ボクの手塚治虫

ボクの手塚治虫

秋田県奥羽山脈で育った矢口高雄が、少年時代に手塚治虫のマンガに出会い、多大な影響を受けた自伝エッセイマンガ。『毎日中学生新聞』に連載されていた「おーい!! やまびこ」から手塚治虫の部分を抜き出して1冊にまとめたもの。

正式名称
ボクの手塚治虫
ふりがな
ぼくのてづかおさむ
作者
ジャンル
自伝・伝記
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概要・あらすじ

平成元年2月9日、マンガの神様、手塚治虫の訃報が矢口高雄のもとにあった。手塚先生の作品との出会いがなければ、マンガ家になっていなかったという矢口高雄は少年時代のこと、手塚作品との出会いのことを回想し描いていく。

登場人物・キャラクター

矢口 高雄 (やぐち たかお)

本名は高橋高雄。代表作の『釣りキチ三平』で広く知られる著者が、平成元年2月9日の手塚治虫の訃報を受け、少年時代の手塚作品との出会い、そして今日、マンガ家として活躍しているのは手塚治虫がいなくてはありえなかったという思い出を回想していく。著者である矢口高雄がモデル。

おふくろ

矢口高雄の母。アバとは秋田弁で母親のこと。子供のころから小説を読むのが好きで、仕事の合間や夜に読んでいた読書家。そのため、高雄が寝る前に毎晩本を読み聞かせていた。

イチ

矢口高雄の住む村の血気盛んな若者。タカオの伯母に気があり、理由をつけて遊びに来ていた。タカオに手塚治虫の『流線型事件』をプレゼントする。

長井 勝一 (ながい かついち)

月刊漫画『ガロ』の編集長。戦後物資のなかったころの思い出を語る。実在の人物、長井勝一がモデル。

清水 武 (しみず たけし)

タカオの東京にいる従兄。高雄の1つ上で、夏休みを利用してタカオの家に遊びに来た。手塚治虫の『メトロポリス』をタカオにプレゼントする。

松本 零士 (まつもと れいじ)

『銀河鉄道999』などのマンガ家。手塚治虫のマンガコレクターとしても有名。矢口高雄は、絵のうまい手塚治虫と絵の下手な手塚治虫がいると感じ、手塚治虫の偽物がいるのではないかという疑問を抱いた際に、松本零士にその答えを聞きに行った。松本零士の答えは、「描き版とよばれる製版技術で、版下屋がマンガの原稿にセルロイドを重ねて直接下の絵をトレースして版を作ったことから、下手な版下屋にあたると下手な絵になってしまう」ことだった。 この方が安価で版下を作ることが出来た。なお、絵が荒れてしまうことに対しては、生前の手塚治虫は「まいったよ」と言っていた。実在の人物、松本零士がモデル。

田中 千代松 (たなか ちよまつ)

大工であるタカオの父に弟子入りした若者。男兄弟のいないタカオの兄のような存在で、タカオを村のお祭りに連れて行く。村の映画上映でタカオはディズニーの『ピノキオ』を観るのだった。

卓兵衛 (たくべえ)

タカオの母の本家筋にあたる家の息子。大きな土蔵のある裕福な家に住む。マンガを読みたいというタカオに対し、マンガは読み終えた後、便所紙にしているという。その便所で、タカオは漫画誌『漫画少年』を初めて見るのだった。

手塚 治虫 (てづか おさむ)

昭和3年11月3日、大阪府豊中市に生まれ、3歳の時に兵庫県宝塚市へ移り住んだ。13歳にして、彼の作品の有名なキャラクターであるヒゲオヤジを生み出す。太平洋戦争中も漫画を描き、その枚数は3千枚といわれる。終戦後、すぐにデビュー。その後もマンガを描き続け、多くの作品で魅了する。 矢口高雄が実際に会ったのは、講談社出版文化賞児童まんが部門を受賞したときのみ。その前にS社のパーティでは、遠目に見ているだけだった。実在の人物、手塚治虫がモデル。

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