ブラッディ・クロス

ブラッディ・クロス

混血の烙印を持つ、月宮と日向。2人はそれぞれの戦う理由を胸に、天使のもとで聖戦の手伝いをすることになる。聖戦という特殊な戦いに向き合っていく、2人のダークファンタジーアクション。

正式名称
ブラッディ・クロス
ふりがな
ぶらっでぃ くろす
作者
ジャンル
ダークファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

混血の証である烙印を持つ月宮。彼女が出会ったのは同じ烙印を持つ日向という青年だった。烙印を解くためには純魔族を倒す必要があるが、2人で協力して純魔族を倒したことにより、ひとつの烙印を2人で分け合うことになってしまう。そこに、月宮たちの戦いを見ていた純天使のが現れ、「烙印を解く代わりに、聖戦を手伝い、神の遺産を取ってきて欲しい」と持ちかける。

2人はその提案を受け、聖戦という大きな争いに巻き込まれていくことになるのだった。

登場人物・キャラクター

月宮 (つきみや)

プライドの塊のような女性。烙印を持つ混血だが、魔族寄りの力を持つため、血を操って戦う。また、相手が嘘をついているかどうかを見抜くことができる。プライドが高く人を使うことに慣れているが、一方で日向や尚のことを簡単に信じてしまう甘さを持っている。当初は続の部下として対価を得て働いていたが、聖戦を管理する「神葬」によって洗脳されてしまい、「神葬」の第4隊長として働かされていた。 のちに洗脳が解けてからは、元通り続の部下として働くようになった。実は前回の聖戦の生け贄になった柚花の生まれ変わり。

日向 (ひなた)

つかみどころのない飄々とした性格の青年。烙印を持つ混血だが、天使の血が強いため呪符を使って戦うことが多い。色々な呪符を組み合わせることを得意としており、「捕縛」や「転移」がよく使われる。続の部下だが、犯罪組織「アルカナ」にスパイとして潜り込んでいたことがあり、その時は月宮に敵だと思われて殺されかけた。 のちに続のもとに戻ってからは、彼の本来の目的である「聖戦というシステムを壊すこと」のために動く。実は前回の聖戦の神候補の天使の昴の転生体。

(なお)

続に忠誠を誓って取り入った青年だが、実は皐側のスパイ。日向と同じく呪符を使う戦闘方式をとるが、他に三つ又の槍を使った肉弾戦も得意。自分の「欲求」を確定した「願い」とする言霊を使うことで、その「願い」を実行できるという能力を持つ。続に取り入るのがうまく、当初はスパイとして活動することを楽しんでいたものの、次第に続に感化されていくようになり、最終的には皐のスパイとして働いたことを嫌悪するようになる。

(つづき)

純血の天使で、神候補序列第10位の青年。花村を従者とし、今回の聖戦での神候補として、神の遺産を狙う。基本的に人を使ってことを成し遂げようとすることが多く、自らはあまり動かない。人の好い性格で、あまり他人を疑うことはしたくない性分。しかしひとたび疑いが確定すれば、敵として認識し非情になる。皐は実の兄で、敵として割り切っているように見えるが、本心では複雑な思いを抱いている。

花村 (はなむら)

続に仕える純血の魔族の男性。本来の姿は犬で、嗅覚に優れている。料理がうまく、月宮にはその腕前を評価されている。かつて幼い頃の続に助けられたことがあり、その恩返しのために続に仕えている。武器は拳銃だが、基本的に前線に出ない続の護衛役を務めているため、矢面に立つことはあまりない。

(さつき)

続の兄。堕天使だが、堕天する前は純血の天使だった。神候補から神になるために「正常」を売ってしまったため、異常な言動を繰り返す。また、兄弟である続に対する正常な愛情も失ってしまった。月宮を生け贄にすることで聖戦を終了させようと企んでいた。

桃瀬 (ももせ)

猫の純血の魔族の少女。皐の4人目の猫だが、他の猫と違って皐の狂気を怖いとは思わなかったため、逃げ出すことなく皐の側にいる。皐の命令には忠実。人の影に入り込んだり、自分の影を操って他人になりきることができる。

和泉 (いずみ)

犯罪組織「アルカナ」の代表取締役の男性。普段は髪が黒いが、力を使う時は金髪になる。本来は魔族で、魔族の身で神になるために「アルカナ」という組織を作り、聖戦の神の遺産を手に入れようと目論んでいる。皐側、続側双方と手を組む機会があったため、その際に双方の神の遺産のコピーを入手している。

牧野 (まきの)

和泉の忠実な部下の男性で、和泉のことを「閣下」と呼ぶ唯一の存在。日向や尚、続からは「小物」扱いされているが、当初は幻術を用いて結界を作るなど、有能さが目立っていた。本来の姿は魔族。

九妃 (くき)

和泉が神候補に昇格した時に、黒印の代わりとして、生け贄になるために作られた少女たち。全員で9名いて、一人死ぬと、新しく次の一人が作られ、常に9人存在するようになっている。犯罪組織「アルカナ」の構成員であるため、一応魔族ということになっている。

常盤 (ときわ)

聖戦を管理する「神葬」のトップで、1番隊隊長の男性。黒印を持った、今回の聖戦の生け贄の一人。堕天使で、自分の死を避けるために今回の聖戦をコントロールしようと試みている。冷静で狡猾、それでいて高いカリスマ性を誇る。

(せつ)

聖戦を管理する「神葬」の監察方で、どこの隊にも属していない少年。常磐の言うことには忠実。背が低く、あまり言葉を発しない。任務となれば行動は素早いものの、月宮を神葬から奪還するという続の作戦には対応できなかった。

香撫 (かなで)

「萌え」が口癖の、「精神的ドM」を自称する少女。聖戦を管理する「神葬」の6番隊隊長だが、犯罪組織「アルカナ」に金で買収され、「神葬」をスパイしていた。情報収集後は「神葬」を離脱し、「アルカナ」の幹部として働く。その性癖から自分が危機的状況にあることを楽しむ傾向があり、戦いを必要以上に引っ掻き回すことが多々ある。

里堂 (りどう)

聖戦を管理する「神葬」の4番隊隊員を務める胡散臭い雰囲気の男性。常にモノクルをかけている。月宮に洗脳を施し、味方に引き入れた張本人。日頃から「マリアンヌ」という言葉を話すぬいぐるみを連れており、よく2人で話をしている。

大間 (おおま)

聖戦を管理する「神葬」の3番隊隊長。機転は今ひとつだが、人柄のいい男性。香撫とは犬猿の仲だと周囲には思われているが、それはお互いが犯罪組織「アルカナ」のスパイであることを隠すための演技であった。「神葬」脱出後、潜伏していたところを香撫の手で殺される。

(すばる)

前回の聖戦で破れた天使の男性で、かつて聖戦終了と同時に自ら命を絶った。実は日向の転生前の姿で、悲しみを繰り返す聖戦というシステムをあってはならないものと認識し、そのシステムを破壊するために今回の聖戦と時を同じくして自身が転生できるように細工していた。

柚花 (ゆずか)

前回の聖戦で黒印の持ち主となった、当時9歳の少女。昴陣営の幸せを願っていたが黒印が現れたため、火維が神になるための生け贄として捧げられて命を落とした。その際に、火維の神の慈悲によって転生させられる。その転生した姿が月宮である。

火維 (かい)

前回の聖戦で勝ち、神になった男性。傲慢で勝ち気な性格。自らの神としての力を振るうことを楽しみにしており、最初に神の力を使ったのが、柚花を転生させることだった。

集団・組織

アルカナ

秘密裏に聖戦関係の物や神の遺産を集める犯罪組織。和泉をトップとし、トップから配下までのすべてが魔族で形成されているが、それは表沙汰にしていない。神の遺産のなかでも上位の存在である創造の聖杯を所持しており、日向が世界を作り替えるためにそれを狙っている。

神葬 (かみほふり)

次の神が決まるまでの間、神の遺産、ひいては聖戦の管理をする組織。神の遺産の保護、または力の有りすぎる神の遺産の破壊も行っている。神候補以外の手に聖戦の神の遺産が渡らないように手を下すのも役割の一端としている。

その他キーワード

哭帝 (こくてい)

皐が手のひらから出現させることのできる、黒い柄に刃の部分が皐の体の半分以上ある長刀。皐自身が直接誰かと戦うことはめったにないため使う機会は少ないが、いざ哭帝を抜いた皐はすさまじい戦闘力を誇る。

神の遺産 (かみのいさん)

莫大な力を秘めた物品のことをそう呼ぶ。世界中に散らばっているものもあれば、聖戦のたびに出現するものもある。月宮はこれを6つほど所持していたが、のちに尚によって奪取される。犯罪組織「アルカナ」はこれを20個以上は確保している。聖戦の神の遺産にはナンバーがあるが、世界中に散らばっている神の遺産は特にナンバーはない。

王冠の章 (けてるのしょう)

聖戦の第1の神の遺産のひとつ。混血の烙印を解くことができる預言書で、開くためには預言書の鍵を必要とする。この双方の神の遺産を手にした続の手により、月宮と日向の烙印が解かれた。智恵の章と共に、次に現れる神の遺産を予見する能力を持つ。

預言書の鍵 (よげんしょのかぎ)

聖戦の第1、第2の神の遺産のひとつ。王冠の章や深淵の章などの預言書を開くことができる鍵。聖戦の神の遺産の預言書によって、使える鍵は違う。王冠の章の預言書の鍵は続が持っているが、深淵の章の預言書の鍵は皐が所持している。

深淵の章 (だあとのしょう)

聖戦の第2の神の遺産のひとつ。預言書で、皐と桃瀬が内容を確認した。黒印の血を神候補が飲むという、神になるための方法が記載されており、皐はそのために、黒印を持つ者を探すようになった。

二本の剣 (にほんのけん)

聖戦の第3の神の遺産。燭台と智恵の章と同時に出現した。当初、「剣の出現」という情報から一振りの剣が出現するものと考えられていたが、この遺産は2本の剣がそろってはじめて神の遺産となるものであった。続たちが手に入れる。

燭台 (しょくだい)

聖戦の第4の神の遺産。二本の剣と智恵の章と同時に出現した。預言書を読みやすくするためのもの。皐はこれを手に入れ、深淵の章を大分読み進めることができた。

智恵の章 (こくまーのしょう)

聖戦の第5の神の遺産。二本の剣と燭台と同時に出現した。王冠の章と共に、聖戦で出現する神の遺産のことが書かれている書。王冠の章や深淵の章とは違い、智恵の章は預言書の鍵を必要としない。続が手に入れた。

聖櫃 (せいひつ)

神の遺産のひとつだが、聖戦に関係する遺産ではない。神からの戒めの言葉が収められた箱で、長く行方が分からなかった。長い間盗難と買収を繰り返し、ある屋敷の主人によって屋敷内に隠されていたのを、月宮と日向が回収に向かった。

雷槍グングニル (らいそうぐんぐにる)

神の遺産のひとつで、強大な戦神の力を宿し、神撃を生み出す。神の遺産のなかでも武器の形をしたものは数多くあるが、これは槍型のもの。神の武器の中で最高の追撃率を誇る。

絶つもの (せいばー)

神の遺産のひとつで、すべてを粉砕することができるという武器型の遺産。和泉が桃瀬の手を経由して、皐から譲り受けた。和泉の手によって形を変えることができ、同盟を組んでいるはずの桃瀬に向かって剣を振り上げたことがある。しかし、桃瀬を殺すことはしなかった。

氷雨 (ひさめ)

神の遺産のひとつで、斬ったものすべてを凍りつかせる能力を持つ武器型の遺産。和泉が桃瀬の手を経由して、皐から譲り受けた。和泉が愛用する武器で、普段は犯罪組織「アルカナ」の本部に厳重にしまわれている。

創造の聖杯 (そうぞうのせいはい)

神の遺産のひとつだが、聖戦に関する遺産ではない。聖戦の神の遺産に匹敵する力を秘めているため、各陣営がこぞって手に入れたがっている。日向はこれを使って、聖戦のシステムを無くそうとしている。聖戦のシステムを管理する能力がある。和泉の手元にある鏡の中に入っていて、和泉はいつでも取り出すことができる。

神蔵 (かみぐら)

常磐の執務室にある、聖戦を管理する「神葬」の機密情報を収めた核というべきもので、「神葬」が所有するすべての神の遺産が記録されている。スパイとして「神葬」に潜入していた日向と尚、香撫たちは神蔵を破壊することで犯罪組織「アルカナ」への帰還の手みやげとした。

周音 (あまね)

聖戦を管理する「神葬」で唯一使える外との連絡手段。各隊長のみ持つことが許されており、これが故障すると外との連絡がまったくとれなくなる。日向と尚は大間の周音を奪って外と連絡を持とうとした。しかし、そこを「神葬」の隊員に見つかってしまい、日向と尚にスパイ疑惑が持ち上がった。その時、同じ神葬のスパイである大間の機転によって助けられた。

聖戦 (せいせん)

次の神を決めるためのゲームのこと。2人の神候補が戦い、勝った方が神となる。大体半世紀おきに行われる戦いで、13の神の遺産をすべて集め、神座にて黒印の血を飲むことで次の神になれるというのがルール。続と皐はこれを巡って争っている。

混血 (こんけつ)

天使と人間、または天使と魔族との混血のことを指す。混血は天使の間では忌み嫌われる存在であり、人間、魔族側からも受け入れられない存在として扱われる。混血には血の呪いの烙印が刻まれている。

烙印 (らくいん)

別名「血の呪い」と言われ、混血のみ地肌に現れる十字形の痣のこと。18歳までに純魔族の血を飲むか、神の遺産によって烙印を消してもらわなければ、血の呪いが発動して死んでしまう。

神候補 (かみこうほ)

純血の天使の中から2人だけ選ばれる、神になるための候補者。先に13人の神候補の候補が選ばれ、そのなかから実際に争う2人の神候補が最終的に選出される。今回の聖戦における神候補は、続と皐。

黒印 (こくいん、くろじるし)

神と神の契約において、聖戦の時に現れる生け贄の証。1回の聖戦において必ず2名が選ばれるようになっており、今回は月宮と常磐が選ばれて黒印が刻まれた。彼らの血を飲むことで、神候補は神になることができる。

SHARE
EC
Amazon
logo