概要・あらすじ
大きな産声を上げてジャルジェ家に誕生した待望の赤ちゃんは、男の子ではなく女の子だった。その子はオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェと名付けられ、男の子として育てられることに。やがて、アンドレ・グランディエと共にたくましく成長したオスカルは、マリー・アントワネットに仕えることで、自らの生き方を大きく左右されることになる。
登場人物・キャラクター
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ (おすかるふらんそわどじゃるじぇ)
貴族の名門ジャルジェ家に生まれ、男として育てられた女性。生まれた時の泣き声が大きすぎて、父親であるレニエ・ド・ジェルジェに男の子と思われてしまった。おっちょこちょいでケンカっ早い性格。誕生日がクリスマスと同じであることを、ひそかに損だと思っている。バラの花びらを食べるのが好きで、色んな食べ物に入れてしまう。アンドレ・グランディエのことを愛しているが、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンのこともちょっと気になっている。 酒癖が悪く、飲むとすぐに暴れてしまうところが玉にキズ。
アンドレ・グランディエ (あんどれぐらんでぃえ)
マロン・グラッセの孫。オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの遊び相手として、子供の頃にジャルジェ家へ迎えられた男性。オスカルと共に育ったため、オスカルにはタメ口をきく。オスカルを愛するがゆえに、日々妄想しては翻弄されている。どこへ行くにも何をするにも常にオスカルと一緒だが、損な役回りからは逃れられない。
マリー・アントワネット (まりーあんとわねっと)
フランスの王太子妃。のちにフランス国王妃となる。好き嫌いがはっきりしているため、迂闊な発言で周囲の人々とのトラブルを招いてしまうことも。ルイ16世と仲良く暮らしながらも、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンが気になっている。気まぐれな性格だが、大のお気に入りであるオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェに対しては人一倍目をかけている。 笑顔のまま寝てしまうという特技の持ち主。実在した人物のマリー・アントワネットがモデル。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン (はんすあくせるふぉんふぇるぜん)
スウェーデンの上院議員を父親に持つ男性。仮面舞踏会でマリー・アントワネットと運命的な出会いを果たす。オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェに密かに思われながらも、その思いに気づくことはなかった。愛のない結婚を選んだことでオスカルから責められるが、生涯、アントワネットを愛し続ける。最近は韓国料理に凝っている。 実在した人物のハンス・アクセル・フォン・フェルゼンがモデル。
ルイ16世
フランスの王太子。のちにフランス国王となる。マリー・アントワネットとは政略結婚だったが、持ち前の優しさを発揮しながら楽しく暮らしている。物静かで穏やかな性格が災いしてか、王室では影が薄い。趣味の錠前作りに没頭するあまり、アントワネットからはいつも呆れられている。実在した人物のルイ16世がモデル。
ロザリー・ラ・モリエール (ろざりーらもりえーる)
パリの下町でオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェに拾われた女性。実はマルティーヌ・ガブリエル・ド・ポリニャックの隠し子だったが、召使のラ・モリエールに育てられた。首飾り事件でフランス王室を危機に追いやったジャンヌ・ド・ラ・モット・バロアの義理の妹。か弱そうに見えるが、何でも器用にこなしてしまう。 現在はジャルジェ家にてレディとして修行中。
ジェローデル
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの部下で、貴族の将校の男性。大の猫好きで、猫に話しかける時は言葉遣いが別人のように変わってしまう。猫のためなら、お金に糸目をつけないところも。上官であるオスカルを「マドモアゼル」と呼んで求婚するが、こっぴどく断られる羽目に。
マロン・グラッセ (まろんぐらっせ)
アンドレ・グランディエの祖母。ジェルジェ家にオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの乳母として仕えている女性。オスカルが立派に成長した現在でも「お嬢様」として接しており、オスカルの良き相談相手でもある。韓流の先駆けとして日本にブームをもたらした「冬のソナタ」の大ファン。
ル・ルー・ド・ラ・ローランシー (るるーどらろーらんしー)
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの姪。自分が三等身であることを気にしている女の子。大人になったら、自分もオスカルのような美人になると信じて疑わない。お化けを見ても驚かない強さの持ち主だが、テレビの有名人に夢中になるなど、女の子らしいところもある。
レニエ・ド・ジェルジェ (れにえどじぇるじぇ)
ジャルジェ伯爵家の当主。オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの父親。オスカルを、ジェルジェ家の跡継ぎとして、女であることを容赦せずに厳しく育てた。妻に花を贈ろうとしたり、お忍びでメイド喫茶へ行ったりなど、堅物だった本編では見られなかった一面も。
ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット (じゃんぬばろあどらもっと)
ロザリー・ラ・モリエールの義理の姉。貴族に取り入ることでのし上がり、数々の悪事を働く。フランス王室を相手取り、首飾り事件を巻き起こす。野心的な性格だが、古いものを大事にする古風なところもある。暴露本を書いたことで、人気作家の仲間入りを果たす。