ブギーポップは笑わない VSイマジネーター

ブギーポップは笑わない VSイマジネーター

上遠野浩平の小説『ブギーポップは笑わない VSイマジネーター』のコミカライズ作品。帰国子女の少年、谷口正樹と、彼が一目惚れした少女の織機綺が巻き込まれる、大きな陰謀の陰を描いたSF群像劇。KADOKAWA「月刊コミック電撃大王」2018年8月号から連載の作品。

正式名称
ブギーポップは笑わない VSイマジネーター
ふりがな
ぶぎーぽっぷはわらわない ばーさすいまじねーたー
原作者
上遠野 浩平
作画
ジャンル
異能力・超能力
 
サスペンス
レーベル
電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
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あらすじ

第1巻

谷口正樹はクラスでの人気を妬まれ、安能慎二郎がけしかけた下級生に絡まれていた。しかし、そこに織機綺が乱入したお陰で事なきを得る。織機に一目惚れした谷口は彼女と積極的に交友を育んでいくが、それは二人の日常を変化させる大きな転機となった。織機の正体は統和機構の合成人間「カミール」であり、彼女はスプーキー・Eの命令に唯々諾々と従っていたのである。谷口との交流で少しずつ前向きになりつつあった織機だったが、そこにスプーキー・Eが襲来した事で、二人の和やかな日常は終わりを告げる。織機はスプーキー・Eに殺されそうになった谷口を守るため、「ブギーポップを探す」という命令を谷口といっしょにこなしていた。そして谷口は織機の提案で偽者のブギーポップとして、夜の街で活動する事になる。その裏では、「世界の敵」を追う本物のブギーポップ、実験を繰り返す飛鳥井仁など、さまざまな者達が己の目的のために行動を開始していた。

登場人物・キャラクター

谷口 正樹 (たにぐち まさき)

中学3年生の帰国子女の少年。人当たりのいい爽やかな性格で、帰国してすぐにクラスメイトとも打ち解けた。しかし、女子に人気が出た事で安能慎二郎からは嫌われていた。安能を慕う下級生に絡まれていたところ、織機綺と出会い、彼女に一目惚れする。以降、積極的に彼女にアプローチし、着実に彼女と絆を育んでいく。浮世離れした彼女の行動に戸惑いつつも、推薦での高校入学が決まっていた事もあり、休みのたびに彼女と会う仲になる。だが、スプーキー・Eが織機と接触したのをきっかけに、彼等の起こす事件に巻き込まれていく。スプーキー・Eに処分されそうになるが、織機にかばわれ九死に一生を得る。その後は織機の提案で、ブギーポップを探すために、偽者のブギーポップとして活動し始める。実は格闘技を習っており、身体能力が高い。

ブギーポップ

黒ずくめの格好をした正体不明の死神。街で流行っている都市伝説に登場する。人が最も美しいとされる時に現れ、それ以上醜くならないように息の根を止めるといわれている。その正体は「宮下藤花」の中に眠る別人格で、「世界の敵」と呼ばれる者と戦う存在。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を口笛で吹きながら登場する。世界の敵である「イマジネーター」を探しており、その最中に見かけた安能慎二郎を助けるためスプーキー・Eと戦う。スプーキー・Eと戦うのはあくまで「ついで」であり、本来の敵は別にいると語っている。戦闘の際にはワイヤーのような物を使って敵を拘束して攻撃する。その戦闘能力は高く、人間以上の身体能力を持つスプーキー・Eをたやすくあしらうほど。

織機 綺 (おりはた あや)

谷口正樹が出会った中学3年生の美少女。無表情で浮世離れした雰囲気を漂わせ、人に嫌われる事をなにより恐れる。人に嫌われないためなら、初対面の異性と肉体関係を持つ事も躊躇(ためら)わないほどで、その筋では誰とでも寝る女として有名。下級生に絡まれていた谷口を助けたのをきっかけにして、谷口と交友を育んでいく。谷口とは自然と休みのたびに会う仲となり、年頃の少女のような顔を見せるようになる。実は統和機構の合成人間で、本来の名前は「カミール」。合成人間の中では「出来損ない」らしく、ふつうの人間と変わらない程度の能力しかない。そのため、スプーキー・Eの命令で人間との交配実験を行わされていた。スプーキー・Eからはふだんから虐待まがいの暴力を受けており、その様を谷口に見られてしまう。スプーキー・Eに殺されそうになった谷口を守るため、スプーキー・Eから命じられたブギーポップ探索に谷口を使うという条件を受け入れた。偽者のブギーポップとして活動し始めた谷口をサポートする形でいっしょに行動している。

安能 慎二郎 (あのう しんじろう)

中学3年生の男子。谷口正樹のクラスメイト。女子にモテる谷口を僻(ひが)んでよく絡んでおり、下級生を谷口にけしかけたりしていた。しかしスプーキー・Eに洗脳され、統和機構の手先となってしまう。洗脳後は周囲と軋轢を生まないため性格も丸くなり、成績も上昇。周囲の評判も自然と上がっていたが、それらはすべてスプーキー・Eの指令を果たすためで、安能慎二郎自身の感情と意志は死んでいた。その後、飛鳥井仁によってスプーキー・Eの支配から解放され、ブギーポップとの出会いで正気に戻る。

飛鳥井 仁 (あすかい じん)

国立美術大学進学コースを担当している予備校の教師を務める男性。白衣をまとった黒髪の青年で、洗脳された安能慎二郎の前に姿を現す。統和機構の存在を知っており、心を奪われた安能の事を不憫に思い、何らかの方法で彼を支配から解放した。

スプーキー・E (すぷーきーえれくとりっく)

統和機構の合成人間。獰猛な顔つきをした大男で、高い身体能力と電気をあやつる能力を持つ。手の平から放つ電磁波を人間の脳に照射する事で、感情や記憶を支配して洗脳する事が可能。この能力で安能慎二郎を洗脳し、支配下に置いていた。また織機綺の上位にあたる存在で、交配実験や情報集のため彼女に男性と積極的に肉体関係を持つよう命令を下している。統和機構の目的のため、「深陽学園(しんようがくえん)」に安能や織機を入学させようとしていた。安能を助けようとしたブギーポップと遭遇。ブギーポップにものの「ついで」で倒されそうになるが、安能を利用する事で逃げ出す事に成功する。その後はブギーポップに報復するため、織機にブギーポップの探索を命じる。非常に短気で粗暴な性格をしており、織機にもよく暴力を振るっている。

クレジット

原作

上遠野 浩平

キャラクター原案

緒方 剛志

書誌情報

ブギーポップは笑わない VSイマジネーター 全2巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉

第1巻

(2018-12-28発行、 978-4049122367)

第2巻

(2019-09-26発行、 978-4049127546)

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