フローズン

フローズン

なにごともハッキリさせないと気が済まない性格の帰国子女の女子高生が、曖昧でなれ合いの日本の高校生活で奮闘する姿を描く。タイトルの「フローズン(Frozen)」は、あまりに表情が変わらない主人公の相ヶ瀬桃花にかつて周囲の友人たちがつけていた呼び名に由来する。「ヤングマガジン」に1998年12月から2000年7月にかけて連載された。なお、連載当時の作者名は山崎さやか表記となっている。

正式名称
フローズン
ふりがな
ふろーずん
作者
ジャンル
学園
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

両親が離婚することになり、そのゴタゴタから逃れるようにマイアミから日本へやってきた相ヶ瀬桃花。彼女は祖父の家から、日本の高校へ通い始める。しかし、曖昧さを嫌う桃花にとって、パシリにされても自分の意見を言えない女子や薄ら笑いを浮かべてハッキリしないクラスメイトたちは理解できない存在だった。いずれは母国へ帰るつもりの桃花はそんなクラスメイトたちと慣れあうことなく過ごすつもりだったが、そんな彼女にある転機が訪れる。

登場人物・キャラクター

相ヶ瀬 桃花 (あいがせ ももか)

マイアミで暮らしていたが、両親が離婚することになり、日本の祖父のもとへやってきた女子高生。ヘアスタイルは長い髪を頭頂部でしばったポニーテールで、切れ長な目の凛々しい美人。見た目のとおり性格もキツいが、他人を思いやる優しさを持ち合わせている。物事をハッキリとさせない日本のなあなあな風潮が大嫌いで、転校初日からクラスで騒動を巻き起こす。 感情が高ぶると大泣きしながら激怒する。

ブンちゃん

相ヶ瀬桃花の母方の祖父。昔はやり手の裁判官だったらしいが、今は引退している。一人で日本へやってきた孫の桃花を住まわせている。禿頭。桃花からは「ジジ」と呼ばれている。

中村 ありさ (なかむら ありさ)

相ヶ瀬桃花が編入した高校の1年F組に在籍する女子生徒。ショートカットで地味なタイプ。真面目な常識人で桃花の日本での最初の友人といえる。

桜井 良美 (さくらい よしみ)

相ヶ瀬桃花が編入した高校の1年F組に在籍する女子生徒。クラスの女子からパシリにされている。優柔不断な性格で桃花をイラつかせる。桃花がエリたちから嫌われれば自分がパシリから脱却できると考え、桃花への嫌がらせを始める。酒癖が悪い。

エリ

相ヶ瀬桃花が編入した高校の1年F組に在籍する女子生徒。クラスの女子のリーダー的存在で、桜井良美をパシリにしている。黒田の前では可愛いこぶり、そのことを桃花に指摘される。それによってメンツが潰されたと根に持ち、クラスの全員に桃花のことをシカトするよう指示を出す。

黒田 (くろだ)

相ヶ瀬桃花が編入した高校に通う3年生男子。日焼けした肌とロンゲ、多数のアクセサリーという典型的なチャラ男だが、雑誌に出たこともあり、後輩たちからは「黒田センパイ」と呼ばれる憧れの的。肌は通販で買った日焼けマシーンで黒くしている。

橘 美香 (たちばな みか)

相ヶ瀬桃花が編入した高校の1年F組に在籍する女子生徒。ショートカットの可愛い女の子だが、ヤリマンでクラスでもそれを隠さないあけっぴろげな性格のため、浮いている。自分のことを「ミンミン」と呼ぶ。桃花のことを「モモっち」と呼び慕い、付きまとう。

鈴木 (すずき)

相ヶ瀬桃花が編入した高校に通う1年生男子。長嶋茂雄を崇拝しており、すぐにミスターの逸話を語り出す。また、人望があるという理由で黒田のことを信奉している。橘美香に惚れられる。

田代 (たしろ)

相ヶ瀬桃花が編入した高校に通う1年生男子。眼鏡をかけたアニメオタクで、学校では不気味がられている。桃花を自分の好きな漫画のヒロインに重ねて、ストーカーのような行動をとり始める。

牛尾 ゆうじ (うしお ゆうじ)

相ヶ瀬桃花が2年生に進級時、入学した男子生徒。相撲部に所属する唯一の1年生で、坊主頭のヒョロガリ。相撲部員はほかに先輩が2人いるだけで、先輩は練習もせずに部室でゲームをしているだけ。その先輩から「ウッシー」と呼ばれ、パシリにされている。そんななかで「強い男になるッス!」と一人練習に励む熱い男。

カナっぺ

牛尾ゆうじの彼女で、テニス部に所属する1年生女子。中学の時からテニス部に所属しており、彼氏の牛尾のことを「ゆーちゃん」と呼ぶ。相撲部の彼氏なんてダサいと、牛尾を説得してテニス部へ転部させようとする。

井上 参二

雑誌編集者の男性。黒田をよくモデルとして起用している。元ハード系エロライターとして8年の経験があり、亀甲縛りはお手の物。相ヶ瀬桃花を雑誌のグラビアモデルにするため手段を選ばない。

理沙子 (りさこ)

相ヶ瀬桃花より1学年上の美人で大金持ちの女子生徒。異常なほどに支配欲が強く、欲しいものを手に入れるためなら手段を選ばない。雑誌のグラビアに掲載された桃花に目をつけ、近づいてくる。

中村 マナブ (なかむら まなぶ)

中村ありさの3つ下の弟。やりたい盛りの中学2年生で性欲を抑えきれず、女友達に性器を見せてくれるよう頼みこんだり、下着泥棒しそうになったりと暴走気味。彼女もおらず、童貞。

まさこ

相ヶ瀬桃花が通う高校の養護教諭で26歳の女性。産休の前職員に代わってやってきたばかり。デブでブスだが、保健室にやってきた男子生徒に手を出し、すでに26人を食っているという噂がある。

レオン

相ヶ瀬桃花の5つ年上で、母違いの兄。最後に会ったのは桃花が7歳、レオンが12歳の時で、約10年ぶりに日本で再会する。愛称は「レオ」。日本語、フランス語、ドイツ語をマスターしており、大学を卒業後はコンピューター関係の会社への就職が決まっている。外面はいいが征服欲が強く、ヒステリックでキレると女性相手でも暴力を振るう。

桃花の父 (ももかのちち)

相ヶ瀬桃花とレオンの父親。大企業でバリバリと働くエネルギッシュな男性。桃花とレオンからは「パパ」と呼ばれている。仕事に忙しい身だが、桃花がとある手段で日本へ呼び出す。

クニオ

23歳になった相ヶ瀬桃花の彼氏。なよなよした印象の気弱な男子。桃花よりも1つ年下で、マスコミ関係志望で就職活動中。桃花と付き合い始めてしばらくになるが、桃花がその気になるまでセックスはおあずけとなっており、まだ男女の関係にはなっていない。

柳田 (やなぎだ)

23歳になった相ヶ瀬桃花が働く会社の上司。ロン毛で長身、自信家の男性。桃花に目をつけており、酒井も利用しつつ、桃花を口説こうとしている。

酒井 (さかい)

23歳になった相ヶ瀬桃花が働く会社の先輩OL。美人で男性社員から人気があり、先輩にも毅然とした態度でふるまう桃花のことが気に入らず、嫌がらせをする。

小岩 (こいわ)

働きながら弁護士を目指す相ヶ瀬桃花が通う「そら豆法律研究所」で、桃花といっしょに受講する青年。さわやかな好青年で、とあることから桃花とクニオのピンチを救う。

SHARE
EC
Amazon
logo