概要
大型ショピングモールを有するダイダロス製薬会社のビルがテロ組織イカロスの亡霊によって爆破された。ビル内部の鉄骨に挟まった幼児や、事故の巻き添えで寝たきりになった女性を手術した外科医のブラック・ジャックは、製薬会社会長のゴアを訪問するも治療費の請求は断られてしまう。
登場人物・キャラクター
ブラック・ジャック (ぶらっくじゃっく)
天才的な腕前の外科医だが無免許。手術の報酬には法外な大金を要求する。子供の頃に母親と共に爆発事故に巻きこまれ瀕死の重傷を負ったが、名医の手術で奇跡的に一命を取り留めており、顔の縫い目や白髪はその名残である。 テロ組織イカロスの亡霊のリーダーロックにより無人島のイカロス島に連れて行かれ、細菌兵器のウィルスに苦しむテロ組織メンバーの治療へとあたっていく。
ゴア
ダイダロス製薬会社の会長。テロ組織によって自社ビルが爆破被害に遭い、その事故で負傷した患者の治療費を請求に来たブラック・ジャックを追い払う。
ラルゴ
ブラック・ジャックの家で飼われている雑種の犬。
ダイダロス製薬会社 (だいだろすせいやくがいしゃ)
『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』に登場する企業。難病の根絶を目標に掲げ、世界各国の研究施設に多大な支援を行なっている大手製薬会社。ゴアという中年の男性が会長を務めている。
琵琶丸 (びわまる)
ボロボロの身なりで旅をしている盲目の鍼師。ツボを鍼で刺す治療法を用いて、無料で病人を見て回っている。治療に使っている鍼は、ブラック・ジャックの手術用メスを鍛えている鍛冶師が製作した逸品。
ロック
両親を失う元凶となったダイダロス製薬会社を憎む、テロ組織イカロスの亡霊をリーダーとして率いる青年。組織の仲間がイカロス島で細菌兵器のウィルスに侵されたため、大金を積んでブラック・ジャックを島に連れてくる。
友引警部 (ともびきけいぶ)
無免許医のブラック・ジャックを逮捕しようと狙っている警察官。ダイダロスビルの爆破事故で負傷者が大勢出たために、治療を条件に拘留中のブラック・ジャックを解き放つ。
ピノコ
ブラック・ジャックの助手を務める、優秀なパートナーの少女。双子の姉の大きなこぶ(奇形嚢腫)の中に臓器などがバラバラのまま十数年間収まっていた状態から、ブラック・ジャックが人の形に成型した。 その経緯から未就学児童ぐらいの外見ながら、本人は18歳のレディと称している。
キリコ
元軍医。戦場で重症を負った兵士を薬品で死なせる際に感謝をされた経験から、患者の安楽死を引き受けるようになった。ビル爆破事故で重症を負った女性の治療を巡りブラック・ジャックと対立した後、細菌兵器の感染患者のために訪れたイカロス島の研究所にて再会する。
ミドリ
イカロス島で細菌兵器のウィルスに感染し苦しむ若い女性。テロ組織イカロスの亡霊のリーダー、ロックの婚約者にして生物学の専門家であるが、テロ組織の一味とは無関係。 計3名のウィルス感染者のうち、何故かミドリだけは症状の進行が遅い事にブラック・ジャックは疑問を抱く。
イカロスの亡霊 (いかろすのぼうれい)
『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』に登場する組織。リーダーの青年ロックを筆頭に数名の男女で構成されているテロ組織。
場所
イカロス島 (いかろすとう)
元は軍事施設で軍艦や戦車の残骸があちこちに残っている無人島。ロックの生まれた島であり、彼の両親はこの島の研究所の科学者だった。化学薬品の実験を度々行なったために島の生態系が変化し、奇怪な動植物が森に生息している。