ペンだこパラダイス

ペンだこパラダイス

1960年代後半の長崎県を舞台に、漫画家を目指す中学生男子の漫画への情熱、友情、淡い恋を描く青春グラフティ。ビートルズの初来日やグループサウンズの流行、マラソン選手の円谷幸吉の自殺、アポロ11号の月面着陸など当時の事件や時代背景と共に、「少年マガジン」を中心に世に出た名作漫画、当時の漫画少年に衝撃を与えた漫画雑誌「COM」などの60年代後半の漫画事情が描かれる。

正式名称
ペンだこパラダイス
ふりがな
ぺんだこぱらだいす
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

1966年、長崎県で暮らす中学1年生の古賀昇平は、親友の竹沢明彦と共に漫画に夢中になっていた。ある日、石森章太郎の「マンガ家入門」を読んで漫画の奥深さに衝撃を受けた昇平は、明彦と一緒に漫画の同人誌を作ることを決意する。そこに同じく漫画好きな笹本源二も加わり、同人誌「墨汁三滴」の制作に励む3人。

一方、昇平は東京から転校してきた美少女の野島小夜子に恋心を抱いていた。切ない恋心に身もだえしつつ漫画を描き進める昇平だが、初めての漫画制作はなかなか思うようにはいかず、夏休みを迎える。

登場人物・キャラクター

古賀 昇平 (こが しょうへい)

漫画家に憧れる中学1年生の少年。両親は幼い頃に離婚しており、母と2人で暮らしている。幼い頃から近所の貸本屋で漫画を読んで育った大の漫画好き。石森章太郎の「マンガ家入門」を読んで衝撃を受け、親友の竹沢明彦と共に同人誌を作ることを決意する。その後も東京から転校してきた美少女の野島小夜子に恋心を抱きながら、漫画家を目指す。

竹沢 明彦

古賀昇平の友達。昇平の幼なじみの同級生で、同じく漫画家に憧れている頭の大きな少年。九州方面では頭の大きい人を「ガボ」と呼ぶことから、「ガボンちゃん」のあだ名で呼ばれる。昇平と一緒に同人誌を作り上げ、共に漫画家を目指す。漫画に関しては理論派。

野島 小夜子

東京から古賀昇平のクラスへ転校してきた色白の美少女。自分の意見をハッキリと言う芯の強い性格で、体格のいい番長肌の笹本源二に凄まれても、まったくひるむことなく睨み返すほど。男子生徒の憧れの的となる。

笹本 源二

古賀昇平と同じ中学校に通う体格のいい少年。小学校では番長をやっていた。劇画が好きでさいとうたかをのファン。昇平と竹沢明彦が同人誌を作ると聞き、自分も参加させてほしいと申し出る。父は学校の教師で、「和子」という妹がいる。

松原 喜久男

笹本源二と小学校の時から一緒に漫画を描いていた小さな少年。いつもニカニカと笑顔を絶やさない。好きなギャグ漫画は『おそ松くん』と『丸出だめ夫』。古賀昇平たちが初めて作る同人誌にギャグ漫画を掲載するために執筆を頼まれる。

宮里 明美

中学2年に進級した竹沢明彦と同じクラスになった女子生徒。ショートカットで両頬にそばかすがあり、瞳が大きい。古賀昇平に可愛いと言われたことを明彦から聞き、学校から昇平と一緒に帰るようになる。グループサウンズが好きで「ザ・テンプターズ」のファン。

藤尾 節子 (ふじお せつこ)

古賀昇平と同じ中学校に通う女子生徒。おかっぱ頭でふっくらとした体型、切れ長の目で厚い唇。竹沢明彦に好意を抱いており、中学2年生の時に明彦と昇平を自分の誕生パーティに招待する。父親は工事の現場監督をしており、藤尾節子の口ききのおかげで昇平と明彦は工事現場のアルバイトに雇ってもらえた。

貸本屋のおばちゃん (かしほんやのおばちゃん)

古賀昇平と竹沢明彦が幼い頃から利用している貸本屋「となみ書房」を経営するおばあさん。昭和31年に発生した水害で夫と子供を亡くしている。昇平と明彦が借りた本を切り取っていることに気づき学校へ連絡しようとするが、2人が本の虫干しを手伝うことで許した。貸本漫画の衰退を受けて、妹夫婦と暮らすため店を閉めようとしている。

森山 圭一郎

漫画家志望の高校3年生。1冊だけ残っていた漫画雑誌の「COM」を買おうとして古賀昇平と出会った。昇平のほうが先だったが、自転車で2時間かけて買いに来たという森山圭一郎に譲り、それが縁で知り合う。漫画家になるため東京へ行ってアシスタントになろうとしている。

(うし)

和服を着た弁士のような姿の擬人化された牛。正式名称は不明。解説役として登場し、当時の時代背景や漫画作品、漫画の描き方などについて読者に説明する。なお、第16話では牛の解説中に作者である山本おさむが登場して、当時の漫画雑誌「COM」について語っているため、作者=牛、というわけではない。

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