載。人造人間カティサークが放つプラズマスパークに近い攻撃を放つことができる。

巨大カティサーク(仮名) (きょだいかてぃさーく)

風巻コネクションの技術の粋を集めて製作された対「ブラックマンデー」兵器。人造人間カティサークを模した巨大なメカで、カティサークの必殺技のギャラクティカスマッシャーを可能な限り再現した攻撃・「ギャラクティカスマッシャー(偽)」を両手から放つことができる。現在1号から12号まで開発済み。

メガスラッシュチョップ

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。電撃状のエネルギーを右腕に集め、手刀で敵に打ち込む技。「ブラックマンデー」の人造人間を一撃で両断した。

超形状記憶プログラム (ちょうけいじょうきおくぷろぐらむ)

人造人間カティサークの能力のひとつ。粉々になるまで粉砕されたカティサークが峠鉄兵の呼びかけに応じる形で発動させたプログラムで、体を元通りに修復させた。

アンリミテッドスマッシャー

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。ギャラクティカスマッシャーの出力無限大バージョン。「ブラックマンデー」の人造人間を跡形もなく消し飛ばした。

ギャラクティカスマッシャー

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。電撃状のエネルギーを右腕に集め、正拳突きのモーションで相手に衝撃波と共にエネルギーを放出する技。最も基本的な技で「ブラックマンデー」に対して有効な攻撃手段だが、対カティサーク用バリアを持つ「ブラックマンデー」の人造人間に阻まれたこともある。

ギャラクティカジェットアッパー

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。ギャラクティカスマッシャーの応用版で、攻撃モーションをアッパーカットにすることで力の向かう方向を変化させている。対カティサーク用バリアを持つ「ブラックマンデー」の人造人間にはダメージを与えることができなかったが、衝撃によって大気圏を超え、宇宙空間にまで吹き飛ばすことに成功した。

メガプラズマドライバー

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。全身に電撃状のエネルギーをまとい、両腕を前に突き出した状態で回転しながらドリルのように敵に突進する。「ブラックマンデー」の人造人間を3体まとめて貫通する突撃力を誇る。

フラッシュマッハピストンパンチ

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。右腕にまとわせたエネルギーを高所から放出し、広範囲の目標を撃破する技。

大車輪ギャラクティカスマッシャー (だいしゃりんぎゃらくてぃかすまっしゃー)

人造人間カティサークの必殺技のひとつ。ギャラクティカスマッシャーの応用版で、エネルギー充填時に腕を振り回して遠心力を応用することで威力を倍増させている。その威力は最低でも通常のギャラクティカスマッシャーの2048倍以上。「ブラックマンデー」の巨大台風サイズの人造人間をも屠(ほふ)る破壊力を持つ。

ダブルギャラクティカスクリューアトミックフラッシャーパンチ

人造人間カティサークとカティサークツヴァイの合体技。一度破壊されたカティサークの左腕とカティサークツヴァイの右腕をひとつの腕に結合して再構成し、その腕から両者のエネルギーを放出する。その威力は、破壊しても即座に修復してしまう「ブラックマンデー」の人造人間の修復速度を上回り、一瞬で消滅させたほど。

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