新サラリーマン金太郎

本宮ひろ志の『サラリーマン金太郎(マネーウォーズ編)』の続編。アラビア王国帰りで、暴走族上がりの熱血サラリーマンの矢島金太郎が社長となり、古巣である建設会社を立て直す「ヤマトアラビア建設編」と、これまで明かされなかった金太郎の過去が描かれる「順不同編」で構成されている。「週刊ヤングジャンプ」2009年7号から2011年6・7合併号にかけて掲載された作品。

正式名称
新サラリーマン金太郎
作者
ジャンル
青春
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
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あらすじ

ヤマトアラビア建設(第1巻~第3巻)

アラビア王国でハッサン国王の国営事業を手伝っていた矢島金太郎は、世界恐慌の煽りを受けて多額の損失を出し、失意のうちに帰国する。ある時、恩人の大和守之助の墓参りに行った金太郎は、偶然、自分の古巣であるヤマト中央建設の役員、伊郷龍蔵達と再会。その際、ヤマト中央建設が倒産すると聞いた金太郎は、ハッサン国王にヤマト中央建設の買収を持ち掛ける。金太郎が社長になる事を条件に、ハッサン国王は買収を快諾し、ヤマト中央建設はヤマトアラビア建設として再始動。アラビア王国にやって来た金太郎は、新規プロジェクトを提案し、太平建設の常務、桜井仁と手を組む。ところが政治的思惑が働き、ヤマトアラビア建設の政治献金疑惑が浮上してしまう。これに応じて記者会見を開いた金太郎は、政治家や役人相手に、今までの汚職を全部ぶちまけると脅しをかける。一方、四国の大北町では、かつて金太郎が手掛けたメタンガスの採掘が成功する。だが、その功績を横取りしようと目論む勢力により、金太郎は巨額脱税疑惑で逮捕される。鷹司誠士が金太郎のため用意した弁護士の西郷重太郎が黒幕を暴き、金太郎の関係者は起訴を免れるが、金太郎自身は1年2月の懲役に処されてしまう。

「順不同」編 暴走族「八州連合」時代(第4巻)

15歳の矢島金太郎は、東京の工務店に就職が決まった。だが父親の矢島照男が殺人事件で服役している事を知られ、採用は取り消される。親切なバイク店の店主、古田に拾われた金太郎は、夜学に通うが、そこで暴走族の八州連合の総長、大川から目をつけられ、集会に誘われる。そんな中、バイク店が倒産し、金太郎の将来を案じた古田は心を鬼にして彼の事を追い出す。寂しさから暴走行為に参加した金太郎は、その喧嘩の強さを見込まれ、八州連合の2代目総長となり、勢力を拡大していく。19歳となった金太郎は、東京都内を揺るがす暴走行為を繰り広げ、これを機に八州連合を解散させる。少年刑務所に入所した金太郎だったが、出所後には矢島明美と結婚し、四国北方町に移住。しかし矢島竜太を産んでまもなく、明美は亡くなってしまう。一人で子育てに奮闘していた金太郎は、22歳の時に船で漂流していた大和守之助を助ける。

「順不同」編 「ヤマトアラビア建設」時代(第4巻)

ヤマトアラビア建設の社長になった42歳の矢島金太郎は、営業成績がトップクラスで、目上の者にも物怖じしない巨漢の丸山重太郎のモロさを一目で見抜く。ある日、重太郎が多額の損失を出してから出社していない事を知った金太郎は、意気消沈する重太郎を見つけ、腕相撲で勝負を挑む。

「順不同」編 「ヤマト建設」入社時代(第4巻~第5巻)

建設会社「ヤマト建設」に入社して半年。23歳で営業デビューした矢島金太郎は、上司の木下の一風変わった指導のもと、駅前の駐車場の案件を一人で担当する事となる。その土地の利益を搾取している暴力団系の金融屋に脅されるが、社長の黒岩に気に入られ、抵当権を外す事に成功。そんな中、営業の戦友として親交を深めた大城ユリの紹介で、大手ディベロッパー・ニューライフの正木光夫とマンション開発の契約を結ぶ。しかし正木は、リベートを受け取った別の建設会社と正規契約を結んだ事実が明らかとなる。激怒した金太郎はニューライフに乗り込み、正木を蹴り倒し、社長の後藤に捨て台詞を吐く。後日、社長室に呼び出された金太郎は、暴力事件を起こした責任を会長の大和守之助達から厳しく叱責される。

「順不同」編 出版社「快童社」社長時代(第5巻~第7巻)

刑期を終えた46歳の矢島金太郎は、出所早々に息子の矢島竜太の婚約者、徳田翔子を紹介される。翔子は妊娠しており、金太郎は自分がおじいちゃんとなる事に複雑な心境となる。そんな中、金太郎は出版社「快童社」の立て直しに執着する中村加代から、強引に社長に就任させられる。斜陽産業である出版社の大改革に取り組んだ金太郎は、保守的な社員達を尻目に電子出版を主戦場に舵を切る。金太郎は、会社で唯一の人気雑誌「少年アタック」の別会社化を承諾するが、その矢先、「少年アタック」がらみで暴力団「房州虎ふぐ一家」との揉め事が勃発。事の経緯を確認した金太郎は、房州虎ふぐ一家に単独で乗り込み、大立ち回りを演じる。それを聞いた社員達は、自分達の意思で金太郎のもとに駆けつける。

「順不同」編 金太郎の母(第7巻)

10歳の矢島金太郎は、金太郎の母と共に漁港の町に移り住む。しかし、金太郎の父親、矢島照男が殺人の罪で服役中だという事が知れ渡ってしまう。すると金太郎のクラスメートとなった千代が、おじを殺したのは金太郎の父親だと、金太郎に敵意を向ける。そんな中、照男と刑務所で同房だったという目付きの鋭い男が、離婚届を言付かったと金太郎の家を千代を伴い、訪ねて来た。その男は、照男が弟分の身代りで服役した事実を千代に伝え、千代と金太郎は和解する。金太郎の母は、その場で離婚届を破り捨てるが、その直後に過労で倒れて帰らぬ人となる。42歳になった金太郎は留置所で、そんな過去の日々を思い出していた。放免された金太郎は、自分の様子を見に来た照男の気配に気づくのだった。

登場人物・キャラクター

矢島 金太郎 (やじま きんたろう)

建設会社「ヤマトアラビア建設」の社長に就任した男性。矢島美鈴の夫で、矢島竜太と矢島美香の父親。金太郎の母と矢島照男の息子。前妻の矢島明美は竜太を産んで帰らぬ人となった。日本のサラリーマンを「自分の損得を第2として公なる利益のために協力し合い、あらゆる困難を乗り越え仕事をまっとうする」と定義づけている。 定時制江戸川工業高校を中退し、暴走族「八州連合」の2代目総長として都内で大暴れした事で、少年院に1年半入所していた過去がある。地頭がよく、持前の喧嘩のセンスを仕事にいかんなく発揮している。幼い頃に父親が殺人罪で服役していた事から、母親と共に苦労したため、逆境に非常に強い。老若男女問わず、ヤクザまでもを惹きつける人間的魅力がある。 船で漂流していた大和守之助を助けた事からヤマト建設に入社した経緯があり、ヤマトアラビア建設を立て直したあとは、刑務所に服役。その後、出版社「快童社」の社長となり、会社を立て直す。ヒマな時は飼い犬の「ロク」と江戸川で釣りをしている。

矢島 美鈴 (やじま みすず)

矢島金太郎の後妻。矢島竜太と矢島美香の母親だが、竜太とは血はつながっていない。元銀座の高級クラブ「ジャルダン」でママを務めていた。金太郎より8歳年上の美人で、非常に肝が据わっている。幅広い人脈を持ち、営業でも手腕を発揮している。子育てが一段落したからといって、女に戻るというタイプではないと自身も自覚している。 会社での役職が何であろうと、男はみなかわいいと言ってのけるほど母性が強い。旧姓は「末永」。

矢島 竜太 (やじま りゅうた)

矢島金太郎と矢島明美の子供。矢島美香の兄。大学生で経済学を勉強し、金太郎が脱税事件で刑務所に入所中、アメリカのハワード大学に合格した。留学中に知り合った徳田翔子と婚約し、物語ラストでは結婚式のシーンが描かれている。

矢島 美香 (やじま みか)

矢島金太郎と矢島美鈴の娘。矢島竜太の妹。金太郎が刑期を終えて出所した時には、三鷹の大学に入学し一人暮らしを始めていた。気が強く、はっきり物をいう性格で、新井という優柔不断なボーイフレンドがいる。ちなみに理想の男性は金太郎。

金太郎の母 (きんたろうのはは)

矢島金太郎の母親で、矢島照男の妻。照男が殺人の罪で服役したため、金太郎と二人で各地を転々としている。金太郎が10歳の時、漁港の町に移り住んでスーパーマーケットでの仕事が決まるが、過去を調べられて採用が取り消しになる。しかし金太郎にここで頑張ろうと励まされ、工事現場の誘導や漁港での魚の選別仕事などを掛け持ちして懸命に働くが、過労がたたり、亡くなってしまう。 夫を心底愛しており、自分の人生に何の後悔もないと金太郎に語っていた。

矢島 照男 (やじま てるお)

矢島金太郎の父親で、矢島光子の夫。殺人罪で長年服役している。目付きの鋭い男の親分を殺った弟分に、子供が産まれた事を知り、自分が身代わりとなり殺人の罪を被った。そのために妻や金太郎は各地で辛い日々を送っていた。物静かだが筋の通った男の中の男として、仲間内からの評価は高い。密かに金太郎の身を案じており、暴力団「房州虎ふぐ一家」と揉め、留置所にいた金太郎の様子を見に行き、久々の再会を果たす。 その時は横浜の港湾で働いており、金太郎からいっしょに暮らさないかと誘われるが、自分の望みは母さんのところへ早く行く事だと、やんわり断っている。

矢島 明美 (やじま あけみ)

矢島金太郎の前妻。少年刑務所を出所した矢島金太郎と、四国北方町の自分の実家に戻って、結婚するが、矢島竜太を産んで亡くなった。目が不自由だった様子。

前野 久美 (まえの くみ)

大手総合商社「東紅」の代表取締役を務めるバリバリのキャリアウーマン。アラビア王国との新規事業創出のアドバイザリー契約を結び、矢島金太郎と共に世界最大の超大粒粒子加速器の事業提案を行った。金太郎とは、派遣で東紅の受付をしていた頃からの知り合い。

春日 (かすが)

ヤマトアラビア建設で社長秘書を務める女性。矢島金太郎がヤマト中央建設で社長、伊郷龍蔵の社長室長を務めていた時代の同僚でもある。金太郎に思いを寄せており、あの手この手で金太郎にアプローチをかけている。あけすけに物を言うが、性格は天然気味。

伊郷 龍蔵 (いごう りゅうぞう)

ヤマト中央建設の会長を務めていた高齢の男性。現在は特別顧問をしている。鼻が赤く、顔中にホクロがあり、左眼には黒い眼帯をしている。ヤマトアラビア建設では、まだまだ毒の濃さは現役だと、矢島金太郎に霞ヶ関の喧嘩要員として、活躍の場を与えられる。建設省出身で日本拳法の達人。

大和 龍平 (やまと りゅうへい)

ヤマト中央建設の社長を務めている男性。大和守之助の実子。世界恐慌で会社が立ちゆかなくなった責任を自分の力量不足だと感じている。旅好きでアマゾンに行く夢を持ち、会社を矢島金太郎に任せるつもりで引退を考えていた。だが、社長に就任した金太郎から四国大北町の大規模工事の調整を任され、引退後に向けて続けていた禁煙を止めてしまう。

篠塚 洋子 (しのづか ようこ)

ヤマトアラビア建設のアラビアCEOを務める女性。尋常ではない迫力を持つ美人で、男のような口調で話す。ハッサン国王が側に置いて離したくないと噂されている才女。矢島金太郎とは、ヤマト建設の子会社、YMTランド時代の元同僚。

ハッサン

アラビア王国の国王の男性。矢島金太郎と共に国営事業に尽力していた。原油の採掘に依存した経済からの脱却を図り、自国の産業を立ち上げるべく奔走している。王族を特別扱いしない人物で、絶大なる人望がある。金太郎からヤマト中央建設の買収を持ち掛けられ、金太郎が社長になるという条件のもと快諾した。金太郎を高く買っており、自分の娘であるラニヤを第2夫人にしないかと持ち掛けたが、矢島美鈴の着物姿の美しさに圧倒され、前言を撤回する。

野中 純 (のなか じゅん)

ヤマトアラビア建設に勤めている男性社員。左眼元にホクロがある。元ラグビー部で入社2年目の資材部に所属しており、アラビア王国行きに真っ先に手を挙げた人物。仁義を重んじる熱血漢で、矢島金太郎を自らの目標としている。

(たき)

路上で占いをしている老婆。銀座のヌシ的な存在。小柄な体型でベレー帽をかぶっている。銀座で「ババの店」を経営していたが、手形の裏書きをした事で店を失い、路上占いに戻った。矢島美鈴と顔なじみで、美鈴か矢島金太郎のどちらかに新しい相手が現れ、離婚すると占った。美鈴からは「お滝さん」と呼ばれている。

アサド・ハリダン (あさどはりだん)

ヤマトアラビア建設に勤めているアラビア人の男性社員。父親は原油採掘の総監督官を務めている大金持ちで、柔軟な考え方をする人物。アラビア王国の未来に希望を託しており、積極的に野中純達、日本人サラリーマンとかかわろうとしている。

桜井 仁

太平建設の常務を務める男性。海外出張の多さが原因で10年前に妻と離婚。携帯電話を拾ってくれた矢島美鈴をお茶に誘った上品な紳士。次期社長と目されている人物だが、ダバイで受注した工事が縮小し、窮地に陥っている。社内の政治的思惑により、失脚しそうになった際、矢島金太郎の提案で、アラビア王国を本拠地に、日本の建設技術と経験を世界に発信する仕事の陣頭指揮を執る役職を与えられる。

宇津木 五郎 (うつき ごろう)

太平建設の海外事業部で、現場のレイバー(労働者)キャンプを取りまとめる男性。インド人やパキスタン人の労働者といっしょに、現場で寝起きしている。強面だが、労働者に優しい心配りのできる人物で、以前矢島金太郎がナビリアで成し遂げた仕事ぶりに感服し、金太郎を崇拝している。上司の桜井仁を慕っており、金太郎と桜井が手を組む事になった時は涙を流して喜んでいた。

麻倉 章次郎 (あさくら しょうじろう)

民亊党の幹事長を務める大物政治家の男性。牛乳瓶の底のようなメガネをかけた厚顔無恥な人物で、建設会社、太平建設の桜井仁を敵視する大城忠男と、日本建設業者連合会の会長、押田健次と癒着している。桜井と矢島金太郎が手を組んだ事から、金太郎を料亭で懐柔しようとする。

総理大臣 (そうりだいじん)

民亊党に所属している総理大臣の男性。気の荒い乱暴者が多い地域で育ち、金持ちだと目のカタキにされていたが、売られた喧嘩は片っ端から買って来た。右目の上に大きな傷跡がある。常識外れの記者会見を開いた矢島金太郎に好感を抱き、直接出向いて意気投合する。口ばかり達者な政治家を嫌悪している。

滝 一樹 (たき かずき)

東京地検特捜部の検事を務める男性。額の真ん中に大きなホクロがある。3兆円の巨額脱税で逮捕された矢島金太郎を取り調べる際、歯を折るほどのケガを負うが、それをひた隠しにしている。四国大北町の接収を目論んだ南四国の五島衆議院議員となんらかのつながりがあり、五島に取り込まれて金太郎の脱税容疑に大北町の件を絡めた張本人。 金太郎の弁護士となった西郷重太郎の後輩で、重太郎に黒幕の存在をつき付けられる。

鷹司 誠士 (たかつかさ せいじ)

四国大北町の町長を務める男性。鷹司の兄で、矢島金太郎の盟友。金太郎が手掛けた大北町の独立特区の成立とメタンハイグレード採掘成功に舞い上がり、金太郎の所得税の申告に関して注意を怠っていた、と自分を責めている。金太郎のために辣腕弁護士の西郷重太郎を紹介した。

鷹司 (たかつかさ)

財務省の官僚の男性。鷹司誠士の弟。額の真ん中に大きなホクロがあり、いつも不敵な笑みを浮かべている。矢島金太郎を高く買っており、その動向をつねに注視している。誇り高い性格で、現実的に革命を起こす最前線にいるのは自分達官僚だという自負を持っている。

西郷 重太郎 (さいごう じゅうたろう)

鷹司の大学の後輩の男性。巨額脱税で逮捕された矢島金太郎の弁護をする事になったヤメ検弁護士。強面の巨漢で、額と頬に大きな傷跡がある。総合格闘家として年数回リングに上がっている。「野獣検事」の異名を持つ辣腕弁護士で、早々に金太郎の脱税事件の黒幕に気づいた。

古田 (ふるた)

古田オートモータースの店主を務める男性。妻と二人暮らし。就職に失敗した矢島金太郎が、バイクを眺めていたところを、働いてみるかと声を掛けた。金太郎に部屋を用意して夜学に通わせた恩人。しかしバイク店が破産し、本心では金太郎に店を継いでほしいと思っていたが、金太郎が自分達を養おうとしている事を知り、彼のために泣く泣く追い出した。

大川 (おおかわ)

矢島金太郎と同じ江戸川高校に通う3年生の男子。暴走族、八州連語の初代総長。金太郎が時おり見せる仕草に、尋常ではないものを感じて声を掛けた。坊主頭でもみ上げと眉毛やヒゲが濃く、前歯は2本しかない。自分達は生まれつき最下層の人間だと考えており、せめてバイクで自由に走りたいと暴走行為を繰り返している。金太郎の喧嘩の強さに驚愕し、2代目総長を譲る決意を固める。

明智 (あけち)

交通課に所属する警察官の男性。矢島金太郎が暴走行為で警察に捕まった際、父親の矢島照男が殺人事件で服役していると知り、父親がどうであろうと、自分の将来を捨てるなと諭した。金太郎と椎名忠志のタイマン勝負を見守るなど、金太郎をいつも案じている。

椎名 忠志 (しいな ただし)

関東最強の暴走族「渋谷アシュラ」の総長を務める男性。暴力団、全道会総裁の次男。顔の右半分に大きな傷跡がある。関東から甲州を抑えるべく、勢力を拡大して来た八州連合の総長、矢島金太郎とタイマン勝負を行った。日本刀を持ち出してハッタリをかますものの、死闘の末に金太郎との勝負に敗れた際には、潔く負けを認めた。のちに、ヤマト建設の新入社員となった金太郎を間接的に助けるなど、昔の絆を大切にしている。

丸山 重太郎 (まるやま じゅうたろう)

ヤマトアラビア建設の営業一課に所属する男性。東和大学柔道部出身の巨漢で、入社3年目。営業成績はトップクラスで、将来の幹部候補生と目されている。一見、朴訥としているが、目には鋭い闘志を秘めており、今時の若い社員とは違うタイプ。しかし矢島金太郎からは、一度つまずくと壊れてしまいそうなモロい一面を予見されていた。

木下 (きのした)

ヤマト建設の営業三課で係長を務める男性。矢島金太郎の上司。入社半年の金太郎を当時の社長の黒川から任された。やる気がなさそうに見えるが、なにもないところから仕事を生み出す三課の仕事に誇りを持ち、独自のセンスで仕事をこなしている。指導する社員の言動に点数をつけるのをつねとしており、金太郎をわざと泳がせ、その仕事ぶりを陰から観察している。 暴力団系の黒沼投資ローンで成果を上げて来た金太郎を認め、将来ヤマト建設の社長になる人物だと断言した。

大城 ユリ (おおしろ ゆり)

保険会社「東和生命」で営業を務める女性。右眼の下にホクロのある美人で、メガネをかけている。ふだんはビジネススーツを着用し、知的な雰囲気を漂わせている。入社半年目の矢島金太郎が木下に連れて行かれたバーで知り合った。金太郎とは営業戦争の戦友同士として、親交を深める。マンションディベロッパーを探していた金太郎に、婚約中の正木光夫を紹介するが、その事で光夫の本性を知ってしまう。

野尻 (のじり)

東洋駅前の駐車場の地主である高齢男性。資産家なため、財産目当ての輩ばかりが近寄って来たせいで、相当偏屈な性格をしている。そのために営業という職業を信じていない。放蕩息子は、暴力団系金融の黒沼と手を組み、自分の財産を巻き上げようとしている。唯一、保険会社の大城ユリには心を開いている。自宅で倒れていたところを、ユリの口利きで訪れた矢島金太郎に助けられ、一命を取り留めた。

黒沼 (くろぬま)

暴力団系の黒沼投資ローンの社長を務める男性。暴力団、全道会の2代目組長となった椎名忠志の配下。サングラスをかけ、口ひげを生やしている。地主の野尻の放蕩息子を抱き込み、野尻の駐車場に30億円の抵当権を付けさせた。事務所に乗り込んで来た矢島金太郎を気に入り、善意で抵当権を外すハンコ代として2億円を要求する。

正木 光夫 (まさき みつお)

大手マンションディベロッパー「ニューライフ」の開発企画部に所属する若い男性。大城ユリと婚約中。口では大きな事を言うが、本音をぶつけられると逆切れする器の小さい人物。金太郎が段取りした仕事を横取りする恰好で、建設会社、青葉台建設の人間とリベート絡みの契約を結ぶ。会社に乗り込んで来た金太郎に蹴りを見舞われてケガを負うが、後日金太郎との和解の席で、会社を辞めて独立する事を宣言。 のちに、ユリからは婚約を解消された。

後藤 (ごとう)

大手マンションディベロッパー「ニューライフ」の社長を務める男性。財界の超大物だと注目を集めている。会社に乗り込んで来た矢島金太郎に口汚く罵られた事で、正木光夫が金太郎が根回ししていた案件を横取りした事実を知る。ヤマト建設を訪れ、金太郎に謝罪するが、金太郎が自社で暴れまわったせいで、自分が恥をかかなくて済んだと、金太郎には感謝の念を抱いている。

大和 守之助 (やまと もりのすけ)

ヤマト建設の創始者の男性。四国北方町で暮らしていた矢島金太郎に、船で漂流しているところを助けられたという経緯がある。ヤマト建設で会長を務めていた頃、金太郎を社会人として育てるため、ゼロから仕事を作る営業三課に配属させた。金太郎を厳しく叱責する事もあるが、金太郎を最強サラリーマンとして育て上げた人物。

徳田 翔子 (とくだ しょうこ)

矢島竜太の婚約者の女性。大学教授の徳田と名門女子高校の教師である母親とのあいだに生まれた、上品な美人。矢島金太郎が刑期を終えて出所した日に初対面を果たした。竜太とは留学先の大学で同じ研究室だった縁から交際に発展。既に竜太の子供を身ごもっている。

徳田 (とくだ)

北海大学の教授を務める男性。北海道在住。妻は名門女子高校の教師で、徳田翔子の父親。眉毛もヒゲも濃く、目の下にはクマがある。学者バカで、実社会の生活に疎い事を自認しており、初対面の矢島金太郎に刑務所がどんなところかを尋ね、意気投合する。

中村 加代 (なかむら かよ)

矢島金太郎の知り合いの大金持ちの老婆。質素な家に住んでいる。しわくちゃの顔にホクロが多数あり、前歯が2本飛び出ている。当初は大金持ちの大洲作次郎と、金太郎が出版社「快童社」を立て直せるかどうか賭けていた。その後、作次郎からすべての株を買い受けて、快童社のオーナーとなり、強引に金太郎に社長を任せる。広宣堂グループを立ち上げた創始者が、幼なじみで初恋の相手でもあったため、その人物がグループ内で一番大事にしていた快童社に強い思い入れがある。

大洲 作次郎 (おおす さくじろう)

金貸しや会社の乗っ取りを生業とする高齢の男性。ハゲ頭で、口ヒゲと顎ヒゲを生やした眼光するどい人物。中村加代の紹介で矢島金太郎と会い、買収した出版社「快童社」を任せたいと持ち掛ける。実は加代と、金太郎が会社を立て直すかどうか賭けている。金太郎の恩人である三田善吉の陰のスポンサーでもある。

野本 勝 (のもと まさる)

出版社「快童社」の社長を務める男性。年齢は67歳。穏やかで気弱な性格で、バーコード頭にメガネをかけている。新社長に就任が決まった矢島金太郎に、会社に対して情熱がないと一喝され、守りに入っていた自分を反省する謙虚な人物。

権田林 六助 (ごんだばやし ろくすけ)

大御所漫画家の男性。年齢は63歳。デビューして43年になり、現在も年に2~3億円は稼いでいる。かつて中村加代の運転手をしていた縁から、矢島金太郎のご意見番を頼まれた。現在の出版社のあり方が気に入らず、文句ばかり言っている。

品川 光次 (しながわ こうじ)

出版社「快童社」で全雑誌担当常務を務める男性。年齢は55歳。新社長に就任が決まった矢島金太郎に、以前から温めていたアイディアである、人気雑誌「少年アタック」の独立分離案を掛け合い、承諾を得る。かつては金太郎に反感を抱いていたが、暴力団、房州虎ふぐ一家と揉め事になった際、金太郎に解決してもらった事で考えを改めた。 のちに、再び警察に逮捕された金太郎から副社長に推薦される。

広田 完 (ひろた かん)

出版社「快童社」で総務・経理担当常務を務める男性。年齢は59歳。大きな丸メガネをかけ、つねに不機嫌な顔をしている。新社長に就任が決まった矢島金太郎に反感を抱き、電子配信は邪道で儲かるわけがないとの先入観を持っている。日本の文化を担っているという自負があり、出版人としてのプライドは高い。のちに、再び警察に逮捕された金太郎から新社長に推薦される。

真田 (さなだ)

情報通信会社「ファーストコミュニケーショ」ンの社長を務める男性。徳田の研究をサポートしており、矢島美鈴がママを務めていたバー「ジャルダン」の最上級の顧客だった。今や情報通信の世界におけるトップの人物と評されているが、謙虚で腰が低い。のちに、出版社「快童社」の社長となった金太郎から、タッチパネルと通信機能のみの完全本型モバイル、いわゆる電子ブックリーダーの製作を任される。

千代 (ちよ)

矢島金太郎が転入した小学校で、同じクラスになった女の子。冷めた目をしており、メガネをかけている。私のおじさんは金太郎の父親に殺された、と黒板に書いた事から、金太郎の父親の矢島照男が殺人犯だとの噂が広まってしまう。目付きの鋭い男から、金太郎のお父さんがおじさんを殺したのではないと聞かされ、金太郎と和解する。

目付きの鋭い男 (めつきのするどいおとこ)

矢島金太郎の住む漁港の町に現れた男性。強面な風貌で、目が据わっている。矢島光子をつけ回していたが、光子が工事現場で働く松田から絡まれているところを助ける。実は、刑務所で矢島照男と同じ房に入っていた人物で、照男から光子へ離婚届を言付かって来た。当初、自分の親分を殺った照男を仇として狙っていたが、のちに親分を狙った弟分に子供が産まれる事を知り、照男がその身代りとして出頭したと知る。 そんな照男の人柄に惚れ込み、千代に金太郎の父親が仇ではない事を教える。

集団・組織

八州連合 (はっしゅうれんごう)

関東の暴走族。初代総長を大川が務め、2代目の矢島金太郎が最大700人に勢力を拡大させた。さらに金太郎が、構成員1800人を数える東京最大の暴走族「渋谷アシュラ」の総長、椎名忠志に対マンで勝った事で、その勢力をも取り込んだ。金太郎が19歳の時、東京都内の主要道路を1万5000台で7時間に及ぶ伝説の大暴走を繰り広げ、その日をもって金太郎は八洲連合を解散し、少年刑務所に入所する。

房州虎ふぐ一家 (ぼうしゅうとらふぐいっか)

昔は房総一帯に力を持っていた暴力団。漫画雑誌「少年アタック」で連載している漫画家、天海のアシスタントを務める小林のオジが、房州虎ふぐ一家の一員だった事から、「少年アタック」編集部を相手に恐喝した。小林を使って、わざと漫画の中に自分達の組織の名前を入れさせ、コケにされたと慰謝料3億円を要求し、社員達を人質に取った。 さらに3億円を要求して来たため、矢島金太郎が組に一人で乗り込み、大暴れするという事態を招いた。

場所

ヤマトアラビア建設 (やまとあらびあけんせつ)

矢島金太郎が社長を務める建設会社。前身はヤマト中央建設。倒産の危機に陥り、アラビア王国から戻った金太郎がハッサン国王に買収を持ち掛け、アラビア王国の建設事業を請け負う事を提案。ハッサン国王が、金太郎の社長就任を条件に買収を承諾して発足した。日本国内とアラビア王国に人員を配置し、アラブ全域から東南アジア、オーストラリアなどを市場として建設工事を受注する展望を持つ。 創業者は大和守之助で、当時の社名はヤマト建設。

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