あらすじ
第1巻
ガン焼きした肌にグレーの髪の毛、さらに鋭い眼光を持つギャルっぽい風貌の恋屍川あかねは、転入した先の高校でクラスメイトを恐怖させることとなった。あかね自身はみんなと純粋になかよくなりたいと思っていたが、前に住んでいた島であかねはゾンビとして生まれ変わっており、このことが大きな問題となっていた。となりの席になった西村千佳は、あかねに優しく接してくれるものの、ゾンビとしての本能から、あかねは千佳を食べたくなってしまう。そんな抑えきれない衝動を発散するため、あかねは授業を放棄して教室を飛び出す。休み時間が終わっても教室に帰ってこないあかねを心配し、彼女を探しに向かった千佳は、うさぎ小屋でうさぎにかぶりつくあかねを発見する。しかし、そんなあかねの姿を見て動物が好きなのだと勝手な解釈をした千佳は、あかねに対して親近感を抱くのだった。(エピソード1。ほか、12エピソード収録)
登場人物・キャラクター
恋屍川 あかね (こいしかわ あかね)
とある高校に転校したばかりの女子高校生。グレーの髪をポニーテールでまとめている。真っ黒にガン焼けした肌を持ち、どこからどう見ても完璧なギャル。そのため、まじめな生徒が多い新クラスで非常に恐れられていた。実は前に住んでいた島でゾンビになっており、素性を隠して心機一転するつもりで今の高校へと転入した。人間の友達を欲しがっているが、クラスメイトが食料に見えて興奮してしまい、みんなの前でよだれをたらしたり、授業中にお腹の音を何度も鳴らしたりと、制御しきれない食欲につねに悩まされている。となりの席になった西村千佳となかよくなりたいと思っているが、千佳のことをすぐに食べたくなってしまうため、そのたびに自分の腕を嚙んで劣情を抑えている。本来はギャルではなく、髪の毛がグレーなのはゾンビになってから勝手になったもので、ガン焼きの肌は血色の悪さを隠すため。死臭をごまかすために家庭用消臭スプレーを毎朝欠かさずかけるなど、ソンビバレしないように努力を続けている。ゾンビであるため走ることができず、夜はまったく眠くならない。また、生肉が何よりの好物で、火を通したふつうの料理はあまり好きではない。たまに手足がもげるが、くっつけておけば30分程度で元通りになる。
西村 千佳 (にしむら ちか)
転校生してきた恋屍川あかねのクラスメイトの女子高校生。あかねのとなりの席に座っている。優しい性格で、ギャルっぽい風貌のあかねに戸惑いつつも、彼女の面倒を見ていた。あかねの格好よさに惹かれており、友達になりたいと思っているが、ギャルのあかねとは住む世界が違うという理由でコンプレックスを感じており、なかなか口に出せずにいる。根が鈍感なため、あかねがゾンビであることにはまったく気づいていない。寝起きが悪く、遅刻の常習犯であるだけでなく、授業中にもよく居眠りをしている。
上原 (うえはら)
眼鏡をかけた高校教師の男性。生徒指導を担当しており、ルールには非常に厳しい。「腐ったミカン」方程式の信奉者で、ギャルである恋屍川あかねのことを、ほかの生徒に悪影響を与える問題児であると認識し、警戒している。本心では生徒ともっとなかよくなりたいと考えているが、接し方がよくわからず、アニメやドラマに出てくるような教師に似た、極端な振る舞いをしてしまうことを思い悩んでいる。
山崎 さくら (やまざき さくら)
フリーライターの女性。年齢は31歳。かつてとある離島に取材に行った時に、島民がゾンビになる原因不明のゾンビパニックに巻き込まれた。生存者と協力し、島から脱出することに成功したものの、一連の出来事は大人の事情で闇に葬られることとなった。島内を逃げ惑っている際に、ゾンビ化したにもかかわらず意識がある恋屍川あかねを保護し、島から連れ出して自宅に匿った。あかねの境遇を憐れんでおり、あのままゾンビとして死んでいた方が幸せだったかもしれないと、今も思い悩んでいる。