ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~

ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~

若き新人言語学者が、人間のいない魔界まで赴き、ガイド役の少女との旅を通じてモンスターの言語やコミュニケーションを研究するという、新感覚のアカデミックな異種族交流型ファンタジー。「ヤングエースUP」で2018年3月9日から配信の作品。

正式名称
ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~
ふりがな
へてろげにありんぎすてぃこ いしゅぞくげんごがくにゅうもん
作者
ジャンル
モンスター・異生物
関連商品
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あらすじ

第1巻

新人言語学者のハカバは、師事していた教授が腰をケガした事により、彼の調査の後任として指名され、魔界を探索する事になった。仕事の内容は魔界に住んでいるモンスターのコミュニケーションの調査。単身での魔界探索に不安を覚えながらも現地入りしたハカバを迎えたのは、ワーウルフでガイド役の少女のススキだった。人間の言葉が理解できるススキを不思議に思ったハカバは、彼女の父親が教授であり、ワーウルフの女性、枯れ草とのあいだに生まれたハーフの娘という衝撃の事実を知る。ワーウルフの村で歓迎されたハカバは、慣れない現地語を駆使してなんとかコンタクトを取り、教授の足跡をたどりつつ、彼らとの関係を深めていく。(第1話。ほか、10エピソード収録)

登場人物・キャラクター

ハカバ

言語学者の男性。若くて線が細く、経験も少ない新人。師事していた教授が腰をケガしてしまったため、後任として指名され、一人で魔界入りしてモンスターの言語やコミュニケーションを調査する事になった。教授の教えにより、ワーウルフの基本的な言語は一通り理解している。ただし、人間の喉では現地の言語は「はじめまちて」「わかりまちた」のように発音が拙くなる事から、現地のモンスターには幼児のような喋り方をする人物に見えていた。当初は人間のいないモンスターの世界に踏み込む事に不安を抱いていたが、ガイド役の少女であるススキの助けと、予想より遥かに穏やかなモンスター達に助けられ、苦心しながらも、地道かつ確実に調査を前進させていく。教授からさまざまな知識が記された覚え書きをもらっており、旅の最中に参考にしていた。控えめでおとなしい性格をしているが、教授譲りの体当たり精神で実地調査を繰り返すなど、見た目とは裏腹の根性の持ち主。ススキやリザードマンからは「センセイ」「センセー」と呼ばれている。

ススキ

人間とワーウルフのあいだに生まれたハーフの少女。父親は教授。容姿は人間に近いが、頭部に狼の耳が生えているのが特徴。モンスターと人間の言葉の両方を理解できるため、魔界入りしたハカバのガイド役を任されている。まだ小さく、喋り方もたどたどしいが、モンスターの生態には詳しい。ハカバの旅に付き添い、さまざまな面でサポートをしていた。狩りは苦手だが手先が器用で、道具を作るのを得意としている。記憶力にも優れており、習得が難しいハーピー事「枝足」の身振り言語も、動きをよく観察して習得を果たしている。ハカバの事は「センセイ」と呼んでいた。ハカバになでられるのが好き。

教授

言語学者で探検家の男性。専門は魔界の言語とコミュニケーション研究。若い頃から魔界を単身で調査しており、モンスターの言語にも精通している。自身の危険を顧みず、体当たりで草の根から調査を進められる根っからの学者。ワーウルフの村で知り合った若い女性、枯れ草とのあいだにススキという娘をもうけている。体力には自信を持っているが、魔界からの調査帰りの気球から降りる際に腰を痛めてしまい、調査の後任としてハカバを指名する。

枯れ草 (かれくさ)

首元にスカーフを巻いているワーウルフの女性。知的で美しい瞳の持ち主。魔界調査をしていた若かりし頃の教授に、現地の言葉を教えていた。のちに教授から求愛され、彼とのあいだに娘のススキをもうけている。人間の言葉を喋る事はできないが、聞き取りは可能。そのため、教授の代わりに魔界調査にやって来たハカバの面倒を見ていた。

カシュー

リザードマンの女性。ウロコが赤いのが特徴。海沿いの集落から食料を求めてゴブリンの洞窟に出向いた際に、ハカバ達と出会い、共に旅をするようになる。ハカバからウロコの色を褒められた際に、それを求愛と受け止め、弟のケクーに子作りの相手ができたと話して喜んでいた。体温が暖かいススキを気に入っており、よく抱っこして遊んでいる。発音の関係で、ハカバには会話の所々が聞き取れないため、吹き出し内のセリフが「よろ●く」「あな●はゴブ●ン?」など、言葉が歯抜けの状態になっている。

ケクー

リザードマンの男性。カシューの弟。ウロコが青いのが特徴。海沿いの集落から食料を求めてゴブリンの洞窟に出向いた際に、ハカバ達と出会い、共に旅をするようになる。家を作る事を得意としているが、本人がそう思っているだけで、実はかなり不器用。発音の関係で、ハカバには会話の所々が聞き取れないため、吹き出し内のセリフが「私●の仲間」「姉がついて●く」など、言葉が歯抜けの状態になっている。

グークー

年若いドラゴン。性別は不詳。カシューやケクーの仲間で、ハカバが「死の町」を訪問した際に出会った。まだ若いが、すでにカシュー達よりも一回り大きい。リザードマンと同様、相手の頭に顎を乗せるという、独特な挨拶をしていた。

場所

魔界

多種多様なモンスターが暮らしている地域。人間は住んでおらず、モンスターによる独自の文化が発展している。人間とモンスターが戦争状態だった時期もある事から、人間には一般的に野蛮かつ危険な世界と認識され、恐れられている。公用語は存在せず、種族間でコミュニケーションを取る時は、それぞれが扱う言語や発音を交えた混合言語を使う。死生観は人間と大きく異なり、家族であっても死者は異種族を含むみんなで分けて食べる習慣がある。それが死者への敬意を表す事につながっている。

その他キーワード

ワーウルフ

獣人の一種で、二足歩行をする狼型のモンスター。教授曰く、人間にかなり近い種で、手先がとても器用。生活様式も文化的で、定めた居住地に集まって家を作り、集団生活を営んでいる。料理や道具の作成、楽器の演奏なども得意。息を吸う時に発音するという、人間とは大きく異なる言語を扱う。鋭い嗅覚を持っており、匂いから多くの情報を読み取れる。そのため音声による会話よりも、嗅覚によるコミュニケーションの方が比重が高い。挨拶時に親愛の情を示すため、相手の顔をペロペロとなめるのが特徴。

スライム

透明で不定形な、アメーバに似た生物。現地では「分かる水」と呼ばれている。教授曰く「人より高知能」との事。振動を言語としており、対象に接して直接振動を伝えている。「鳴き声」という振動を聞き取る器具を介して、ほかのモンスターと意思の疎通が図れる。身体を自由に分離して、別動隊にできるという能力を持ち、別動隊がほかのスライムに合流した場合は、そのスライムが別動隊の記憶や喋り方も受け継ぐ。寒い場所が苦手で、本格的に寒くなる前に暖かい場所を求めて移動する性質を持っている。サイズが大きいほど知能が高い。

リザードマン

ワニによく似た容姿を持つ、二足歩行の爬虫類型モンスター。ワーウルフなどからは「大きなあご」という名で呼ばれている。強靭な身体を持っており、力がとても強い。人間と同じく、吐く息で発声を行う。ワーウルフの言葉を喋る時は、喉元を膨らませる音と、歯のあいだを通す音を代用して、会話を成立させている。舌で味を感じ取れないため、食べ物のよし悪しは手触りと見た目で判断する。色覚に優れており、人間には読み解く事ができない色文字を扱う。挨拶の際に相手の頭に顎を乗せたり、会話の途中で口を開けたまま動きを止めるなど、コミュニケーション方法もかなり独特。

クラーケン

海に住んでいる巨大なタコのような生物。人間の世界では船を沈めるモンスターとして知られている。魔界では「ぬれた足」という名で呼ばれていた。体色を変化させる事ができ、黄色は肯定、白は否定やマイナスなど、自身の感情を体色で表せる。陸の住人と交流と取引をするために海辺に姿を現し、海産物と引き換えに光り物や珍しい物を持ち帰っている。色覚に優れたリザードマンとは体色で、色覚が限られるワーウルフとは足の動作を駆使した言葉でコミュニケーションを取り、取引を成立させていた。

ドラゴン

炎を吐く巨大な龍。ワーウルフからはリザードマンと近縁の扱いとされ、「大きい大きなあご」と呼ばれている。生きているあいだ、成長をし続ける強大なモンスターで、年老いて動けなくなったドラゴンは地下空洞などで暮らすようになる。若い頃は普通にコミュニケーションを取れるが、巨体になるほど声が重低音化してただの振動のようになり、他種族はおろか、同じドラゴンでもなにを言っているか聞き取れなくなってしまう。そのため、振動を言語として扱うスライムのみが、最期を見とる役割を果たせる。なお、肉は非常に美味しい。

ハーピー

猛禽類に似た姿をしている空飛ぶモンスター。魔界では「枝足」と呼ばれている。人間界では醜く凶暴なタイプか、美しく人を惑わすタイプが言い伝えられているが、ハカバが遭遇したものはそのどちらでもなかった。ハーピー同士は音声で会話するが、他種族とは発声可能な音域がまるで異なるため、頭や手足の動作による言語でコミュニケーションを取っている。ハカバもその身振り言語を学ぼうとしたが、あまりにも動きが速すぎるため、習得に苦心していた。

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